二次元ヒロイン詰めあわせ - 多重クロスハーレム - 作:みゆ_ハーメルン
本編の裏では、こうした暗闘があったということで。
「あなたの考える二次元ヒロインの最高幹部会議」のお題に投稿がなくて愕然としています…(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=323321&uid=320323) いえ、お便りがあっても私が喜ぶだけなので、仕方ないのかもしれませんが…
『魔都精兵のスレイブ』の「組長会議」のようなやつです。
私たちは『HUNTER×HUNTER』と『BLEACH』で育った、幹部会議の好きな仲間だと思っていたのに、私だけだったのでしょうか。それとも、二次元ヒロインの幹部会議で興奮するのは特殊性癖だったのでしょうか。
最近だと、こちらの投稿作品の「三〇〇人委員会」の描写に興奮しました。(https://syosetu.org/novel/265772/18.html)
駅に近い商業地と住宅地の狭間の通りだ。その一角に喫茶店がある。
店内は飴色の木材が深閑とした雰囲気にしている。
数脚の円い
「やっぱり、トッピングは必要だよ〜。
新条アカネ(『SSSS.GRIDMAN』)が言う。
「おいおい。フラペチーノだって商品開発の賜物なんだぜ。そのままがもっとも完成された状態なんだ。社員たちの企業努力を不意にしちゃいけないぜ」
安心院なじみ(『めだかボックス』)が言う。
「けど、企業もトッピングすることを想定しているでしょう? それも織りこまれてたらどうするの?」
カフカ(『崩壊:スターレイル』)が言う。
「それでも、私はトッピングはいらないかな。カロリーを取りすぎると困るからね」
マキマ(『チェンソーマン』)が言う。
カフカがマキマに視線を向ける。
「あら。少しくらいは冒険しなきゃ」
マキマは微笑を浮かべたまま答えなかった。
「私はトッピング全部盛りしちゃいますけどね。キュートでポップなBBちゃんにはそれがお似合いです。太りたくないなら、記念に写真だけ撮って、食べなければいいんですよ」
BB(『Fate』シリーズ)が言う。
アカネが甘えるような声をあげる。
「え〜。食べないなんて、そんな我慢できないよ〜」
「人間は誘惑に逆らえませんからね」
BBは微笑のまま、片眉だけを上げて皮肉げな表情をした。
5人はいずれも
だが、5人は全員がメタ能力持ちラスボス系ヒロインだ。
この世界はマキマ、なじみ、黛冬優子(『アイドルマスターシャイニーカラーズ』)、橘ありす(『アイドルマスターシンデレラガールズ』)、明星ヒマリ(『ブルーアーカイブ』)、入須冬実(『氷菓』)の6人の合議体が管理運営している。いわば最高経営責任者だ。
だが、実際にこの世界を支配しているのは、ここにいる5人だった。
マキマとなじみを別として、経営会議を構成するのは人格者で知的な女性たちだ。
だが、この「メタ能力持ちヒロインラスボス会議」を構成するのは、全員が人格破綻者で悪魔的なまでに知的だった。
カフカがティーカップを卓上に置く。
「そうそう。御主人さまの身辺をお世話しているのはマキマだけど、そろそろ誰かに代わってみてもいいんじゃないかしら」
カフカは細面で、鼻筋が通っている。垂れがちの切長の目をしている。眼差しは茫洋として、内心を伺わせない。
紫色の長髪を後ろでまとめている。すらりとした肢体だ。細身に合った白いワイシャツを着て、黒いショートパンツを履いている。椅子の背凭れに黒のコートをかけている。
「というと?」
マキマが小首を傾げる。
やや幼い顔立ちをしている。鼻筋が通り、顎が細い。理知的な眼差しで、感情が読めない。
朱色の長髪を三編みにして束ねている。細身で、白いワイシャツとネクタイ、スラックスという地味な服装をしている。
「どうもこうもない。御主人さまのお世話係を代われ、って言ってんだろ」
なじみが片手を上向きにする。
書生言葉に対し、容姿は女性的だ。セーラー服の上下を着ている。
