「ありがとうございましたー」
コンビニの店員の気のない挨拶を背に店を出た。
クリスマスイブなのでサンタ帽を被せられていて制服と色合いが合わず異様な光景だった。さっきまで似たようなことをしていた俺が言えることではないが。
「……ふう」
暖かい柚子茶が喉に沁みる。ミュナに散々搾られて消耗した身体で昼から晩までバイトだったのだ。
「ケーキいかーっすかー」
「いえ、いいっす」
店頭ではまた別の店員に声をかけられる。どこもクリスマスとなると大変らしい。
今日は普段のホールの仕事ではなく店頭でサンタ帽を被ってチキンレッグとクリスマスケーキに見立てたちらし寿司を売るために声を張り上げていた。特にノルマがあるわけではないが、売れないよりは売れる方が良い。幸い、店自体の評判かそれなりに売れたので一安心だったが、声を張り上げたので喉に来てしまっている。
柚子茶を飲み干して店頭のゴミ箱にペットボトルを捨て、家へと向かう。今日はもうさっさとシャワーを浴びて寝るつもりだ。明日もクリスマス本番ということでバイトなのだ。
「ふぃー……」
家に戻って熱いシャワーを浴びると心地良さに声が漏れてしまう。ふと、さっき声をかけてきたコンビニ店員のことを思い出す。聞いた話ではコンビニバイトはクリスマスになると店員にケーキのノルマを課してくる店があって、ノルマが達成できないと買い取らされることもあるという。
「……間違いなくあのコンビニだったら買い取らされてるよなぁ」
入学直後にほんの少しだけ働いた困った職場が頭によぎる。辞める後押しをしてくれたミュナには改めて感謝だ。
風呂を出て、着替えて和室に入る。既に二人分の布団が敷いていた。ミュナは眠っているようで布団が規則正しく上下している。疲れて帰ってきたところに布団が準備されているのもこれまた嬉しいもので、ミュナがいてくれてよかったと重ねて実感する。まあ、疲れの発端はミュナなのだが。
「……ん?」
豆電球の頼りない灯りの下、布団の傍に何かが落ちているのに気づき拾い上げる。落ちていたのは一枚の紙だった。寝ているミュナを起こすのも忍びないので少し離れてスマホのライトで照らして書いてある文字を読んでみる。
“サンタさんお兄ちゃんへ クリスマスプレゼントにミュナをあげます 代わりにお兄ちゃんをください”
「……なんだこりゃ」
紙にはミュナの欲望がダダ漏れに詰まっていた。ため息をついて紙をどこかに仕舞おうとした瞬間、ふわりと空気の流れる気配がした。
「めりーくりすまーす!」
「あっぶね!!」
「むぅ、避けちゃ駄目だよー」
寝ていたはずのミュナが布団を被って俺に抱きつこうとしていた。全裸で。
「寝てたんじゃないのかよ」
「お兄ちゃんが帰ってきたならわかるんだよー」
全裸のミュナは両手をいっぱいに広げて布団を背中に抱えているので控えめな胸も無毛の秘部も丸出しで暗い部屋の中でそこだけがぼうっと浮かんでいるようだった。
「ということでお兄ちゃん、性の六時間だよ!いつするの?今でしょ!!」
「ばっかやろ明日も昼からバイトなんだよ」
じりじりと距離を詰めようとするミュナを手で制する。昨日散々搾られたのに連日ともなると身体が持たない。
「明日もこんな時間になるの?」
「いや、明日は夕方で終わりだ」
「じゃあ、明日はクリスマスイブ二日目───だね」
「それはただのクリスマスだ」
「あ、そっかー」
渋々といった表情でミュナは布団を背負ったまま自分のスペースに戻り、こちらに向かって手招きをした。
「しょうがないから明日の楽しみに取っとくとして……とりあえず、一緒に寝よ?」
「パジャマ着たらな」
「はぁーい」
裸でくっつかれると雰囲気に流されそうで怖かった。ミュナが納得して退いてくれているうちに不安要素を取り除いておく。
「ねえねえお兄ちゃん、こんな色気のないパジャマじゃなくてせくちーなスケスケネグリジェとか買ってよー」
