※この作品はR-18です。

座敷サキュバス始めました   作:tanu3

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8月に挟む予定だった話を構成変更してこっちに回想として入れました


10月② あんかけ焼きそばと駄菓子の山

焼きそばの袋に小さく裂け目を入れてレンジで四十秒ほど加熱する。待っている間に他のものを準備しておく。

フライパンにごま油を敷いて加熱しながら小鍋に水を張ってこれまた加熱。コンロが二口あるのが役に立った。

 

「ねえねえお兄ちゃん、何か手伝えることある?」

 

くいくいとミュナが裾を引いてくる。

 

「んー……じゃ、卵かき混ぜといてくれるか?」

「はーい」

 

お椀に卵を割り入れて菜箸ではミュナには長いと思ったので普通の箸を一緒に手渡すとミュナは嬉しそうにがちゃがちゃを卵をかき混ぜ始める。

 

「使うのまだ先だから慌てなくていいからなー」

 

ミュナに声をかけながら焼きそばをフライパンに投入する。麺は極力解さずに二玉を合体させて円状になるようにだけに留めておき、形が整ったら後はかき混ぜずに時折上からフライ返しで押し付けてやる。ごま油の良い香りが部屋中に広がってきて空腹が加速してくる。端を少しめくって焼けているのを確認したら今回の最大の難所に差し掛かる。

 

「ミュナ、ちょっと集中するから邪魔しないでくれよ」

「? わかったー」

 

大皿を取り出してきて一拍置いて精神を集中する。フライパンの上から裏向きで麺の上に大皿を置き、思い切って天地をひっくり返す。

 

「……よっし」

 

初めての経験だったが幸いなんとかなった。大きくため息をついて少し余韻に浸る。

 

「すっごーい!」

 

ミュナが卵のお椀をテーブルに置いて拍手で讃えてくれた。正直とても嬉しい。

 

「ミュナ、そろそろ卵使うから持ってきてくれ」

「がってん!」

 

フライパンをコンロの上に戻して少し油を足し、大皿の麺を滑らせるように入れて裏面にかかる。ミュナから卵を受け取って全体に回しかける。後は待つだけだが、その間に小鍋にレトルトパウチを放り込んで大皿の油をキッチンペーパーで拭っておく。何度も料理をしていくうちにこういったちょっとした時短が身についている気がする。

 

「後は焼けたら終わりだからお皿とか箸とか頼むわ」

「はいはーい」

 

フライ返しで焼け具合を確認する。焦げ目がところどころついていて生っぽさが感じられないのでよしということにして皿に麺を上げて塩コショウを軽く振る。最後に温めていたレトルトパウチの中身を上からかければ完成だ。

 

「よし、お待たせ」

「おぉー。美味しそう!」

 

どんと食卓の中央に鎮座するあんかけ焼きそばにミュナは歓声を上げる。

 

「いただきまーす!……あ、これ美味しい」

「お、簡単なのにいけるなこれ」

 

ネットで拾ったレシピで簡単そうなのを試しただけの代物だが、安く手軽に作れる割に満足度が高いものに仕上がった。流石に講義を受けてからだと他にあれこれ作る気力がなかったので残りは出来合いの総菜と野菜ジュースでお茶を濁すことになったが。

 

「コショウかけてるけどミュナは大丈夫か?」

「これぐらいならだいじょーぶ。ちょっとオトナになったかも?」

「それならよかった」

「スルーしないで!?」

 

レトルトの中華丼の味だけだと少し味がぼやけるところに塩コショウと卵の味が足されているのが良い感じだ。ミュナの箸の進みも早いし定番メニューの一つに入れることにした。

 

「あ、そうだ。忘れてた」

「なに?どったのー?」

 

夕飯を終えて洗い物をしながら、すっかり忘れていたミュナ絡みの用事を思い出してミュナに声をかけた。

 

「俺のリュックに入ってる袋、出してくれん?」

「?わかったー。……えっと、これかな」

「それ、お土産。ミュナに全部あげる」

「うわっ、お菓子がいっぱい!?どうしたのこれ」

 

うまい棒に麦チョコにクッキーにミックス餅に粉ジュースにこんにゃくゼリー……袋にパンパンに詰め込まれた駄菓子にミュナは歓声を上げつつも脈絡のなさに少し戸惑っている。

 

