ミュナといちゃいちゃした後の心地よいまどろみを切り裂くようにインターホンの音が部屋に鳴り響いた。慌てて飛び起きたがまだミュナが恋人繋ぎをしたまま寝ていたので思わず振り払ってしまう。
「ふにゃっ!?」
「あ、悪い」
ミュナへの謝罪はそこそこにインターホンに向かうと案の定大家さんだった。
『ちょっと大荷物だから手伝ってちょうだいな』
「うす、すぐ降ります」
恨めしげなミュナの視線を感じながらも俺は階段を駆け下りた。
「ああ助かるわぁ。これがなかなか難儀でねえ」
「うわっ」
玄関を開けて大家さんの抱えているものを見て思わず声が上がってしまった。でかい寿司桶にほかほかと湯気を上げて白米が鎮座している。
「他の荷物もあるけどとりあえずこれを持ってってねぇ」
「うす」
明らかに三人前を通り越している量だったが、有無を言わせず押し付けられた。ずしりと重い。
「他もあるからそれ置いたらまた降りてきてね」
「うっす」
想像以上に重い寿司桶を抱えて万が一にも転ばないように一歩一歩慎重に階段を上がる。
「わっ!?何これー」
ミュナも寿司桶を見て目を丸くしている。
「まだあるみたいだからとりあえず置いといて降りるぞ」
「頑張ってー」
ミュナの声援を背に俺は階段を駆け下りた。
「……手巻き寿司っすか」
「そうよぉ。二人だったらあんまりやらないんじゃないかって思ってねぇ」
「まあ、確かにやったことはないすけど」
何度かの往復で、刺身や海苔の他にツナ缶や納豆という寿司らしからぬ具でようやくメニューが特定できた。ご丁寧にも大皿まで家から持ってきていて食卓だけではスペースが足りず勉強用の座卓までフル稼働だ。
「はい、みゆなちゃん、少しおばちゃんのお手伝いしてねぇ」
「はーい?」
ミュナは団扇を手渡され首を傾げている。
「お酢飯作っとくからその間にツナ缶の油切って取り皿とお箸並べといてちょうだいな」
「うっす」
大家さんに指示されるままに準備にあれこれ走り回る。
「はい、みゆなちゃん、まだご飯が熱いからうちわで扇いで冷ましてあげるのよ」
「え、えっと、こうかな……?」
「そうそう、上手上手」
「えへへー」
楽しそうにミュナは手伝いに従事している。このままさっき振り払ったことを忘れてくれていればいいのだが。
「こっち終わりましたよ」
「そう、じゃあまだ少しあったかいけどもう始めましょうかねえ。さ、みゆなちゃんも座って座って」
「はーい」
机二つに食材が溢れんばかりに並んでいて壮観ではあるが、絶対に三人で食べきれる量ではないのでどうしたものかと不安も募る。
「うーん、おすましも作ろうかと思ってたけどスペースがもうないわねぇ」
「元は俺一人の予定で家具買ったから諦めてください」
「それもそうね。さぁさ、遠慮しないで食べてちょうだいな」
「うす、いただきます」
「いただきまーす」
二人して手を合わせたもののミュナは卓上をきょろきょろ見回すばかりで食べようとしない。
「もしかしてみゆなちゃん、食べ方わからない?」
「う、うん……」
「こうやって、海苔にご飯を乗っけて、お刺身……何が良いかしら?」
「えっと、これ……」
おずおずと遠慮がちにサーモンを指差すミュナに大家さんは笑顔でサーモンを取って醤油をつけて手早く巻いて渡した。
「こんな感じで好きなものを巻いて食べるのよ。お野菜とかマヨネーズとかも用意してるから色々試してみると良いわよ」
「あ、ありがとう」
まだ大家さんに対しては少し硬さが残るミュナだったが、一口食べて顔がほころんだ。
「美味しい……っ」
「さぁ、おばちゃんに遠慮せずに食べて食べて」
「あ、ども」
