二次元ヒロイン詰めあわせ - 多重クロスハーレム - 作:みゆ_ハーメルン
手狭な8畳の1間だ。
木の桟の窓から、日焼けした壁紙に朝日が差している。
壁にはギブソンのアコースティックギターが立てかけられている。
部屋の片端にはアンプとギターが置かれている。もう片端には腰高の棚が置かれ、CDが詰められている。狭い室内に、雑多な本が積まれている。
部屋の中央に敷かれた布団に、『ガールズバンドクライ』の河原木桃香が寝ている。
朝日の光線が顔にかかり、桃香は目を醒ました。布団から体を起こす。
室内着は灰色のパーカーと黒のレギンスというラフな服装だ。
くっきりした眉をした、勝気な美人だ。染めた髪を肩まで乱雑に伸ばしている。髪は根元は地毛で、いわゆるプリン頭になっている。
「おっと… もうこんな時間か」
桃香は置時計を見てつぶやいた。
寝たまま、自分の腰に抱きついている男に言う。
「おい。起きろ」
「ブヒィ。まだ寝てたいデプゥ」
男、
勇太は中年の短身巨躯の男だ。その男が若干20歳の桃香に甘えているさまは、はなはだしく不自然だ。
安アパートで
勇太は桃香の細身の体に腕を回した。
大ざっぱに見えて神経質な性格のとおり、桃香は細身の体付きをしている。勇太はパーカーの下に手を入れ、その桃香の女性的な胸の膨らみを押さえた。細い体で、そこだけ柔らかい肉が付いている。
勇太は腰を桃香の尻に押しつけた。朝の生理反応もあり、剛直した陰茎が布越しに当たる。
桃香は布団に肘をつき、ふたたび体を横たえた。
「まったく。仕方ないな♥ 今日はバイトが休みだから、1日、編曲に当てるつもりだったんだぞ」
普段の男勝りな言動を知るものからすれば、信じがたい甘い声で言う。
そのまま桃香と勇太は布団に潜り、半醒半睡の気怠い空気のなか、昼日中まで交わった。
午後になると、さすがに桃香は体を起こした。
自分の体に伸ばしてくる、勇太の手を下ろす。
「おい。朝からなんにも食ってないだろ。待ってろ。なんか飯つくってやるから」
キャリアウーマンがバンドマンの男を養う構図はよく見るが、ガールズのバンドマンが男を養う逆転の構図だった。
その上、勇太はニタニタと笑い、不気味な要望を言った。
「ブヒィ。それなら桃香ちゃんに裸エプロンで料理してほしいデプゥ」
普段の桃香ならローキックの一撃を返答にするだろう要求だ。
だが、桃香は男性的に整った顔を赤らめた。
「ッたく、仕方ねーな♥」
着衣を脱ぎ、裸体になるとエプロンを取り、玄関に向かった。
この木造アパートは学生寮を改装したもので、風呂無し、台所と洗面所は共同だ。建物全体が土足厳禁だ。
内廊下を通り、桃香と勇太は共同炊事場に行った。
桃香は裸体の上にエプロンを着けた。冷蔵庫を漁る。
「えーと… ゴーヤがあるな。豚肉と、適当な野菜でゴーヤチャンプルーでいいか」
炊飯器を早炊きで稼働させる。
作業台に立ち、包丁で野菜を切る。
狭い共同炊事場には、小さいダイニングテーブルと2脚の椅子もある。背後からは、桃香の裸体の背面が見える。小ぶりな尻が左右に揺れている。椅子に座って待っていたものの、我慢しきれず、勇太は桃香に抱きついた。
「こら♥ 危ないだろ♥ 包丁持ってるんだから♥」
「ブヒィ! ムラムラしてきちゃったデプゥ!」
勇太は桃香の制止を無視し、細い体に抱きついた。イヌが飼主に飛びつくような格好だ。腰が桃香の柔らかい尻に当たる。
桃香は包丁をまな板に置いた。すでに、半裸でいつでも挿入できる状態だ。勇太は勃起した陰茎を、背後から桃香の陰裂に突きいれた。
「あッ♥ あッ♥ あッ♥」
下から突きあげられるたび、桃香は肩を揺らした。
作業台に両手をつき、律動の振動に耐える。
ビュルルルッ♥ と、勇太は桃香の膣内に射精した。
陰茎が抜かれると、桃香は膣口に力を込め、精液が垂れるのを留めた。それでも溢れた精液が太腿を伝う。
