教科担任の一言によって、ざわついていた教室が静かになった。
この日の授業は保健体育。
どのような内容の授業なのか?細部まではわからなくても、前回の授業で大まかなことは全員に知らされていた。
ただ、その授業に優美という美人妻と可愛いと評判の女性たちが参加していることについて、男子生徒たちが妙な妄想を思い浮かべても不思議ではないし、不謹慎なことを期待している生徒もいる。
「はい、それでは教科書を開いてくれ」
担任が生徒たちに指示をすると、一斉に教科書が開かれるパラパラという音が、静かになっている教室に響き渡る。
生徒たちが開いたページには男性と女性の体つきや、生殖器官についての内容が書かれていた。
そして、担任は淡々と教科書を読みながら書かれている内容を生徒たちに説明している。
教壇の脇に立たされている優美と美玖は、ただひたすらに立たされ続けている態勢は、まるで罰でも受けているようで居心地がよくはなかった。
しかも、男子生徒から送られてくる好奇な視線はチクチクと肌を刺すものがあった。
一通り教科書を読み終えた担任が教科書を閉じた。
「教科書はもういらないから・・・机を並び替えて・・・」
生徒たちは言われた通りに教科書を閉じ机の移動を始めた。
教壇の前に置かれた机の周りは広く空間が設けられていた。
普段とは違う机の配置なのに、てきぱきと机の移動が行われたことは、配置が事前に生徒たちに指示されていたのだろう。
「美玖とおかあさんはここに・・・」
担任は教壇の前に寄せ置かれた机を指差しふたりに指示をした。
声がかからず出番を待ちかねていた美玖と優美は、しなやかな足を前へ出しさっそうと指示された机に向かって歩き始めた。
「ここでいいですか?・・・」
美玖と優美が尋ねれば、その机の前に立っているのを確認した担任は男子生徒に向かって言った。
「これから先は、優美さんと美玖の協力をお願いして女性の身体について説明をしよう」
「・・・、・・・」
生徒たちがざわつき始め、異様な雰囲気に教室が包まれると優美と美玖は担任を見た。
「これから二人に言いたいことがあるので、注意して聞くように」
表情を一変させ口を開く担任。
「美玖とおかあさん。ワタシの指示を断ることは断じて許されません。これは我が校・・・承諾書にも記載されています」
美玖と優美は冷たく言い放つ担任のセリフに、顔から血の気が引いていくのを覚えた。
「まず、美玖から着ている上着を全部脱いでもらいますので、おかあさんは彼女の手助けをお願いします」
(男子生徒の前で私が女生徒の上着を脱がすなんて?)
担任の指示に優美はこの状況を信じることすらできないでいた。
「授業時間は限られています。他にもやってもらわないことがあるので、おかあさんは早く美玖の服を脱がしてください」
担任の他にもというセリフが耳に残り、同時に絶望のような雰囲気さえ感じられた優美だった。
「おかあさんがどう思われようと、承諾書が提出されている以上は私の指示に従ってください。さあ、早く美玖の服を脱がしてください」
優美が憐れみの視線を美玖に送った時だった。
「優作のおかあさんかなにかは知らないけど、オバサンはさっさと私の服を脱がしてよ。センコウが言ったように、時間も限られているんだよ。グズグズしている暇はないんだよ」
思いがけない女生徒 美玖の言葉に怒りを覚えた優美はピクリと、こめかみの青筋を逆立てた。
ツカツカ
と、美玖の前に歩み立った優美は、彼女が着ているシャツのボタンに手をかけた。
美玖はすでに男子生徒の方を向きながら、上着を脱いでいた。
優美の手によって美玖のボタンが一つ一つ外されるにつれ、彼女の胸元が露になっていく。
「ゴメンね」
優美が美玖のシャツをはぎ取るとあらわになったブラジャー。
美玖も同級生に多く見られる青いブラジャーで、まだ成長過程にある乳房を覆っていた。
美玖の白い上半身はそのブラジャーのみとなった。
「全部と言ったはずですよ。おかあさんは美玖のブラジャーも外してください」
「オバサン、遠慮することないよ。ワタシは・・・から」
(えっ!?)
にわかには信じがたい言葉を聞き、躊躇いを覚えていた優美は自分の気持ちに区切りをつけ、彼女のブラを外しにかかった。
青いブラジャーが胸から取り払われると、美玖は両手で自分の胸を覆い隠した。
「美玖。腕を下げて直立不動の姿勢を取って男子生徒に胸をよく見てもらうんだ!」
美玖は担任の言う通り、ゆっくりと右腕を自分の胸から外すと、その場で気をつけの姿勢になった。
ゴックン
男子生徒は現れた美玖の乳房に唾を飲みこんでいた。
しかし、それは裸を指示した担任も一緒だった。
「さあ、みんな集まるんだ」
担任は男子生徒が美玖の周りに集めると説明を始めた。
「これが未発達の乳房だ。ふくらみはまだまだだが、女性としての体形は整えているはずだ」
担任は美玖の乳房に指先が付きそうになるくらいまで近づけ言った。
手で乳房を覆っていた美玖も、男子生徒の視線が乳房に集まると、両足を広げ仁王立ちになっている横で、ただ立っているだけの優美は疎外感を味わっていた。
「身体のくびれもよく見ておくように・・・」
担任は美玖のウエストラインをなぞるように指差した。
担任はおもむらにバッグからカメラを取り出すと、美玖の胸を撮影し始めていた。
カシャ、カシャ
と、乾いたシャッター音が優美の耳にも届いている。
「この写真は教材として残すためですので、おかあさんにも後から協力してもらいます」
有無も言わせぬ担任の強い言葉に優美は慄きすら覚え始めていた。