※この作品はR-18です。

転生して魔法使いになって○○に会いに行く(その後生活)   作:紅霧竜

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終わらぬ夜と永遠の思い

その日目覚めても夜であった

しかし時計は明朝を指し示し現実であると告げる

 

「異変かな?少し調べてみるか」

 

直人は館の周囲を探知すると、数多の妖怪がこちらへ攻めてきているのを発見し、結界で防ぎ止める

 

「直人さん助かりました!」

「我が主の居城に指一本血液一滴すら通すと思うな…」

 

直人の殺気を感じた全ては蜘蛛の子散らすように逃亡した

人里へ出向くと獣人の女性が術式を終わらせていた

 

「お前は…なにようだ?」

「ここの防衛に来ましたが…不要ですね」

「お前のとこの主人ではないのか?」

「彼女がこれをしてもメリット…得がありません、むしろ霊夢に滅ぼされるのが落ちでしょう」

「確かに…ならお前はどうなんだ?」

「私が望むのはフラン様の幸せ…このようなことをしても一時は喜びますが友人が危険であると知れば悲しみます」

「わかった…疑ってすまない」

 

直人は一度館へと帰る

フランはいない間に目覚めており現在の報告をすると

 

「私も調査する!!もちろん来てくれるわよね?」

「かしこまりましたフラン様」

 

身支度を整えるも普段と違う武器を持つ

フランは左腰に小太刀を身につけ、直人は弩(バリスタ)を持つ

バリスタとは本来大型であるが威力はそのままに魔力を用いて射撃できるよう小型化されている

 

「…あの二人も行くのね?では私たちも動くわよ」

「かしこまりましたお嬢様」

 

フラン達はまず霊夢の元に向かう途中で

 

「あら?あんた達どうしたの?」

「終わらない夜を調べてるの!何か知ってる?」

「え~と…時間を停めたのは私たちね」

「じゃあ夜が終わらないのは?」

「誰かが結界を張ったのよ…こんな大規模なのを張るなんてね…」

「私たちじゃないよ?こんなことしても良いことないし」

「そうね~私たちは動けるけど普通の人間には恐怖でしかないからね~」

「おーい霊夢~」

「マリサじゃない、どうしたの?」

「フランもいるの…何で刀を?」

「たまには使おうかなって…マリサも調査してるの?」

「ああアリスと一緒にな」

 

アリスと呼ばれた少女は4人の前に出ると

 

「アリスよ…よろしく」

「フランドールよ、こっちは従者の直人」

「霊夢達は前回挨拶したんだっけか?」

「そっちの紫は知らないけど」

「あら…わかるのね?ゆかりよよろしく」

 

自己紹介も短くそれぞれ探索に戻る

 

「私たちはどこにいこうかしら?」

「竹林?あちらは最近まで何もなかったような…」

 

二人は竹林に入ると

 

「お前らが原因じゃねぇか!!」

 

と見知った声が聞こえるが無視して進む

本来であれば迷うであろう場所だが直人の魔力探索の前では平地と変わらない

 

「うわーおおきいね~」

「お屋敷…と言うものでしょうか…人の気配がします」

 

敷地内へ入ると

ウサギ達に囲まれる

 

「はぁ~かわいい~!!」

「優しくですよフラン様」

「わかってるわよ」

 

フランがウサギに囲まれている姿を結晶に納めていく

 

「やあお客人、何かようかい?」

「この月を出した人物を探しているんですよ」

「それならここの医者だよ」

「そしてこのウサギ達は君の配下と」

「ああ…安全を保証する代わりにここの手伝いをね」

 

直人は警戒することなく会話をする

何故ならば「この少女に戦う力はあれど護れるだけの力はない」と判断したから

 

「そうだね~我々を主のもとまで案内できるかい?」

「なかも迷路になってるから難しいね~それでも良いならするけど」

「いやありがとう…情報だけでいいよ」

 

直人は得た情報をフランに伝えようと振り返ると

ウサギにさらに囲まれているモフモフになっているフランを見て

 