やや大人びた顔をしている。柔和な目は黒眼がちだ。理知的な雰囲気だ。
腰下まである長い黒髪を、毛先で束ねている。
「え〜。カフカさん、こわ〜い」
アカネが口元に手を当てる。
童顔で目が大きい。無垢そうな目付きをしている。
藤色の髪をショートカットにしている。ワイシャツとミニスカートというブレザーの制服で、ジャケットの代わりに、スクールカーディガンを肩から下ろしている。リボンを着けた胸元は迫りだしている。
「キャットファイトは醜いですよ。いま、メスネコが1匹追加されたみたいですし」
BBが口元に蔑笑を浮かべる。
背中まである菫色の長髪をしている。横髪に赤いリボンを結んでいる。白いシャツに赤いリボンタイ、黒いミニスカート、黒い立襟の
メタ能力持ちラスボス系ヒロインである5人は、全員が絶対的な最強だ。
しかも、全員が精神操作の能力をもっている。
したがって、5人の会合はたがいに後の先を取るものだ。その均衡は些細な影響で崩れかねない。例えれば、ペンを立てて、それを5人で同時に押すようなものだ。ペンが誰の方向に倒れるかは分からない。
アカネは苦笑してBBのほうを向いた。
「調子に乗らないでくれる? 電卓の分際で。メインフレームをハッキングして、ループから抜けだせないようにしてあげようか?」
「それ、私の主観だと何も変わりませんよね」
BBは陰険な笑みのまま答えた。
「そうだね。いまもループのなかにいるかもしれないし」
マキマが淡々と言う。
日頃、軽口を叩きながら、BBはなにも言葉を返さなかった。
そこで、ようやくアカネは気づいた。
(マズった。ループはBBの主観時間では何も変わらないけど、客観時間では御主人さまと隔絶されることになる。BBの
メタ能力者、精神操作能力者同士の対決は膠着状態に陥る。そのため、決着をつけるのは思想対決だ。
メタ能力持ちラスボス系ヒロインのなかでも、アカネは人から神に昇進した、いわば人神だ。そのため、他のメタ能力持ちラスボス系ヒロインたちに遅れをとることが多かった。カフカも肉体は人間だが、その例外ではなかった。
(クソッ。メトロン星人と戦ってるのかよ。私じゃまだ役者不足ってことか…)
アカネは笑顔を浮かべつつ、内心で独白した。
カフカは正面からマキマを見た。
「私たちは同じ目的をもっているはずよ。御主人さまにおチンポさまをハメていただくこと。これは、こういう問題よね。創造主は自分が創りだした存在と意味のあるゲームを遊ぶことができるのか?」
「私も同じ理解でいるよ。カフカちゃん」
マキマは微笑のままカフカを見返した。
「だとしたら、あなたの脚本はまわり道が多すぎるわ。マキマ。私たちの神… 御主人さまに、もっと官能的なオナホをあてがえばいい。御主人さまに
BBが卓上に肘をつき、両手に顎をのせる。楽しげに言う。
「人間は自分たちが創りだしたコンピューターに、チェスで勝てなくなりましたけどね。それどころか、愚かな人類はパソコンのソリティアですら勝つことはできません」
「けど、人間の知性を創りだしたものはいないわ」
カフカはミルクポットを取りあげた。ティーカップの紅茶に注ぐ。ミルクは紅茶で渦を巻き、溶けあっていった。カフカは言葉を続けた。
「人間の知性を創りだしたものは偶然。紅茶に垂らしたミルクが、意味のある模様を描くくらい低い確率の。私たちはそういう奇跡を待ってるの。そうよね。マキマ」
マキマは微笑を浮かべたまま、返答しなかった。
なじみが片手を振る。
「こう見えて、僕はロマンチストでね。低い確率に賭けるのは嫌いじゃない。主人公が絶対に敵わない強敵に挑むのが熱いんだろ? フリーザ然り、山王高校然り。無粋なことはなしだぜ」
飄々としているが、細めた目はカフカを牽制していた。
BBが楽しげに言う。
「なじみさんはラブコメ漫画よりバトル漫画が好きなんですよね。BBちゃん的にはありえませんね。主人公がヒロインとくっつくのか、くっつかないのか分からない、ドキドキハラハラが良いんじゃないですか」
