今度こそ今年中に終わらせます
あれから俺とミュナは毎日のように身体を重ねるようになった。
お互い悔いを残さないようにと家中のあちらこちらで理由をつけてはやりまくった。流石にバイトのある日は加減はしたものの、それでも疲れて帰ってきてもお互い軽く触り合いながら床に就く始末だった。
「えへへー、お兄ちゃーん」
「なあ、いい加減離れてくれないか。そろそろ服着たいんだけど」
「もうちょっとー」
今日も今日とてしこたま搾られた後に、ミュナは飽きもせず俺の乳首に舌を這わせている。舌の感触に腰が跳ねるが搾られきった俺のモノは流石にもう無反応だった。
「ねえ、お兄ちゃん。そういやそろそろホワイトデーだよね」
「そうだな。何か食べたいものでもあるのか?」
唐突にミュナが話題を変えてきた。その隙にさっと服を引き寄せて着てしまう。いい加減裸だと寒かった。
「食べたいものじゃなくて……お願いがあるの。お兄ちゃん、一緒に何かお菓子作ろ?」
「お、おう?」
予想外の提案に少し戸惑う。一応ホワイトデー自体は意識していて買うものの当たりはいくつかつけてはいたのだが、作るのはあまり考えていなかった。
「ほら、バレンタインはおばあちゃんに教わってサプライズでチョコ作ったけど、逆に手作りのお菓子をお兄ちゃんが……ってなってもミュナここにずっといるからサプライズにならないじゃん」
「まあ、それはそうか」
そもそもサプライズも何もバレバレだったのではあるが。
「んー、つってもオーブンがないからクッキーは難しいよな……ゼリーはまだ寒いしプリンとかならできるか……?」
「んじゃケーキは?」
「いや、ケーキもオーブンが要るし……あー、でもスポンジは買ってきたら良いのか」
「けってー!ホワイトデーは二人でケーキを頑張って作る!で!お願い♡」
二人で、のところをミュナはやけに強調する。
「俺も昔家族で一回やっただけだからどうなるかわからんぞ」
「それでもいーの!成功しても失敗しても思い出になるじゃん!」
思い出という言葉に胸がちくりと痛む。月末にみゆさんとゆなさんと会うことでミュナがどうなってしまうのか不安がまたむくむくと頭をもたげ始めた。
「わかったわかった。レシピ調べて材料用意するからそこから先は保証しないぞ」
「わーい。たのしみー」
満面の笑みで抱き着いてくるミュナを引っぺがし、服をどうにか着せてその日は平和に終わった。
そうしてホワイトデー当日。
「さて、材料と道具は揃えたしレシピも調べたしわけですが」
「何か問題でもー?」
「本番一発勝負なのが大問題なんだよなぁ」
大家さん以外の伝手を使えるだけは使って助言を貰ったり買っても今後使わなさそうな道具は借りたりもした。本当は一回ぐらい練習もしてみたかったのだが、それはミュナが嫌がるだろうなと思ってしまったので動画を何度も見返して今日に至ることになった。手元にスマホを置いてブックマークに入れた動画類をいつでも再確認できるようにして材料を並べていく。
「えーと、まずはホイップクリームを作る、か。ミュナ、氷取ってきてくれ」
「はーい」
大きい金属のボウルに水を張って氷を入れ、その上に小さめのボウルを浮かべクリームと砂糖を入れて泡だて器で撹拌する。
「ミュナも手伝うことあるー?」
「これはちょっと加減が繊細らしいから今は見てるだけで良いぞ。後でしっかり働いてもらうから」
「はーい♪」
ミュナは目を輝かせてクリームを見つめている。少々やりにくいがミュナにとっては初めての体験だから仕方ないだろう。俺も初めてなので加減がわからなかったが、かき混ぜていくうちに泡だて器が少しずつ重くなってきてこれがクリームを立てるということなのだと実感する。
「お兄ちゃん、それは何してんの?」
「クリームを液面に垂らして硬さを確かめてるんだ。えーと、液面に垂らしたらすぐ消えた……ってことはまだまだか」
「がんばれー」