「かわいい…ここに来てよかったぁ…」

「あんたは執事何か付き添いなのかどっちなんだい?」

「執事で友人です」

「ああ…うちの主人とにているわ」

 

直人はフランに会話の内容を伝えると屋敷内部へと突入する

 

 

「うわーホントに迷路になってるねー」

「魔力すらも迷路に吸い込まれます…一筋縄ではいかないかと」

 

相談しているとうさみみのブレザーの少女が現れて…

 

「ジャマヲスルノカシラ?」

「これ以上は進ませ…ませ…ヒッ!?」

 

少女が魔眼を向けようと目を見た瞬間

黒より深い闇を宿す瞳に恐怖した

 

それはこちらを「いつでも壊せる人形」としか見ていない瞳

男性も「小さな羽虫」としか認識していない

 

彼女は過去にそれを受けており耐えれると思っていた

そんな甘い考えはすぐに壊れ…心が壊れかけたとき

 

一本の矢が翔んでくる

フランは居合いの要領でそれを弾く

 

「こんばんは赤い妹とその従者…いえ黒のスカウト、と呼べばいいかしら?」

「私たちを知っているの?」

「ええ…月からずっと見ておりましたから」

「なるほど…それは好都合」

 

二人はここにきた用件を話すと

 

 

「確かにそれはごもっとも…しかしこちらも譲れぬ理由がある」

「ならお茶でもいかがでしょう?あとから来る英雄に倒される方がいいですから」

 

弓を持つ女性は警戒しているが、目の前でテーブルや椅子を出しそこに座るフランとお茶やお菓子を用意する直人を見てしまえば『不意打ち』という言葉は消えてしまう

 

「これが黒のスカウトが好評な理由だったのね」

「不要な争いは利益になりませんから…フラン様こちらをそしてあなたもどうぞ」

 

弓を片付け椅子に座る

お茶を一口飲み毒などがないことを確認し

 

「毒とかつかわないの?」

「めんどくさい方法なのでしませんし我が主を危険にさらしませんよ」

「そうね…そうよね…姫様がいて…(しまった!?)」

「主護る結界でしたか…同じ事を私もするでしょうね…そうですよね…竹から生まれし月人さん」

「あら?気付いていたの??」

「ええ家からの気配は3…しかし見えたのは2つならば最後はあなたでしょう?」

「きれいな人だね」

「あらありがとう…これ私も食べていい(モグモグ)」

「姫様!?侵入者の作った物を無警戒に!?!?」

「美味しいわねこれ!あなたの手作り?」

「はい…おきに召されたようで何よりです」

「永淋…この人達は大丈夫よ…私たちのこと話しましょ」

「…わかりました、ではここにきた経緯や結界についてお話します」

 

永淋達は元々月で暮らしていたが不老不死の霊薬を飲み月から逃げるように幻想郷に来たこと

月からの刺客を避けるために大規模な結界を張ったことを簡単に説明した

 

「私も同じ事をしますね…」

「それなら私も賛成よ」

「そのせいで迷惑をかけてしまい申し訳ありません」

「いいのいいの!ちょうど霊夢っていうここの守り人が来てるから」

「噂をすればですね…」

 

先ほどのうさみみブレザーが善戦していたが突破されたようだ

6人の気配がこちらへ向かってくる

 

 

「我々は奥で遊んでいますね」

「あっ私もまぜてよ!色んな話聞かせてよ」

「いいよ!あなたのこともおしえてね?」

 

こうして永淋と別れ姫様と奥へ

 

「そうね、私は輝夜(かぐや)よ」

「フランドールよ、こっちは従者の直人」

「お見知りおきを」

「ところで直人からは穢れを感じないのだけれど…何故?」

「そうね…これは直人から話してちょうだい」

 

直人は転生前…つまり現代人として生きていた頃から今に至るまでの経緯を話した

 

「なるほど…あなたは自然であり心を持った精霊でもあると」

「その解釈で間違いありません」

「そしてフランに仕え支える為に不要なものを捨てたのが今なのね…」

「私の友人であり従者よ」

「もしも…もしもあなたと出会えていたら…少しは変われたのかしら…」

「結果はわからないから今を生きるんです…例え終わりがなくともその行動に価値が生まれるのです」

「私も直人が居なくなって蘇生しようとしたけど…彼はそれを拒んだわ…そしてそれを受け入れたからこそ今があると思うの」

 