桃香はふたたび包丁を持った。
「料理しちまうから、ちょっと待ってろ」
その後も、後ろから胸をモミモミと揉んだり、尻をグニグニと掴んだりして、勇太は桃香の調理を邪魔しつづけた。
ともかく、料理が出来、勇太は山盛り食べた。
「ブヒィ。腹も膨れたデプし、他の部屋も回ってくるデプかね」
「そうか?」
裸エプロンの格好のまま、料理を食べながら、桃香は尋ねた。
「そうデプよ。ブヒヒ!」
勇太は不気味な笑声をあげた。
♡♡♡
学生寮を改装したこのアパートは2階建て、1階が3部屋、2階が4部屋だ。すべて8畳1間だ。
建物の玄関に靴箱がある。郵便受けは門内だ。玄関の前に共同炊事場と洗面所があり、内廊下が続く。手前に2階への階段がある。
各戸の住人は以下のとおりだ。
①101号室 宵崎奏(『プロジェクトセカイ』)
②102号室 氷堂美智留(『冴えない彼女の育てかた』)
③103号室 空き部屋
④201号室 鯨井ルカ(『ネムルバカ』)
⑤202号室 河原木桃香(『ガールズバンドクライ』)
⑥203号室 廣井きくり(『ぼっち・ざ・ろっく!』)
⑦204号室 空き部屋
全7室、空き部屋が2室。
この木造アパートは、勇太が退廃的な生活を疑似体験するための、実際の住居による
なお、効率よく
勇太は203号室に赴いた。在館しているあいだ、勇太は管理人用のマスターキーを渡されている。
8畳間にズレた布団が広がっている。その周辺にカップ酒の空瓶、缶チューハイの空缶、パック酒の容器が剣山のように林立している。壁際にはヤマハのベースが立てかけられている。
若い女性がスカジャンを着たまま俯せで倒れている。廣井きくりだ。
扉が開いた気配に気づき、きくりは酒気の漂う顔をあげた。呂律の回らない口調で言う。
「お。勇太くんじゃ〜ん」
這って勇太に近づく。脱皮するようにスカジャンを脱ぐ。
整った顔は痩せていて、顎が鋭く、目が大きい。目を見開くと四白眼ぎみになる。酒気のため、炯眼になっている。
背中まである長い髪を太い三編みにしている。
スカジャンと同じく古着の、シュミーズと変わらないワンピースを着ている。
栄養摂取がほぼアルコールのため、全身が痩せている。首が細く、肩は鎖骨が浮いている。
勇太が畳に腰を下ろすと、きくりはのしかかるようにした。
酒気のために体温が熱い。蒸すようにアルコールと垢じみた臭いがする。
きくりは酒臭い、湿った声で、勇太の耳元に囁いた。
「ねえ…♥ お姉さんといいこと、しよ♥」
酔態で女性が少年を犯すような倒錯的な絵面だが、無論、勇太が年長だ。
「ブヒィ!」
勇太は喜悦の声をあげた。
だが、きくりは脱力し、勇太の肩に頭を預けた。
「う… ちょっと待って。1日、なにも食べてないから力が出ない。おつまみを切らして、塩を舐めながら焼酎を1瓶空けたからさ… 貰いものでね。栓、開けちゃったからさ…」
畳には空の一升瓶が転がっていた。
「ブヒィ。仕方ないデプね」
勇太は肥満体で足音を鳴らしながら階段を降りていった。だが、冷蔵庫に出来合いのものがないだろうことに思いあたる。
スマホで秘書のイヴリン・シェヴァリエ(『ゼンレスゾーンゼロ』)に電話する。
「だから、いまボクがいるとこまでなんか食べもの持ってくるデプゥ!」
〈分かった。弁当を手配しよう。15分以内には配達されるはずだ〉
イヴリンは冷静沈着に言った。
「頼むデプゥ!」
勇太は
その途上で101号室の扉を開ける。
遮光カーテンが閉ざされ、8畳1間は闇中にあった。
唯一の光源は、作業用のテーブルにあるノートパソコンの画面だ。机に向かう少女を逆光で照らしている。ヘッドホンを着けている。
壁際に作曲用らしい、簡単な電子ピアノが置かれている。小棚の周りにCDと楽譜が山積みされている。丈の低いベッドが畳に直置きされている。
