※この作品はR-18です。

パペットプリンセス   作:伊駒辰葉

53 / 55
エロシーンありです。


操り人形

 ネクタイを引く。斎姫は激しくソファで暴れている。だが多輝は斎姫のネクタイから手を離さなかった。装着しているヘッドホンの向こうでは、絵美佳が早くしなさいよとまくし立てている。多輝は嗤ってマイクに囁いた。

 

「安心しろ。どうせ邪魔は入らない。だったらゆっくり味わわせろ」

 

 そう言いながら多輝は斎姫の身体を組み伏せた。多輝の身体の下で斎姫が悲鳴を上げる。多輝は鼻歌を歌いながら斎姫のブラウスのボタンに手をかけた。片手で器用に外していく。

 

「やめて! 離しなさい!!」

 

 斎姫が気丈に叫ぶ。斎姫は多輝の身体の下でもがいているが、自由に動けない。多輝はのんびりとボタンを一つずつ外した。ブレザーに包まれた斎姫の胸は大きく上下している。多輝はそれを眺めながらブラウスの隙間に見えたブラジャーに手をかけた。

 

「んな、嫌がることねえだろ。お。けっこう可愛いブラジャーしてんじゃん。胸も割と大きいし」

 

 白い生地に淡い色の花柄のついたブラジャーを多輝は指先で撫ぜた。斎姫の白い胸の膨らみを手のひら全体で包む。斎姫は怒りに頬を染め、必死で身をよじる。だが多輝の身体の下からは抜け出せない。

 

「いや! 触らないで!」

 

 斎姫は懸命にそう叫んだ。多輝はそれを聞きながら薄く嗤う。そして嫌がる斎姫のブラジャーの中に指を滑り込ませた。

 

「そんなこと言いながら乳首たててんじゃん」

 

 指先で固くしこった乳首をなぜる。すると斎姫が唇を噛んだ。悔しそうに横を向く。多輝は斎姫の乳首を弄りながら、ふと眉を寄せた。何かがここに近づいている。そのことを悟り、多輝はゆっくりと振り返った。

 

 勢いよくドアが開く。肩で息をしながら優一郎が倉庫に駆け込んできた。

 

「斎姫!」

「優くんっ!」

 

 多輝の下で斎姫が叫ぶ。多輝はゆらりと身体を起こし、嗤いながら優一郎に向き合った。斎姫が弾かれたように優一郎の傍に駆け寄る。優一郎は背中に斎姫を庇い、凄まじい目で多輝を睨みつけた。

 

「あらら。騎士くんのご登場とはね。……おい。どうなってんだよ」

 

 多輝はマイクにそう語りかけた。すると耳元にため息が飛び込んでくる。

 

『あー。ごめん、逃げられたみたい。っかしーなー。少なくとも夜まで起きれるはずが無い分量だったのにっ!』

 

 悔しそうに絵美佳が喚く。多輝はため息をついてお前の言う分量はなあ、とぼやいた。その間に優一郎と斎姫が動く。だが一瞬早く、多輝は手を伸ばしていた。指を鳴らす。すると開きっぱなしになっていたドアが激しい音を立てて閉じた。

 

「まーだ何もしてない内に逃げられるとでも思ったのか? 甘えんだよ」

 

 ドアに向かおうとしていた二人が顔を強張らせて振り返る。多輝は嗤いながらソファに舞い戻った。腰を下ろして二人を見比べる。

 

「斎姫、君は退路を探せ」

 

 そう言ったかと思うと優一郎が床を蹴った。蹴りを放ってくる。だが多輝はあっさりとそれを避けた。続けざまに放たれた肘を受け止め、優一郎を無造作に床に転がす。斎姫は優一郎に命じられたままに倉庫の中に目を配っている。だが元々、この倉庫の出入り口は一つしかない。しかもそこは多輝の力で完全に封じてある。多輝は床に転がった優一郎を見下ろしながらゆらりと立ち上がった。

 

「ばーか。元々、おれは喧嘩が得意なんだよ。真っ向から飛び掛ってきてかなうとでも思ったか」

『油断しないで! 優一郎もけっこう強いのよ! 転がってるうちに気絶させるなりなんなりしたほうがいいわよ! あいつ、キレると見境ないから』

 

 絵美佳の声が耳に飛び込んでくる。その瞬間、床に転がっていた優一郎が勢いよく身を起こした。多輝はだが、優一郎の手が自分に届く寸前に目を細めた。目に見えない力が炸裂する。優一郎は多輝の力をまともに食らい、ドアまで吹き飛んだ。斎姫が悲鳴を上げる。

 

「気絶させたら見せらんねえじゃん。それじゃ、つまんねえだろ」

 

 多輝がマイクに囁いていると、優一郎が呆然とした顔で身体を起こした。

 

「今のは? ……いったい!?」

 

 困惑と恐怖が優一郎から見て取れる。多輝は薄笑いを浮かべたまま、丁寧に一礼した。優雅に身を折ってからにっこりと笑う。

 

「ほんのつたない小技でございます。騎士さまに比べると月とすっぽんくらい差がある力でございますが」

 

 そう言ってから多輝は身を起こした。

 

「こんなことも出来たりします」

 

 指を鳴らす。すると起こしかけていた優一郎の身体が一気に床に崩れた。優一郎に寄り添っていた斎姫が悲鳴を上げる。多輝は微笑みながらどうでしょう、と告げた。

 

「くっ、身体が……見えない何かに!?」

「優くん!」

 

 多輝に縛られ、呻く優一郎に斎姫は泣きながら呼びかけた。多輝は微笑みを嗤いに変え、ソファに身を投げるようにして腰を下ろした。

 

「騎士くんはそこでいい子にしてような。こうして」

 

 言いながら多輝が指を鳴らす。すると床に這いつくばっていた優一郎の身体が浮き、ドアにもたれて座る格好になった。斎姫は泣きながら優一郎に必死ですがりついている。それを見ながら多輝はくすくすと笑い出した。

 

「意外な観客も来たし? まあ、結果オーライか」

 

 マイクにそう告げると絵美佳がヘッドホンの向こうで拍手した。

 

『ないーす。あんたにはあの力があったのね。だけど、優一郎をこんなに簡単にあしらうなんて、多輝って強いのねっ!』

「誰と比べてる、誰と」

 

 多輝はそうぼやいてから二人に目を戻した。斎姫は見えない多輝の力から、何とか優一郎の身体を解放しようとしているらしい。だが、元々形のない力だ。締められているところを探っても、決して手に触れられるような力ではない。多輝は薄く嗤いながらそんな斎姫に顎をしゃくった。

 

「姫さんはおれといいことしてる最中だったろ?」

 

 途端に鋭い視線が飛んで来る。二人から睨みつけられても多輝は嗤っていた。

 

「あなた、いったい、何なの?」

 

 小さな声で斎姫が問い掛けてくる。多輝は薄く嗤いながらさあねえ、と告げた。おもむろに立ち上がって斎姫に近づく。斎姫は身体を緊張に強張らせながら優一郎にしがみついた。

 