やりすぎて硬くなりすぎるとスポンジに塗るのには使えないと聞いていたのでかき混ぜては確かめること数回、ようやく七分立ての状態に仕上がった。パティシエが体力勝負だと言われている理由を思い知る。
「ミュナ、あーんして」
「ほへ?……あ、おいしー♡」
デコレーション用の苺を一粒クリームにくぐらせてミュナの口に突っ込むと彼女の顔がへにょりとほころんだ。
「美味いか?良かった。酸っぱめでケーキ用って苺にしたからちょっと心配だったんだ」
「美味しいって。疑うなら今から半分あげよっか?」
「要りません」
「むぇー」
舌を出して挑発するミュナをスルーして自分も一粒つまんでみる。クリームをつけずに食べると確かに酸っぱかった。商店街でびっくりするほど安かったのでもっととんでもない味も覚悟していたが、これなら問題なさそうだ。
「そんじゃクリームはしばらく冷やしておいて……今のうちに果物を用意しよう」
「はーい」
缶詰の桃を準備して缶を開けてシロップを捨てて薄切りにする。特に手入れもしていない包丁だと綺麗に切れず切り口が無惨になる上に背筋がひやりとする場面も何度か出てくる。ミュナにはバナナの皮を剥いてスライサーで輪切りにしてもらう。
「お兄ちゃん、バナナできたよ?どうどう、上手い?」
「お、おう。こっちはもうちょい……」
嬉しそうに裾を引っ張るミュナに生返事を返しながら必死で黄桃をなるべく均等に切り終える。皿を二枚重ねにしてその上にスポンジを鎮座させる。
「おおー、……あれ?なんかこれ小さくない?」
「これはスライスしてあるやつだからな。桃とバナナを挟むんだ」
「えっ、すごーい!」
ミュナはワクワクした様子を隠さない。スポンジを切るのに失敗したら目も当てられないから高くても良いからスライス済みを探すようにと周囲の有識者に言われたので素直に従うことにした。冷蔵庫からクリームのボウルを出してきてナイフでクリームを掬いスポンジに塗り広げる。
「うーむむむ、難しいな……広がらねえ」
「動画だとぱぱぱーってやってたのにねえ」
試行錯誤しながらそれっぽくなったので妥協して黄桃をぐるりと円周状に並べる。
「ミュナ、真ん中の空きスペースにバナナ散らしてくれ。上からスポンジ乗せるから隙間できても良いぞ」
「おっけー」
フルーツの上にもう一度クリームをかけ回し、気休め程度に均したらもう半分のスポンジを乗せる。
「わぁ、ケーキになってきてるねー」
「まあ、意外と見れるなあ」
とは言えあちらこちらはでこぼこしていて不格好なのは否めない。上から残りのクリームをかけてまた同じように均す。余った分は側面も塗ろうとしたがこちらは綺麗にはできず垂れて皿の上を彩る結果になってしまった。
「……悪い、ミュナ。汚くなっちゃった」
「だいじょーぶ、美味しそうだって。で、この上に苺とバナナを乗せるの?」
「うん、ちょっと待っててな」
冷蔵庫で解凍しておいた絞り出すだけのホイップクリームを準備してミュナに手渡す。ミュナはぽかんとした面持ちで俺を見た。
「あれ、できてるクリームもあるんだ」
「別の硬さのもう一種類作って袋詰めして口金つけるのは流石に面倒なんでな。お金かけて手を抜けるなら素人はそうしとけ、ぶっちゃけ買う方が絶対早くて楽だ、と教わったからな」
「たぶん余るからいっぺんこっちで試しに出して練習してくれ」
小皿を渡すとミュナはおっかなびっくりクリームを絞り出す。躊躇いがちな手つきのせいかぐにゃりと絞り出されたクリームは少し歪んでいた。
「け、結構難しいね」
「こいつとバナナと苺でミュナのセンスでトッピングしてみてくれ。任せたぞ」
「お、おおー」
頑張って作る、とミュナが提案したのでミュナにも頑張ってもらうことにした。これも良い経験になるだろう。クリームを自分で立てて塗るのが面倒だった腹いせでは決してない……たぶん。
「ミュナ、苺半分にしたいなら切るから言ってくれ」
