夕方、大学から帰ってきたらちょうど家の前に宅配便の自転車が止まっているところだった。
「あ、すんません、うちの荷物ですか?」
「ちょうど良かった。サインお願いしまーす」
伝票には「服」とあった。この間注文したミュナのだろう。
「ただいまー、ミュナ、服来たぞー」
「え、どんなのどんなの?」
畳に寝そべって漫画を読んでいたミュナが跳ね起きて駆け寄ってきた。
「全部纏めて届いてるな」
「よかったー。ストールだけ来てたら裸ストールとかマニアックなことになっちゃうもんね」
「ならないです」
ミュナの挑発をスルーしつつ箱を一つずつ開けていく。今回はパンツとワンピースを洗い替えも入れて二組とストールを一枚買った。家から出ないならまあとりあえずこれぐらいあればなんとかなるだろう。
「じゃあ早速着てみるね!」
ミュナは着ていたシャツを手早く脱いでパンツを手に取った。女児向けの飾り気のない代物だ。と言うかそれ以外は予算の都合で無理だった。
「おい、今シャツ脱ぐ必要なかっただろ」
「良いじゃない。最終的に脱ぐのは同じなんだし。お兄ちゃん何度も見てるでしょ?ほれほれ」
ミュナは見せつけるようにポーズを取るが平静を装って耐える。何度も見てはいるものの、挑発されるとボディーブローのようにじわじわと性欲が刺激されてくるのだ。ミュナが狙ってやっているかどうかはわからないが。
「ありゃ、これどうしよう」
「どうした?」
「えーと、尻尾がちょっと……」
ミュナはくるりと後ろを向いた。パンツに尻尾が窮屈そうに押し込められている。
「あー、尻尾の付け根覆っちゃうのか、これ」
「そうなんだよー」
服の方はモデルが着ていたのを参考にできたが、パンツとなるとそうも行かず予算内で適当に買ってしまったのが仇になってしまった。
「うーん、こっちの方が良いかな?でもずっとこの状態はしんどいかも……じゃあこっち……?いっそ、股越しに前に通すとか……いや、無理……」
パンツの中を尻尾があちこち動く。尻尾のない俺にはなんともアドバイスのしようがなかった。
「駄目だよー、尻尾のポジションがしっくり来ないよー。略してしっポジが決まらないよー」
「言い方」
ああでもないこうでもないとごそごそすること数分、ミュナは渋い顔で尻尾を止めた。
「いけたのか?」
「んー、妥協に近い……見える誰かが来てる時だけならこれでどうにか持たせるけどって感じ」
「そっか、すまんな。無理はしないでいいからな」
「わかった」
言うや否やミュナはためらいなくパンツを脱いだ。
「ごめんね、お兄ちゃん。ミュナ、お外出れないから試着とかできないし。返品できる?」
「俺の方こそ確認が甘かったわ。すまんが家に誰か来る時だけは履いてくれると助かるから返品はしない」
「じゃあ勿体ないから普段はお兄ちゃんに被せたりお兄ちゃんのおちんちんをしごくのに使うね」
「使うな。いいからワンピースも着てみてくれ」
中空でパンツを上下させるミュナをスルーしてワンピースを渡す。
「うんしょ……あ、これ良い感じ」
「そりゃよかった」
おっかなびっくりといった感じでミュナはワンピースに頭を通して両腕を出す。くるりと背を向けると羽根がきっちり服の外に出ているのが見えた。
「えへへ、ちゃんとした女の子の服着るのっていつぶりかな?」
「着てたことあったのか?」
「ないんじゃないかな?たぶん」
「なんだそりゃ」
どうにも要領を得ないやり取りになってきた。先日のコロッケの件と言い、ミュナの過去は謎が多いがどうにも突っ込んで聞く勇気が出ない。
「ストールはどうかな……?えへへ、似合ってる?」
「うーむ……」
人外の存在とは言え女の子の服を見立てたことなどないものだからどうにも自信が持てない。羽根を出すためとは言え肌の露出が多いキャミソールワンピは「夏はこれ一枚でも!」の文字に釣られて購入を決定したものの、本当にこれは夏にこれ一枚で外出が可能なのだろうか。
「お兄ちゃん?おーい、お兄ちゃん?」
「お、おう」
「どうしたの、ボーっとして。ひょっとして、ミュナの魅力にメロメロになっちゃった?」
「あ、いや。そのワンピース、下着に見えてきて本当に正しいの買ったのか不安になってきたんだわ。それと、薄いワンピにストールって組み合わせもおかしいんじゃないかって思って……わぷっ」
おもむろにミュナがストールを振って俺の顔を軽くはたいてきた。
「気にしすぎー!そもそも、お兄ちゃんはミュナのために買ってくれたんだからそれでミュナはすっごい嬉しいの!羽根が当たって不愉快にならないようにってわざわざ選んでくれたんだからその気持ちだけでミュナは最高なの!!」
「だったら良いんだけど……」
「むー、けど、何?」
口を尖らせるミュナに俺は目を逸らした。
「やっぱり下着っぽいから……その、目のやり場に困ると言うか」
ミュナはしばし目をぱちくりさせて、それからにやりと口角を上げた。
「お兄ちゃんのスケベ~」
「ち、違う!ってかミュナと選んだ時のモデルさんは普通に着こなしてこれならって思ったけどいざミュナが着てみたらなんかエロく見えると言うか……」