「ほら、前戯の途中だっただろうが。しゃきっと続きをやろうぜ」

 

 多輝は力を込めて斎姫の腕をつかみ上げた。毅然と多輝を睨みつつ、斎姫が立ち上がる。

 

「わかったわ」

 

 頷いた斎姫に多輝は口笛を吹いた。目を見開いた優一郎に嗤いを残し、多輝は斎姫を連れてソファに向かった。だがふと、振り返る。多輝は足を止めて斎姫を見下ろしながら嗤った。

 

「あのさ。斎姫ちゃんの考えてること、おれには筒抜けだから。おれ、油断もしねえし迂闊な真似もしねえよ」

 

 そう言い置いて、多輝は乱暴に斎姫の身体を放り投げた。悲鳴を上げた斎姫の身体がソファに放り出される。多輝はおもむろに斎姫に圧し掛かった。

 

「斎姫!」

 

 背後で優一郎が叫ぶ。多輝は肩越しに優一郎を振り返った。唇をかみ締め、怒りの形相で自分を見ている。そんな優一郎を嘲笑いながら、多輝は暴れる斎姫のブラウスに手をかけた。

 

「いやっ!」

 

 斎姫が身をよじる。だが多輝はそれに構わずブラウスを大きく開いた。斎姫の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。緩んだブラジャーをたくし上げると胸の膨らみが現れた。

 

 その瞬間、背後で優一郎が声を張り上げた。

 

「助けてくれ! 誰か、誰か! 来てくれ!」

 

 他に出来ることはないという判断をしたらしい。優一郎は必死で大声を張り上げている。多輝は煩さに顔をしかめ、ゆらりと肩越しに優一郎を見た。

 

「なあ、こいつ、黙らせていい? うるせえんだけど」

 

 多輝はマイクに向かって呟いた。

 

『そうね。声を封じることはできる?』

 

 即座に絵美佳が応えてくる。多輝は嗤いながら優一郎に向かって片腕を伸ばした。

 

「誰に言ってやがる」

 

 高く指が鳴る。すると優一郎の声が唐突に途切れた。優一郎が愕然となる。多輝は肩を竦めて斎姫に向き直った。

 

「へえ。こっちはまともに見えるじゃん。手触りはさほど悪くない……けど」

 

 斎姫の胸を揉みながら多輝は顔をしかめた。すると真下で声が上がる。

 

「優くんに、なにしたの!」

 

 斎姫は毅然と多輝を睨みつけながらそう叫んだ。恐怖は感じていないのだろうか。いや、それを凌駕する怒りを覚えているのかも知れない。多輝はそう思いながら肩を竦めた。

 

「人のことなんて心配してる暇、あんの? ほら、そんなこと言ってる間にこっちの様子も見させてもらうぜ」

 

 多輝は胸から手を滑らせ、斎姫のスカートをつかんだ。嫌がって激しく暴れる斎姫を身体で押さえ、じりじりと手を動かす。多輝と斎姫の身体に挟まれていたスカートがゆっくりとめくれていく。

 

「優くん! 大丈夫なの! お願い、返事をして!」

 

 斎姫が必死で叫ぶ。多輝は小さく笑って制服のポケットに手を入れた。渡されていたカプセルをつまむ。嫌がる斎姫を押さえつけ、多輝はカプセルをつまんだ指を斎姫の膣へねじ込んだ。

 

 絵美佳特製のカプセルは、水分のない膣内でも体温のみで溶ける仕組みになっている。多輝は優一郎を心配しながら喚く斎姫を見下ろしながら、陰唇を指でつまんで閉じた。

 

「何を……入れたの?」

 

 斎姫が真っ青になってそう告げる。多輝は片目を閉じて笑った。

 

「気持ち良くなるお薬」

 

 そう告げた多輝の耳にため息が聞こえてきた。

 

『うーん。けっこういい子じゃん。これで機械じゃなかったら、認めてあげてもよかったんだけどね』

 

 機械じゃなかったら。だがそれは斎姫ではないという意味になる。多輝は見えない絵美佳に苦笑して、陰唇からそっと指を離した。もう頃合だ。だが確認するために触れた多輝の指先に、愛液の感触はない。

 

「あれ? ひょっとして何か入れてるな?」

「んっ……優くん、優くんは!」

 

 斎姫は必死で多輝の拘束から逃れようとしている。多輝は息をついて斎姫の膣の奥に指をねじ込んだ。手探りで中に詰まっている筈のものを探す。乾いた膣を乱暴に弄られ、斎姫は悲鳴を上げた。

 

「あぁっ! 優くん! 優くんは無事なの、お願い! 教えて!」

 

 どこまでも優一郎が気にかかるらしい。多輝は薄く笑って頷いた。そして少しだけ身体を浮かせて斎姫に優一郎が見えるようにする。

 

「声は封じてやったけどな。呼吸はまともに出来るし、こっちも見えてる筈だ。ほら、斎姫ちゃんをおれが好きに弄ってるもんだから、すげえ顔してやがるだろ?」

「優くん……」

 

 ほっと息をついて斎姫が身体の力を抜く。どうやら優一郎を殺されたと思っていたらしい。多輝はくすくすと笑いながら安心しろ、と告げた。

 

「殺しゃしねえよ。そんなことしても面白くねえし? ま、やれば簡単だけど……な」

「……わたしの身体なんか好きにすればいいわ。でも、もし優くんに何かあったら、わたしはあなたを許さない。絶対、許さない」

「好きに、ねえ」

 

 激しい憎悪のこもった眼差しに多輝は薄笑いで答えた。そう言われるとやりたくなるよなあ、と呟く。

 

「骨の五、六本くらいは折ってみるかなあ」

 

 そう言いながら多輝はゆらりと優一郎を見やった。怒りの形相をしていた優一郎が目を見張る。途端に腕の下で斎姫が暴れ始めた。

 

「やめて!」

 

 斎姫が泣き叫ぶ。多輝はにやにやと嗤いながら指を鳴らそうとした。その瞬間、耳に絵美佳が叫んでくる。

 

『ちょっと! あんた、何考えてるのよ! そこまでやったらやり過ぎだってば!』

 

 凄まじい勢いで怒鳴られ、多輝は思わず動きを止めた。不機嫌そうに眉を寄せ、さりげなくカメラのある方向を見る。

 

『壊すのは人形よ! 優一郎に、ダッチワイフちっくな本性を見せ付けてぶっ壊してやれば、それでいいでしょ?』

「でもさ、許すの許さないのってすげえ生意気なこと言いやんの。この姫さん」

 

 多輝は垂らしていた腕を再び持ち上げた。途端に斎姫が悲鳴を上げる。優一郎はただ愕然と多輝を見つめている。多輝は指を合わせて嗤った。

 

「やっぱ、ここはおしおきじゃねえの?」

『じゃあ、本当に骨を折っちゃだめよ! 痛いけど怪我は無いように、その人形に痛めつけたように見えればいいってことでしょ? 多輝ならそれくらいできるわよね?』

 

 多輝は嗤いながらカメラを見た。鼻を鳴らして呟く。

 