「う、うーん。今は良いかな……」
ミュナが試行錯誤しているのを尻目に今のうちに使い終わった調理器具を洗って借りものとそうでないものに分ける。今回のために買ったものもそれなりにあり、キッチンの棚がどんどん狭くなっていく。入居直後は必要最低限しか入っていなかったのに。
「お兄ちゃーん、見て見てー」
「ほいほい……おっ」
片付けが終わった頃にミュナに声をかけられテーブルへと向かう。ミュナの努力の跡が見て取れる可愛らしい飾りつけだった。苺をあちこちに並べ、隙間を埋めるようにバナナとホイップクリームを配置している。店で売っているものとは比べるべくもないが手作りの温かみのようなものを感じさせた。
「綺麗にできたもんだなぁ」
「へへー、美味しそうでしょ」
「おう、そうだな」
腕に絡みついて頭をぐりぐり押し付けてくれるミュナの頭を撫でると彼女は幸せそうに目を細めた。
「よし、じゃあ」
「実食だねー?」
「いや、三十分ぐらい冷やしてから食べよう。部屋の熱で崩れやすくなってるから」
「はーい」
ミュナは素直に返事をして炬燵に飛び込んだ。流石に頑張って作ったケーキを前に三十分あれば一回できるなどとは言わないようだ。俺もクリームを塗ったり果物を切ったりで気疲れしたのでミュナを追いかけて炬燵に入った。
「あはー、キッチン寒かったから生き返るー」
「ケーキが崩れにくいようにエアコン切ってたもんなあ」
冷えた手を炬燵で温める。じんわりと血が巡っていく感覚が心地いい。
「えへへ、ケーキ、ケーキっ♪」
ミュナは身体を左右に揺らして楽しそうだ。その笑顔を見ると材料の調達や調理の疲れが報われる気がした。
「そろそろかなー?」
「だな、切り分けるか」
「わーい♪」
冷蔵庫に向かいケーキをテーブルに出す。包丁と取り皿とフォークを用意して、慎重にケーキの切り分け方を目測で決める。いざ包丁を入れようという段になってミュナが慌てて部屋に駆け戻った。
「ミュナ、どうした?」
「写真、写真撮ろっ」
「そうだな……」
写真と聞いて少し心がざわつく。写真に写らないミュナは思い出を残すにしてもこうやって彼女とかかわりのあるものを撮るほかない。ケーキを作ろうと言い出したのもやはりこのような思い出づくりのためなのだろうか───
「はいスマホ。それともミュナが撮ろっか?」
「んー……スマホとタブレットの両方に撮っとくか」
俺の懊悩はにミュナが戻ってきて中断された。ケーキを写真に収め、改めて包丁を構える。思い切って包丁を入れれば冷やしたためか意外とあっさりとケーキは切れていく。途中で見えないところにある中に挟んだ具に引っかかりはするが無事崩壊せずに六分割に成功した。借り物のケーキサーバーでケーキを皿に取り分ける。
「わー、お店みたーい」
「なんでか先輩が持ってるからって貸してくれたんだよ」
「……なんで?」
「なんでなんだろうなぁ」
首を傾げながらフォークでケーキを切り取って口に入れる。苺の酸味とバナナのねっとりした食感がスポンジの柔らかい食感とクリームの甘味と混じり合い、口内を彩る。見た目は少し歪だが味はちゃんとしている。
「えっへへー」
ミュナはと言えば苺を避けてフォークを入れて口に運んでいる。苺は最後に残す派だったようだ。だが、ケーキを咀嚼するにつれ、ミュナはどうにも釈然としないような表情を浮かべる。
「どうした?」
「んー、クリームと桃とバナナを一緒に食べたらなんかミックスジュースの味がする……」
ミュナの言葉に同じ組み合わせを試してみる。
「……うん、言われてみれば」
「だよねー」
確かに、内容物が桃とバナナと牛乳を加工したクリームなので喫茶店風のミックスジュースの味に近くなる。たまに自販機で缶ジュースで売っているあれだ。スポンジの食感もあの商品の妙な繊維質と似ていなくもない。
「苺も温存せずに食べとけ。苺が入るとまた違うから」
「おっ、ほんとだ。お兄ちゃんかしこいー」
