「んじゃ、行ってくるな」
「いってらっしゃい、お兄ちゃん」
いつも通りの朝。大学に出る俺を階段のところまでミュナが見送ってくれる。だが、今日はいつもとはほんの少し違っていた。
「その……お兄ちゃん、えっと……」
「皆まで言わなくてもわかってる。大学終わったらちゃんと買い物して帰るから今日はゆっくりしような」
もじもじと上目遣いで普段よりもしおらしい態度のミュナの頭を撫でてやる。
「……うん!ありがと、お兄ちゃん!」
「あんまり期待しすぎないでくれよー」
抱きついてこようとするミュナを適当にいなして俺は大学に向かった。
午前中の講義は真面目に受けていたものの、午後になって夕方が近づくにつれて俺も自分のことではないとは言え少しずつ落ち着かなくなってきた。
(……よし)
本日最後の講義は出席や途中退席に厳しく言ったりはしないものだった。講義が終わるまで居て知り合いに声を掛けられるよりは早々に出た方が良い、そんな言い訳をしながら俺はこっそりと教室を出て自転車置き場へと向かった。
まずは前に開拓した寿司が豊富な総菜屋に足を運ぶ。色々と気になる品は置いているものの今日はミュナを優先すべき日なので好物のサーモンがないかと棚を見回す。
「お、良いのあるじゃん」
サーモン三種握りなるパックを見つけ、早速確保する。サーモンだけだと色合いが地味なのでそれに加えて寿司盛りも籠に追加する。折角なので普段は買わない上寿司にしておいた。それから野菜があった方が見栄えがするので海鮮サラダも。前回と違って大学の後なのであまり時間をかけていられない。あちこち回るのは厳しいし、何より今日は更に厄介な荷物が追加されるのだ。飲み物の類は昨日のうちに調達して冷蔵庫に確保していて正解だった。会計を済ませて俺は寿司パックを傾けないように留意しながらケーキ屋へと向かった。
「っとっととと」
買い物を済ませて家に帰りついたはものの、玄関先で少し困った事態に陥っていた。左手に寿司と総菜の入った袋、右手にホールケーキの入った箱。この状態で鍵を取り出して家に入るのはかなり難しい。食べ物を地面に置くのは憚られるし、自転車の荷台に置いてその隙に鍵を開けるのも万一自転車を倒してしまったらと思うと怖い。特に家の前の道路はアスファルトの舗装があまり綺麗ではなく自転車を迂闊に停めると倒れていることすらあるのだ。ミュナは玄関まで降りて来られないのでどうしたものだか。この瞬間だけでいいので腕があと二本ほど欲しくなってくる。
「あらこんばんは」
「あっ、こ、こんばんは」
背後から声をかけられ上ずった声で返してしまう。声をかけてきたのは大家さんだった。
「両手塞がってて大変そうねぇ。おばちゃんが持っててあげるわよ」
「ど、ども」
渡りに船とばかりに寿司の袋を大家さんに預けて自転車を置き鍵を開ける。大家さんが偶然通りがかってくれて助かった。
「それはそうと豪勢ねえ。パーティでもやるの?」
「あー、えーと、その」
前言撤回。助かりはしたが別の問題が発生した。詮索好きなお年寄りというのは田舎も都会も問わずどこにでもいるものだ。
「なんつーか、記念日と言いますか……」
「あらあらあらあら。そういうことね。良いのよぉ、一人には広すぎるものね。それじゃお邪魔しちゃいけないわねぇ」
勝手に解釈して勝手に結論づけてひらひらと手を振りながら大家さんは俺に袋を返して自宅へと戻っていった。当たらずとも遠からずと言ったところではあるが、同棲しているのが得体のしれないえっちな幼女だというのはまあ想像もできないだろう。どうせ大家さんにも見えないだろうし。
「ただいま、お待たせ」
「おかえりー!誰か来てたのー?」
「あー、大家さんにばったりな」
階段を上がるとミュナがぱたぱたと駆け寄ってくる。同棲疑惑をかけられていることはとりあえず言わないことにしておいた。
「お風呂入るー?」
「や、後でテキトーに済ませるわ。それよりも、待ちくたびれたろ?ミュナの誕生パーティやろうや」
ミュナの顔がぱあっと綻ぶ。そう、今日はミュナの誕生日(ということになった日)だ。なので寿司を買った後にケーキ屋に立ち寄ってホールケーキを丸ごと購入して、コンビニ受け取りにしておいたミュナへのプレゼントを受け取り、大荷物となってしまったのだ。ちなみにホールケーキだというのはミュナには言っていないのでどんな反応を返してくれるのか楽しみだったりする。
「わぁー、凄い凄い!」