話は先々月まで遡る。前期の試験が終わったすぐ後にサークルの会議で十一月の学祭の模擬店で何をするかが議題に上がった。なんでも、サークルとして登録されていて活動費をいただいている以上、学祭では何らかの形で貢献すべし、ということらしい。オカルト同好会と言えども活動自体は有名無実なもので、研究発表もできるわけもなし、毎年模擬店を出しているが特に恒例というものもなくその時のノリで決めているらしい。

案があったら誰でも出して欲しいということでその日は持ち帰りとなったので、ミュナに何の気なしに雑談として振ったらミュナが「駄菓子屋さんとかどうかな?」とアイデアを出してくれた。テレビでやっていた街歩き番組で出てきたからとのことだったが、他に思いつかなかったのでそのままいただくことにして次回の会議で提案してみたのだが、これが予想外に好意的な反応で迎えられた。

有料のガスや電気や鉄板を借りなくても良く、元が安いから赤字が出てもそこまで気にならないし余ったら部室の共有のおやつにしてしまえるというのが評価されあっさりと俺もといミュナの案が通ってしまった。

自転車圏内に駄菓子の問屋があって安く手に入るからと自転車持ち数人で買い出しに行って一通り揃えたところで発案者ということで皆の奢りで購入した駄菓子全種類を贈られた。となれば真の発案者たるミュナに渡すのが筋だろう。

 

「そんなわけでこの袋の中の駄菓子全部ミュナのだから遠慮せず食べてくれ」

「あ……ありがと。じゃあとりあえずお兄ちゃん、この麦チョコ半分こしよ?」

「おー、じゃあ呼ばれるわ」

 

軽い食感でくどすぎない味付けで、一粒、また一粒と後を引く。これで三十円というのはお買い得だろう。ミュナも気に入ったようで、途中から一気に口いっぱいに頬張って幸せそうな顔で咀嚼している。

 

「おいしーね、これ」

「気に入ったならまた今度プライベートで買ってくるぞ。これ、三十個入って千円しないから」

「三十個は要らないかなー、いや、どうだろ……」

 

悩んでいるミュナを見ながらまだ夜は早いので講義の課題に取り掛かる。

 

「ねえお兄ちゃん、ポッキーゲームしない?これで」

「口ン中パッサパサになるわ」

 

色っぽい流し目をしながら誘惑しようとするミュナを一刀両断する。目つきが色っぽくてもうまい棒を咥えながらだと台無しだった。

 

「しかもそれ納豆味だろ」

「初めて食べたけどミュナは好きだよ、これ」

 

誘いが一蹴されたミュナはばりぼりとうまい棒を一気に食べて次の駄菓子をどれにしようか目移りしている。静かにはなったので今のうちに課題を終わらせることにした。

 

「っしゃ、終わり!」

「お疲れ様、お兄ちゃん」

 

意外や意外、課題が終わるまでミュナはちょっかいをかけてこなかった。駄菓子を食べていたのかと見てみたが、思ったほど減っていない。

 

「どったの?」

「いや、静かだったから駄菓子食ってるものかと」

「お兄ちゃんが終わるの待ってただけだよー。おふとん敷く?」

 

時計を見るとそれなりに良い時間だった。課題で頭を使ったし、手足を伸ばすと欠伸が出てしまった。

 

「そうだな。課題終わったことだし寝るかぁ」

「じゃあおふとんでえっちする?」

「明日も講義あるんでしません」

「ちぇー」

 

口を尖らせながらもミュナは押し入れを開けて布団を引っ張り出そうとする。大人用の布団なのでミュナの体格だと大変そうだ。バイトから帰ってきたら布団一式が準備されていたことがあったが、あれはけっこう頑張ってくれていたのだと改めて実感する。

 

「ミュナ、ありがとな。後は俺に任せていいぞ」

「はーい、じゃあお兄ちゃん、おふとんかけて」

「ちょっと待っててな。俺の分の布団敷くから」

「別のものをかけてくれてもいいんだよ、お兄ちゃん」

「おら、布団被って寝てろ」

「ちぇー」

 

流し目をくれつつ下ネタを投げつけてくるミュナに投げ返すように掛布団を放り投げ、自分の掛布団を取り出して俺も布団に転がる。

 

「お兄ちゃん、くっついていい?」

「……くっつくだけだぞ。こないだみたいなことはすんなよ」

「わかってるって。明日も講義、でしょ?」

 

