※この作品はR-18です。

壊滅の劫火   作:獄華

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死から解き放たれた、馳踊彩人。
彼は怨嗟を振り撒くのだった……。


暴れ回る狂彩鳥

 

「あはは……あははははは……!」

 

 

 

囚人服を着た男は嗤っていた。

 

 

 

「ギャッハハハハハハハハハハハハハハハ!ざまあみやがれ!このクソカス共がぁ!」

 

 

 

腹を抱え涎を滴ながら狂ったように地面をバンバンと叩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馳踊彩人。

彩鳥クルペッコの勾玉所有者になった彼は死刑執行時に能力を自分の体に纏わせ首の骨すら折ると言われる紐の圧力に耐えたのだ。

体感としては全く痛みも感じず、苦しさも一切なかった。

 

そんな馬鹿な!……とざわめく刑務官達の声を聞きながらぶら下げられるのは中々痛快だった。

困惑する刑務官達の声に聞き飽きた彩人は纏った人間離れした力で自ら自分を吊るすロープを切断。

そこで彼はクルペッコの能力を活かし、嫌な程聞き自分に死刑執行の道へ進ませたパトカーのサイレン音を再現する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ―――!』

 

 

 

 

 

 

 

超高周波と言うオマケつきで。

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

 

 

「耳がァ!」

 

 

壁があるにも関わらず彩人によって再現されたサイレン音は刑務官達の鼓膜を悉く破壊した。

近くにいた刑務官達は全員耳から血を流しその場に蹲る。

しかし彼らの地獄はそれだけでは終わらない。

 

 

「テメェラ……良くも今までやってくれたなぁ!」

 

 

死を逃れた死刑囚馳踊彩人はクルペッコの力を余すことなく彼らにぶつけたのだ。

自分の行いでこうなったのに八つ当たりも良いところである。

馳踊彩人が祖龍ミラルーツと出会ったことで良くも悪くもその人生に変転が起きたのは確かだろう。

超人的な身体能力から繰り出される手刀はスパンと人間の首を跳ね、胸を抉り、腹に風穴を開けた。

更には背中から2枚の翼を生やし打ち付けてトマトのように押し潰したり、身を全焼させたりもした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――体感にして10分ぐらいだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

本来死ぬ筈だった死刑囚は部屋を真っ赤に染め上げ皆殺しにされた刑務官の亡骸が散乱された。

彩人はコンクリートの壁を悠々と壊し拘置所を脱出したのである。

 

 

 

 

 

 

それで脱走の最中に至る……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

……………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、先ずは服だよな。あん?」

 

 

 

 

「でさー。そいつったら酒飲んでゲロしてさ」

 

 

 

「うっそー。汚くて超キモいんですけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

賑やかで煩い会話をする二人の男女の姿が目に入る。

男も女も髪を金色に染め如何にも調子に乗ってると言う感じだ。

 

 

 

 

だがあいつらが過ごしたのはヌルイ塀の外だ。

死に怯えながら希望を手に入れた俺となんざ比べるべくもねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

ターゲットを決めた彩人は男女に近寄っていく。

 

「おいクソガキ共」

 

 

「あ?」

 

 

彩人の台詞に男は苛つきながら彼をにらんだ。

 

 

「テメェ今なんつった?。クソガキだぁ?。喧嘩売ってんのかテメェ?」

 

 

男は今にも突っ掛かって来そうだが彩人は全く動じず更に煽りを入れた。

 

「まぁ、そう粋がるな弱く見えるぞ。で、何円で買えるんだ。お前との喧嘩は?」

 

 

 

「ヤベェ。俺ここまで頭イってる奴始めて見たわ」

 

 

 

「本当だねぇ!」

 

 

男と女は顔を合わせ笑う。

 

 

「値段なら心配するな。タダでくれてやらぁ!」

 

 

男の拳が彩人目掛け放たれるが、彩人は左手で払いそのまま男の右腕を折った。

 

 

 

「ぎゃあああああああ!」

 

 

 

男の肘が有り得ない方に曲がる。

 

 

 

「ちょっと俊!大丈夫!?」

 

女が心配そうに男に駆け寄る。

 

 

 

「あー、すまねぇな。最初は服をぶんどるだけで済まそうと思ったんだがテメェラの態度がやけに目についてな。ちょっと遊ばせてもらったわ」

 

 

「あんた何言って……」

 

 

 

「ま、つうわけでテメェラムカついたからどっちも死刑な」

 

 

「ヒッ……!」

 

 

「や、めろ……!」

 

 

 

「アクラ・ヴァシム!結晶ビームです!」

 

 

二人を殴り殺そうとした両手を付着した結晶が動きを止めた。

 

 

 

「…こいつは結晶やられ。勾玉所有者か」

 

 

 

「ふー、全く危機一発ですぅ」

 

 

 

攻撃が飛んできた方を見ると尾晶蠍アクラ・ヴァシムの上に少女が乗っていた。

 

 

「何あれ……」

 

 

「分からねぇ……」

 

「おい。そこのお前らぼさっとするなです。死にたくなかったら早く逃げるです」

 

 

少女は男女に促すと二人は返事をする間もなく逃げた。

 

「やっと見つけたですよ。死刑囚兼勾玉所有者。最低最悪のクズ。この翠夢(すいむ)がお前を倒してやるですよ」

 

 

「そいつはこええなぁ……ふん!」

 

 

 

腕を超高速で回し結晶を解除した。

 

 

「ここじゃ。人目につきすぎます。『尾晶蠍の幻影』!」

 

 

 

場がビルや店が乱雑する街から砂塵が舞う砂漠へと姿を変えていく。

 

 

「ふん、場所を砂漠に変えたってわけか」

 

 

 

「覚悟するですよ。クソ野郎」

 

 

 

「へっ、おもしれぇ!クルペッコ!」

 

 

召喚の勾玉を使いクルペッコを出現させた。

 

 

 

「私のアクラ・ヴァシムちゃんがクルペッコごときに負けるわけないです!さっさと決めちゃいましょう。ヴァシムちゃん!」

 

 

「キュオオオオオオッ!」

 

 

 

「へっ。温い環境で暮らしたカスが。モンスターの強さでは上を行ってるかも知れないが俺のクルペッコを甘くみるなよ」

 

 

「ワァァァァァァァァァ!」

 

 

 

彩鳥クルペッコと尻晶蠍アクラ・ヴァシム……二人の勾玉所有者は対峙するのだ。

 

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