テーブルの中央にケーキの箱を置いて周りに料理を並べただけだがミュナは目を輝かせてぴょんぴょん跳ねる。
「驚くのはまだ早いぞ……おらぁ!」
「え、え、ええーーーーーー!?」
箱から出てきたフルーツをふんだんにあしらったホールケーキを見てミュナは目を丸くする。ケーキには“お誕生日おめでとう ミュナ”とチョコプレートも乗っている。
これを注文する時に店員に聞き返されるかと思ったがすんなりと通った。最近の子供には変わった名前が多いからだろうか、それとも二次元のキャラ宛てだと思われたのか。
「え、ちょ、なんで……?」
「そんでもってちゃーんとこいつも貰ってきてるからな」
ケーキの中央に大きめの蠟燭を立ててチャッカマンで火をつける。年齢がわからないと言ったらそれならばこれを、と店員におすすめされたものだ。なんでも年齢の数だけというのを好まない人も一定数いるらしいのでそのために用意しているのだとか。
「ほら、呆けてないで座れ座れ。電気一回消すぞー」
「う、うん」
ミュナがちゃんと座ったのを確認して電気を消すと、部屋の中の光源が揺らめく蝋燭の火だけになる。火の向こうに見えるミュナの顔は嬉しそうだったが目尻に涙が浮かんでいた。
「お、お兄ちゃん、良いのかな……?」
「んー?」
「ミュナに、こんだけ良いことがあって、良いのかな……?ミュナ、こんなにしてもらうほどお兄ちゃんに返せてるのかな……?」
喜びがオーバーフローし過ぎた挙句、振り切れて何故かネガティブな方に行ってしまったようだ。仕方がないので俺も腹を括る。
「ハッピーバースデートゥーユー♪ ハッピーバースデートゥーユー♪ ハッピーバースデーディアミュナ♪ ハッピーバースデートゥーユー♪」
「お、お兄ちゃん……?」
「ほらミュナ、主役が火ぃ吹き消さないと始まらないぞ。変に考え込まなくていいから。俺はミュナがいて毎日楽しんでるぞ」
「う、うん……」
ミュナはやっと思い切ったように蝋燭の火を吹き消した。すかさず電気を再びつけて蝋がケーキに落ちないようにさっさと蝋燭を撤去する。思ったよりもこの歌を一人のためだけに歌うのは恥ずかしく、顔が熱くなって心臓も早鐘を打っている。あと、語呂が悪い。
「ミュナ、好きなとこ切り分けるぞ。別に丸ごとフォークでつついても良いけど」
「えーと……じゃ、このキウイ乗ってるとこ」
「はいよ」
この日のためにこっそり買っておいた小さいナイフでケーキを切り分けてミュナの皿の上に乗せてフォークを添える。
「お兄ちゃんも食べてよ。こんないっぱいミュナ一人じゃ無理だもん」
「じゃ、この辺貰っとくわ」
ミュナがまた変な気を回さないようにミュナに切り分けたのと同じぐらいの大きさにケーキを切り取って自分の皿に乗せる。
「じゃ、改めて、ミュナ、誕生日おめでと」
「あ、ありがと」
お互いのコップにサイダーを注いでちん、と小さくコップを合わせて鳴らす。ミュナはさっそくフォークを手にケーキに取り掛かった。
「わ、凄い!中までフルーツいっぱいだー!」
「凝ってるよなこれ」
ケーキの中にいくつか層があり、間にイチゴや黄桃といったフルーツがふんだんに挟まれている。フルーツの甘味と酸味がスポンジとクリームを甘ったるくしすぎないように引き締めていて、やろうと思えばホール丸ごとでも食べてしまえそうだ。やらないが。
「ケーキ以外も食べろよー。今日はミュナが主役だから揚げもの控えめにしといたぞ」
「はーい、あ、サーモンだ。わぁい、ミュナこれ好きー」
「良かった。好きかなーと思って買ったが当たってたか」
「えへへー」
準備に費やした時間の差もあって先月の俺の時よりもケーキ以外はそこまで豪華とは言えないがミュナが喜んでくれたのであれば、それが何よりだった。
「ごちそうさまー。いやー、こんな誕生日は初めてだよー」
「ミュナが喜んでくれて良かった。あ、そうだ」
やはり少し量が少なかったか、ケーキも含めて買ってきた料理は完食してしまった。まあ明日に残しても平日だし始末に困ると思っておくことにして、置きっぱなしにしていたリュックの中身を引っ張り出してミュナに渡す。
「これ、プレゼントな」
「えっ、ありがと!」
ミュナは慌てて包装を解いて中身を確認する。
「わ、クッションだ。可愛い」
「いつもミュナ、畳に直に寝転がるか枕使うかだったからな。ごろごろしながらタブレット弄るのに良いだろ」
「ん、ありがと。あれ、まだある?」
「それからミュナのお絵描き用に画用紙と自由帳と色鉛筆とマーカー」
