※この作品はR-18です。

二次元ヒロイン詰めあわせ - 多重クロスハーレム -   作:みゆ_ハーメルン

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日程は未定ですが、後編もかならず書きたいです。
なお、投稿順は話数と順不同ですので御了承ください。


第6話 武士娘たちと強化合宿(前編)

 勇太の住む都市は山海に面する風光明媚な土地だ。

 行政区はその中心にある。高層ビルが密集し、活気がある。

 勇太の起居する屋敷が山中の高台にあり、閑静なのと対照的だ。

 

 そうした高層ビル群でも一際高い、総ガラス張りの建物に入場する一行があった。

 マキマ(『チェンソーマン』)、安心院なじみ(『めだかボックス』)、黛冬優子(『アイドルマスター シャイニーカラーズ』)、橘ありす(『アイドルマスター シンデレラガールズ』)、明星ヒマリ(『ブルーアーカイブ』)、入須冬実(『氷菓』)の6人だ。

 ビルに出入りするスーツの男女は、彼女たちを見ると退き、場所を開けた。

 この6人に空席を加えた7席が、この都市を運営する最高経営責任会議(CEC)(Chief Excutive Council)なのだ。

 

 ガラス張りで日が燦々と降りそそぐ広いエントランスを抜け、6人はエレベーターに搭乗した。

 エレベーターシャフトと乗機もガラス張りで、上昇中、都市の全景を眼下に収めることができた。

 最上階の会議室に入室する。会議室は外壁の全面ガラス張りを別にして、内壁は白い。床は灰色のフロアマットだ。広い室内に、楕円形の会議机が置かれている。機能的な内装だった。

 

 6人は会議机に着いた。

 マキマが議長席である短辺に、続いて、その左辺になじみ、ヒマリが、右辺に冬優子、ありす、冬実が座る。

 この会合は最高幹部会議といったところだが、スーツのマキマにセーラー服のなじみ、地雷系ファッションの冬優子に小学生のありす、車椅子のヒマリにふたたびセーラー服の冬実という面々はあまりに統一感がなかった。

 例えるなら、最高幹部の造形という意味ではONEのマンガのようだった。

 

「さて」マキマが口火を切る。「今週の週次定例会議を始めようか」

 

 残る5人が無言で頷く。

 定例報告が終わり、臨時の議題に移る。

「星見雅の格付けはBランクでいいかな」

「異議なし」

 マキマの採決に、残る5人の声が唱和する。

 

 会議の主宰者であるマキマは聡明で、意思決定機関には多様性が必要なことを理解している。小学生のありすを委員に任命しているのもそのためだ。

 マキマは中道派、なじみは政治的無関心(ノン・ポリティカル)として中道派、冬優子は穏健派で中道派、ありすは穏健派で保守派、ヒマリは技術官僚制(テクノクラシー)として保守派、冬実は強硬派で保守派だ。急進派の委員が欲しいところだった。

 だが、6人はいずれも頭脳明晰なために、対立すると、理詰めで難詰するところがある。小学生のありすでさえ、大人を怯ませることがしばしばだ。それに対抗しうる急進派の人材は不在だ。そのため、7人目は空席になっていた。

 

 マキマは会議机に両肘を着き、両手を重ねた。その上に顎を乗せる。

「雅ちゃんは採用でBランクの抜擢になるけど、そうなると他のオナホとの摩擦は避けられないよね。なにか良い案はあるかな」

 

 都市の人口は100万人。うち半数が二次元美少女だ。

 二次元美少女はSとA〜Dランクに格付けされる。Sランクは選抜隊で、選ばれた8人(スペシャル・エイツ)と呼ぶべき8人。Aランク300人、Bランク900人だ。

 Bランクまでの1,200人が山中の屋敷に住む。BランクまでとCランクからは大きな格差がある。

 

 ありすが小さな手を口元に当てる。

「星見さんといえば剣術ですよね。剣術大会のようなものを開催するのはどうでしょう。星見さんが活躍できますし、御主人様の目に留まるかもしれません。そうすれば、みなさん納得するでしょう」

 

