※この作品はR-18です。

壊滅の劫火   作:獄華

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彩人の操るクルペッコに作り出された『幻影』の先で二人の初戦が始まる。


悪魔を呼び出す彩鳥

「『モンスターの幻影』を作り出したか」

 

 

 

 

 

 

 

『モンスターの幻影』

 

 

 

 

 

 

 

勾玉所有者固有の能力で場を現実世界から違う世界に住むモンスターの生息地に変えてしまう。

元々多種多様な環境に適応出来る生物達を除き場が変わったからと言って急激に戦闘に影響が出るわけではないが寒冷地に住むモンスターが溶岩地帯や砂漠地帯、逆に熱地に住むモンスターが寒冷地帯に出ると戦闘に支障が出る場合もある。

……無論例外はあるが。

幸いにしてミ・ルが住む場所は古塔だったため全く戦闘の支障にはならない。

 

「おまけに砂原なんて砂漠地帯……髪に砂が着いちゃうわ。孤島とかに出来なかったの?」

 

 

呆れたように言う銀羽に彩人は怒りを表す。

 

 

「けっ、贅沢な女だ。だがその強がりもどこまで続くか見物だなぁ」

 

彩人は左手に彩鳥クルペッコの召喚の勾玉を、右手に尾晶蝎アクラ・ヴァシムの勾玉を握った。

 

 

 

 

「暴れやがれてめぇらぁ!」

 

 

 

「キシャアアアアアアアアア!」

 

 

「クェェェェェェェェェェェッ!」

 

 

 

彩人の言葉と共に2体のモンスターが召喚の勾玉より実体化された。

 

「クルペッコとアクラ・ヴァシムか」

 

 

種族も戦い方も凡そ別々のモンスターであるがその強さはミ・ルには遠く及ばない。

 

 

 

 

あくまで『戦闘力』は。

 

 

 

クルペッコには他種にはとても真似出来ない厄介な能力があるのだ。

 

 

それは他のモンスターの鳴き声を真似し呼び寄せること。

場が乱されるのは必須だ。

 

 

 

「銀羽。俺が考えてることは分かるな?」

 

 

「当然よ。あまり私をなめないでくれる?その程度のこと勾玉を手にし全てのモンスターの知識を我が物にした今手に取るように分かるわ」

 

 

「ならいい」

 

 

 

龍雅は結晶を銀羽は手から青い炎を其々放つ。

二人の標的はクルペッコだ。

 

 

「へへッ!。甘い考えの奴らだ。てめぇらが最初にクルペッコを狙って来るぐらい俺でも想像つくんだよ!。アクラ・ヴァシム!クルペッコの盾になれ!」

 

 

「キシャアア!」

 

 

 

命令を受けたアクラ・ヴァシムは瞬時に体全体に煌めく紫の結晶を纏うとクルペッコの前に立ちその身を犠牲にして二人の攻撃を防いだ。

爆音と共に砂塵が舞う。

砂塵の中で結晶も冬のダイヤモンドダストのようにキラキラと光っていた。

 

「チィッ…!。」

 

 

「厄介ね!」

 

現実の蠍が人の命令を聞くなどまず有り得ないが(大脳が存在しないため感情を持たない)、アクラ・ヴァシムはモンスター。

そして勾玉で使役されるとなれば話は別なのである。

本命のクルペッコに攻撃を当てれずやきもきする二人だが黒狐竜ミ・ルの力を纏ったあまりにも高すぎる攻撃力にアクラ・ヴァシムは絶命し勾玉の姿に戻った。

勾玉に眠るモンスターにも死の概念があり一度死ぬとまた命が息吹くまで一週間は要する。

 

 

 

 

 

 

一見周期を挟めば循環して戦える不死身な生物のように思えるが、このインターバル期間に勾玉を壊されれば……そのモンスターは死んでしまい勾玉も塵と化す。

それがモンスターの完全なる死だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルペッコは殺れなかったけど…勾玉は壊さなくちゃ!

 

 

 

 

 

 

 

銀羽の手から結晶が放たれた。

今度の狙いはアクラ・ヴァシムの勾玉である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ、俺の手下を簡単に壊されてたまるかよ。来やがれ怒り喰らうイビルジョー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グォォォォォォォォォォォォォォォォ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結晶は突如、地面から出現した緑色の禍禍しい竜に塞がれてしまった。

 

「ははは!。流石の黒狐竜の攻撃もコイツには効かねぇな!」

 

 

 

「あれは……」

 

 

「イビルジョー!」

 

 

 

目の前に現れたその竜に二人は驚きを隠せない。

『貪食の恐王』の異名を持ち自分以外の生物全てを『餌』としか認識しない獣竜種のモンスター……『恐暴竜イビルジョー』に。

かの竜は『鋼龍クシャルダオラ』や『滅尽龍ネルギガンテ』等の古龍にも匹敵する力を持ち、おまけにクルペッコの能力で呼び出されたであろうこのイビルジョーは極度の飢餓状態を生き延び常時赤い怒りに染まる個体だった。

 

 

「…益々面倒なことになって来たわね!」

 

 

「奴のクルペッコがイビルジョーの鳴き真似をした姿を目撃していない……。一体どうやって呼び出した?」

 

 

「鳴き真似をしてないだと!?。テメェの耳には糞でも詰まってんのか!」

 

龍雅を嘲笑しながら、彩人は言い続ける。

「俺のクルペッコは鳴き真似を鍛えに鍛えあげ僅か1秒で他種の鳴き声を出せるようになった!。死刑囚ってのは本当暇でねぇ……おかげでこいつの能力の研鑽にうんと時間を掛けられたぜぇ」

 

 

「ふん、有意義に時間が使えて羨ましいこと」

 

 

 

1秒だとすれば勾玉所有者当人以外には何のモンスターを呼び出したか分からないレベルだろう。

 

「そして、発現した俺の覚醒能力の1つにクルペッコが呼び出したモンスターを好き勝手使役出来る能力がある。つまりクルペッコに呼び寄せられたモンスターは実質俺の手の内ってこった!やれイビルジョー!」

 

 

「グォォ!」

 

 

彩人の命令を受け怒り喰らうイビルジョーは二人を攻撃しだした。

 

「あれ、意外と大したことないのね」

 

「余裕でかわせるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミ・ルの力を纏いなんなくかわす二人だがその裏で彩人がもう一体のモンスターを呼び寄せてることには気付けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘ、余裕こいてられんのも今のうちだぜ。

もう一頭の古龍級生物……あの『飛来せし気高き非道』を呼びゃあテメェラなんざ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウォォォォォォォォォォォォォォ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焼き付くような太陽が照りつける熱砂でイビルジョーのものとはまた違う於曾ましい咆哮と共に岩壁に一匹の飛竜の飛来する巨影が写る。




ワールドベースになった今クルペッコ出るとしたらどんな仕様になるんだろうか。
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