「ミュナのサイズでそんなん出てるわきゃねえだろ」
「ぶぇー」
パジャマを着たミュナと布団に入る。布団に転がった途端に思い出したかのように労働の疲れが押し寄せてきて、ミュナの温もりを感じながらすぐに意識が落ちていった。
「大将ー、チキンレッグもちらしも完売っす」
「お、やるじゃねえか。去年は同じ数作って余ったってのに」
「曜日が違うからじゃないすか?」
「どうだろうなあ、そうだ、机倉庫に入れといてくれや」
「うっす」
二日に亘った店頭販売は意外に早く、最高の結果に終わった。なんやかんやでお世話になっている店が繁盛するのは嬉しいものだ。
「片付け終わったっす」
「よーし、お疲れさん。これ、ボーナス代わりのお土産な」
どんと目の前に折詰が満載のレジ袋が置かれて思わず目を開く。
「ちょ、そんないっぱい悪いですよ!?」
「いやいや、今どきあんなボロ物件に住んででも頑張ろうってえ若者はそうそういねえって。これ食って英気養ってラストの大掃除も頼んだぞ!」
何やら勘違いされているようだった。実際に天井が剥がれるレベルのボロ物件なのは疑うべくもないしわけのわからない幼女が出る。とは言えこの物件にしたのはワンルームとほぼ変わらない値段で多少物が増えても問題ない広さがあったからで、俺自身は苦学生というわけでは全然ない。仕送りも貰っていてミュナに多少お金を使っても問題なく生活できてはいる。
だが、その辺りを説明するわけにもいかなかったので大量の折詰はありがたくいただくことにさせてもらった。
「ただいまー。なんかお土産いっぱい貰ったぞー」
「おかえりなさいー。あ、めりーくりすまーす!」
「そうだな、メリークリスマス」
とてとてと出迎えに来たミュナがちゃんと服を着ていて少しほっとした。
「ごはんにする?ミュナにする?お風呂にする?ミュナだよね?」
「めっちゃお土産貰ったから早速食べような」
「スルーかぁ……ってホントにすっごいね」
一瞬不機嫌そうになったミュナだったが、レジ袋から折詰を出して見せると一転して目を輝かせた。
折詰のうちの二つは寿司だった。片方は巻き寿司と鯖寿司、もう片方は握り寿司と豪華な構成だ。ラッキーなことにわさびは別添えだったのでミュナも安心して食べられるだろう。
次の折詰は天ぷらと唐揚げがふんだんに詰まっていた。ご丁寧にも小分けにした天つゆと塩と大根おろしまで入れてくれている。そして最後の折詰は海鮮サラダだ。刺身や寿司を作る時に出た端切れと野菜を和えていて、栄養バランスにも気を遣っていただいていてありがたい限りだ。
「じゃあ早速食べよっか。お箸出すね」
「折角だし綺麗に盛るぞ。こんだけいっぱいくれたから敬意を表さんと。あ、あと一応クリスマスだしケーキもあるからな」
「やったー、ケーキ、ケーキ♪」
テンションが上がったミュナはくるくると踊り始めた。俺も予想外の豪華な夕飯にありつけるのでその気持ちはわからなくもない。踊るまでは行かないが。
「ふわぁ~……綺麗……」
「さ、食おうぜ。サイダーとオレンジどっちが良い?」
「サイダー!」
家中の皿を総動員してどうにか折詰の中身を盛りつけ、ついでに揚げ物はレンジで軽く温め直す。いっそ宅飲みする時のことも考えて大皿を何枚か用意しても良いかもしれない。そんなことを考えながら二人分のコップにサイダーを注ぐ。
「それじゃ、メリークリスマス」
「メリークリスマース!」
こん、と軽く乾杯をして一気にサイダーを煽る。労働に疲れた体に心地いい。
「じゃあ、とりあえずサラダから……あ、サーモン見っけ」
「おう、いっぱい食え食え」
目ざとく好物を確保するミュナを微笑ましく眺めつつ、俺は茄子天をいただく。茄子に切れ込みが入っていてその分衣の部分が多いのが嬉しい。温め直して少ししんなりしてはいるがその分遠慮なく天つゆに浸せる。