勇太は少女の背中に近づいた。
「ブヒィ。奏ちゃん」
不気味な声をあげながら抱きつく。
ヘッドホンを着けていたためだけでなく、過度に集中していたために、少女は抱きつかれるまで勇太に気づかなかった。
「あ。勇太。来てたんだ」
宵崎奏だ。高校生だが、発育不良で小中学生に見える。
髪を伸ばしっぱなしにしていて、腰下まである。長い前髪は左右に分けている。
人形のような端整な顔立ちだ。内省的な表情をしている。
虚弱そうな体にジャージを着ている。下半身はショートパンツだ。高校は通信制で、中学校から家に引きこもっているため、肌は透けるように白い。
「ブヒヒッ。あとすこしで料理の配達が来るから、来たら受けとるデプゥ! きくりちゃんのところに持ってくるデプゥ!」
「うん。分かった」
愛人に荷物の受取りをさせる。しかも、べつの愛人のもとに持ってこさせるという横暴さだ。奏のように幼そうな少女にさせるのだから、尚更だ。だが、奏は素直にうなずいた。
じつのところ、奏は家賃2万円台の安アパートに入居する必要はない。
いわゆるボカロPで、動画配信サイトで絶大な人気のある奏は多額の広告収入がある。
だが、奏は実家住まいで、ずっと引きこもっていた。支出について、金銭感覚は子供のままだ。独居するための住戸を探すとき、相場の家賃に抵抗を覚えるのは自然なことだった。
独居しても、依然として引きこもりの生活をしている。
偏食で、部屋の片隅にはダンボール箱にカロリーメイトとミネラルウォーターの1リットルペットボトルが箱詰めされている。
「ブヒヒ。これを貰っていくデプよ」
勇太は奏が返事をする前にペットボトルを取りあげた。
2階のきくりの部屋に戻る。
「ブヒッ。水を持ってきてあげたデプゥ」
「うわあ… 勇太くん、優しい」
きくりは感動して、ミネラルウォーターをゴクゴクと飲んだ。
建物の玄関口で何者かの声がする。しばらくして、階段を上る足音のあと、奏が部屋に来た。
「はい。勇太。こんにちは、きくりさん」
愛人の愛人と対面しているとは思えない素直さで、弁当箱が2箱入ったビニール袋を差しだす。
「ブヒヒ。もう行っていいデプよ」
「あ、うん…」
勇太はあっさりと奏を追いかえした。
人間関係に無頓着なきくりが大声で礼を言う。
「ありがとね〜。奏ちゃ〜ん」
きくりはビニール袋を覗きこみ、歓声をあげた。
「うわ〜。叙々苑の焼肉弁当! 嬉し〜!」
食後、きくりは弁当箱の空き容器と箸を畳に転がした。空缶や空瓶の森林に、新たにゴミが加わる。仰向けに寝転がる。薄手のワンピースの腹を撫でながら言う。
「ああ〜、食べた。久しぶりに動物性脂を摂った〜」
「ブヒヒ。よかったデプゥ」
自分もしっかり1食分を食べた勇太が言う。
きくりは体を起こし、あらためて、四つ這いで勇太ににじり寄った。普段の酔眼が見開かれている。目が据わっている。
「ふふ…♥ お腹がいっぱいになったら、お姉さん、いやらしいことがしたくなっちゃった…♥」
「ブヒィ! 困るデプゥ!」
中年男性の勇太が首を振り、イヤイヤをする。不気味としか言いようがない。
きくりはワンピースを捲りあげるようにして脱いだ。下着はシュミーズとショーツだけで、ブラジャーは着けていない。
胸は乳首のあたりが突きたつようだ。肋骨の起伏から、みぞおちの窪みまで浮きあがっている。腰は腰骨が尖っている。
蛇が絡みつくように、きくりは勇太に覆いかぶさった。まさにうわばみだ。背中では肩甲骨が浮き、背骨の柱列がうねっている。
「ん…♥ ちゅ…♥」
きくりは酒臭い、熱い吐息を吹きかけた。勇太の顔に口付けする。
そうしつつ、片手を勇太の腰に伸ばし、ズボンとパンツを下ろす。手を潜りこませ、陰茎を取りだす。
「ブヒィ!」
勇太が歓喜の声をあげる。
きくりは勇太の顔に口付けしながら、陰茎を自分の陰裂に導いた。陰茎が侵入すると、湿った嬌声をあげた。口元に八重歯が覗く。