笑顔のまま、片眉だけを邪悪そうに歪める。
「的中率1%の天気予報は、的中率99%の天気予報と同じ。結局、なじみさんは両思いか分からないドキドキとか、告白のために勇気をふりしぼるとか、勝負が怖いだけなんじゃないですか? 私のご先祖さまは気象予測のために開発されたんですが… なじみさんみたいなひとは、予測するまでもありませんね。オタク注意報発令! 天気は曇り。陰気が濃くなるでしょう」
アカネが腹を抱えて笑う。
「ウケる〜! 教室で『週刊少年ジャンプ』を読みながら《僕はこいつらとは違う》って、周りを見下してるオタクじゃ〜ん!」
なじみは卓上に手をおいた。軽く体を反らす。セーラー服がずり上がり、薄い腹がわずかに見える。口元に笑みを浮かべたまま言う。
「おい。お前ら、学校は僕の領分だってことを忘れたわけじゃないよな。僕がその気になれば、文化祭を開催して《AV映画制作》《模擬店ソープランド》《裏オプ付きコンカフェ》で、3週間は御主人さまのことを独占できるんだぜ?」
一瞬、店内に静寂が訪れる。
BBが笑顔で沈黙を破る。
「そのときは、BBちゃんは学年を越えて先輩をお手伝いしにくる、後輩の役でお願いしますね!」
なじみは一笑した。体を起こす。卓上のティーカップを見やる。
「下らないぜ。失敗したって、やり直せばいいだろ?」
逆再生したように、ミルクティーがミルクと紅茶に分離し、唐草模様を描いていく。
カフカは小さく笑った。
「そうね。けど、最初は色々なパターンがあっても、最後は全部同じ。それなら、何をしたっていいとは思わない?」
ミルクと紅茶に分かれていた水面は、熱力学第2法則に従い、ふたたび混ざりはじめた。
「そうでしょう? マキマ」
カフカは正面のマキマを見た。
なじみとBB、アカネは静観していた。
背後の
「ちょっと違うかな」
マキマはカフカの目を見つめた。どちらの目も光明がない。
ゲームで相手の思考を先読みすることには意味がない。裏の裏の裏… と、先読みにはきりがないからだ。
後の先を取るとは、相手の思考を読みとることだ。だから、思考を読ませない表情は
一方、チェスは2人零和有限確定完全情報ゲームで、先手後手を決めたときに勝敗が決まる。その意味で、チェスは論理演算でゲームではない。いまのマキマとカフカは、先手を取るべく、2人の優美な手で白のポーンを撫でまわしているようなものだった。
マキマが言う。
「もし1つのステップで最後まで行くとしたら?」
「時間と空間の区別がなくなるわ」
「卵が先か、鶏が先か。この問いも意味がなくなるよね」
カフカはわずかに目を見開いた。
「
マキマは微笑む口元をさらに引きあげた。
「うん。私たちバカまんこはオナホの代用品でしかない。カフカちゃんなら分かってくれると思ったよ」
「1つのステップで最後まで行く方法を見つける。そのためにはいくら時間がかかってもいい。いえ、それがもっとも時間のかからないやりかたなのね」
「そう。創造主は自分が創りだした存在と意味のあるゲームを遊ぶことができるのか? これが、その答えだよ。御主人さまに御自らおチンポさまをハメていただけるようにすること。そのためには、オナホたちのおこぼれに預かるようじゃダメなんだ。御主人さまにあらゆる快楽を体験してもらう。その上で、おチンポさまをハメていただいたのなら… 全てがそのためにあったことになる」
カフカは目を細め、吐息を洩らした。
「分かったわ。御主人さまのお世話係は、あなたに任せておくのがいいみたいね。マキマ」
アカネがマキマとカフカを見る。
「話、終わった〜? それならケーキを注文したいんだけど。私、ショートケーキがいいな」
マキマが微笑する。
「ショートケーキってイチゴが邪魔になるでしょう。最初に食べなくちゃいけないよね」
「あら。そんなの、横に取りおけばいいじゃない」
カフカが嫣然と言う。
「え〜? それは邪道だよ〜」
アカネが抗議するような声をあげる。
そうしてメタ能力持ちラスボス系ヒロインたちはケーキ談義を始めた。