「握りの方もサーモン貰っちゃって良い?」
「良いぞー。鯖寿司も旨いから食ってみ」
こちらは天ぷら続きで穴子天だ。一本丸ごと揚げたのが名物だが、折詰にするために四つに分かれているのでつまみやすいしミュナにも分けられるのもありがたい。塩か天つゆか少し悩んだが四つあるのでとりあえず一つ目は塩で行っておく。揚がり具合が絶妙で口の中でほぐれて穴子の旨みが溢れ出す。
「美味しいけど大きくてお口に入りきらないよぉ」
「その言い回しやめい。半分に切ろうか?」
「お願いー。あ、握り寿司も半分に切れば半分こしやすいかな?」
「俺にそんな技術力を期待せんでくれ」
言いながらも包丁を取りに行き、寿司の等分を敢行する。サイズが大きい鯖寿司はなんとかなったが、握りずしはそうもいかず、一つ目に選んだまぐろはなんとかなったもののイカが無惨なことになってしまった。
「……やっぱ握りは無理だな」
「んー、しょうがないなー」
おもむろにミュナは俺が失敗したイカの残骸を手に取り口に運び───
「はい、あーん」
「むぐっ!?」
半分齧り取って残りを俺の口に捻じ込んできた。
「これなら半分こできるね♡」
「あのなぁ……」
「あ、それとも口移しの方がよかった?」
「ちがくて」
「もー、間接どころか直接だって何度もキスしてるくせにー。ヘタレー」
酷い言われようである。実際、こういう不意打ち的なのはどうにも過剰反応してしまう。
「半分ことか気にせんでいいから好きに食ってくれ。お世話になってるとこの飯を美味しく食べてくれると俺も嬉しいしな」
「うん、いやほんとに美味しいよ。前にお寿司持って帰ってきてくれたよね?」
「あー、あったなあ」
雑談に戻ったので内心で胸を撫で下ろしながら俺も寿司に手を伸ばす。折角なので等分にできたまぐろを。手まり寿司のようなサイズになっていてもしっかりまぐろが存在を主張している。ねっとりとした食感で水っぽさなど微塵もない。きっとネタを吟味しているのだろう。
「唐揚げも美味しいね。お兄ちゃんの好きな冷凍のよりも好きー」
「そりゃ俺だって冷凍よりこっちのが良いわ。でも冷凍ならいつでも好きにチンして食えるからなあ」
「お兄ちゃんも手作りしちゃえば?」
「木造で揚げ物はしたくねえわ。ってか小腹が空いた時にすぐつまめるから冷凍は偉いんだぞ」
普段はそこまで揚げ物を食べないミュナが唐揚げも天ぷらもとがっついているのを見ると何やら嬉しくなってくる。むしろ俺も積極的に参戦しないと食いっぱぐれてしまう勢いだ。慌てて自分の分の唐揚げを確保する。しっかりと下味がついていてさっくりと歯切れも良い。
「ミュナ、飛ばしてるけどケーキもあるの忘れんなよ」
「大丈夫!ケーキとお兄ちゃんはベツバラだから!んー、次はどれにしよっかなー」
ミュナは思いっきり迷い箸をしているが、流石に水を差すのもなんなので指摘しない。なんなら俺もやってしまいそうになるぐらい豪勢な夕飯になったし。問題発言はスルーして頑張って等分した鯖寿司を食べる。浅めの〆加減が脂のたっぷり乗った肉厚の鯖とベストマッチで後を引いてしまって結局もう半分も食べてしまった。
「あはは、クリスマスって凄いねぇ。美味しいね」
「大将にはミュナの分までお礼言っとくからな」
「はーい♪」
しかし大将は俺がまっすぐ帰る前提でなま物たっぷりの折詰を渡してきたわけだが、クリスマス当日にバイトに行って帰るだけと思い込まれているというのは少しだけ引っかかった。
「ふー、なんやかんやで全部食べれたな。ミュナ、ケーキ入るか?」
「もっちろーん!」
ミュナの食欲に釣られたのか、持て余すかと思った大量の料理も綺麗に完食できてしまった。皿をシンクに放り込んで冷蔵庫に仕舞っていたケーキをテーブルに持ってきて箱を開ける。
「おおー!」