俺は俺で目についたイカをいただいて紫蘇と一緒に巻く。実家でも滅多にやらないので何年振りかの手巻き寿司だった。イカのねっとりした食感と味わいはともすれば少し重く感じるものだが、それを紫蘇が綺麗に纏めてくれてさっぱりと食べられる。
「お兄ちゃん、みてみてー」
「おう……?」
ちょいちょいとつついてくるミュナに顔を向けると、誇らしげな顔をして手巻き寿司のようなものを掲げていた。海苔からはみ出すぐらいにパンパンに酢飯が詰め込まれている。
「ミュナも作れたよー!」
「詰めすぎだろ!!」
もはや手巻き寿司というよりもおにぎらずに近いサイズ感のそれをミュナは美味しそうに頬張るが、酢飯が多すぎて一口とはいかずはみ出たところからぼろぼろと酢飯が零れて卓上に落ちる。
「あー……」
「詰めすぎだっての……大家さん、すんません」
「良いのよぉ、気にしないで」
ミュナの手が酢飯でべたべたになっていたので拭いてやる。大家さんは目を細めて俺たちを眺めていた。
「こうして見ると板についてるわよぉ、お兄ちゃん」
「だったら良いんすけど」
「お兄ちゃんにも作ったげるねー」
手を拭き終えたミュナが俺の制止も聞かずに再び海苔を手に取った。しゃもじで掬った酢飯は相変わらず量の目測を誤りてんこ盛りだ。
「ありゃりゃ、まあいっか。お兄ちゃんいっぱい食べるよね」
「お、おう……」
歪な形をした寿司に見えないそれを強引に手渡される。仕方なく零さないように細心の注意を払いながら端から食べ進めていく。
「どうどう?美味しい?」
食べている最中に聞かれても口いっぱいに詰まっている状態なので流石に大家さんもいる前で返事をするのが気が引ける。そもそも具が入っていなさすぎてまだ酢飯の味しかしない。
「はい、おばあちゃんも、どうぞ」
「ありがとうねえ。みゆなちゃんは良い子ねえ」
「えへへー」
ミュナは調子に乗って大家さんにも同じものを作って渡した。大家さんも零すまいと気を遣いながら四苦八苦している。
「ぷはっ」
「お兄ちゃん、美味しい?」
「酢飯の味ばっかしたわ。この具は……何だろ、肉?」
「牛肉をお醤油とお砂糖ちょっとで炒めたのよ」
「へえ、うちではやんないんでびっくりしたけど旨いっす」
大家さんは一気に食べるのを諦めたのか、半分ほどを取り皿に残して俺の疑問に答えてくれた。
「マヨネーズとかレタスと合わせても合うわよ」
「へえ、それ良いっすね」
「お兄ちゃん、もう一個要るー?」
「待て待て、今度は俺が作ってやる」
ミュナを手で制して先手を打って海苔を取る。適量の酢飯を乗せてその上にシーチキンと玉ねぎを少なめに乗せてマヨネーズを少しかけて巻いてミュナに手渡した。
「おおー、すごい綺麗ー」
「これぐらいのサイズの方がいっぱい種類食べれるだろ。折角大家さんがあれこれ用意してくれてんだから」
「ほんとだ、美味しい……よーし、リベンジだー!」
「だから酢飯取りすぎだっつの」
「ふふっ、思い出すわぁ」
ミュナとわちゃわちゃやっているのを見ながら大家さんはどこか遠くを見ているように切り出した。
「みゆちゃんとゆなちゃんを初めて預かった時も何が好きかわかんなくて手巻き寿司にしたのよねえ。二人ともご飯溢れるぐらい盛っちゃって。今と一緒だったのよ」
「ミュナ、覚えてるか?」
「んー、あんまり覚えてない……でも、なんか懐かしい味がする」
「うふふ、いっぱい食べてね」
ミュナは嬉々として再びサーモンに手を伸ばす。俺も折角なので目一杯ご馳走になることにした。
「あう……ご、ご馳走様ぁ……」
「あらあら、大丈夫?ちょっと量が多かったかしらねぇ」
「いや、ちょっとじゃないっすよ……」