「ああ…♥ あッ…♥」
そうしてきくりと勇太は日が傾くまで交わった。
♡♡♡
夜になり、高校生の美智留と大学生のルカが帰ってくる。
2階の踊場に桃香ときくり、勇太は
ルカが階段を
肩まである髪を金髪に染めている。適当な二結びにしていることが多いが、いまは下ろしている。トレーナーとジーパンというラフな服装に、黒のギターケースを背負っている。
中性的な美人で、やや閉じた瞼が表情を曖昧に見せている。
体付きは女性的で、余裕のある厚地のトレーナーの上からでも、体の起伏が分かった。
ルカは勇太に気づくと、目を輝かせた。
「勇太。来てたのか」
「ブヒヒ。昨日から泊まってたデプよ」
「あ、そう…」
ルカは微妙に眉を下げた。軽薄な大学の先輩らしく、あるいはそう見えるようにしていても、ルカは気分の浮沈が激しかった。
桃香が尋ねる。
「昨日はアパートに居なかったのか?」
「ああ。飲み会で遅くなったから、友達のところに泊めてもらってた」
内心、ルカは勇太と会うのが遅れたことを悔やんでいた。
勇太はこのアパートを目的として来たのではなく、その桃香の住戸を目的としていた。昨夜、行きがけで泊まったのだ。
以前、アパートを訪れたときも同様だ。勇太はアパートの住人である5人とそれぞれ5股しているようなものだった。
「大学生だね〜」
きくりが笑いながら、調子外れな声で言う。酔態だ。
桃香とルカは似ているようだが、ルカは外出着もラフなところが異なっていた。人目を気にして、桃香は外出着は整えていた。
桃香が尋ねる。
「あ、そうだ。レディオヘッドの配信聴いたか?」
きくりが酒気で赤い顔でうなずく。
「グランジが効いてて良かったね〜」
「あそこは構成としては良かったな」
と、桃香。
「ヨークも齢だしな。プロダクションでカバーしたのは良かったな」
と、ルカ。
「は?」
酔いが醒めたように、きくりが三白眼ぎみになる。
「あ?」
同様に、桃香とルカも真顔になる。
同じロックの音楽家でも、きくりはオルタナ、桃香はポスト・ロック、ルカはパンクの志向だ。近いだけにかえって対立も激しかった。
勇太が階段を下りようとする。通りすぎざまに、ルカのジーンズに包まれた豊かな尻を揉む。
「ブヒヒ。美智留ちゃんは帰ってるデプか?」
「ああ。いたけど…」
ルカが答える。
勇太が聴く音楽はアニソンとJポップだけだ。きくりたちがロックの話をしていたら、興味が移るのは当然のことだった。
ルカが慌てて言う。
「そッ、そうだ! あとで私の部屋でカラオケをやるから、一緒にどうだ!」
「ブヒィ! 行くデプゥ!」
半時間後、ルカの部屋で、奏は旧式のスクール水着を着て、ネコ耳とネコ尻尾を着けていた。マイクを手にして『はっぴい にゅう にゃあ』の曲を歌う。
「〽〜!」
拙くも、踊りもする。奏は作曲家であって、演奏はあまりしない。しかも虚弱なため、顔が上気し、息があがっていた。
奏は中学生はおろか、小学生に見えてもいい外見だ。そうしていると、ニコニコ動画で破廉恥な動画をアップしている女子小中学生のようだった。だが、奏はニコニコ動画で種々のランキング1位を独占する楽才の持主だ。
そうした奏が、若さしかない無芸無能な女子中学生のように無様な歌と踊りをしていることに、勇太は優越感を覚えた。
「ブヒヒッ」
曲が終わると、奏はマイクを両手で持ち、荒い呼吸をした。
「はあ…!♥ はあ…!♥」
「ブヒッ! かわいかったデプゥ!」
「ありがとう…!♥ 勇太…!♥」
奏が息継ぎの合間に言う。
「動物番組で見たんだけど、鳥の鳴声は、
ウェブを通じて無数にいる、奏の曲の信奉者が聞いたら発狂しそうだ。
「ブヒヒッ。奏ちゃんくらいかわいかったら、どこでも見つけられるデプゥ!」
音楽に興味のない勇太は、文脈を無視した感想を言った。
きくりが酔った紅顔で手を振る。