「こんないっぱいほんと嬉しい!ありがとう、お兄ちゃん!」
ミュナは大事そうにプレゼントの品を傍らに置いてから俺に抱きついてくる。ここまで喜んでくれるのならばお兄ちゃん冥利に尽きる。
「ねえ、お兄ちゃん。もう一つだけお願いがあるんだけど……」
「ん?なんだ?」
ミュナは抱きついたまま俺に上目遣いで囁きかける。
「その……明日も大学なのは知ってるけど、寝る時にちょっとだけ、いちゃいちゃ、しよ?」
「むぅ……」
明日は大学があるのに加えてバイトもあるので体力を消耗したくはない。ミュナが休みの日にパーティをずらすぐらいなら当日にしたいと言い張ったので平日に開催することになったのだが俺としても折角だからミュナの願いを叶えたくもあり……
「わかった。ちょっとだけな」
「わーい。じゃあ、後でねー。あ、そうだ」
ちゅ、とミュナの唇が軽く頬に触れる。
「予約しといたからねー」
言い残してとてとてとミュナは和室にクッションを持って駆けて行く。俺はとりあえず寝るまでに片付けと風呂と課題をやることにした。
「んー……そろそろ寝るか」
「はいはーい」
ミュナに搾られることを覚悟して、普段より少し早めに布団を敷く。買い物に動き回った疲れからか眠気もそれなりに来ているしちょうど良かった。後はミュナが何をしたいかにもよるが。
「で、どうする?」
「とりあえずお兄ちゃんはごろってしてー」
言われるままに布団に寝転がるとミュナは俺の横に来て身体をすり寄せた。俺に背中を向ける格好ですり寄られると、長い髪のさらさらとした感触がもどかしい刺激になって少し心がざわめく。服の隙間から俺の肌に髪が侵入して絡みついているかのように錯覚してしまう。
「ね、お兄ちゃん、抱っこして」
横を向いてミュナの身体を抱きしめる。体格差があるのでミュナが俺の身体にすっぽり埋まってしまうような体勢。ミュナは俺の左手に自分の手をそっと添えて引っ張り始めた。
「えへへ、じゃあ……このまま……」
ミュナの手に引かれるままに俺の手はミュナの寝間着代わりのシャツにするりと入りこんだ。ミュナの肌に指が押し付けられる。腰の所から少しずつ上に上にと二人の手は移動していき、ささやかに膨らんだ胸へと至る。
「好きに触って……良いよ……?」
壊れ物を扱うようにそっと触れたミュナの胸はほんのりと熱を帯びていて、指が触れる度に吐息が漏れる。
「ん……っ、もう片方……も……」
「うお……っ」
空いている右手ににちゃりとした温かく湿った感触。ミュナの尻尾がぱっくりと口を開けて俺の指を咥え込んでいた。
「えへへ、もーぐもーぐ」
「ぐっ……」
ミュナの尻尾が俺の指を咀嚼するかのように蠢く。指だと尻尾の内部の肉粒や肉襞の感触をはっきりと実感させられ、直接触れられずとも俺のモノがパンツの中でむくむくと隆起を初めてしまう。
「折角だからぁ……比べっこ……」
左手が胸を離れてゆっくりと下へと誘われる。離れ際にミュナの乳首を指の腹が押し潰し、ミュナの身体が跳ねる。硬くなっていた乳首の感触が指に残った。
「とうちゃーく……んん……っ」
ミュナに手を引かれて辿り着いた秘所は既にてろてろと蜜が湧き出していた。そのまま指がぬるりと呑み込まれてしまう。挿入の瞬間にミュナが喘ぎ声を上げ、膣壁がきゅっと締まり指に感触が伝わる。
「どう……お兄ちゃん……どっちが良い……?」
「ううっ……」
左の指に伝わってくる感触はとにかく熱くきつい。普段から俺のモノを呑み込んでいるとは思えないぐらいにぎゅうぎゅうと強く指を締め付けてくる。指を動かすとミュナの身体が跳ねるのがミュナと繋がっている実感がして俺も昂ってしまう。
一方、右の指に伝わる感触はそこまできつくはないが、肉襞の一枚一枚が纏わりついてきて丹念にしゃぶられているような錯覚に陥る。中の温度はちょうどいいぐらいで水気はこちらの方がやや多い気がする。
「あは、お兄ちゃん……もう我慢できなくなってきちゃってるね……美味しそうな匂いがぷんぷんするよぉ」
ミュナは俺の両手を拘束したまま器用にズボンとパンツを一気にずり下ろす。先走りが滴るペニスが解放されて布団の中で跳ねた。
「お兄ちゃん、明日は大学だけど、良いよね?大丈夫、一回、一回だけだから」
熱っぽくミュナは囁く。この状態で俺は断ることなどできなかった。
「えへへ……いただきまぁーす……」
ミュナの膣内に入っていた左の指が解放される。ミュナは俺のモノに狙いを定め―――
ずにゅにゅにゅにゅにゅっ!