ミュナは最初はあれもこれもと楽し気に食べていてうまく作れたら俺や大家さんに渡したりと手巻き寿司を満喫していたが、流石に量が多すぎた。俺ももう少しは食べられそうではあったものの、どう頑張っても食べきれない量だったので適当なところでリタイアを決めた。
「うーん、やっぱり一升だと多かったかしらねえ」
「兄貴二人と親父がいるうちの実家で食う量すよそれ」
改めて量を聞いて戦慄する。大家さんはミュナに作ってばかりでほとんど食べていないのでだいたい一人五合の割り当てということになる。
「まあ、なま物でも冷蔵庫に入れといたら一日ぐらいは大丈夫でしょ。置いてくから明日のご飯にでもしてちょうだいな」
「ねえ、おばあちゃんはなんでそんなにミュナに優しくしてくれるの?」
「おっ、おい」
「良いのよ」
正面から聞きにくいことをずばりと聞くミュナに思わず声を荒げてしまうが、大家さんは手で制した。
「んー……二十年前に初めてみゆちゃんとゆなちゃんを預かった時のことを思い出したから……かしらねえ」
「何かあったのー?」
「何があったってことはないのよ、ただ、あの時はもし孫ができたらこんな感じになるのかなぁ、って思ったのよ。だから旦那と予行演習になるわねって張り切ってあれこれ世話焼いたりして……結局、できなかったんだけどねぇ」
「えっ……」
ミュナも事情を察したのか口ごもる。そういえば、思い返せば大家さんから幾度か息子さん夫婦の話題は出てはいたが孫の話題が出ていなかった。
「授からないまままあまあいい歳になったからもう割り切っちゃったみたい。まあ、今の時代だとよくあることだし、気にしてなかったのよ。でも、みゆなちゃんを見て、あの時を思い出して、もしかしたらと思っちゃったのよ。迷惑だったらごめんなさいね……」
「迷惑とか、そんなこと全然ないよ。むしろミュナの方がフホーセンキョしてたようなもんだし。ちょっと量がすごくてびっくりしたけど」
「それなら安心したわぁ。じゃあみゆなちゃん、これからもおばちゃんのお節介に付き合ってくれる?」
「うん、いーよ!」
「じゃあ次は……冬服、かしらねえ」
俺の意見を差し挟む隙もなく話があれよあれよと進んでいく。確かに春に買ったミュナの服はこの季節には少し寒そうではあるものの、ミュナが寒いと言わないのを良いことに後回しにしてしまっていたので大家さんがどうにかしてくれるのであれば願ったりではあるのだが。
「でもみゆなちゃん、お外に行けないから採寸とかどうしたのかしら」
「前は適当にしたっすよ。ダボっとして多少余裕ありそうなのを」
「みゆなちゃん、一度測ってみていいかしら?」
こくりと小さく頷いたミュナに大家さんは満面の笑みを浮かべた。
「いやぁ、この歳になっていきなりちょっと大きな孫ができたようで楽しくなってきたわぁ。じゃあ、また今度採寸しに来ても良いかしら?」
「一応、事前に連絡してくださいよ」
「わかってるわよぉ、じゃ、おばちゃんは帰りますから。お皿はいつでも良いからね。今使ってないやつだし」
足取りも軽く大家さんは階段を下りていく。流石にあれこれご馳走になってそのままというわけも行かず俺も慌てて大家さんの後を追った。
「ただいま」
「おかえりなさーい」
大家さんを家まで見送って戻ってきた俺をミュナは畳に転がりながら出迎えた。
「あうー、おなかぽんぽんだー」
「食ってすぐ寝ると牛になるぞ」
「えー、つまりミュナもボインボインに……?」
「ならない」
大家さんが帰ったからとミュナは遠慮なく畳の上を転がりまわり惜しげもなく下着を晒している。
「ほらお兄ちゃん、見てよこの食べすぎてたぬきさんみたいになったぽんぽこおなか」
「めくるな」