「いや〜。それにしても、アパートでカラオケができるなんてね〜。ここ、壁が薄いしさ〜」
モルタル塗の壁をコンコンと拳骨で叩く。
「戸建てでも近所に通報されるよね」
美智留が言う。
「まさか住人が全員、バンドマンなんてね〜。奏ちゃんは別にしてもさ〜。あ、そういや、全員、作曲もやってるのか〜」
そう言い、きくりが笑う。
桃香がしかつめらしく言う。
「入居条件が楽器可なんだから、珍しくはないだろ。逆に、バンドとかやってないやつは避けるだろうしな」
「しかも、みんなメンヘラだしね。私は違うけど。私の知りあい(霞ヶ丘詩羽)もそうだけど、創作やってる女は性格に癖があるのかな。私は違うけど」
そう美智留が言う。
髪をボブショートにしている。顔は整っていて、やや鋭く、学校では同性に人気がありそうだ。
身長170センチを超す上背があり、Gカップの巨乳だ。
きくりがケラケラと声をあげて笑う。
「なら、やっぱ偶然か〜。メンヘラなんて集めても仕方ないしね〜」
ルカが表情を険しくする
「メンヘラあ? ひとに言われたことをなんでもハイハイ聞く、社会に都合の良い性格だけがまともで、他はメンヘラかよ。簡単に他人をレッテル貼りしてんなよ」
「ハハッ、だよな」
桃香が笑う。
言うまでもなく、このアパートの住人はそうした目的で選ばれている。
都市の管理運営者であるマキマが、勇太の願望を具現するために工作した。下北沢や吉祥寺を舞台にしたマンガのような、洗練されて、かつ、退廃的な生活を送りたいという願望だ。もっとも、そうしたマンガに絶対に登場しないのは、勇太のような
ただし、住人たちは自分で物件探ししたと思っていて、その自覚はない。
「ブヒヒッ。奏ちゃんはかわいかったデプからね。最後までカラオケで一等賞なら、
勇太が不気味なことを言う。
「本当…?♥ 嬉しいな…♥」
奏が頬を赤らめる。
建物の玄関口で呼声がする。ピザの宅配を頼んでいた。奏がスクール水着にネコ耳の格好のまま、受けとりにいった。
そのあいだ、残る女性たちは頭を悩ませていた。
「ちょっと待て!」
そう言い、桃香が自室からネコミミのカチューシャを持ってくる。
桃香はネコミミを着け、カラオケのデンモクとして使用しているタブレット端末を取りあげた。
(バイトで貰ったネコミミを取っておいてよかった…! 勇太が喜ぶ曲だろ…?)
しばらくして、AKB48の歌が流れる。
「〽〜!」
桃香にとって、カノン進行の曲、ジェンダーバイアスのかかった歌詞は忌避すべきものだったが、自尊心より勇太への愛情が勝った。
案の定、勇太は手を叩いて喜んだ。
「ブヒィ! いいデプゥ!」
アニソン以外で勇太が興味があるのはアイドルソングくらいのものだ。
きくりは内心で焦りを覚えた。
(桃香ちゃん。やるねえ…)
きくりは「私もタイム!」と言い、自室に戻った。ふたたび現れたときはバニースーツを着ていた。量販店のジョークグッズで、薄っぺらい生地の安物だ。きくりが痩せているため、胸部の生地は浮いている。
きくりはマイクを取りあげた。
「〽〜!」
『チルノのパーフェクトさんすう教室』を熱唱する。
勇太は手を叩き、馬鹿笑いをした。
「ブフォッ! こいつ馬鹿! 馬鹿デプゥ!」
そうした勇太の狂態を見て、きくりは安堵を覚えた。
(イライザにアニソンとか聴かされてて良かった〜! このバニースーツも忘年会かなんかで着せられたやつだし)
きくりから美智留がマイクを受けとる。
「じゃ、次は私が歌うね」
そう言い、美智留は『バスト占いのうた』を歌った。
「〽〜」
勇太が興奮し、鼻息を荒げる。
美智留は仮装さえしていない。タンクトップとショートパンツという、普段の部屋着のままだ。
だが、勇太にとっては成人女性の痴態より、女子高校生が『バスト占いのうた』を歌うことのほうが、はるかに興奮した。
「ブヒィ!