しどろもどろに弁解すればするほど泥沼にはまっている感がする。モデルさんとミュナの違いは何なのか。目の前にいるという臨場感か、それともミュナとは身体を重ねたことがあるという背徳感か。答えが出ずに思い悩んでいたらミュナはおもむろにワンピースを脱いで丁寧に畳みだした。
「おい、何してんだミュナ」
「流石に届いてすぐ汚すのは気が引けるからねー」
そのまま全裸になったミュナは俺にするりとしなだれかかる。
「お兄ちゃんは、さっきのエロい服のミュナと今の裸のミュナ、どっちが好き?」
「いや、その、服がどうあれミュナはミュナだから……」
「つまり、どっちも好きってことだよね。えへへー、ミュナもお兄ちゃん好きー!」
ミュナはおもむろに俺に抱きついてきた。
「ね、お兄ちゃん、座って座って」
「お、おう」
「えっへへー」
ミュナに促されて座った途端にぎゅっと抱きしめられ口の中に舌が侵入してきた。いつものように甘い匂いで思考力を奪われているわけではないが、抵抗する気にはなれなかった。
ミュナの舌が口内を暴れまわり、俺の舌に絡みつき啜り上げる。粘膜同士の絡み合いに刺激されて俺のモノもズボンの中でむくむくと主張を始める。
「ん……っ、もう、脱いじゃおうねぇ」
素早く反応したミュナが口を離してズボンを引っ張るので素直に脱ぐ。
「じゃ、続き……行くよ……」
再びミュナにキスされる。俺の舌にミュナの舌が巻き付いたかと思うと、そのまま引っ張られるように俺の舌はミュナの口の中に迎え入れられた。ほんのりと甘い味が舌に広がる。ミュナ用に置いておいたチョコか何かだろうか。ミュナにリードされるままにお互いの舌がミュナの口内を踊る。
おもむろにミュナの手が俺の右手を引っ張る。キスの甘さに胡乱になった頭ではされるがままで、指先に湿った感触が触れるまで何が起こっているのか理解できなかった。
ずぷぷぷぷっ
人差し指と中指にいきなり熱い感触が広がり、続いて握りしめられるかのような締め付け。ミュナの手に導かれて指の抜き差しを繰り返す。指が奥に入る度にミュナの身体はびくんと痙攣して指への締め付けが更に強まる。いつもこんなにとんでもないところに挿入していたという自覚に俺のモノは限界まで張りつめていた。
ミュナの舌がじゅるじゅると音を立てて俺の舌と絡み合い、俺の指は魔性の蜜壺の感触を強制的に堪能させられる。二箇所からの快楽に触らずとも俺の腰は跳ねて先走りがとろとろと漏れ始める。そして、次の瞬間、ミュナのもう片方の手が裏筋をつつっとなぞった。
びゅるびゅるびゅるびゅるっ!!!
ほんの少しの一押しであっさりと決壊したかのようにミュナの腹にぶちまけてしまう。
「ぷはっ、いっぱい出たねぇ~」
ミュナは舌を離して身体にかかった精液を指で掬い取り、俺に見せつける。
「ちゅ……れろ……美味しいね。お兄ちゃん、すっごくおいしい……」
白濁で汚れた指に長い舌が絡みつき一本一本丹念に綺麗に舐め取っていく。以前にも同じ誘惑をされたが、今回はそれに加えて……
「ね……お兄ちゃん、指だけで良かった?」
自身の指をねぶりながらミュナはにやにやと嗤う。そう、俺の指には先ほどまで挿入していたミュナの膣の感触がこびりついていた。
「本当は、指以外もこうして欲しいんじゃない?たった一回つつーっとされただけじゃ足りなくない?」
「…………」
俺の理性はあっさりと陥落し、明日は大学の後にバイトがある日だと思い出したのはミュナの口と膣に一度ずつ精を放った後のことだった。
「やっちまった……明日大丈夫かこれ……」
「まあまあ、朝はちゃんと起こしてあげるから」
シャワーを浴びて明日のために早々に布団を敷いたらTシャツ1枚のミュナがしれっと潜り込んできた。俺が買った服は綺麗に畳まれたままである。
「キャミソールワンピはどうしたんだよ」
「初日から皺になったら嫌だし。折角お兄ちゃんが買ってくれたんだから」
インナーだから大丈夫だとは思うが、ぶっちゃけ女の子の服はわからないのでミュナの意思を尊重する他なかった。ミュナは俺にぴったりとくっついてすりすりと身体を擦り付ける。
「もうこれ以上はやらんぞ」
「そんなんじゃないって。ほんとに服買ってもらって嬉しかったんだから。でも、ミュナができることってこれぐらいしかないし……」
「そりゃま、気持ちよかったわ。ただ、加減しろ」
「えへへ、ごめんね」
ミュナには言えなかったが少しずつ感覚が麻痺してきているのか誘いにあっさり乗ってしまっている気がしてならなかった。流石に学業やバイトに障るのはよろしくない。
「今度はミュナのパジャマも買わなきゃな……」
「って言うかお兄ちゃんも二人っきりの時は裸になっちゃえばいいんだよ。ミュナが脱がす手間も省けるし」
「なるか、アホ」
「えへへー」
ぺしっと軽く頭をはたいたらミュナは楽しそうに笑った。結局のところシャツ1枚の姿でもミュナの恰好はエロく見えてしまう。それはミュナが座敷サキュバス故なのか、俺がミュナと何度も身体を重ねているからそう思ってしまうのか。考えているうちに搾られた疲労も相まって眠りに落ちてしまった。
次の日は行き帰りの徒歩三十分がしんどかったが辛うじてなんとかなった。
最初は短編にしようと思ったけど結局がっつり1話になってしまいました。それでも普段より短めですが
この小説に求めるものは何ですか?
-
いちゃいちゃ
-
逆レイプ
-
日常
-
料理