5月末の追加モンスターが楽しみ。
……最初彼女を見た時何て綺麗な子なのだろうと思った。
女である私が思わずその美貌に病みつきになりそうなぐらいに。
病弱でしかも命に関わる病を抱えてながらこれほど美麗な子は見たことない。
そんな今日漸くお目にかかれた同級生にちょっかいを出す2人の生徒をクラス委員の委員長と副委員長である私と陽太は許すことが出来なかった。
ぶつぶつ文句を言いながら妃刺榎は自分の席に戻り黒真もその後を急いで追いかけた。
「大丈夫?。ごめんなさいね変な輩に絡まれるのを止めれなくて」
「気にしないでください。変なヤジには慣れてるしどこか新鮮さを味わえましたから」
彼女の台詞に二人は苦笑する。
キッ、と鋭くこちらを見つめる視線を感じながら。
「新鮮さねぇ……あんな奴らで感じてもどうしようもないぜ?」
「ふふっ、そうかも。でも楽しかったのは事実だから」
嘘や偽った表情には見えない。
どうやら本当に楽しかったようだ。
「何よ!馬鹿にして!」
「ま、待ってくれ妃刺榎!」
会話が癪に触ったのか荒い音を響かせ立ち上がって教室を出た妃刺榎の後を追うように黒真が出て行った。
「ともかく貴女に怪我が無くて良かったわ。綺里華さん。私はクラス委員長の姫宮藍紅、そしてこちらは……」
「副委員長の炎帝陽太!。コイツとはガキの頃から幼なじみなんだ!。宜しくな綺里華!」
藍紅が紹介する間もなく陽太は自身で自己紹介を終えてしまった。
「ちょっと!、私が紹介しようとしてたのに……!」
「いいじゃんいいじゃん!。減るもんじゃないし。綺里華この後なんか予定とかってある?」
「いいえ。病院に帰るだけだけど」
「そうか。じゃあさちょっと俺らと町でも探索しないか」
「え?」
舞雪は素っ頓狂な声を出した。
それはそうだ、会って間もなくいきなり一緒に出歩かないか等と言われたら誰でも吃驚するだろう。
大好きな陽太だが昔からたまに行動が読めない時がある。
人間皆違うから当然だと言えばその通りだが小さい頃からの付き合いの彼の行動が完全に分からない自分に無力さを感じてしまう。
……他者よりもこんなにも近い存在なのに。
「うふふ。それはデートのお誘い?」
首を傾げながら舞雪は返事する。
だがその様子に黒真が話し掛けた時のような嫌悪感は見られなかった。
「ハハハ!違う違う。俺と藍紅と綺里華の3人でぶらぶら歩くだけさ。今日はテスト期間だから午前中でおしまいなんだ。だから掃除して先生の適当な話を聞いて終わりさ」
「ちょっとナチュラルに先生の話を興味なさげに例えないの!。それに綺里華さんだって来ていきなりそんな事言われて迷惑に決まってるわ」
「構いませんよ」
「……え?」
自分でも間が抜けたような声が出た。
声が出た原因は当然彼女が陽太の誘いを断るとばかり思っていたのに受け入れたから。
黒真に声を掛けられても全く気にしてなかったのだからそう想像出来るのは容易だ。
……なのに陽太の誘いは受け入れるなんて。
どうして……黒真の時はあんなに嫌がってたじゃない…………どうして………?。
「藍紅、おーい藍紅」
「……ごめんなさい。ちょっと考え事してたわ」
陽太が自分を呼ぶ声に気付くのにだいぶ掛かってしまった。
「勉強疲れですか?。姫宮さん」
私を心配するその声音に偽りはない。
本当に私を労った上での発言だ。
って言うか私ったら何考えてるのかしら?。
自分の彼が病弱でほとんど来ない同級生に遊びに誘って彼女がOKしただけなのに……まるで寝盗られたみたいに嫉妬するなんて。
あくまで陽太は綺里華さんを遊びに誘っただけなのに。
「大丈夫。何ともないの」
「ならいいのですが」
「じゃ、続きはまた掃除終わった後でな。綺里華の掃除場所は東校舎の3階の廊下になるから途中まで送ってやるよ。藍紅俺達も掃除しに行こうぜ」
「えぇ……」
「ありがとう。炎帝君」
「気にすんなって」
陽太が綺里華と一緒に歩く時、綺里華が一瞬勝ち誇ったような表情を見せたのを藍紅は見逃さなかった。
不振を抱きながら藍紅も二人の跡を追いかける。