ミュナは早速苺の乗った部分を口に頬張る。
「んー。これこれ。ケーキって感じがするー」
さっきの渋い顔はどこへやら、ミュナは緩んだ顔を晒す。切るのに包丁を使わずお手伝い感も出せるからとバナナを選んだのだがまさかこんなことになるとは。
「まだ入るよな?」
「うん!食べる食べるー」
ミュナの皿が空いたのでもう一切れを皿に乗せてやる。ミュナは嬉しそうに大きめに切り分けたケーキを頬張った。その綻んだ顔を見ると苦労が報われる気がする。
「えへへー、美味しいね。お兄ちゃんもちゃんと食べてよ。ミュナが手伝ったんだからね」
「わかってるよ」
自分で作った苦労のためか、一切れ食べきっても飽きずに同じ味でも食べ続けられる。ミュナもそれは同じなのかどんどんと皿の上のケーキは消えていき───
「ごちそうさまでしたー!」
「うーん、二人で一ホール行けちゃうとはなあ」
いつしか皿の上は側面を塗り損ねてこぼれたクリームだけになってしまっていた。食べすぎて胸やけになるなども特になく、満足感で満たされていた。
「でもこのクリーム勿体ないね。ミュナが舐めちゃおっか?」
「残ってるバナナ使おう」
「ノリわるーい」
れろり、と長い舌を出して挑発するミュナを放置して余ったバナナを食卓に持ってくる。手早く剥いたところでミュナがバナナをひったくってきた。
「バナナにたーっぷりクリームをつけて……ちゅ……れろ……」
「おいやめろ」
クリームまみれになったバナナにミュナは伸びた舌を這わせ見せつけるようにクリームを舐め取る。わざとか狙ってかはわからないが口元からクリームが垂れていて猶更目の毒だった。
「そうじゃなくて切ってちょっとずつだな……」
「痛くないのォ!?」
「痛くないです」
残った最後のバナナをスライサーで輪切りにして皿に並べる。だが、クリームの大部分はミュナが掬い取ってしまっていた。仕方なく冷蔵庫に向かい残ったホイップクリームをバナナの上に回しかける。
「さっきまでバナナだったものが辺り一面に……」
「良いから食え」
「ちぇー」
むくれるミュナをスルーしてスライスしたバナナを食べているとミュナもいそいそとフォーク片手に参戦してきた。ケーキに比べるとシンプルな味だがこれはこれで悪くない。流石にいい加減口の中が甘くなってはきているが。
「あー、美味しかったー♪」
「なんとかなるもんだなあ」
綺麗になった皿を前に熱いお茶で一服する。こっちまで手が回らず買い置きの粉の緑茶だがこれはこれで甘味に圧倒された口の中がさっぱりして悪くない。
「ホワイトデー満喫したよー。ありがと、お兄ちゃん」
「どういたしまして」
ミュナに抱きつかれると面倒ではあったものの悪い気はしない。ミュナは俺の腕の中ですりすりと顔を擦り寄せ───
「あは、じゃあホワイトデーのシメにお兄ちゃんの白いのもご馳走してもらおっかな?」
「うっ……」
ミュナの感触に少し持ち上がった股間を擦られ声が上がる。そのままおもむろに口内に侵入してきた舌の味わいはお茶の味わいを塗りつぶすほどに甘かった。
「で、即おふとん行かずにお風呂なのはなんでー?」
「ケーキ食って寒かったからだ……」
ケーキを作っている最中はクリームが溶けないようにエアコンを入れないまま作業していたので足下からすっかり冷え込んでいた。その冷えはお茶程度ではどうにもならなかったので折角だし先に二人で風呂に入ることにしたのだった。
「ま、いっかー。ケーキ美味しかったしね。また作ってよ」
「もう道具借りるのはめんどくさいから次は簡単なもので勘弁してくれ」
ミュナはいつもの定位置、俺の膝の上だ。お湯の浮力があるとは言え彼女の体重を預けられ肌を擦り寄せられるとそれだけで反応してしまいそうになる。
「えへへー、お兄ちゃーん」
「くっ……」
それに加えてミュナが積極的に手を伸ばしてきて弄ってくる。もうすっかりやる気満々でいるので止めようがない。