ミュナは歓声を上げるが、ミュナの誕生日に用意したホールケーキよりも小さい最低限のクリスマスケーキだ。それでも苺は乗っているし間にフルーツも挟んでいるしサンタさんも乗っている。
「包丁、さっき鯖寿司に使ったからケーキはフォークでめいめいつつこうな」
「あいあーい」
取り皿とフォークを受け取るとミュナは早速苺の乗っているところをがばりと取って大口を開けて食いついた。
「取りゃせんからもう少しお行儀よく食べなさい」
「おひひひゃんほほはほうはっはほ?」
「何言ってるかわからんから食べてから喋ろうな」
「お兄ちゃんとこはどうだったの?」
「んー、兄貴二人とは歳が離れてるから取り合いとかはあんまりなかったなぁ。兄貴同士は歳が近いから取り合いとか喧嘩はあったようだけど」
雑談をしながらも行儀の悪い食べ方をしたミュナの口周りにクリームが付着しているのが気になって仕方がない。ウェットティッシュを取り出して口元に近づけるとミュナはいやいやをするようにかぶりを振った。
「おい動くな、口元拭くから」
「もったいないじゃん。お兄ちゃん舐めてよぉ」
ぺろり、と舌が蠢きクリームを舐め取る。一瞬どきりと心臓が跳ねた。
「いいから動くんじゃねえ」
「むぇー」
ドキドキを押し殺してミュナの口元のクリームを拭き取る。ミュナは不満げに口を尖らせて俺に向き直った。
「ねえお兄ちゃん、明日はお休みだからミュナとするって昨日約束したよね?」
「まぁ、それは」
「じゃあどうしてこうミュナがえっちに誘導しようとしてもスルーするの?」
「今ミュナといちゃついてると折角貰った豪華な飯を後回しにしてしまいそうだからだよ」
「あー、そっかそっかぁ……」
俺の返答にミュナは相好を崩した。
「そっかぁ、お兄ちゃん、ミュナの魅力に負けちゃいそうだからそっけなく対応してたのかぁ。それならしょうがないよねー、うんうん」
「約束は守るから今はケーキに集中させてくれ」
「はぁーい♪」
うまいことミュナは誤魔化されてくれた。俺の言葉は決して嘘ではない。ミュナの誘惑に流されてしまったらそのまま動く気力がなくなるまで搾られかねないのは事実だし、そうやって流されるのが常態化してしまうのが何より怖い。特に今日から休みに入るのだから、休み中ずっとミュナの身体に溺れてしまうような真似は避けたかった。あと、これを言うとミュナがまた不機嫌になるだろうが、食べ終わったらさっさと皿をシンクに浸けておいて油やクリームを落としたい。放置しておいてこびりついたのを落とすのは一苦労なのだ。
「えへへー、このケーキ美味しいね」
「適当に選んだけど当たりだったな」
クリームはしつこすぎず丁度いい塩梅でスポンジも柔らかすぎず硬すぎずを保っている。苺の酸味と間に挟んだ黄桃のシロップ漬けがアクセントになっていて、他に何も食べていないならこれ一ホール丸ごと行っても行けそうなぐらい後を引く味わいだ。
「お兄ちゃん、サンタさん貰って良い?」
「良いけどたぶんあんまり旨いもんじゃないぞ」
ミュナはひょいとサンタさんを摘まみ上げ、丸ごと口に放り込んだ。恐らく素材はマジパンかメレンゲだろうが、一口で食べるには少し大きいものの分けるとなると猟奇的な絵面になってしまうのでミュナが食べてくれるのであればそれでいいかと思っていた。すぐに思い直すことになるのだが。
「ん……ふふ……れろ……」
「……おい、何してんだ」
ミュナがサンタさんを丸ごと放り込んだ口から水音が漏れる。ミュナは上気した表情で俺を見上げながら口をもごもごと動かしている。
「わざとだろ、おい」
「ほへ?」
ミュナはわざとらしく目を細めて首をかしげる。その間にも口の中からはぴちゃりぴちゃりと水音が響く。こいつ、わかっていておちょくっている。
「……ん、ぷぁ、おいしかったぁ」
「あのなぁ……」
「はぁー?ミュナは単にケーキを食べていただけですけど?勝手にお兄ちゃんが意識してきただけなんですけどー?」
