ひとしきりいじり倒して、ぐったりと、恍惚とした表情で溶けている玲さんを前に、ふといたずら心がむくむくと沸き起こる。
こういうときに、ゲームの世界というのは便利だ。
現実なら技術が必要だったり、下準備に時間をかけないと安全性に問題があったりすることも、ここでは操作一つで、何も心配することもなく没入することができる。
ふと、自分の義理の長姉を思い出す。
事あるごとに色事でからかってきたり、卑猥な行為への斡旋を口にしたりするのはいつぞやのトラウマを想起させて随分と厄介だ。厄介なのだけれど、いざ自分たちが行為に及ぶようになると、案外退屈しないというか、新鮮な楽しみも感じられて、煩わしさ8割の中に、1割程度の物珍しさと、もう1割ぐらいの楽しさが混じり込んでいるから、どうにも手に負えない。
今だって、斎賀の女の武術を無効化する緊縛術を教えます。などと言って、亀甲縛りやら菱縄やら、背面高小手やら、そういった緊縛術と、縛りの要のあれこれそれが脳裏に浮かび上がっている。
ニヤニヤとわらうしたり顔の義姉の幻影を追い払って、未だまどろむ玲さんのアバターに少なくない改変を加えた。
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ふわふわとした高揚感にまどろんでいたら、ふわっと、自分の体が浮かび上がるのを感じた。
すぅっと、力の入らない自分の体に、外から力が加えられて、無理やり体勢を変えられる。
重力演算が切れて、無重力になっている。から、自分がどちらを向いているのかも定かじゃなくて、地面が、空が、どちらかというのもわからなくなって。
そうして空中でふわりふわりと浮かんでいると、だんだん自分という形の輪郭すら定かじゃなくなってくる。
ふわふわとした気持ちよさと自分がどこまでも広がっていく浮遊感。
プールの中で深く潜って、ふらっと空を見上げた時のような。
そんなまどろみも、ギチッと自分を自分の形に締め戻す音でかき消えた。
「らく…ろうくん?」
気持ちよさの余韻も治らないままに、寝ぼけ頭はまだ覚醒していない。
一度背伸びでもして眠気を取ろうとしたところで、ぎしっと、自分の背中に束ねられたままの両腕が、前に回ってこない違和感に気がついた。
「えっ…?」
と口に出たのはどうしてという疑問。
そして、もう一度両腕に力を入れたところで、秘所周辺をずるっと何かが滑って、そのせいで私は嬌声を上げた。
「っんぅっ…..ひぃっ…!」
後から知ったが、この時、自分の体を縛りあげた縄の数々は、複雑に絡み合って、体のどこを身動いでも、最終、股に通された縄を動かして、自分の秘所に刺激を与えるようになっていたらしい。
とはいえ、そんなことも露知らず、身もだえて、遠回りな自慰は続く。
さっきまでの激しい絶頂とはまた違う、じんわりと、追い立てて追い詰めるような気持ち良さが身体中に広がって、自分という皮一枚の輪郭で反射して、自分の中で波紋を交錯させる。
寝ぼけ眼から覚醒した視界はまたぼんやりと歪みつつ、目の前に現れたモニターには、白い肌襦袢1枚に、赤い、紅い朱い緋い赫い麻縄に縛り上げられた、よく見たことある自分が頬を溶かしていた。
サラサラとした襦袢の肌触りが太ももを、二の腕を撫でる。それすら広範囲への愛撫に感じられて、ますます熱が高まっていく。
「おはよう玲さん」
「んっ….くふぅっ….ら、らく、ろう、くん…」
はぁはぁと吐いた吐息に色艶が混じる。
胸に回された縄が息を吸い込もうとしてもストッパーになって、浅い息しか許されず、そうして自分の呼吸が短いサイクルで繰り返される。
当然、呼気に混じる色艶は濃くなって、そしてその動きすら、緩やかで緩慢な自分の秘所への刺激となる。
「どう?気持ちいい?」
と、問いかける彼の声に、こくりと、首を振って返した。