「お、おい、風呂ではしないからな。まだまだ寒いし……」
「わかってるって。こないだみたくお兄ちゃんが風邪で倒れでもしたら大変だしね。……本番はね」
「はうっ」
逃げるようにバスタブから出ようとしたところにミュナの舌が伸びて俺のモノをれろりとなぞり上げてきて声が出てしまった。ミュナもそれ以上は追撃しようとはせずそのまま俺を見送った。
「うー、さむ、さむ」
バスタブから出るとタイルの冷たさが直に伝わってくる。たまらずシャワーでお湯を出して風呂場全体を温める。三月も半ばとなって少しずつ暖かくなって来ているとは言えまだまだこのボロ家だとどこも寒い。
「お兄ちゃん、シャワー持っとくよ」
「お、サンキュな」
ミュナにシャワーを預けてタイルごと俺の身体にもお湯を浴びせてもらう。暖かいお湯と温まったタイルの二方向から熱が伝わってきて心地いい。
「頭も頼む。もう髪洗っちゃうから」
「はーい」
「あー、これこれ」
頭上からお湯が降り注いできて反射的にオッサンくさい声が出てしまうが、気持ちいいものだから仕方ない。
「ありがと、ミュナ。タイルもぬくもったし髪洗うから止めてくれ」
「はいはーい」
手早く髪を洗い次は身体に取り掛かる。スポンジにボディーソープを染み込ませ泡立て───
「折角だからミュナが身体洗ってあげるねぇ」
「あっおい」
ひょいと横からスポンジをひったくられた。ミュナはバスタブから出て自分の胸にスポンジで泡を擦り付ける。白い泡に塗れた濡れた身体が色っぽく見えて少し股間が反応してしまった。
「や、でも風呂で遊んでっと身体冷えるから……」
「じゃあミュナが背中担当するからお兄ちゃんはそれ以外でー」
理論武装で押し切られてしまった。背中にむにょりと温かく柔らかなものが触れる。にゅるにゅると泡が押し広げられている感触。
「ほーら、お兄ちゃん。手が止まってるよ。早く身体洗って、湯船でぬくぬく、しよ……?」
「ううっ……」
ミュナが耳元で煽り立ててくる。スポンジを手に腕から洗い始めるが背中の感触にどうしても手が止まってしまう。
「しょうがないなあ。じゃあ前も手伝ってあげるね」
ミュナの手が股間に伸びてきて泡塗れの手がさわさわと竿を愛撫する。射精に導くような激しいものではなくあくまで愛撫といったような感じではあるが、だからといって身を任せっぱなしにしておくわけにはいかない。
「ほーらがんばれがんばれ♡」
もう片方の手が乳首をさわさわと撫でる。背中と乳首と股間、三方向の快感に耐えながらなんとか身体を洗い終えた。
「ほら、身体流すぞ」
「あはは、頑張って耐えたねー」
シャワーで二人の身体を洗い流す。泡が落ちたところにミュナがぎゅっと抱きついてきてその感触にまた股間が反応する。
「お風呂出てからお布団でねー」
いいこいいこするように亀頭を撫でられ、俺のモノは頷くようにびくりと揺れた。
「かゆいところはございませんかー」
「大丈夫だ、サンキュ」
風呂で散々焦らされたぶん布団に移動したらすぐさま……とはいかず、ミュナに濡れた髪をドライヤーで乾かしてもらう。三月も半ばで少しずつ気温は上がってきつつあるとはいえ濡れた髪のまま身体を動かすのはエアコンがあっても寒い。また風邪をひいて倒れでもしては洒落にならないので風呂上がりにはドライヤーが欠かせなくなっていた。最初は洗面所で使っていたが、寒いのもあって今は横着をして布団の横まで持ってきている。
「乾いたねー。それじゃ、しよっか♪」
「待てよ、ミュナの髪も乾かさないと」
「えー、良いよ。その辺で消えて戻ればすぐ乾くし」
「それすると水浸しになるんだよ。良いからそこに座って」
「あぅ……」
ミュナの肩をがっしりホールドして座らせ、背中を向けさせる。つややかな黒くて長い髪が目の前に広がる。
「熱くないか?」
「だ、大丈夫……」