屁理屈を抜かしながらもミュナは見せつけるように口を開いて舌を出す。唾液に濡れててらてらと光る長い舌とさっきまで口いっぱいに頬張っていたとは思えない空の口内につい目が行ってしまう。
「あは、気になっちゃう~?」
「良いからケーキ食え───っ!?」
目を逸らしたのがまずかった。ミュナは一瞬の隙をついてするりと俺にすり寄り唇を奪って舌を捻じ込んできた。口の中に甘い味が広がる。サンタさんはマジパン製だったかと益体もない感想が浮かびながらも舌と舌が絡み合う感触に下半身が反応してしまう。
「ぷあっ!そだねー。ケーキ食べなきゃ♪」
ミュナは舌を絡めるだけ絡めてあっさりと唇を離した。お互いの間に唾液の橋が架かっているにもかかわらずわざとらしい物言いだ。
「ケーキ食べてー、後片付けもしてー……その後、ね?」
「ぐっ……」
座卓の下を潜ってミュナの足が俺のモノをズボンの上からつんつんと触る。耐えながら食べたケーキはキスの味に塗りつぶされて味がよくわからなかった。
「ふぃー、お風呂気持ち良かったー。お兄ちゃんも気持ち良かった?」
「……お、おう」
ケーキを食べ終えて、洗い物を済ませて、風呂に入って。その全てでミュナがひたすらに軽く俺に触れたり抱きついたりあちこちに軽いキスをしたりとさんざん焦らしに焦らされてきた。当然俺のモノは痛いほど屹立していていつ暴発してもおかしくない。
「おふとん準備しちゃうね」
ミュナはいそいそと押し入れを開けて布団を引っ張り出す。バスタオルを巻いてはいるがちらちらと見える少し紅潮した肌の色が艶めかしくて心臓が跳ねる。もう髪を乾かす時間も惜しくなってきたのでエアコンの設定温度を少し上げた。
「お待たせー。さ、お兄ちゃん、覚悟決めてごろってして?」
「……ん」
タオルケットを敷いた布団の上に寝転がる。俺のモノは真上どころか腹にまで当たる勢いで勃起していて尖端からは先走りが今から起きることへの期待と不安に漏れ出ている。
「あは、すっごい期待しちゃってるね。美味しそ♡」
ミュナが俺の上に跨って跳ねまわるペニスをそっと握って固定した。ゆっくりと腰が降りてくるにつれ、ぼたぼたと熱い雫が尖端に降りかかる。迷い箸をしなくなったと思ったら今度は涙箸か、などとどうでもいい感想が頭を過ぎった。
「いっただっきまーす―――んあぁぁぁぁぁっ!」
「ああああああああっっ!!!」
ずにゅにゅにゅにゅ!!
一気に腰が落とされ俺のモノはミュナの肉壺を掻き分けるように飲み込まれていく。二人の声が重なった。
びゅるるるるるるるるっ!!!
「あは、出てるぅ……っ」
ミュナの最奥まで呑み込まれたと思う間もなく奥へと勢いよく精が迸る。それを受けてミュナの膣内がわななき、きゅっとペニス全体が締め付けられた。ミュナは俺の上で余韻に身体を震わせている。
「おにーちゃんのそーろー♡。そんなに我慢できなかったのぉ……?」
上からミュナが挑発的なセリフを投げかけてくるが当のミュナも肩で息をしており絶頂したのを隠そうともしない。
「うっせ……ミュナもイったろ……」
「そりゃそうだよー。昨日の晩からずーっとお預けだったもーん」
一昨日あんなにやっておいてよく言えたものである。
「だからね、クリスマスの感動をおっきくしようと思ってお兄ちゃん煽ったりえっちなこと言ったりして気分を盛り上げてたんだよー……」
「よーやるわ……」
そっとミュナの指が俺の指に絡んでくる。両手ともぎゅっと所謂恋人繋ぎの形にされてしまった。下は勿論繋がったままなのだが。
「で、こんなに焦らしたんだから挿れて、出して、終わりじゃないよね?」
「ちょ、待て。サッカーですらもっとハーフタイム取るぞ!?」
「もんどうむよー♪」
「やめ……ぐああ……」
ミュナがぺろりと舌なめずりをするや否や膣壁がやわやわと動きだし射精直後の敏感なペニスを責め始めた。