「なあ、何であんたはそんなむきになって骨折るなっつうの? 姫さんが言うなら判るけど、あんたがむきになるこたないだろ?」

 

 大丈夫、後で治してやっからさ。多輝はそう続けて指を鳴らそうとした。斎姫と絵美佳の悲鳴が同時に耳に飛び込んでくる。それを聞いた多輝は苦笑した。腕を戻して優一郎に嗤いかける。

 

「おもてになることで」

 

 斎姫に向き直り、多輝は乱暴に膣の奥に指を進めた。埋もれていた固いものを探り当てる。そして思わず吹き出した。

 

「ローター入れてやんの。こいつ」

 

 くすくす笑いながら多輝は振動しているそれを軽くつついた。斎姫が泣きそうな顔で首を横に振る。

 

「ちがっそれは!」

 

 愛液がそれでせき止められているらしい。多輝はそのことを斎姫の心の中から読み取り、ふうんと呟いた。引き出すためにつけられている紐を握り、一気に斎姫の膣からそれを引き抜く。

 

「んあっ……!」

 

 斎姫が声を上げて仰け反る。多輝はまじまじと手の中のそれを見た。既に振動は止まっている。ふうん、と告げて多輝はそれを優一郎に放り投げた。それは縛られたままの優一郎の肩に当たり、床に転がった。

 

「おお、出てくる出てくる。うわ、すげえな、斎姫ちゃん。もうこんなにぐしょぐしょだぜ?」

 

 多輝は容赦なく濡れていく下着を指で弄った。どんどん愛液が漏れてくる。多輝は嗤いながら斎姫の耳に唇を寄せた。軽く口づけながら囁く。

 

「あんなこと言いながら、感じてたんだ? それとも正義の味方の振りする、自分に酔ってたのか?」

 

 斎姫の下着の中に固い手触りを覚え、多輝はそれを指先で強く押した。斎姫は懸命に声を殺している。

 

「好きにしていい、じゃなくて、おれに好きにされたい、の間違いじゃねえの?」

「……そうかもしれないわね」

 

 自嘲気味に笑う斎姫に多輝は眉をひそめた。斎姫が感じているのは間違いない。だが何故、嫌がらないのだろう。多輝は首を傾げて斎姫の心の中を探ってみた。優一郎以外に触れられたくないと思いながら、多輝が優一郎に手を出すことを恐れている。その両方の気持ちが斎姫の中でせめぎあっているのだ。

 

「つまんねえやつ」

 

 ぼそりと呟き、多輝はゆらりと身体を起こした。欠伸をしながら斎姫の身体から退く。すると斎姫は一直線に優一郎に駆け寄った。そんな二人を見やってから、多輝はため息をついてカメラを見た。

 

「やめていい? なんか面白くねえし」

 

 純粋に育てられた斎姫の本性は、やはり純粋そのものだ。同じ人以外のものなのに、こうも違うのか。多輝はぼんやりと内心で呟いた。すると絵美佳が勢いよく怒鳴りつけてくる。

 

『面白くないって、あんたが情にほだされてどーするのよ!』

「だってさ。気色悪いんだぜ? おれに逆らったら騎士くんを殺されるとか思ってやんの。で、さ。ほんとは嫌なのに好きにしていいとかほざくんだぜ? 一気に萎えるってもんだろが」

 

 嫌がる斎姫を無理やり犯すことを想像していた。なのに斎姫は懸命に優一郎のことだけを想っているのだ。ばかばかしくなってくる。多輝がため息をつくとヘッドホンの向こうで絵美佳もため息をついた。

 

『わかった。多輝がやめるっていうなら、あたしもいいよ。なんか、ごちそうさまって感じ』

「そだな。も、やめとくか」

『うん多輝、ごめんね』

「で、安易にそこでやめられるとな。おれがつまんねえんだよ。くそがき」

 

 唐突に背後に強大な何かが生まれる。多輝は目を見開いて振り返った。青年の姿をした水輝が嗤いながら立っている。驚愕に息を飲む多輝の胸に無造作に手を突っ込み、水輝は体内に秘められていた何かに力を放った。

 

「お嬢さんもな。くそがきを萎えさせるの、やめてもらおうか。どうやらこいつの属性、鬼畜らしいからなあ。頑張ってくそがきを萌えさせてもらうかな」

 

 力に煽られて呻き声を上げた多輝を片手で支え、水輝は斎姫に向かって指を鳴らした。すると唐突に、斎姫が怯えた表情になる。多輝はソファに崩れながら痛む胸を押さえた。

 

「で、覗き見のお嬢さんも頑張ってくそがきに指示を出してくれよな。ああ、そうだ」

 

 水輝は軽々とソファを飛び越え、優一郎の傍に近づいた。目を見開いている優一郎の顎をつかむ。

 

「欲しいものはな。人に与えられているだけじゃ駄目なんだよ。欲しけりゃ自分でかっさらえ」

 

 そう言い残し、水輝は現れた時と同様に一瞬で姿を消した。多輝は息をついて目をあけた。今、何があったんだろう。記憶の彼方に何かがあるような気がするが、思い出せない。

 

 ふと、目をやると斎姫が震えながら優一郎の脇に立っているのが見えた。多輝が視線をやるだけで恐怖に涙を零している。あれ? と思いながらも多輝はゆらりと立ち上がった。

 

 斎姫が壁伝いに逃げていく。多輝はゆっくりとそれを追いかけた。

 

「どうする、気なの?」

「そうだなあ」

 

 そう言いながら多輝は唐突に床を蹴った。激しい音と共に大きく跳び、一気に斎姫に追いつく。焦って逃げようとする斎姫を無理に捕らえ、多輝はにっこりと笑った。

 

「斎姫ちゃんのあそこ、誰もまだ突っ込んでないんだろ? 丁度いいから、おれにさせろよ」

「ふざけたこといわないで!」

 

 即座に斎姫が言い返してくる。ついでに張り手が飛んで来る。だが多輝は難なく斎姫の振り下ろした手をつかんだ。

 

「別にふざけてないぜ? 本気で言ってるんだけどな」

 

 そう言いながら多輝は斎姫のスカートの中に手を入れた。下着は既に濡れそぼっている。暴れる斎姫を壁に押しやり、多輝は渡されていたカプセルをポケットから出した。最初に入れるのは、赤。そう内心で確認してから赤いカプセルを指に挟む。

 

「きゃっ、なにを?」

 

 斎姫の濡れた膣にカプセルをねじ込む。すると斎姫は小さな悲鳴を上げて身体をよじった。だが、多輝に押さえつけられていて身動き出来なくなっている。その真横には鋭く睨みつけてくる優一郎がいた。

 

「いいものだよ。ほら、こうしてさ。ここを塞いで中で溶かすと、斎姫ちゃんが気持ち良くなれる成分が溶け出すんだってさ」

 

 濡れた陰唇を指で塞ぎ、多輝は薄笑いでそう告げた。斎姫は必死で暴れている。だが次第にその力が失われていく。多輝の背中を力任せに叩いていた斎姫の手が、ゆっくりと垂れ下がっていく。