俺の髪のように適当にあちこちから温風を当てるだけでは長い髪は乾きそうにないので少しずつ髪を持ち上げて仕上がりを確認しながらしっかりと温風を当てていく。
「やっぱ髪が多いとなかなか乾かないな」
「そ、そうだね……」
いつにもましてミュナがしおらしい。俺に背を向けたまますっかりされるがままになってしまっている。
「ミュナ、大人しいな。どうしたんだ?」
「だって……恥ずかしいんだもん……女の子扱いされてるみたいで……」
「みたいも何もミュナは女の子だろ」
「お兄ちゃんのバカ」
拗ねるように言い捨てられたがミュナはそのまま髪が乾ききるまで大人しくしていた。
「ほら、お兄ちゃん。髪乾いたし、しよ?」
「むぐっ……!?」
おもむろにミュナが抱きついてキスを見舞ってきた。不意打ちに慌てたところにそのまま舌が侵入してくる。普段の貪るような舌を伸ばしてのキスとは違い、舌をぺろぺろ舐めあうキス。それでも充分気持ち良いのに変わりはなく、大きくなったモノにミュナの手が伸ばされた。
「んへへー……」
キスをしながらミュナは目を細めて幸せそうに笑う。その姿が愛おしくて彼女の細い身体をぎゅっと抱きしめる。俺の腕の中で小さな身体がびくりと震えた。
「ぷあっ……今日はぁ……じーっくり、しよーね♡」
二人の間に架かった唾液の橋がきらきらと輝く。お互い無言で見つめ合う中、暖房の起動音だけが響いていた。
「えっへへー、かーりかーり」
「ぐっ……」
ミュナが俺の身体の上にのしかかってきて乳首を舌と指で緩やかに愛撫する。もう片方の手は股間に伸び、亀頭をくりくりと掌で弄ぶ。風呂でも焦らされたせいで俺のモノは既に先走りを垂れ流しミュナの手を汚していたがそれが潤滑となり更なる快感をもたらしてくる。
「ほら、ちゅーしよ、ちゅー」
「ん……」
時折ミュナの顔が寄ってきて舌を垂らす。ぴちゃぴちゃと音を立てていやらしいキス。その間もミュナの手は動きを止めない。
「お兄ちゃんのおちんちん、びくっとしてるねー。食べて良い?」
「なあ、ミュナ……俺もしたいんだけど……良いか?」
「い……良いよ?」
何の気なしにした提案だったがミュナは少しびくりとしながら体勢を変えて俺の両脇に脚を置いた。明るいとは言い難い蛍光灯の灯りに照らされた蜜の溢れる無毛の秘部が俺の眼前でひくひくと蠢いている。
「え、えへへ……なんか、ちょっと恥ずかしいかも……」
「嫌だったら言ってくれよ」
「そういうんじゃないけどー、なんだろ、あうー……えいっ」
ミュナは照れ隠しのようにおもむろに俺のモノを口に含んだ。ぬるりと粘膜の刺激が竿から亀頭にかけて覆い被さってきて腰が跳ねそうになる。それに耐えながら俺も顔を上げてミュナの蜜を掬い取るように綺麗な桃色の割れ目に舌を這わせる。甘いような酸っぱいような、それでいてむせかえるような味が舌に広がり、ミュナは身体を跳ねさせた。そこだけが別の生き物のように熱くなっていて湯気まで出そうなほどだ。お互いが口を動かせないので部屋には水音だけが響き渡る。一心不乱にミュナの蜜を舐め熱い淫肉の隙間に舌を潜らせる。舌がぎゅっと締め付けられミュナの身体が一際大きく跳ねた。
「ぷぁっ……おにいちゃ、ミュナ、今軽くイっちゃった……」
ミュナが俺のモノを口から放し、うっとりと呟く。ミュナのクレヴァスがびくびくとひくつき一際熱い雫を迸らせながら俺の顔に押し付けられ返答ができないし言われなくても反応を見ればわかる。
「あ、ごめんね、お兄ちゃん。あはは、お顔べったべただ」
「やりたいって言ったの俺だしそれはいいけど……」
「あは、そろそろ挿入れるね……」
ミュナは再び体勢を変えて俺の上にぴったりと覆い被さった。ミュナの柔らかい感触と程よい重みが心地良い。限界まで張りつめた竿に湿気と熱が近づいてくる。
「ほーら、にゅーる、にゅーる」
「ぐう……っ」