目の前の二人は自分達に比べればとてつもなく短い時間を過ごしていたが、その濃さは同じ時間になると感じていた

 

「なるほど…二人はお互いを好きなんですね」

「私はフラン様の糧となり盾となり、フラン様の好いているものを守る要塞となりましょう」

「私の友人でありながらその全てをかけて生を終え、再び私の為に現れてくれた従者よ」

「重い…想いが…これには勝てないわね…」

 

そうこうしていると6人の少女が現れる

 

「あれ?二人ともすでに見つけてたの!?」

「私たちより速いなんてすげぇな!」

「それにしてもずいぶん仲良くなったのねぇ?二人とも??」

「さて…我々は」

「ここで見てるねー」

 

六人は暫しの沈黙のあと

七人の「はぁ!?」がこだました

 

「だって私たちは英雄じゃないし」

「私はフラン様の従者です」

「そうよね…私たちは異変の解決を目指したけどあなた達はあくまで調査だものね」

「うん!それに彼女達を止めるのは私たちの生涯を否定することと同じですもの」

「フラン…フフ!あなた達は本気で面白いわね!!永淋!結界を解きましょ!ここは安全よ!!」

「姫様…わかりました」

「あら?あっさり解いちゃうのね」

「だってここにはあなた達がいる、彼らを受け入れた世界がある、そして人もあやかしも自然も全て受け入れてくれる…そんな世界の守り人がこうして仲良くしてくれようとしてるのに拒む理由なんてないわ!!」

「そうですね、我々の身勝手すら受け入れてなお許していただける…それ以上何を望むといえましょう」

「さて…異変も終わった事ですし!?」

「直人!?何を!」

 

直人は空に向けて一発の結晶を放つ

それは月への警告

「我らの世界に侵攻するならば容赦はしない」

 

「直人は警告したのよ…〈来るならば相応の覚悟を持って〉と」

「姫様?どうして震えて…」

「永淋?…わからないの??彼はこの世界に存在してる全てを己の力にできる」

「それがどうかしたのですか?不死を殺すことなど…まさか!?」

「殺せないならば封じればいい、動力は己自身、例え世界滅ぼうとも闇を持って力となす」

「いつ見てもえげつない事を浮かぶわよね」

「さーて…宴会の準備頼むわよ?ここのしきたりみたいなものだから…それじゃあ楽しみにしてるわ~またねー」

」

 

こうして煌々と大地を照らす太陽が戻り一連の異変が終わったあと

 

 

「永淋…私たちは月での立場があったしその役目を放棄して逃げたわけだけど」

「姫様?突然どうされたのですか?」

「もし何も役目なく過ごしていたら…彼らと…」

「姫様…いえ…かぐや、彼らもいっていたじゃないですか?過去を見るより今を楽しみに先に想い馳せる、それでいいじゃないですか」

「そうね…じゃあみんなで宴会の準備しましょ!私たちの力見せつけましょ!!」

 

数日後

その日は夕暮れと共に騒ぎが始まる

首謀者である姫はみんなに混ざってお酒を飲み、はしゃぎ、時にからかい時にからかわれ、笑顔見せ楽しんでいた

 

「姫様が楽しんでおられる…」

「私も少し予想外でしたが…なじめたようで何よりです」

「同じ従者同士よろしくね」

「こちらこそ…月の頭脳には見劣りしますが」

「謙遜はいらないわよ?戦争へ介入して無血で終わらせた英雄さん」

「永淋ものもーよー」

「直人~こっちでのむよー」

「呼ばれましたか」

「行きましょうか」

 

月の頭脳と呼ばれたそれは

悲しみも、苦しみも、忘れられない記憶も、失った命も

その全てを隠していたのに、それゆえに迷惑をかけたのに

その詮索もされず受けいれられた

そして似た立場の従者も見つけた

それから人里での交流を初め

人々からも好かれる竹林の主として知られていった

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