※この作品はR-18です。

壊滅の劫火   作:獄華

10 / 50

最近3G始めた(IBの息抜き+4Gの発掘ガチャに嫌気を覚えて)


壮麗な冷気纏いし侵入者

 

「不味い」

 

 

紅く染まった紅茶を優雅に嗜み少女はぼそりと呟く。

「おいおい……」

 

 

その様子に少年は呆れたような声をあげた。

不味いは無いだろう。こっちだって美味しく飲んでもらいたい為に作ったのに。

 

「あーあ。親父とお袋のカフェ継げるか不安になってきたよ」

 

 

「そうね。この味だったらあなたのご両親の代でやめるべきね陽太」

 

 

「かー、そこまで言うかよ藍紅(あいこ)」

 

 

困ってる陽太を尻目にわざとらしく「ふふふ」と笑う。

姫宮藍紅はとある財閥の一人娘として産まれ両親からも一人前の立派な女性になるように育てられた。

性格も育ちに違わず結構高慢なところがある。

反対に炎帝陽太は町の小さなカフェ屋の跡継ぎとして産まれ自由奔放で延び延びとした性格をしていた。

そんな正反対な二人が何故紅茶をご馳走し、飲む仲なのかと言うと家が近く幼なじみだったからに他ならない。

悲しいかな産まれにより貧富や育ちに差が出てしまうのは大分が世の常であるが二人は小、中、高と共に進んできた。

お嬢様である藍紅に対し陽太は学問でも体育でもひけを取らなかったのだ。

カフェの修行を同時にこなしながらである。

中学に入った頃、藍紅はこの事実を大変気にくわなかった反面同時に幼なじみがと一緒に同じ場所で学べるのが嬉しいと複雑な思いが交錯していた……。

次第に彼女の彼への怒りにも喜びにも似た思いは大きくなっていく。

 

 

 

 

「全く今日はあなたに告白して晴れてカップルになった日なのにこんなものを飲ませるなんてとんでもない彼を持ったものだわ」

 

 

言葉とは裏腹に彼女の口調は非常に軽かった。

 

 

「こんなもので悪かったな。その割にゃ嬉しそうに見えるけど」

 

 

「なっ……!」

 

 

 

藍紅の顔が赤く染まるのを見て今までの台詞のお返しと言わんばかりにクククと笑った。

「美味しくなんか!……んぅっ!」

 

 

間髪入れず藍紅にキスをする。

文句を与える隙すら与えない。

驚いた様子だったが数秒もしない内に藍紅は陽太の腕に手を伸ばし口を少し開け舌を絡め合わせて来た。

 

 

 

「はぁ……藍紅……」

 

 

「陽太ぁ……」

 

 

 

心地良さが二人を包む。

時も忘れ暫くの間二人は口付けに夢中になった。

接吻を重ねる中で次第に身体が火照って行く―――。

 

 

 

「コッチは上手いのね。紅茶は不味いのに」

 

 

 

 

「お前の不味いは本心かどうか分からねぇからな―――」

 

 

 

 

「今から正直にさせてやる」

 

 

 

「もぅ……減らず口だけは一人前なんだから」

 

 

 

「お互い様だろ?」

 

 

藍紅をお姫様抱っこするとまたキスを交え、陽太の自室を目指し二人は向かった。

にこにこと笑顔を浮かべて……。

ただその笑みを快くなく見つめる視線には気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悔しい……悔しい……私の陽太君があんな高慢な女に取られて」

 

 

 

 

 

 

 

『口惜しい!』

 

 

 

 

 

 

「でも安心して陽太君……私のイヴェルカーナの力で取り戻してあげるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

壮麗な氷が陽太の家の周りを急激に冷やしていった。

温度差に耐えきれなくなったガラスは儚く砕け散る。

ガラスが砕けたと言うのにまだ気づいて無いのだろうか。

 

 

「それほどあの女との行為に熱中しておられるのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも大丈夫あなたを凍らせ、藍紅を凍死させてでも私の物にしてあげるから。

白い冷気を纏いながら少女は二人が入った部屋へと向かう。

 

 

 

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが投網市か」

 

 

「寂しい町だこと」

 

 

地面に降りたった龍雅と銀羽の二人は背中に生やした結晶の翼を閉ざした。

勾玉の力を使って気づいたことがある。

勾玉所有者は一般人から見えなくさせることが出来るのだと。

今日日人間が翼を生やして飛んでいたらそれはそれで直ぐ様ネットに晒されそうなのでこの能力はありがたかった。

 

 

「金皇はどうした?」

 

 

「さぁ、彼は私達飛竜種のように飛ぶんじゃなくて、跳ぶだからね。少し時間が掛かるんじゃない」

 

 

「ふっ、奴は牙獣種だからな。奴の到着を待つ前に死刑囚の勾玉所有者を……ん?」

 

 

「うぅぅぅっ…………!」

 

 

「ギャッハッハッハッハ!クルペッコに負けた気分はどうだぁ?アクラ・ヴァシムの勾玉所有者ぁ!」

 

 

 

黒結兄妹の目に踞る少々とそれを足で蹴り飛ばす囚人服を着た男の姿が見えた。

 

 

「龍雅、あれね」

 

 

「あぁ」

 

 

全ての状況があの男が死刑囚だと現している。

「てめぇの勾玉は両方もらったしアクラ・ヴァシムの力は俺のもんだ。てめえはここで死ね!」

 

 

「ひっ……!」

 

 

2つのモンスターの力を宿した蹴りが少女に当たる寸前で結晶の楔が馳踊彩人の蹴りを止めた。

 

 

「あああん?また結晶を使うモンスターか?」

 

 

「ふん、当たりだ」

 

 

「その子はもう勾玉を持っていないんでしょう?。なら戦う相手が違うんじゃなくて死刑囚さん?」

 

 

挑発染みた口調で銀羽は発する。

この時ばかりは妹の性格に称賛を送りたくなった。

 

 

「はぁー、てめえらどちらとも黒狐竜ミ・ルの勾玉使いか。おもしれぇ……強大なモンスターだろうと叩き潰してやらぁ!彩鳥の幻影!」

 

 

彩人の言葉と共に周りの景色が砂原に塗り替えられて行く。

 





なんか資格を取りたいと思う今日この頃
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。