 

「何秒だっけ」

 

 多輝はマイクの向こうに呼びかけた。するとすぐに声が返ってくる。

 

『マイクロマシンが、性感センサーを乗っ取るまで、一分もあればOKよ』

 

 なるほど。多輝はそう呟きを返して改めて斎姫を見た。斎姫は唇を噛んで俯いてしまっている。顎をつかんで顔を上げさせると、ほんのりと頬が染まっているのが見えた。

 

「気持ちいい?」

 

 多輝は嗤いながら訊ねた。斎姫の目が泳ぐ。優一郎の姿を見止めると、慌てて首を横に振った。

 

「いいわけ、ないでしょ……」

 

 だが剥き出しになっている斎姫の乳首は固くしこっている。多輝はにやにやと嗤いながら斎姫の足を撫でた。下着から溢れた愛液が、足を伝って流れている。それを指に絡め、口に運ぶ。見ていた斎姫が悲鳴を上げた。

 

「やだっ!」

 

 多輝は嗤いながら丹念に愛液つきの指をしゃぶった。紅茶の香りが鼻をつく。唾液に塗れた指を再び斎姫の股間に伸ばしながら、多輝はくすくすと笑った。

 

「ほんとに作り物だな。紅茶味なんて初めてだぜ」

 

 指先で軽く下着をつつく。すると斎姫がびくりと身体を震わせた。クリトリスが酷く固くなっている。多輝は指の腹でゆっくりと弄り始めた。斎姫は足を必死で閉じようとしている。だが多輝の指はそんな斎姫の足の間にするりと滑り込んだ。

 

「きゃっ……いやっ!」

「騎士くんが見てるから? もう、こんなになってるの、見せてやるか」

 

 そう言って多輝は斎姫のスカートを捲り上げた。斎姫の足の間には愛液が漏れて流れている。多輝は斎姫を抱きかかえ、ソファに腰を下ろした。優一郎に斎姫の陰部がよく見えるように、斎姫を後ろから抱え込む。

 

「んっ、お願い……やめて!」

 

 そう言う斎姫の声は熱っぽい。多輝は嗤いながら斎姫の足を開かせた。だが斎姫が激しく抵抗する。多輝は斎姫の内腿に手をかけ、力をこめて足を開かせた。

 

 優一郎はぼんやりとした眼差しで斎姫を見ている。さっきまでの怒りがすっかりなりを潜め、今はただ呆然としているようだ。そんな優一郎の前で、斎姫は嫌がりながら足を開いている。優一郎の静かな眼差しが斎姫の股間に注がれる。多輝は薄笑いを浮かべ、斎姫の濡れた足を撫でた。

 

「あっ、んふっ……」

 

 快感に震え、微かに斎姫が喘ぐ。多輝は静かに指で腿をなぞり、斎姫の股間に指を触れさせた。その瞬間、優一郎が目を見張る。見せつけるように斎姫を弄ると、優一郎が苦悶の表情を浮かべた。

 

「何かさあ。すげえ、作り物っぽいよな。勃起してんのは判るけどさ」

 

 指先でクリトリスを弄りながら、多輝はそう呟いた。これではまるでゲームか何かのボタンだ。押したら音を立てて沈んでしまいそうだ。多輝は斎姫の下着をそっと持ち上げ、下着の上部から指を入れた。

 

「くっ……」

 

 斎姫は涙を浮かべ、多輝の腕に手をかける。退けようとしているらしいが、まるで力が入っていない。多輝は下着の中を覗きこみながら、斎姫の陰唇を指で割り開いた。現れたクリトリスはとても人のものには見えない。

 

「うわ、こんなの初めて見たぞ。何だ、これ。ほんとに感じるのかよ?」

「見ないで! お願い……いや!」

 

 多輝は嫌がる斎姫を放って、試しに直にクリトリスに触れてみた。指先でつついてみる。すると斎姫が敏感に反応する。背中を仰け反らせて多輝に身体を預けてしまう。多輝は感心しながら何度もクリトリスをつついた。

 

「すげえ。こんなので感じるのかあ。一見、ボタンなのになあ」

「あっ、やっ、やめて!」

 

 多輝は陰部に溢れていた愛液を掬い、指の腹で固くしこったクリトリスをこねた。斎姫が涙を浮かべて声を殺す。多輝はそんな斎姫から優一郎に目をやった。静かな眼差しに戻ってはいるが、怒りが読み取れる。そんな優一郎に嘲笑し、多輝はわざと音を立ててクリトリスを弄った。

 

「おおっ、すげえすげえ。どんどん出てくるぜ。斎姫ちゃんのいやらしい紅茶が」

 

 斎姫はもう多輝に支えられなくとも足を開いたままにしている。多輝の足に乗せた腰を震わせ、必死で快感に耐えている。多輝はくすくすと笑いながら斎姫の下着を脱がせ始めた。斎姫は微かに抵抗するが、多輝は難なく斎姫の足から下着を抜いた。

 

「さあ、持ち主の騎士様に見てもらおうな。姫がどれくらいいやらしいか」

 

 愛液に濡れた指で陰唇を割り開く。クリトリスの下にはランプが点灯している筈だ。事前に多輝にそのことを教えてくれたのは絵美佳だ。多輝は斎姫のランプを優一郎の目の前に晒した。

 

「あっ、やっ、んっ! みないで……みないで!」

「見てくれ、の間違いだろ? 姫」

 

 斎姫の耳元にそう囁き、多輝は斎姫の尻の下に手をやった。尻の割れ目を指でなぞり、開いた陰唇の中に指を入れる。斎姫は声を殺して俯いた。

 

「ほら、おれの指を咥えながらよだれ垂らしてるぜ? もっと欲しいってさ」

「ちがっ、んっ、やめて!」

 

 多輝は嗤いながら斎姫のゆっくりと指を出し入れした。膣に指が擦れるたびに卑猥な音が響く。多輝はじっくりと斎姫を弄んでから、ふと顔を上げた。そう言えばまだ斎姫の陰部をこの目ではっきりと確かめていない。

 

「おれも拝ませてもらおっかな」

 

 多輝は身体をずらして斎姫の下から抜け出した。まだ嫌がっている斎姫をソファに押さえつけ、足を開かせる。剥き出しになった陰部を目にした途端、多輝は呆れた顔になった。

 

「何だあ!? これでほんっとに人間の形を真似たつもりなのかよ!?」

 

 頭の中に生身の女性の性器を思い描く。確かに形や色などに個人差はある。だが、多輝の目にしてきたどれにも斎姫の女性器は似ていない。これでは機械そのものだ。ボタンのようだと思ったクリトリスは、見た目もボタンにそっくりだし、その下には玩具のようなランプが点灯している。紅茶味の愛液といい、それを吐き出している膣口といい、全てが作り物で固められている。しかも一目でそれと判るようにだ。

 

「おい、見えてるか? すげえぞ、姫さんのあそこ」

 