「ヒマリちゃん」

 マキマが促す。

「はい」

 ヒマリは悠然とした笑みでタブレット端末を取りだした。

「こちらの《御主人様専用オナホ一覧》こと、メスの名簿から、Cランク以上の約1万人を検索しました。剣術を嗜むかた、佩刀されるかた。もちろん、剣術を嗜むといっても、剣道の心得がある程度のかたならいくらでもいるでしょう。特性である連続的な多変量を、いかに類型である二値的な属性に変えたかというと、この超天才美少女ハッカーである私の知性をもって…」

「結論だけお願い」

 マキマが言下にいう。

 

 ヒマリは端整な顔に似合わない、引きつった表情を見せたが、言葉を続けた。

「武術の嗜みがあるのが約3千人。うち、剣術の嗜みがあるのが307人。個性といえるほど剣術に親しんでいるのが122人です。こちらになります」

 冬優子が小声で呟く。

「知性をもってって… 要するに、自分で属性(タグ)付けしたってことよね」

 ヒマリは無視し、会議室の壁面にタブレット端末の画面を投影した。

 美少女たちの顔写真と名前、経歴(プロフィール)がプロジェクションで列挙される。いずれも一目で男性を腰砕けにする美少女だ。プロジェクションの左上には「御主人様専用オナホ一覧」というファイル名が表示されている。

 

「桐条さんは外したほうがいいんじゃないですか? フェンシングはまた種類が違うような… 剣道、居合道だけに限定したほうがいいと思います」

 ありすが言う。

 視線の先には桐条美鶴(『ペルソナ3』)の顔写真がある。格付けはAランクだ。

「異議なし」と、残る5人の声が唱和する。

 

 冬実が会議机に両肘を着き、その手に顔を伏せる。口元が隠れ、高い鼻梁が際立って見える。長い前髪が顔にかかる。10代の少女らしからない冷ややかな美貌だ。

「羽前京香、黛由紀江… 彼女たちも外すべきだ。近しい人物に上位に東風舞希、川神百代がいる。彼女たちを差しおけば、御主人様の不興を買うことは確実だろう。羽前に至っては、山城恋より下だ」

「異議なし」と、残る5人。

 羽前京香(『魔都精兵のスレイブ』)、黛由紀江(『真剣で私に恋しなさい!』)の各Cランクが除外される。

 なじみが膝に肘をのせ、頬杖を突きつつ、ニヤニヤと笑う。

「強すぎると逆に剣が要らない、か。皮肉なものだね」

 

 同様に、桜咲刹那(『魔法先生ネギま!』)、諫山黄泉(『喰霊−零−』)、鉄乙女(『つよきす』)といったCランクが除外される。

 冬優子がマキマに顔を向ける。

「ノベルゲー系から2人も外したけど、あとでモニカと揉めたりしない? 最近、降格されたんでしょ。なにか含むもんがあるんじゃないの」

 穏健派の冬優子らしい意見だった。

 モニカ(『ドキドキ!文芸部』)はマキマ、なじみを含む「メタ能力持ちラスボス系ヒロイン」の会議である最高執行機関(COO)(Chief Operating Organization)のメンバーだ。「メタ能力持ちラスボス系ヒロイン」でもノベルゲームの担当だったが、ノベルゲームの凋落に伴い、外部委員に降格した。

 この都市の最高意思決定機関は最高経営責任会議(CEC)だが、その決定を実行するのは最高執行機関(COO)だ。言ってしまえば、最高経営責任会議(CEC)も最高執行機関(COO)の諮問機関にすぎない。

 最高経営責任会議(CEC)を構成するのは哲人政治(アリストクラシー)に相応しい七賢人といえる7人だ。だが、最高執行機関(COO)の構成員である「メタ能力持ちラスボス系ヒロイン」の声は、いわばデルフォイの神託だ。ギリシャ神話の残酷で気まぐれな神そのものだ。

 細心な冬優子が配慮するのも当然のことだった。

 

「モニカちゃんのことなら気にしなくても大丈夫。もともと委員会にも乗り気じゃなかったしね」

 最高執行機関(COO)を兼務するマキマが言う。

「ならいいけど」と、冬優子。

 

「残ったのは13人ですか。これで、あとはトーナメントを組むだけでいいんじゃないですか? 詳細は大会の運営委員会にお任せしたほうがいいと思いますが」

 ありすが言う。

「待ってくれ」

 冬実が制止する。顔は手元に伏せたままだ。ありすが怪訝そうに冬実を見返す。

「これは《L案件》だ」

 冷然とした声音で冬実は言った。ありすが表情を強張らせる。

 

