舞い降りる伝説は原曲もworldversionも神曲だな。
おかげで資格取得の勉強が捗る。
人間がこれ程の憎悪を向き出しにするのを見るのは初めてだ。
怒りに染まる翠夢とは逆に龍雅は落ち着いてその様子を見ていた。
姉として弟を愛しているのは分かる。
しかしこの憎悪の懐き方は少し異常に思えた。
息を乱しながら翠夢は拳をギュっと握りしめた。
「蒼王はあの日、同級生の伊里愛 桜花さんと共にある半グレ集団に捕まり暴行され身も心も汚されたのです。お話ししましょうあの子を襲った悲劇を―――――」
…
……
………
…………
「ここは…」
揺れる一室の中で蒼王は目を覚ました。
煙草臭く、その他にも何やら不快な匂いがし照明の灯りが蒼王を照らす。
「…つぅッ!」
頭がズキズキする。
「姉貴ぃ……私そんなに食べられないよぉ……えへへ」
「桜花ちゃん!?。なんで彼女迄僕と一緒にこんなところに……?」
記憶を辿るが何があったか思い出せない。
ただ1つだけ言える事があった。
状況から導き出される合理的な答え。
「僕らは誘拐された……?」
だが誰が何の目的で?。
いやしかしこう言う物の動機は殆ど「何となく」等理由が皆無に等しい動機も多い。
少し落ち着いて来た蒼王の耳に車が走行する音が聞こえた。
「随分床がゴツゴツすると思ったけど……ハイエースかなんかの中なのかな……」
揺れ方からして察するに自分達が今居る場所も車の中だ。
よく見るとスライドドアもある…。
そして今更気付いたがも点いていた。
よくよく考えればこう言うバンはスライドドアを閉めれば一切外の光が入らない為に照明がなくては真っ暗闇だろう。
不意に視線を感じた。
左後側方を見上げると、赤い光が着いた黒いカメラがこちらを捉えていた。
「監視されてる……!」
『やっと目、覚ましたみたいだよパパ!』
『そうみたいだな。まだ良い子にしてろよ坊やたっぷり可愛いがってやるからな』
一人の少年の声とドスの聞いた男の声が聞こえた。
「ここは何処なんだ!。僕と桜花ちゃんを家に帰せ!」
『なんだぁ。ホームシックになっちまったか?。益々愛着がわくねぇ』
「ふざけた事を……!」
『心配しなくても全て終わったら帰してあげるってばー。だから今は大人しくしてなよ』
駄目だ話が通じない。
これ以上会話しても無意味だと判断した蒼王は蹲りながら監視カメラを睨んだ。
絶対許さないと言う揺るぎない意志を込めて……。
『良いね。強気なガキの心を砕くこと程楽しいことはねぇ』
10分程が経過しただろうか……。
車は止まりガラガラとスライドドアが開かれた。
「ほーら着いたよ。君とその子が楽しめるパーティ会場にね」
身長160cm程の黒を基調としたロリータ調の服を着た人間がドアを開け出迎える。
頭には花飾りを付けどう見ても女にしか見えないが。
「さっき僕らを監視してた奴の一人か…」
「監視だなんて怖い言い方してー。籠の中の鼠を見てるくらいの感じでしかないよ僕からしたら」
笑いながらこちらを見つめるその眼つきから、どこかこちらを見下してるような気がした。
気分が悪いな……。いや、この状況そのものが気分が悪いけど。
この人間の存在が更に僕の気を逆撫でする…。
「うん……んー。ふぁぁ?。あれここどこ?そー君も居る」
桜花が目を覚ましたようだ。
「ほらほら。君のお友達がお目覚めのようだよ」
「見れば分かる……桜花ちゃん。何処か痛いところとかない?」
「うんうん。大丈夫だよー。強いて言えば寝たりないところかな」
言い終わると彼女はまた小さく欠伸をした。
「マイペースな子だね〜。これからどんな運命が待ち受けるかも知らずに……」
クスクスとソイツは笑う。
「遊!。お喋り過ぎだぞ。さっさとやろうじゃねぇか」
身長180以上の筋肉質の男が血走った目で蒼王と桜花を睨む。
赤ん坊のように涎をダラダラと垂らして。
「分かったー!パパどっちやるの?」
「俺は断然この坊主だ。野郎のが締め付けが良いからなぁ!」
「じゃあ僕はその女の子ね」
「ひっ………!」
ようやく事態を飲み込んだのか桜花は恐怖に顔を引き攣らせる。
遊と呼ばれた人間の手にはスタンガンが持たれていた。
「ぁはははは、失神させてからやるのが凄く気持ちいいんだよね」
「お前らふざけるな!こんなことして只で済むと……」
「おー、優等生みたいなこと抜かしやがってこのクソガキ」
「かはっ!」
言い終わる前に男は蒼王の襟元を掴むと思いっきり床に叩きつけた。
「グッ…!」
「そのままで言い取り敢えず俺の話を聞け、人生なんてのは楽しんだもん勝ちなんだよ!。今の俺みてぇになぁ!」
ビリビリと音を立て、蒼王の服が破かれていく。
何をされるか瞬時に理解した蒼王は「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と声を荒らげながら必死に抵抗するも男の力に押し負けた。
「たっぷり可愛いがってやるぜ?」
蒼王は人生で初めて想像したことのない屈辱を肉体的にも精神的にも受けた………。
どれくらいだったろう……?。
嫌な感触と嫌な匂いがまだ身体に纏わりつく。
「うぅ……ひっぐ…」
桜花はすぐ隣で泣いていた。
蒼王と桜花はあの二人に犯され、山中に置き去りにされてしまった。
「桜花ちゃん……大丈夫……」
「……ふふっ、そー君、大丈夫に見える……?」
「ごめん……」
「そー君は悪くないよ……悪いのはあいつらなんだから………うぅぅぅぅ…」
桜花の泣き声が静寂な山中に響いた。
梅根の悲鳴が………。