ミュナのフェラで少しずつ限界が近づいているところに不意打ちのようにフェイントをかけられる。熱い秘裂が俺のモノに張り付いて内部の熱と粘度を予告してくる。ミュナも刺激に震え、その震えが俺のモノも跳ねさせる。
「ん……っ……挿入った……ぁっ……」
ミュナはそのまま腰を沈め、ゆっくりと俺のモノを奥まで呑み込んだ。先ほどよりも遥かに熱くぬめって、そしてぎゅっと淫肉が締め付けてくる。ミュナは一番奥まで俺のモノを迎え入れて、俺を見下ろした。上気した表情が色っぽくてどきりとする。
「えっへへー、ミュナのナカ、気持ちいい?」
「お、おう……」
「もうちょっとだけ、お兄ちゃんのカタチ、感じさせてね♡」
ぐつぐつと煮えたぎるような蜜壺が俺のモノをぎゅっと締め付ける。煮えたぎるようなのはこちらも同じで、俺の睾丸からは既に精液が今か今かと最後の一押しを待ち望んでいる。ミュナは俺に顔を寄せて軽くキスをしてきて───
「じゃ、動くね……っ」
ぞろり、と膣肉が竿を刺激する。挿入しただけでも熱くぬめった感触でどんどん高められていっていたのが更に動きを伴ってはもはや限界は秒読みだった。
「ん……んんっ……」
ミュナの動きも少しずつ早くなってくる。俺の上で跳ねまわり、髪があちらこちらに乱れる姿を見ながらどんどんと下腹部から射精感が駆けあがってくる。
「おにいちゃ、おにいちゃ……あ、あぁん……」
「ミュナぁ……っ!」
びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるっっっっっっ!!!!!
「あはぁ、出てるうっ……!」
「あ……あぁぁぁ……」
散々焦らしに焦らされ少しずつ蓄積してきた射精感が一気に爆発し、長い長い射精がミュナの膣内にびちゃびちゃと叩きつけられる。ミュナがびくりと身体を震わせ、膣内が窄まり精が奥へと絞り出されていく。
「えへへ、いっぱい出たね……」
「おう……」
ミュナは俺に身体を預けてくたりと脱力する。その細い肢体を抱きしめながらもまだ俺のモノはどぷどぷと精を吐き出していた。
「よっこい……しょっと……」
ミュナが腰を上げるとどぷりと精が溢れ、ほっそりとした腿を伝ってべたりとタオルケットを汚した。
「あ……ごめーん。やっちゃったー」
「……まぁ、洗えばいいさ。寒いけどもっかい風呂場行って身体とタオル洗うぞ」
「ごめんね、お兄ちゃん」
返事代わりにミュナの頭をわしゃわしゃと撫でる。なんとなくそんな気がしていた。今日のミュナは一度もサキュバスっぽいことをしていない。普通の女の子のような交わりだった。いや、普通の女の子としたことはないしミュナぐらいの外見の女の子とするのはそもそも普通じゃないのだが。
「ほら、身体冷える前にシャワー行くぞ。シャワーと洗濯してから寝よう」
「えー、二回戦はー?」
「ミュナ、する気ないだろ」
「えへへ、お兄ちゃんがミュナのこと大好きだってわかってるからそれでいいもんねー」
立ち上がった俺にミュナは腕を絡めてしなだれかかってきた。三月ももう半ば、あと二週間もしないうちに新しい年度が始まる。その前に起きるであろう大きいイベントは気がかりではあるが、じたばたしても始まらない。ミュナの毎日を大事に過ごすことだけを考えていたかった。
文中にもありますが、今回はミュナはサキュバスとしてのポテンシャルを一切使っていません。使えない、ではなく使わない、だけです。
この小説に求めるものは何ですか?
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いちゃいちゃ
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逆レイプ
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日常
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料理