 会議室が数瞬、沈黙した。

 「L案件」とは「ラッキーマン案件」のことだ。要するに、最強議論について、作品間でどう整合性を保つかという問題だ。

 男子中学生どころか、男子小学生が学校の休み時間にするような話だが、それを人口100万人の都市を統治する6人の聡明な女性がしていた。

 実際、これは秩序と自由、平和と繁栄の均衡についての、思想的な問題なのだ。

 しかも、政争の火種になりうる。

 

「最高執行機関(COO)のほうは?」

 冬優子が尋ねる。表情に緊張を湛えている。

 

 最高執行機関(COO)を構成する「メタ能力持ちラスボス系ヒロイン」は、外部委員のモニカを除いて5人だ。

 全員が最強議論の論外にいる最強というだけではない。全員が人格破綻者として知られている。そのため、精神力の強いSランク、Aランクの美少女でも、最高執行機関(COO)のことは敬遠していた。

 映画のマキマ、マンガのなじみ、アニメ・特撮の新条アカネ(『SSSS.GRIDMAN』)、ゲームのBB(『Fate』シリーズ)、ソーシャルゲームのカフカ(『崩壊:スターレイル』)だ。

 表面上は勇太のために協力しているが、水面下では勇太の気を惹くための覇権争いを展開している。未来予知能力者同士の対決にも匹敵する、超知性である、メタ能力者同士の暗闘が最高執行機関(COO)の実態だ。その闘争のすべてが勇太の歓心を買うためだった。

 

 なじみが気楽そうに片手を掲げる。

「ま、そんなに気にすることもないさ。いざとなれば僕の《メタ能力にメタをするスキル》《劇中毒(メタメタ)》でどうにでもできるからね」

「だってさ」

 重ねた両手に顎を乗せ、マキマが言う。

 

 ありすが眉を寄せる。幼いが気品のある顔だ。

「ですが… 《L案件》を別にしても、実戦と試合とでは実力に差が出てしまいますよね」

 なじみがありすに追随する。

「だな。剣道三倍段っていうのは伊達じゃないんだぜ。木刀と真剣じゃ、重さだって違う。体力だけでも勝負にならないね」

 

 ヒマリが手袋を嵌めた手を表にする。

「それでしたら簡単に解決できます」

 ありすが訝しげにする。

「トーナメントでは2位以下の順位は分かりません。にもかかわらず、総当たり戦をしないのは、所要時間の問題にすぎません。総当たり戦ならチーム数の2乗という指数時間、トーナメントなら線形時間になりますから。この意味がお分かりですね?」

 

 冬実が冷たい声音で言う。

「座組みで勝敗はどうとでもなる、ということだな。もともと、このイベントは星見雅を御主人様にお目通りさせるのが目的だ」

 ありすは慌てた。

「だッ、ダメです! そんなインチキは!」

 

 ヒマリが涼しげな声で言う。

「なら、こういうのはどうでしょう。試合を公式の競技規則にのっとったものにするのです。それだけで、実戦経験者にも強い制約を課すことができます」

「そんなにうまく行くでしょうか…」

 ありすは不安そうにした。

 

「いいえ。剣道の試合なら、判定勝ちが専らの技巧の勝負になるわ。案外、あっさり片づくかもね」

 冬優子は片手で自分の体を抱きかかえ、もう片手を口元に当てていた。

 

 最強議論に一家言あるなじみも、ニヤニヤしながら、無言で議論を聞いていた。

 ヒマリがタブレット端末を持つ。

「それでしたら、適任がいます。『BAMBOO BLADE』、川添珠姫。Dランクですが、小柄で剣道の天才です。試合としての剣道の巧者を見せるのに、ちょうどいいかと」

 