前に甘い匂いにすっかりやられたのを思い出して少し身構えるが、ミュナは言葉の通りに何もせず布団にもぐりこんで俺に身を寄せるだけだった。

 

「えへへ、あったかいね」

「まあな、最近朝とか寒くなってきたもんなあ。そろそろ毛布買うか」

「寒いならミュナがゆたんぽ代わりになったげるよ?」

 

ミュナは俺に抱きついてすりすりと肌を寄せてくる。温かな感触と柔らかさにどくりと下半身が熱くなるが、平静を装う。今からミュナに搾られていては明日起きられる保証がない。

 

「次の休みにでも……布団屋覗いてみるか……」

「ふわぁ……おやすみ、お兄ちゃん」

「おう、おやすみ、ミュナ」

 

下半身の滾りはミュナに悟られなかったのか、ミュナは大きく欠伸をしてすやすやと寝息を立て始めた。ミュナの温もりを感じながら俺もいつしか意識が溶けていった。

 

 

「ん……」

 

ふと目が覚めたのは目覚ましをセットしている時間よりも一時間よりも前だった。ミュナは俺にくっついたまますやすやと幸せそうに寝息を立てている。目覚ましまで寝直すかどうか少し考えたが、眠気が綺麗に消えていたので折角なのでたまには早起きしようと思い立ってひっついているミュナをそっと布団に転がしたところで異変に気付いた。

 

「やっべ……」

 

朝だからか、それともここ数日ミュナとしていないからか、俺のモノはパンツの中ではち切れそうなぐらいに勃起していた。とりあえずミュナに気づかれないようにそっと布団を出て洗面所に駆け込み顔を洗って歯を磨く。

 

「うーむむむ……」

 

他のことをしていれば自然に鎮まるだろうと高を括っていたが、全然そんなことはなく俺の息子は相も変わらずフル勃起を保っていた。仕方なく買い置きのパンにマヨネーズを塗って早めの朝食としたものの、食べ終わってもさっぱり鎮まってくれない。

 

「あれぇ、お兄ちゃん早起きだねぇ」

「お、おう」

 

いきなり目を覚ましたミュナに声をかけられ、反射的にミュナに背を向けて流し台の前に立つ。

 

「何してるの?」

「早起きして飯も食ったし……たまには流し台の掃除でも、と」

 

我ながら苦しい言い訳にも程があるとは思いながら流し台のスポンジを手に取って作業中を装う。

 

「ねえお兄ちゃん、今日って大学何時から?」

「おう?今日は……二限からだから十時ちょい過ぎからだけど」

 

いきなりの質問に面食らいながらも正直に答える。

 

「ふーん。じゃあ、まだまだ時間あるし……ミュナがヌいたげよっか?」

「んなっ!?」

 

全てを見透かした発言に思わずスポンジを取り落としてしまった。

 

「な、なんで……」

「そんなの匂いでわかるって。ミュナ、サキュバスなんだよー?」

 

ひたひたとミュナは俺の背後までいつの間にか迫っていた。

 

「まだ時間あるし手早くお口でしたげるね」

「いや……その……」

「したくないの?」

 

ミュナに見上げられ、俺は力なく項垂れるように頷いた。

 

「じゃあ早速おはようございまーす……わお」

 

ズボンとパンツをずるりと下したミュナは下から勢いよく飛び出たペニスに歓声を上げる。

 

「あは、びくんびくんしてる。どうしちゃおっかなー、ちゅ……」

「うぐっ……」

 

先端に軽くキスされそれだけで腰が崩れそうになってしまう。

 

「すごーい。もうおつゆ出て来ちゃってるね」

「ミュナ、どっかに座るか寝転がるかした方が……」

「大丈夫大丈夫。手早く終わらせちゃうから……はむっ」

「うぁ……」

 

ミュナの口にぱくりと俺のモノが一気に呑み込まれた。口内の粘膜の熱と柔らかさに喘ぎ声が漏れる。

 

「れろ……ちゅぷ……えへへ」

 

ミュナの舌が竿から先端にまで絡みつき、にゅるにゅると刺激して回る。じゅぽじゅぽと俺に聞かせるようにわざと大きな水音を響かせながら、ミュナは口内で俺のモノを嬲り続ける。

 

「もう出そう……?」

「も……無理……っ」

 

咥えたまま話しかけられると唇や舌が動いて俺のモノを刺激する。吸い上げられるような感覚が下半身にこみ上げ―――

 

びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっ!