「んんっ……美味しい……っ!」
「ぐっ……ううっ……」
一気に腰が落とされ、俺のモノは根元まで呑み込まれる。さっきまで指で膣内の感触を実感させられていたのが響き、いやがおうにも今俺のモノを咥え込んでいる魔性の幼膣の内部の構造を想起させられる。挿入の瞬間に漏らすのだけは堪えたが、いつ暴発してしまうかわかったものではない。
「お兄ちゃん、左手、寂しいでしょ、こっち……」
再びミュナに導かれ、俺の左手は上へ上へと誘われる。今度は服に入らず、もっと上へ。
「えへへ、ぺろぺろー」
「ぐっ……」
左手の終着点はミュナの口だった。人差し指と中指がミュナの下あごに引っかかるような態勢でミュナの口内に呑まれ、伸縮自在の舌に絡みつかれる。
「お兄ちゃんはどこが好きかな……っ」
左手の指にミュナの舌が巻き付きぺろぺろとしゃぶり上げられ、指の腹にはミュナの歯列を感じ、右手の指は尻尾の内部の肉襞が絡みつきじゅぽじゅぽやわやわと咀嚼し、ペニスは熱を帯びた狭い肉壺に囚われまだかまだかと締め付けが甘露をせがむ。性質の異なる三種類の粘膜が早く出せとばかりに俺を責め立てる。
「ミュナ……もう、無理……」
「良いよ……っ、ミュナに、ちょうだい……っ」
どぷどぷどぷどぷっ!!!
「「ああああああああっ」」
声が重なる。どくどくとミュナの一番奥に白濁液が吐き出され、吸い上げられていく。
「おにいちゃ、もっとぎゅっとしてえ!」
請われるままに全身でミュナを強く抱く。ミュナの膣と尻尾が呼応するように強くわななきそれがまた俺の睾丸から精を搾り出す。終わりかけた射精が再び勢いを取り戻しミュナの子宮へと飲み下されていく。何も出なくなるまで俺はミュナの小さく温かい身体を抱きしめ続けた。
「えへへー、いっぱい色んなもの貰っちゃったねえ」
「満足したか?」
「うん。ありがと、お兄ちゃん」
約束通りミュナは一度で俺を解放してくれた。俺もミュナも態勢を仰向けに戻して寝る態勢を取る。ミュナが枕をくっつけて俺の横にすっと寄ってきた。
「おい、布団二組あるんだからそっち行けって」
「良いじゃん。お兄ちゃんだってあったかいでしょ。それとも、ミュナにひっつかれたら延長戦しちゃいそうで怖い?」
「いや、もうそんな気力はない……」
とは言え、ミュナの体温は正直なところありがたかった。
「そろそろ毛布とか買わなきゃだなあ」
「ミュナはこのままで良いけどなあ。寒くっても、おふとんに一緒に包まれば全然へっちゃらでしょ?もう何も怖くないでしょ?」
「駄目です」
どこかで聞いたようなセリフを吐くミュナにツッコミを入れながら、次の休みは毛布を買おうと決める。
「また、来年もしようね。ミュナがお兄ちゃんをお祝いして、お兄ちゃんがミュナをお祝いするの」
「ん……そうだな……」
小さく欠伸が漏れる。一度とは言えあれだけ大量に出しては流石に体力の限界だった。
「おやすみ、ミュナ。おめでとうな」
「ありがと、お兄ちゃん」
ミュナの返事を夢うつつに聞きながら、俺の意識は溶けていった。
誕生日の思い出の一つに、「クラッカー(鳴らす方)が嫌いだった俺を面白がった親父が大量にパンパンやって嫌がって逃げて布団被った俺に対して布団に接射、目の前で布団を貫通して火柱が出て俺大泣き」ってのがありましたが、流石にここで出すのもなんだったのでカットしました。
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