 そう言いながら多輝はカメラに斎姫の陰部がきっちり入るように身体をずらした。斎姫は哀しそうに涙ぐんでいる。多輝はくすくすと笑いながら振り返ってみた。優一郎は心配そうな顔で斎姫を見つめている。だが、多輝と目が合うと優一郎の顔が怒りで歪んだ。

 

『あたしは知ってたけど、あらためて見ると笑えるわね』

 

 絵美佳の笑い声が聞こえる。多輝はだよなあ、と合鎚を打って斎姫の陰唇を強く押さえた。指で周辺を圧迫すると、作り物の膣口がよく見えるようになる。多輝は笑い声を漏らしながら斎姫の膣口に指を入れた。なるほど、改めて確認すると膣壁の感触も生身の女性のそれとは違っている。多輝は肩を揺らして笑いながら優一郎を振り返った。

 

「おい、ほんっとにこんなので欲情してんのか? これならそれ用の玩具のがまともな作りしてるぜ?」

 

 だが優一郎は答えない。元々、多輝に自由を奪われているのだから当然だ。多輝はそのことを思い出してああ、と笑った。そして斎姫に向き直る。

 

「こんなので感じるんだ? その手の玩具のがリアルに出来てるのにな」

 

 斎姫の愛液は膣口を弄る多輝の指を伝い、次々に溢れてきている。最初は足を閉じようとしていた斎姫も、今は時折、力なく足をびくつかせるだけだ。斎姫は沈んだ顔で目を潤ませている。多輝の言葉は聞こえているようだが、返答がない。まあ、頭ははっきりしてるもんな。そう呟きながら多輝はおもむろに斎姫の股間に顔を埋めた。

 

「きゃっ……。おね……がい、もう、やめ……て!」

 

 斎姫は涙を流しながら懸命に多輝の頭を引き剥がそうとする。だが多輝は斎姫の手に押さえられても頭を離さなかった。垂れている愛液を舐め、舌先だけでクリトリスをくすぐる。

 

「くふぅ!」

 

 微かに声を漏らした斎姫の手から力が抜ける。多輝は嗤いながら舌で斎姫を攻めた。だがどうもその気になれない。紅茶の味のせいだな。多輝は内心でそう呟いて試しに舌の位置を僅かだけ下げた。クリトリスのすぐ下部にある極小のパネルにはランプが並んでいる。多輝は細く伸ばした舌先でそのパネルを舐めてみた。

 

「やめっ、そこは!」

「へえ? ここも感じるんだ?」

 

 多輝はくすぐるようにパネルを舐めた。一つ一つのランプを舌先で探る。優一郎に感心しながら多輝は薄く笑っていた。こんなもん、ついてる人形によくもまあ欲情できるよ。内心でそう呟く。すると多輝の思考に声が割り込んできた。絵美佳だ。

 

『そこにもセンサーが組み込まれてるみたいね』

「ふうん。こんなもんまで感じるようにされてるのかあ。玩具だよなあ、ほんと」

 

 絵美佳にそう応え、多輝は大胆に舌全体でパネルを舐め上げた。すると斎姫がびくりと身体を震わせる。よほど気持ちいいのか、と多輝が思った瞬間、いきなり何かが顔に吹きかかった。多輝は慌てて斎姫の股間から顔をあげた。

 

「やあっっ! だめぇ!!」

 

 斎姫が悲鳴を上げる。震える手で股間を押さえようとしている。多輝は眉を寄せて斎姫の手をつかみ上げた。そのまま斎姫の股間を覗き込む。さっき顔にかけられたのはどうやら蒸気だったらしい。今もまだ白い煙状の蒸気が漏れている。多輝は斎姫の両手首を片手で握り、閉じてしまった陰唇を割り開いた。

 

「あー……漏らしちゃったかあ。ここ、尿道口だろ?」

 

 呟きながら、多輝は蒸気が漏れている穴を軽くつついた。パネルの少し上から白い蒸気が漏れているのだ。多輝は試しに舌を細くしてパネルを舐めた。すると再び勢いよく蒸気が噴出してくる。

 

「だめっ、やっ、やめて!!」

『そこは蒸気の噴出口よ。体内の熱を蒸気で放出するの』

 

 斎姫の悲鳴と絵美佳の解説の声が重なる。なるほど、と頷いて多輝は顔を上げた。今度は顔を傾けておいたお陰で、蒸気の顔面直撃は免れた。斎姫は掠れた声を上げてまだ蒸気を漏らしている。多輝は困った笑みを浮かべ、斎姫の手を離した。斎姫はのろのろと手を動かし、必死の面持ちで蒸気の噴出口を隠している。

 

「そんなに気持ちよかったんだ。へえ」

 

 多輝は嗤いながらポケットに手を入れた。次の色は黄色。呟いて指の間にカプセルを挟む。股間を押さえる斎姫の手を退け、多輝は歯の間にカプセルを挟んだ。ゆっくりと頭を下げる。

 

「んっ、おねがい、だから……やめて!」

 

 人形である斎姫が嫌がると、それだけ多輝の支配欲が増す。多輝は斎姫の足を押さえつけ、膣口にカプセルを差し込んだ。舌で膣の奥へと押し込んでいく。

 

「あっ! きゃふぅっ!!」

 

 斎姫は小さく喘いだ。

 

『今度のカプセルは受信機になっていて、その人形の運動制御コンピュータを乗っ取ることができるの』

 

 絵美佳の声に心の中でへえ、と呟いて多輝は舌で膣口を覆った。斎姫が思い出したように身をよじろうとする。だが多輝は腕で斎姫の身体を押さえつけた。心の中で数を数える。たっぷり、二分ほど過ぎてから多輝は塞いでいた膣口から舌を離した。愛液が糸を引く。

 

「とりあえず、オナニーでもしてもらおっか。なあ? 騎士様もいつもさせてたんだろ?」

 

 そう言いながら多輝は振り返った。だが優一郎は多輝を睨むだけで他の反応はない。多輝は肩を竦めて斎姫を見た。

 

『ふふっ。オナニーね』

「やっ、身体が!」

 

 絵美佳の声と同時に斎姫が悲鳴を上げた。多輝は嗤いながら腕組みをし、斎姫を見下ろす。絵美佳の含み笑いが聞こえている。斎姫は悲鳴を上げながら剥き出しになっていた乳房を揉み始めた。

 

「おお。少しはやる気が出てくるかっこだな」

「身体が……勝手に! やだっ! 止めて!」

 

 斎姫は泣きながら指で乳首を弄り始めた。多輝は嗤いながらおい、と声をかけた。

 

「足もきちんと開けよ。少しはおれが欲情できるように頑張れよな」

『はいはい、まってね……。こんなもんでどう?』

 

 即座に絵美佳が応える。すると閉じかけていた斎姫の足が勢いよく多輝の目の前で開かれた。ソファに愛液が零れて染みになっている。

 

「あっ、んふっ! やだ、おねがい! 止めて! やだ、ああ!」

 