「あぁぁぁぁぁぁ……」

 

ミュナに根元まで咥え込まれたまま精を勢いよく放出した。ミュナはごきゅごきゅと音を立てて俺の出した白濁を吸い上げていく。

 

「えへへ、きもちよかった?」

「お、おう」

 

あーん、とミュナが口を開けると口内は精液でべちゃべちゃに汚れていた。ミュナは口を閉じて見せつけるように喉を鳴らして俺の精を嚥下する。

 

「ご馳走様。美味しかったよ」

 

くぱりと再び開いたミュナの口の中には一滴たりとも精は残っていなかった。

 

 

あまりにもあっさり搾られてしまい、まだまだ家を出るまで時間が余ったのでとりあえずスマホでソシャゲの日課をすることにした。画面をタップしながら考えがぐるぐる回って纏まらない。

 

「どったの、お兄ちゃん。昨夜は誘いを断ったくせに朝になったら勃起が収まらなかったからヌいて貰うことにしたけどミュナを都合の良い捌け口に使ってしまったんじゃないかって悩んでるような顔して」

「なんでそこまで具体的に言い当てんだよ」

「んー、お兄ちゃんそーゆーのわかりやすいしー」

 

言いながらミュナは俺の膝の上に乗っかり身体を預けてきた。

 

「別にミュナはぜーんぜん気にしてないから。朝起きれなかったら困るのはわかるし、だったら朝早起きして軽くヌいちゃった方が安心だよね」

「まあ、それはそうなんだが……」

「それとも何?一度朝にヌいたら「朝にヌいてもらう」って選択肢が生活に入り込むと思っちゃったり?」

「……まあ、それもある」

 

どこかで聞いたようなセリフだが確かにそれも俺は懸念していた。

 

「マジでミュナとするのは気持ちいいからエスカレートしたり俺が調子に乗ったらどうしようってのは常々思ってる」

「大丈夫だって。そうなったら動けなくしてお兄ちゃんが泣いて謝っても構わず出なくなるまで搾ってわからせたげるから」

 

ぺろり、と舌なめずりをするミュナに背筋がぞわりと粟立つ。

 

「そっか、ミュナが止めてくれたら安心だな」

「そうだよ。お兄ちゃんが大学に行くのが第一でその次はバイトなのはわかってるから。そうしないとここでミュナと暮らしていけないわけだし」

「そりゃまあそうだ」

「それに、お兄ちゃんはここから出れないミュナのために色々考えてくれてるしね。もぎてん?のアイデアを持って行くのならミュナが出れなくても外に関われるって思ってくれたんでしょ?」

「お、おう」

 

あれは本当にアイデアが出なかったのでミュナに助けを求めた結果うまいこと皆の需要に合致して採用されただけなのだが、俺の膝の上でこんにゃくゼリーを幸せそうに啜っているミュナには言わぬが花だろうと口を噤むことにした。

 

「お兄ちゃんはいっぱいミュナのして欲しいことを叶えてくれてるんだから、お兄ちゃんも気にせずにミュナにして欲しいことを言ってくれて良いんだよ」

「……サンキュ」

「朝にヌくぐらい文字通り朝飯前なんだからね。今日のでわかったでしょ?」

「まあ、朝からってのは、その、気が引けて」

「お兄ちゃん、朝にヌいたことなかったの?」

「ノーコメント」

 

思い返せば実家にいた頃にどうしても収まらず家族の目を盗んで朝から処理したことは確かにあった。勿論一人でするのとは全然違うのであるが。

 

「しっかし、なんでこう朝からこんなことになっちまったんだろ。ミュナ、お前何かしたか?」

「してないってば。むしろ、しなさ過ぎてこうなったんじゃない?」

「……一理ある」

「ほら、やっぱり溜まったらミュナに言うのが一番ってわかったでしょ?」

「むう……」

 

釈然としないままミュナに差し出された駄菓子を齧りながら早起きした朝は過ぎていった。




あんかけ焼きそばはとても簡単にできて見栄えもするのでおススメです。
レトルトの中華丼を使っていますが冷凍の八宝菜でもできるしこっちはコンロ一口でいいのでより楽です。

でもレトルトの麻婆丼でやったらあんまり美味しくなかった……

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