シャツをまくって腹を出そうとするミュナの手を掴んで止める。
「いーじゃーん、ミュナとお兄ちゃんしかいないんだし。とりあえずパンツ脱いじゃうね」
「ったく……」
ぼやきつつもミュナの気持ちもわからなくもない。大家さん相手にはいつもの自分を出せないしうっかり口を滑らそうものなら大事になってしまうだろう。
「お疲れ、ミュナ」
「えへへー、もっと労えー」
ミュナを抱き寄せて髪をわしゃわしゃと撫でる。ミュナは気持ちよさそうに目を細めて俺の手を受け入れている。
「おばあちゃんが悪いとかそういうんじゃないけど、やっぱり気は張るよね」
「そりゃそうだ。服買うとか言ってたけど大丈夫か?しんどいなら断っても良いが……」
「んー、大丈夫。毎日来るとかだったら別だけど」
「それは俺も正直困る」
朝からあれこれあったのがようやく終わってお互いリラックスした状態で畳の上でまったり時間が過ぎていく。明日になれば今日のノートを読み返して一日サボった代償を払うことになるのだろうが。
「ねえ、お兄ちゃん、どうする?」
「明日は二限からだから早起きして手巻き寿司食べっかな。残った分はづけにしてちらし寿司っぽく……」
「うん、それもいいけど……」
ミュナはするりと俺の腕の中で体勢を変えて俺を上目遣いで見上げた。
「お昼の続き……したいんじゃない?」
ぺろり、と舌なめずりをするミュナ。俺のモノは既にミュナの感触にパンツの中で張りつめ始めていた。
「あは、図星だったかな?お昼はいちゃいちゃ止まりで不完全燃焼だったもんね?」
「いや、だけど……」
「明日は二限からなんでしょ?じゃあ大丈夫大丈夫。ミュナも無茶はしないし」
すっかり誘導されてしまっているのはわかっていたが、もう止まれなかった。
「じゃあお風呂はいろっか」
「お、おう」
逸る気持ちを抑えながら風呂を洗ってお湯を入れている間に布団とタオルケットを準備する。
「どうする?もうお湯入れながら入るか?」
「お兄ちゃんにお任せー」
二人で入るのなら水位も多少は上がるだろうと服を脱いで洗濯籠に突っ込み洗面所に入ったがミュナがついてこない。
「おーい、ミュナ?」
「えっへへー」
ミュナは布団の上で悪戯っぽくかつ妖艶に笑みを浮かべた。
「お兄ちゃん、折角だから別々に入ろ?その方が感動がおっきいよ」
「わかった……」
言われるままに一人で風呂に入り、湯船に浸かる。髪と身体を洗うその間もずっと俺のモノはこれから起きることへの期待にずっとそそり立ったままだった。
「おっかえりー」
風呂を出てタオルで身体を拭いてもやはり治まるどころかどくんどくんと心臓が二か所になったかのように脈打つ感覚に苛まれる。
「タオル、お兄ちゃんの使っちゃうね……わお♪」
強引にバスタオルを剥ぎ取られ、大きくなったモノをまじまじと視姦される。尖端は既に先走りがとろとろと溢れ始めていた。
「じゃ、お兄ちゃん。お風呂入ってくるから待っててね。一人でしてちゃ駄目だよー?」
「す、するかよ」
ミュナはにやにやと笑みを浮かべながら風呂場へと姿を消した。
布団にごろりと転がると、先ほどまでミュナが座っていたところにまだ温もりが残っていて、その感触に背筋がぞわりとする。風呂場からは小さく水音が聞こえてきて、それがさっきまでのミュナの裸身を否応なく想起させる。
普段ならば烏の行水のミュナがいつまで経っても出てこないのは単に俺が待ち遠しく思っているだけなのか、それとも俺を焦らすためにわざわざ長湯をしているのか、或いはその両方か。時間が経っても俺のモノは全く萎えず欲望を幼い肢体に叩きつける瞬間を今か今かと待ち焦がれている。
「おっまたせー♪」