 斎姫は嫌がりながら濡れた股間に手を伸ばした。絵美佳が操作しているのだろう。片手で乳房を揉み、片方の手ではクリトリスを弄り始める。多輝はそれを見ながら目を細めた。斎姫は確かに作り物だが、感じている姿そのものは人間に近い。多輝のペニスもゆっくりと頭をもたげてきた。

 

「自分だけ気持ちいいなんてずるいよな? おい、そろそろ口に突っ込んでもいいか?」

 

 多輝は絵美佳に問い掛けた。すると絵美佳がくすくすと笑う。気が早いんだから、と呟いて告げる。

 

『いいわよ。ほかにもいろいろ面白そうなことできそうなんだけど、とりあえず、萎えるといけないから後でね』

「へえへえ」

 

 多輝は嗤って答えてからズボンのファスナーを下ろした。斎姫が目を見張って首を横に振る。背後で優一郎が息を飲む。多輝は嗤いながら勃起したペニスを引きずり出した。

 

『あごもコントロールするから、噛まれる心配はないわよ。安心しなさい』

 

 絵美佳が笑いながら告げる。多輝は、ったりまえだと苦笑して斎姫に近づいた。嫌がっていた斎姫の口が大きく開く。

 

「やっ、あっ、ああっ!」

「心配すんな。きちんと顔にかけてやっからさ」

 

 そう言って多輝は斎姫の口にペニスを押し込んだ。絵美佳の操作か、すぐに斎姫の舌が絡みついてくる。多輝は口笛を吹いて奥までペニスを押し進めた。その間も斎姫は自慰を続けている。

 

「へえ。けっこう上手いじゃん。絵美佳、もしかして学習したのか?」

 

 ゆっくりと腰を動かし始める。多輝のペニスを口いっぱいに咥えた斎姫は、涙を流しながら舌を使った。

 

『あたしじゃないわよ、あたしはもともと組み込まれてるプログラムを実行させてるだけ。さすが人形ね』

「んじゃ、姫さんの技術かあ。なるほどね」

 

 多輝はゆらりと優一郎を見返った。斎姫が自らペニスを咥えることを覚えたとは思えない。恐らく教えた者がいる。優一郎は多輝が見やると凄まじい目で睨みつけてきた。多輝は苦笑してなるほどね、と呟いた。

 

『っていうか、これプログラムしたの優一郎じゃん!』

「……他に誰がいるよ」

 

 多輝は呆れてそう答え、ため息をついて斎姫に向き直った。斎姫は目を見開いて涙を流している。頭をつかむと斎姫の快感のほどが読み取れる。もう少しで絶頂に達してしまうだろう。多輝は薄く笑って斎姫の頭をつかんだまま、激しく腰を振った。

 

「出すぞ」

 

 多輝は低く告げて斎姫の口からペニスを素早く抜いた。手で軽く扱くとペニスの先から勢いよく精液が迸った。顔に射精した瞬間、斎姫が高く鳴いた。

 

「あっ! んふうぅ! きゃふぅっ! ああん! あんあんぅっ!」

「いったか」

 

 多輝は肩で息をしてそう呟いた。斎姫はがくがくと身体を震わせた後、脱力した。ソファに身体を預けて熱い息をついている。

 

『おつかれさま』

 

 微かに笑う気配と共に声が送られてくる。多輝は苦笑して見えない絵美佳に片手を上げた。サービスのつもりなのか、ソファにぐったりと寄りかかっていた斎姫がのろのろと手を上げる。顔にかかった精液を指で掬い、口に運ぶ。そこで斎姫は理性を取り戻したらしい。嫌だと言いながら、けれど指を舐めている。

 

『しかし、この子って思った以上に人形なのね。プログラムしだいでは、ほとんどダッチワイフにもできちゃうわよ。たとえば、こーゆー動作も』

「可能って訳か。……そんなに美味い? 斎姫ちゃん」

 

 すると斎姫が叫んだ。

 

「……そんなわけ、……ないでしょ! 止めて、止めてちょうだい!」

 

 だが指が口に入っているために、声はくぐもっている。多輝は嗤いながら精液で汚れたペニスを斎姫の口許にあてがった。斎姫は泣きじゃくっている。だが多輝が命じると涙を流しながらペニスを舐め始めた。

 

「いいじゃん。斎姫ちゃんも気持ちよかっただろ? 騎士様に恥ずかしいところ、みてもらえてよかったな」

 

 ペニスについていた精液を斎姫は綺麗に舐め取った。だが始終やめてと呟いている。多輝は屈めていた腰を伸ばし、斎姫から少し離れた。ソファにもたれて精液に塗れている斎姫をじっと見つめる。

 

「やだ、もう……やだっ!」

「んー」

 

 多輝は嫌がる斎姫を見ながら顔をしかめた。色気はあるのだが、どうも正面から犯す気にはなれない。前から抱けばどうしても斎姫の玩具風な女性器が気になるからだ。多輝が考えている間に、絵美佳が楽しそうに笑う。

 

『またオナニーさせてみようっと』

「派手にいかせてやれよ。この中、どうせ紅茶の匂いが充満してるしな。これ以上、姫の紅茶が出たところで、どうせ大差ないしな」

 

 嗤いながら多輝が告げると同時に、斎姫が手を股間にあてがった。悲鳴を上げながら自慰を始める。多輝は静かに斎姫の隣に腰を下ろし、間近で斎姫の痴態を見つめた。

 

『うふ、じゃあ最大出力にしてみたり』

 

 絵美佳が笑う。すると何やら奇妙な音が聞こえてきた。斎姫の声や愛液の音の隙間に聞こえてくる音に、多輝は眉を寄せた。

 

「あっ、んっ、うふっ、身体が……身体が! やあっ!! 止めて! お願い!」

 

 声を上げる斎姫の口に無造作に手を伸ばす。多輝は斎姫の口を封じて音源を捜した。ほどなく理解する。低いモーター音は斎姫の下腹部から聞こえているのだ。それを知った多輝は爆笑した。

 

「おね……がい! 止めて、もう、だめ! 壊れる……壊れちゃう!」

 

 斎姫が悲鳴を上げる。うずくまって笑っていた多輝は、肩で息をつきながら顔を上げた。

 

『なるほど、バイブが仕込んであるんだ、これ』

「らしいな。おい。止めてやれよ。ここで壊れたらつまんねえだろ」

『わかったわよ。じゃあ、停止』

 

 絵美佳がそう告げた瞬間、ぴたりと音が止まった。多輝は笑いの衝動に苦しみながら斎姫を見やった。斎姫は嗚咽を漏らしている。多輝は呼吸を整えて斎姫を抱え上げた。

 

 自分の足に斎姫の腰を下ろす。斎姫はまだ泣いている。多輝は笑いながら制服のポケットに手を入れた。最後の色は青。カプセルを斎姫の開いた足の間に運ぶ。

 

「どうせおれのは萎えてるしな。今度はゆっくりやってやっから、心配すんな。ほら、もう入ったぜ?」

 

 斎姫の耳に囁きながら多輝は指でカプセルを膣に押し込んだ。濡れた陰唇を指でそっと閉じる。要するに性器を直視しなきゃいんだよ。多輝は内心で呟いて頷いた。ちらりと優一郎を見やる。いつの間にか優一郎の眼差しから感情が欠落している。相当にショックを受けたのか……それとも。