桃香ときくりが悔しげにする。
ルカは覚悟を決めた。
(こうなりゃ、アレを歌うしかない…!)
ルカは服と下着を脱ぎ、全裸になった。女性らしい豊かな裸体が露わになる。乳房と尻は大きく、やや垂れているほどだ。
全裸でマイクを両手持ちする。
ルカはCoccoの『強く儚い者たち』を歌った。
「〽〜!」
「ブヒッ、ブヒィ!」
寝取られを体現したような歌詞に、勇太は発奮した。しかもルカは全裸だ。
「決めたデプゥ! ルカちゃんに
「あ… ありがとう…!♥」
勇太は座布団であぐらをかいている。その腰にルカはまたがった。勇太の陰茎を陰裂に導く。
ルカは息を荒げ、みずから腰を振った。勇太はルカの巨大な乳房を両手で揉みしだいていた。ルカは顔を下げ、金髪を垂らしていた。切なそうに目を閉じている。
たちまち、勇太はルカの膣内でビュルルルッ♥ と、射精した。
「ああッ♥」
目を閉じたまま、ルカは嬌声をあげた。
その後も、ピザをつまみつつ、勇太は5人とのセックスとカラオケを楽しんだ。
桃香、ルカ、きくり。いずれも音楽プロデューサーにメジャーデビューの交換条件として、高級ホテルのレストランで寝ることを持ちかけられたら、ワインボトルで鼻骨を叩きわりそうな反抗的な性格だ。そして、実際にメジャーデビューする楽才がある。その反骨精神と楽才をもつ3人が勇太に心からの愛情で奉仕をしていた。AV女優がサービスをする手コキカラオケどころではない背徳だった。
きくりが勇太の腰の下に潜りこみ、肛門に舌を這わせる。
代謝が進み、すでに酔いが醒めかけている。もともときくりは止めどない内省的な思考を酩酊で緩和している。素面に戻りかけたいま、悲観主義が止まらなくなっていた。
(ああ… せめて普通の男だったら、金を貢ぐか女の武器を使うかすれば、少しでも引きとめられるのに… 勇太くんは金も女もあり余るくらいだし… せめてこうやって御奉仕するしかないよ…)
内心で悲嘆しつつ、必死に勇太の肛門を舐める。
勇太の陰茎はルカが咥えている。陰嚢には奏が口付けしている。口では桃香とキスしている。そして、勇太たちの横で、美智留が全裸で生歌をうたい、性交に伴奏を添えていた。
勇太はあらためて5人全員に1発ずつ膣内射精したあと、木造アパートを後にした。
♡♡♡
木造アパートの前に黒塗のリムジンが停車している。後部座席にイヴリンが乗っている。勇太の迎えだ。
リムジンが発車する。車内で、勇太は嬉々としてアパートでの生活模様を語った。
「でも、粗食だったデプかね。お腹が空いたデプ!」
イヴリンは冷静沈着な表情でうなずいた。
「そう言うだろうと思って、ディナーショーを用意した。(アストラ)お嬢さま、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、シェリル・ノーム、四条貴音の全裸歌唱コンサートだ。客はお前だけ、ディナーコースは料理人にその場で鉄板焼きをやらせる。他に注文はあるか」
アストラ・ヤオ(『ゼンレスゾーンゼロ』)、マリア・カデンツァヴナ・イヴ(『戦姫絶唱シンフォギア』)、シェリル・ノーム(『マクロスF』)、四条貴音(『アイドルマスター』)という長身巨乳の世界的な歌姫の4人だ。その全裸でのコンサートなど、低俗なゴシップ誌の流言蜚語でしかありえないような退廃だ。
イヴリンが言う。
「鳥の鳴声か… うまいことを言う。お前は鶏ガラの醤油ラーメンのあと、脂がマシマシの濃厚な豚骨ラーメンを食べるわけだがな」
「ブヒヒッ。ガリガリの
勇太は下品な笑声をあげた。
夜の街路をリムジンが疾走していった。