がらり、と洗面所の扉が開いて薄衣を纏うようにバスタオルを巻き付けたミュナが現れた。際どいところをうまく隠しているが、一歩歩く度にちらちらと見え隠れしてつい目が行ってしまう。
「ちょーっと待ってね。髪乾かさなきゃ風邪引いちゃうからね」
口角を上げながらミュナは嘯く。バスタオルを髪へと移動させるとさっきまで隠れていた薄桃色の乳首と無毛の割れ目が露になった。風呂上がりで水滴がいくらか肌に残っているのが瑞々しさを強調しているようだ。ミュナは焦らすようにわざとゆっくり髪を拭いている。
「あれあれ?お兄ちゃんの視線を感じますなー」
どくん、どくんと心臓が脈打っているのが感じられる。お預けにつぐお預けで先走りを垂らす俺のモノは荒い呼吸に合わせて浅ましくもぶんぶんと空を切っている。
「あはは、もうちょっと焦らしても面白いかなって思ったけど……」
ミュナは蠱惑的な笑みを浮かべてするりと俺の傍に腰を下ろす。
「やっぱり、ミュナも我慢の限界だから、しよっか」
こくり、と頷いてミュナの肢体に手を伸ばし引き寄せる。すべすべの肌と温かな体温が遮るものなく直に感じられるだけでどくんと心臓が跳ね、下半身は今にも暴発してしまいそうだ。
「もっと、もっとぎゅーってして……」
「お、おう」
言われるままにミュナの華奢な身体をぎゅっと抱きしめる。ミュナの少し高い体温が心地いい。
「んん……お兄ちゃんあったかぁい。ミュナも、ぎゅー」
「んっ……」
ミュナも俺の背に手を回し、身体をぴたりとくっつけ合う。昼間の服越しの触れあいの時に着火した情欲の炎が熾火のように残っていて、再び燃え上がったかのようだ。ミュナも蕩けた表情で舌をだらしなく出して俺を見上げている。
「えへへ、お兄ちゃんぬるぬるだねー」
最大まで隆起した俺のモノはミュナの腹に当たり、先走りを塗り込むようにひくついている。水気が増した肌の感触は気を抜くとあっさり暴発してしまいそうだ。
「でも、ミュナもなんだぁ」
「くぁっ……」
ミュナは腰を上げ、俺の太腿を跨ぐように座りなおした。ぬるり、と熱い感触が広がる。
「んんっ……ね、ほら……」
ミュナの秘所もまた既に蜜が溢れていた。俺の太腿にマーキングするようにぬるぬるを押し広げながらミュナは俺に顔を寄せ懇願するように舌を突き出す。
「んんぅ……」
ぴちゃりぴちゃりと舌が絡み合う水音が響く。俺もミュナも我を忘れて舌を貪り合い、肌と肌をぴったりと重ね合わせて身体をぎゅっと抱きしめる。水音が響いているのは部屋中か、それとも頭の中か。
「おにいちゃ、もう、欲しいのぉ……」
舌を離したミュナが俺を見上げて切なげに囁く。ミュナの頬にはキスの名残りの唾液がべったりと垂れていててらてらと光っているがそれどころではないようだ。
「挿入れるぞ……?」
「ん……ひゃうぅ……」
抱きついているミュナの手を解き、布団の上にそっと横たえる。今にも爆発しそうなモノをミュナの蜜の溢れる秘所にあてがうが、腰が震えて少し目測を誤ってしまった。ぬるりとした感触が尖端を襲い、次いで少し硬い感触。ミュナの身体がびくりと跳ね俺のモノに愛液をなすりつけた。必死に下腹部に力を籠めて暴発を堪える。
「んん、焦らしちゃやぁ……」
蕩けた表情でミュナは嬌声を上げる。俺はそれどころではなく今度は狙いを違えぬように手をあてがって慎重に入り口を探る。ぬちゃり、一際柔らかくそして熱い感触が尖端に触れミュナの身体がびくりと跳ねる。
ずぷぷぷぷぷぷぷっ!!
「「あああああああああああっ!!」」
びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっ!!!!