 

 まあ、どのみちやるけどな。多輝はそう呟いて斎姫の耳を軽く舐めた。敏感になっていたのか、斎姫はそれだけで身体を震わせる。

 

「あふぁっ!」

「淫乱な人形か。ったく、どうして立城はこんなのを大事にしてたんだか。おれにはさっぱりわかんねえな」

 

 小さく呟いて多輝はつまんでいた陰唇を離した。せき止められていた愛液が一気に溢れてくる。多輝は無言で斎姫のクリトリスをこねた。

 

「んぅ、うふっ」

 

 斎姫の喘ぎが倉庫の中に響く。多輝は嗤って斎姫の身体を抱きしめた。足を大きく開かせてやる。

 

「気持ちいい? 斎姫ちゃん」

 

 そう言いながら多輝は指先だけを膣口に入れた。斎姫は甘えた声を上げて薄く目を開ける。焦点の合わない眼差しが優一郎に注がれる。だが斎姫はうっとりとした顔をしていた。

 

「んっ、気持ちいい……です!」

 

 効き目は抜群か。多輝は斎姫の答えに嗤いながら膣口をなぞった。焦らすと斎姫が切ない声を上げる。斎姫の痴態そのものは魅力的だ。斎姫を見ていた多輝のペニスはゆっくりと力を取り戻し始めた。

 

「さっきまで嫌がってたのにな。斎姫ちゃん、どこが気持ちいい?」

「あそこが、気持ち……いいの!」

 

 甘えた声で斎姫が喘ぐ。多輝は斎姫に嗤ってゆっくりとクリトリスを撫でた。勃起したペニスを斎姫の背後に押し付ける。斎姫は涙をながしてよがった。

 

 斎姫の膣口は興奮に開ききっている。多輝は指でそれを確かめてからにやりと嗤った。陰部への愛撫を続けながら斎姫を強く抱きしめる。

 

「あそこが気持ちいい? 斎姫ちゃん、これだけでいい?」

「んっ、あっ! あそこがせつないの!」

 

 頭を激しく振って斎姫は声を上げた。多輝はそっとクリトリスを撫でて嗤った。もう、斎姫は優一郎を見てはいない。最後のカプセルに仕込まれていたのは絵美佳特製のウィルスだ。膣から潜入したマイクロマシンは斎姫の神経回路にウィルスを送り込む。ウィルスの働きで、斎姫の精神機能を操り、多輝に強制的に感じさせてしまうようになるものだ。斎姫は間違いなくそのウィルスに侵されている。

 

「切ない、か。どんな風か教えろよ。具体的にさ」

「熱くて、我慢できないの! 入れて……ください!」

 

 激しい快楽に耐えかねた斎姫がとうとうそう叫んだ。多輝はふうん、と嗤って優一郎を見た。感情のなかった優一郎の目に、一瞬だけ憎悪が宿る。多輝は薄笑いを浮かべて斎姫に囁いた。

 

「でも、斎姫ちゃんのここ、優一郎くんもまだ入れてないんだろ? いいのか?」

 

 すると斎姫が小さくため息をついた。多輝の愛撫に感じながらそっと呟く。

 

「いいの! わたし、みたいな人形は、優くんに相応しくないから……」

 

 それを聞いた多輝は不機嫌に顔をしかめた。なるほど、と呟いて斎姫の腰を抱え上げる。つまり、おれには人形でオッケーってことかよ。多輝は静かに斎姫の膣口にペニスをあてた。こみ上げてきた怒りに任せて斎姫の膣に一気に挿入する。

 

「あっ! んっうふぅ!」

 

 斎姫は激しく喘いで多輝に寄りかかった。多輝は唇を歪め、力任せに斎姫の腰を揺さぶった。ペニスが勢いよく出入りする膣口から、血のような赤い液体が零れてくる。斎姫の白い足に流れてきたそれを見止め、多輝は声を上げて笑った。

 

「いっちょまえに処女膜までついてやがったか! 正真正銘、おれが初めての男って訳か!」

 

 多輝は嗤いながら斎姫の身体に腕を回した。乳房を弄りながらソファのばねを使い、腰を上下させる。斎姫は多輝の足に手をつきながら、されるままになっていた。

 

「んっあっ、いい! いいのぉ!」

「そんなにおれのがいいか? じゃあ、お前も腰を振れよ。ほら、こうやんだよっ」

 

 斎姫の腰を軽く揺すってやる。すると斎姫は多輝の手がなくとも、腰を振り始めた。斎姫の膣壁がうねり、ペニスを擦る。多輝は嗤って斎姫のクリトリスを弄った。指先でこねながら腰を上下に動かす。

 

「あっ、んふっ! いいっ、いいの!」

「お前は誰にやられてるんだ!? 誰のでこんなに気持ちいんだよ!」

 

 嘲笑しながら多輝は強い口調で訊ねた。斎姫は快感に喘ぎながら懸命に腰を振っている。もう、絶頂が間近だ。多輝は急に動きを止め、斎姫の身体の動きも拘束した。

 

「多輝さまです! あっ、んふぅっ! ああんっ!」

 

 斎姫の唇の端から涎が伝い落ちる。ペニスを締め付ける膣壁の動きを感じながら、多輝は斎姫のクリトリスを強くこねた。激しく腰を突き上げる。斎姫は悲鳴混じりの声を上げながら多輝の腰の上で身体を上下させた。剥き出しになった乳房が揺れる。

 

「おれの許可なしでいくんじゃねえぞ!」

 

 叫んだ多輝に小さく頷き、斎姫は涙を流した。絶頂に達しかけていたそれがぎりぎりでせき止められる。多輝はそれを知りながら激しく斎姫を突き上げた。

 

「多輝さま……了解、しました。んっ……」

 

 斎姫は懸命に快楽に耐えている。だが多輝はそんな斎姫を嘲笑い、緊張に強張っていた斎姫の尻を軽く前に押した。

 

「何してんだよっ。こっちを留守にしてどーすんだ! おれがいきそびれちまっただろうが!」

「んっ! 多輝さま、どう……すれば。んふぅ! 指示を、おねがい……しますっ!」

 

 懸命に腰を振り、斎姫が掠れた声で訊ねてくる。だが多輝はそんな斎姫の乳房をつかみ、揉みしだいた。腰を突き上げると斎姫の感じている快楽が一気に増幅したことが読み取れる。多輝は嗤いながら激しく斎姫を揺さぶった。斎姫の我慢が限界を超え、絶頂が訪れる。

 

「あはっ! 多輝さまっ……すごい、すごいの! 多輝さまあぁ!! あふっあはあん!」

 

 激しく鳴きながら斎姫が果てる。多輝は舌打ちをして脱力した斎姫の身体を抱え直した。ペニスを膣に突き入れたまま、斎姫の身体の向きを変える。快楽に顔を歪めた斎姫と向かい合わせになる。

 