「一回目はスピード決着だったから、二回目はゆっくり、じっくり……ね……っ」
言葉通りにミュナの腰の動きはゆっくりだが、だからこそにゅるにゅるとうねる膣壁が竿全体をゆっくりと扱き上げて奥の方に響くような重い快感が少しずつ蓄積されていく。
「あは、きもちー?ミュナも……きもちー……よっ!」
「うっ……ぐぅ……」
ミュナは絡めたままの指を離さずにひたすらに腰をゆっくり往復させる。ただ往復させるだけでなく、腰を捻って横の動きを追加したり緩急をつけたりと精を搾り出すための工夫に余念がない。一度出して暫くは出ないように思えていたのが少しずつ奥から何かがこみ上げてくる。
「ミュナ……もう……ヤバ……」
「んん……っ、ミュナが……イくまで……頑張ってぇ……っ!」
俺の限界が近いのを悟ったミュナは腰を引くのはゆっくりのまま、腰を下ろす時は一気に打ち付ける動きに変えてきた。一気に奥まで呑み込まれ、そこでミュナの動きがほんの少し止まるものの膣壁は容赦なく蠢いて射精を促し、その動きが収まらぬままゆっくりと縦方面への刺激が追加され……また一気に打ち付けられる。ぱちゅん、ぱちゅんと水音が響く。
「も、出……うぁぁぁぁぁ……」
「ん……あは、美味し……」
どぷ、どぷ、どぷ……
搾り出されるように二度目の精をミュナの膣内に放つ。それでもミュナは動きを止めず、ぐちゅりぐちゅりと粘度の増した音が結合部から響かせながら腰を打ち付け続ける。二度目で量を減じた射精が終わってもミュナは容赦してくれない。
「ほら、ほら……っ、頑張れ……っ、頑張れ……っ」
「む、無理ぃ……」
二度の射精にもかかわらず俺のモノは未だに萎えずミュナの膣内に囚われ続けていた。だが、萎えていないだけで射精すらできずただただ快感に晒され続けるだけであった。ミュナは淫蕩な表情で俺の上で腰を躍らせ続ける。
「ん……っ、そろそろ……っ」
「うぁ……ぁぁ……」
ミュナの動きが早くなる。引くのも戻すのも一気に全力、なりふり構わぬといった容赦のない腰振りだ。二度の射精を済ませている俺のモノに容赦ない快感が降りかかり、声にならない喘ぎ声が出てしまう。ミュナの腰の動きがどんどん早くなり───
「んああああああああっっ!」
びくびくと俺の上でミュナは大きく痙攣し、動きを止めた。ようやっと解放される、そう思ってミュナの指を解こうとしたが……
「ダーメ」
「ちょ、ミュナ、もう無理だって……」
「ダメ」
ミュナは手も下も繋がったまま放してくれない。ミュナはそのまま俺にしなだれかかってきた。少し高めの体温とともに柔らかい胸と対照的に硬い乳首の感触が肌に触れてミュナの膣内のペニスがびくりと跳ねた。
「えへへ、お兄ちゃんあったかーい。このまましばらく休憩したら三回戦だね♪」
「いや……そんな無茶な……」
「大丈夫、明日休みだしゆーっくりしよ?」
ミュナは俺に唇を寄せて軽くキスをしてきた。
「ね、まだサンタさんの味した?」
「……いや、あんまり」
「ホントにぃ?」
「む、むぐっ!?」
今度は不意打ち気味に唇を奪われた。ミュナの舌が侵入して俺の舌を絡め取り口内へと導く。粘膜同士の接触に触発されたのかもう出ないと思っていた精液が搾り出されるかのようにミュナの膣内へと流れ出た。
「あは、出た出た。それじゃ三回戦しよ♡」
「待て、もう少し休ませて……」
「終わったらお兄ちゃんゴシューシンのミュナのお口でお掃除したげるからね♪」
「あぁぁぁぁぁぁぁっ……」
結局日付が変わってクリスマスが終わるまで搾りに搾られ気がついたら昼過ぎだった。
相変わらず1ヶ月以上空いてしまいました。今年中に終わらせられるように頑張りたいです
季節感全然ないのが困りもの
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