 ありす、冬実が無言で頷く。マキマが採決しようとする。

「待って」

 冬優子が会議室の沈黙を破った。

 ヒマリが首を傾げる。銀髪がサラサラと流れ、儚げな印象が強まる。

「なにか問題でも? 試合巧者が有用だということは、あなたも賛成だったと思いますが」

 冬優子は腕組みし、瞑目していた。地雷系ファッションに似つかわしくない、思慮深そうな姿勢だ。

「いいえ。逆よ。ふゆが言いたいのは、そいつを参加させたら、優勝してしまう(、、、、、、、)んじゃないか(、、、、、、)ってことよ」

 

 ヒマリが息を詰める。ありす、冬実もわずかに目を見開く。

 冬優子は続けた。

「ふゆたちがこうして会議しているのは、御主人様に喜んでもらうためよ。もし、そんなオナホとして半端なメスを引きたてて、御主人様の時間を割かせるようなことがあれば…」

「私たち、最高経営責任会議(CEC)の存在意義が問われる、ですね」

 ありすが頷く。

 冬優子は腕組みし、真剣な表情をしていた。真顔でいると、童顔にもかかわらず、顔の造作が整っていることが目立つ。

 

 会議室に同意と共感の雰囲気が広がる。

 冬実が言う。

「そもそも、トーナメントの座組みで強者を敗退させるという発想が誤っていた。優れたオナホほど、御主人様の目に留まるようにすべきなのだからな」

 

 6人は全員、頭の回転が速い。突然の方針変更にもかかわらず、すぐに思考を切りかえた。

 ヒマリが言う。

「なら、あらかじめイベントの参加者を選抜するしかありませんね。今回は、剣士のかたがたには参加を見送っていただくということで」

「それだと、星見さんも参加できません」と、ありす。

「いいえ、共変する属性があります。年齢です。今回は未成年のかたに限るのはいかがでしょう」

「名案です!」

 ありすが声をあげる。

 

 源頼光(『Fate/Grand Order』)、宮本武蔵(『Fate/Grand Order』)、折神紫(『刀使ノ巫女』)、黄泉(『崩壊:スターレイル』)、神裂火織(『とある魔術の禁書目録』)が除外される。火織は18歳だが、誰も言及しなった。

 

「鈴鹿御前さん(『Fate』シリーズ)は?」

 ありすが尋ねる。

「実年齢で考えましょう。却下で」

 ヒマリが言う。

「異議なし」と、残る4人。

 

 最終的に選抜されたのは、以下の7人だ。

 

・星見雅(『ゼンレスゾーンゼロ』)

・毒島冴子(『学園黙示録HIGHSCHOOL OF THE DEAD』)

・秋山凜子(『対魔忍アサギ』シリーズ)

・斑鳩(『閃乱カグラ』)

・御剣冥夜(『マブラヴ オルタネイティヴ』)

・姫宮千歌音(『神無月の巫女』)

・九条凛(『ToLOVEる』)

 

「いいと思います。でも、このメンバーだと剣道で優劣を決めるのが惜しくなってきますね。みなさん、御主人様のオナホに相応しい逸材なのに…」

 ありすが寂しげな表情をする。

 

 冬優子が腕組みをする。

「優劣を決めることはないわ」

 視線が集まるのを待ち、言葉を続ける。

「トーナメントは中止よ。強化合宿をしましょう。このメンバーなら、御主人様もそのほうが楽しめるはずよ」

 冬実が両手を組み、顔を伏せたまま頷く。

「なるほど。悪くない」

 

 ありすが片眉を上げ、幼い顔に疑問をあらわす。

「でも結局、合宿でも優劣は表れてしまうんじゃないですか…?」

 冬優子が首を振る。

「それは問題にならないわ。だって、最下位は御主人様だもの。御主人様も選手として強化合宿に参加するの。下位者とはかえって親しくなるはずよ」

 ありすは瞠目した。

 尊崇する勇太に訓練を受けさせ、屈辱を覚えさせる。それは勇太の真の理解者であり、慈愛をもつ冬優子でなければ出ない発想だった。

 冬実とヒマリも無言だが、内心で感嘆していた。

 

 マキマが結論をまとめる。

「じゃあ、星見雅の抜擢については、御主人様と武士オナホたちで合宿してもらうということで」

「異議なし」

 残る5人の声が唱和する。

 

「次の議題だけど…」

 マキマが会議を進行する。

 

 異なる知性をもつ6人の聡明な女性たちは、日夜、こうして勇太を喜ばせるために頭脳を働かせていた。

 

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