「駄目だっておれは言ったよな? なのにいっちまったな?」

 

 優しい声で告げながら、多輝は斎姫の頬を手で包んだ。

 

「はい、多輝さま、すいません……でした」

 

 うっとりとした顔で斎姫が呟く。多輝は目を細めて斎姫の股間に手を伸ばした。勃起しきったクリトリスを乱暴につまむ。すると斎姫が掠れた悲鳴を上げた。

 

「悪いのはここか? おれの言うことに逆らうのは、ここか?」

『そうよ! その調子でもっと見せ付けてやるの!』

 

 多輝の声に絵美佳の声が重なる。多輝は絵美佳に頷いて、斎姫のクリトリスを指で捻った。

 

「多輝さま……ごめん、なさっ……あんっ!」

 

 斎姫は新しい涙を浮かべ、素直に詫びる。だが多輝は嗤いだけを返し、指でクリトリスを強く擦り上げた。

 

 斎姫の向こうに優一郎が見える。優一郎はまるで死人のような顔をしていた。感情のない眼差しと、半開きになった口。そして抵抗する意志すら全くなくなっている。多輝はそんな優一郎を鼻で笑って斎姫の乳房に吸い付いた。

 

「今度はいくなよ。次に言いつけ破ったら、お仕置きしてやるぞ?」

 

 何しろおれはまだまだ楽しみたいんだからな。多輝がそう続けて嗤うと、斎姫は懸命に頷いてみせた。だがその間もずっと多輝の愛撫を受けているのだ。当然、快感は絶えず与えられている。

 

 何でこんな人形がいいんだよ、立城。多輝は心の中で今はいない立城に問い掛けた。だが答えが返ってくる筈もない。ここにいるのは、淫らな人形だけだ。誰にでも欲情し、簡単に支配される、操り人形。多輝の心に憎しみが蘇ってくる。

 

「どうせ誰にでも欲情するくせに!」

 

 本当は誰でもいいんだろ。その意味を込めて多輝は叫んだ。激しく斎姫の腰を揺らす。

 

「多輝さまっ! もっともっとください! ああっ!」

 

 斎姫は多輝の首筋に抱きつき、鳴いている。多輝は長い髪をつかみ、首から斎姫を引き剥がした。噛み付くように口づけする。斎姫は貪るように多輝に吸い付いた。斎姫が腰を振るたびにペニスが膣壁に扱かれる。多輝は口の中を探る斎姫の舌に歯をあてた。軽く噛みながら斎姫の舌を激しく吸う。

 

「誰でもいいのか、お前は!」

 

 唇を離し、多輝はそう叫んだ。叫びながら斎姫を激しく突き上げる。愛液に混じった血が、二人の激しい動きを受け、飛沫になって周囲に散る。

 

「多輝さま! すごい、気持ちいいっ! いいの!」

「そうだよな! 人形だもんな! 誰でもいいよなあ!?」

 

 多輝は嘲笑しながらいけよ、と告げた。すると斎姫が堪えていた快楽に一気に身を躍らせる。

 

「あはぁっ、んふあぁっ! いいっ、いいの! 多輝さまっ!」

 

 多輝も目を細め、息をついて射精した。斎姫の膣内に勢いよく精液が迸る。最後まで斎姫の膣でペニスを扱き、出せるだけの精液を膣に注ぐ。すると斎姫の膣壁がうねり、多輝の精液を吸い上げ始めた。

 

「おれのを吸ってやがる……吸血鬼みたいな奴だな」

 

 膣に注がれた全ての精液が斎姫の身体のどこかへ流れていく。その間も斎姫は快感に目を潤ませていた。斎姫は熱い息をつきながら、多輝の腰に腰をすりつけ始めた。多輝が何の刺激を与えなくとも、快楽を覚えているらしい。

 

「ただ今、精液を処理して……います。もう少し、待ってください」

 

 快感に顔を歪ませながら、斎姫はそう呟いた。多輝はため息をついて額を手で覆った。ぐったりとソファに寄りかかる。だが斎姫は相変わらず腰を擦り付けている。きっと勃起したクリトリスを刺激しているのだろう。多輝はちらりとそんな斎姫を見やり、息をついた。

 

 人形だろ。ただの。好きになるわけねえじゃん。

 

 かつて多輝は立城にそう言い放った。だがどうして立城も優一郎も、こんな淫らな人形を気にかけるのだろう。どうしてあんな女性器を持つ斎姫に欲情できるのだろう。現に斎姫はこんなに簡単に別の誰かに支配されているのに。

 

 誰でもいいんだろ。多輝は胸の内でそう呟き、目を潤ませながら腰を振る斎姫を見た。

 誰でもいい。誰でもいい……。多輝は繰り返してそう呟いた。そして何かが心の奥底から呼び覚まされる。

 誰でもいい、誰かぼくを見て!

 

 その瞬間、多輝は絶叫した。自分にまたがっていた斎姫を乱暴に床に払い落とし、頭を抱える。心の奥底に封じていた思いが一気に蘇る。

 

『多輝! どうしたの! だいじょうぶ!!』

 

 片方の耳に絵美佳の叫びが聞こえる。多輝はその声で我に返り、慌てて床を見た。だが斎姫は床に横たわりながら目を潤ませている。

 

「あっ、いいっ! いいのぉ!」

 

 斎姫は自慰を始めていた。それを見た多輝は顔を引きつらせ、歯を食いしばった。全て、この人形が悪いのだ。立城が自分を見てくれないのも、嫌なことを思い出したのも、みんなこの人形のせいだ。

 

「殺す!」

 

 殺意に囚われた多輝の目には、優一郎の存在はまるで入っていなかった。一瞬で力を手繰り寄せる。空気が鳴り、多輝の姿は一変した。紺色の髪が風もないのにそよぐ。多輝は憎悪に狂った目で斎姫に手を突き出した。

 

 その瞬間、いきなり多輝の目の前で何かが爆発した。多輝は構える間もなくソファに吹き飛ばされた。衝撃に頭がぐらぐらする。歯を食いしばって身体を起こすと、そこに新たな人影が見えた。

 

「ここまでにしておくんだね。これ以上は僕が許さないよ」

 

 静かな微笑を浮かべた立城が立っていた。多輝は目を丸くして立城を見上げた。立城は微笑みながら斎姫の身体に手を触れた。その瞬間、斎姫がかくん、と動きを止める。そして立城は斎姫を優一郎の腕に抱えさせた。優一郎の拘束もいつの間にか解けている。多輝は息を飲んで立城を見上げた。

 

「絶望はこれから。希望を打ち砕くところから始まるんだよ」

 

 そう言って立城は指を鳴らした。紫の光が膨れ上がり、炸裂する。多輝も、優一郎も、斎姫も、そしてカメラの向こう側にいた絵美佳も、その一瞬で意識を失った。




メカ娘が書けていない……(悲嘆
お好きな方はごめんなさい。

マイクロマシンな催淫剤ぽいものが出てきてます。
フィクションですので真似は……出来ないと思いますがしないでください!

次のエピソードでこの話は一応終わりです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。