声が重なる。なんとか挿入までは暴発せずにもたせたものの、挿入の瞬間に奥まで突き入れながら精を吐き出してしまった。きゅっとミュナの膣壁が締まり俺のモノを咀嚼する感触が射精直後の敏感なペニス全体にもたらされる。
「あは、美味しいね……」
ミュナは身体を起こして俺にぎゅっとしがみついた。腕と足でがっちりと俺をホールドしている。最奥まで俺のモノを呑み込んでいる肉壺と合わせて三か所と言うべきか。
「えへへー。ぎゅー」
ミュナにぴったりと抱きつかれると、ミュナの膣内で未だ猛っている俺のペニスの存在が感じ取られなにやら妙な気分になってしまう。
「ね……まだする、でしょ?」
「おう……」
ミュナは俺を見上げて目を細める。昼間に焦らされたせいか、一度出したにもかかわらずまだまだミュナと繋がっていたい、そんな思いが俺を支配していた。
「じゃ、このまま最後まで……」
「ん……っ」
ゆっくりと腰を引くとミュナの肉壺が離すまいと絡みついてくる。ぞるぞると亀頭から竿までがなぞられ目の前がちかちかするほどだ。ぎりぎりまで引いてから引くときよりも少し勢いをつけて奥まで突き入れる。
「あはぁっ、もっとぉ」
ミュナの身体がびくりと跳ねる。言われるままに引いては突き、突いては引くを繰り返す。ぱちゅんぱちゅんと部屋中に水音が響き、少しずつ腰の動きが加速する。
「おにいちゃ、しゅき、しゅきぃ」
ミュナは蕩けた表情で俺に向かって手を伸ばし、背中に腕を回す。いつの間にか両足もしっかり俺の腰をホールドしていた。
「おにいちゃ……きもちい……?」
ミュナは舌をだらりと垂らしながら呂律の回らない口調で問いかけているのか喘いでいるのか定かではない。俺ももはや返答する余裕はなかったが、気持ちいいのとミュナのことが愛おしいのは疑う余地などない。部屋に響く音はどんどん大きくテンポが速くなっていく。
「あん、んっ、あはっ、ね、おにいちゃ、みゅな、もう」
一心不乱に腰を打ち付け続ける。もはやミュナと繋がっているところ以外の感覚が希薄に感じられてしまうようだ。少しずつミュナの膣内の温度が上がっていく。
「あっ、あああああああああああっ!!」
「おおおおおおおおっ!」
ミュナの膣肉がぎゅっと締まる。獣じみた叫びとともにびくびくと痙攣するミュナに搾りだされるかのように一番奥で溜まりに貯まった欲望を解き放った。
びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっ!!!!
「あは、いっぱい出て、あついのぉ……」
下半身が溶けてミュナと融合しているかのような感覚。視界すら霞む中、ペニスに纏わりつく淫肉と尖端に食らいつく最奥が俺の放った精を飲み下している感触だけがやけにクリアに感じられた。
「きもちよかった?ミュナはすっごくきもちよかったよ?」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
長い長い射精が終わり、ようやく下半身以外の感覚が戻ってくる。ミュナは身体を起こし繋がったまま俺にぴったりと抱きついてきた。ミュナの体温がたまらなく愛おしい。
「きゃんっ」
全て出し切った俺はミュナを押しつぶすように布団に倒れ込む。その衝撃でずるりとミュナの膣内からペニスは抜けたが、ミュナの体温を全身に感じる心地よさがあればそれで良かった。
「えへへ、またしよーね、お兄ちゃん」
ちゅっと唇に温かく柔らかい感触が触れる。満面の笑みを浮かべるミュナを抱きしめ、こちらからも軽いキスを返した。
「ね、お兄ちゃん。おばあちゃんとミュナしか知らないことがあってちょっと妬いちゃった?」
「……少しな」
布団の上で裸で転がりながら言葉を交わす。シャワーを浴び直してタオルケットを洗わなくてはいけないのだが、もう少しこのままで居たかった。
「俺が大学に行ってる時のミュナもこんな感じだったのかな、ごめんな」
「それは言いっこなし。お兄ちゃんは大学に行くためにこの部屋を借りたんだから……それにね」
ミュナは悪戯っぽく笑うとまた俺の唇を奪った。お互いの間に唾液の橋が架かりてらてらと光る。
「こんなえっちなミュナを知ってるのは間違いなくお兄ちゃんだけだから、ね」
「それもそうか」
ミュナを抱き寄せて髪を手で梳く。汗をかいたせいで抱き合うとぬるりと身体がぬめる。
「ほら、シャワー浴びて着替えよ。お兄ちゃんとミュナしか知らない思い出、もっともっと作ろうね」
ミュナに促されふらつく身体に喝を入れて立ち上がる。これから大家さんが絡んでくるとは言え、俺とミュナの関係が根本的に変わることはないのだ、そう思いながらタオルケットを洗濯機に放り込んだ。
次の日の朝でも手巻き寿司の残りは食べきれず、夕飯にまで食い込むことになり大家さんが絡んでくることへの不安が再燃し始めたのはまた別の話。
なんかめちゃくちゃ間が空いてしまいました。お待たせしている方(いるのか!?)には申し訳ありません。体調はすこぶる良いのですがどうにも纏まった時間が取れずネタが出ずに唸ってばかりでした。
手巻き寿司食べたいと思って書き始めたけど途中で実際に手巻き寿司をしちゃって灯が消えたのも敗因かもしれません
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