ようこそ俺だけレベルの概念がある世界へ 作:Monburan
名もなき先輩に名前を考えていただきありがとうございました。先輩は再登場することになりました!
『彼女は名乗った』
「わたし? 水谷理奈だよ」
昼休みの終わりまで残り僅かな時間。ポイントを受け取った彼女はそのまま帰ることはせず、俺のすぐ隣で体育座りをしながら寄り添ってくれた。そして、俺の何気ない質問に優しく答えてくれる。
「えっとね、実はわたし勉強も運動もダメダメでさ。いつもクラスの足は引っ張っちゃうしで……」
どうやら彼女なりに努力したもののDクラスから這い上がる事が叶わず、今も苦しい生活を余儀なくされているらしい。笑顔で話してくれる先輩を見ながら俺は思う。
『おそらく、催眠の効果はもう切れてるんじゃないだろうか?』
彼女の言葉はそう感じさせる程に素直で、それでいてとても心地よかった……
短い時間を共に過ごし、別れを告げるチャイムが二人に鳴り響く。きっともう会うことはない。それでも彼女の名前を、俺はずっと忘れる事はないだろう───
美味しい昼食をいただいた俺は寮へと帰る。今日のヤることは終わった。さすがに高校1年レベルの勉強くらいは知識を上げるまでもなく覚えている。もはや授業に出る必要性を感じない。
だが、それなら知力とはなんだ?
ステータスとして存在している以上、何かしらの恩恵を受けることができるはずだ。俺の知力が10ならば他のクラスメイトの知力がそれ以下なのか?
もしかすると、知力とは学力だけに限ったものではないのかもしれん。今後知力のステータスを上げるか、あるいは鑑定のレベルが上がりステータスまで見れるようなればこの問題も解決するかもしれんな。まあ、それはさておき……
「明日からどうするか」
俺は部屋でガムを噛みながら思考する。まずこの世界にはヒロイン級の可愛い女子が多く存在する。わかりやすく絵を描きながら説明しよう。
『まずは、Aクラス』
Aクラスには坂柳有栖という杖をついた少女がいる。銀髪の美少女で人気も高い。入れた瞬間に射精する自信がある。
くそっ、どっちが坂柳でどっちが杖かわからなくなってしまった。絵はやめだ。
つまり何が言いたいかというと、SEXしたい女がたくさんいる中でまずは誰を狙うかということ。あと一人とヤればレベルが上がるからな……
その日、俺は時計の針が次の日を迎えるまで思考を巡らし、ようやく夢の中へと旅立った───
そして翌日。昨日と同じ時間に目が覚めた俺は、同じことを繰り返すように登校し昼を迎えて食堂へと向かう。そして、周りをじっくりと見渡し一人の女子に話しかける。
「こんにちは、水谷先輩」
「あっ、こんにちは。四谷くん」
どうやら今日は普通の定食を食べているようだ。その姿を見て少しだけ嬉しくなる。貢ぐ男の気持ちとは、こういうものなのかもしれんな……
ん? もう会わないんじゃなかったのかって?
『すまんな、あれは嘘だ!!』
先輩は俺の癒し。それと現時点で頼み込めばSEXできる可能性が最も高い相手。今日は催眠なしでアタックする。
「先輩、今日もお願いしていいですか?」
「あっ、ごめんね。今日はその、あれなんだ……」
「アレか……」
口には出さないがさすがにそれくらいわかる。いわゆる女の子の日というやつだ。しかしタイミングが悪いな、嫌がる先輩に無理をさせるのも気が引ける。ここは違う方法をとろう。
「先輩、同じDクラスの女子でポイントに困ってる人がいたら紹介してくれませんか?」
「えっ、紹介? いいけど……。紹介っていうのはしずらいから、ちょっと待ってね」
先輩は小さく周りを見渡すと、小声で俺に教えてくれた。
「あそこの席に座ってる子。同じクラスなんだけど、いつもポイントなくて困ってるよ。あっ、わたしが教えたっていうのは内緒にしてね?」
「先輩、ありがとうございます。助かりました」
その後、俺は先輩に教えてもらった女子に声をかけ昨日と同じ方法でSEXをした。相変わらずの射精速度で事を終えると、その女子はポイントを受け取りすぐに姿を消した。やはり俺の心を癒してくれるのは水谷先輩だけのようだ……
一人取り残された特別棟で体育座りをしながら、俺は隣に寄り添ってくれた先輩を思いだして悲しみに暮れるのだ。
名前 四谷忍(よつやしのぶ)
年齢 15
職業 童帝
レベル3(0/30)
体力 10 (0/1)
筋力 10 (0/1)
知力 10 (0/1)
素早さ 10 (0/1)
魔力 10 (0/1)
運 10 (0/10)
スキル 鑑定LV1 催眠LV1
Sポイント(200)
『取得可能スキル』
火魔法(0/100) 水魔法(0/100)
風魔法(0/100) 土魔法(0/100)
雷魔法(0/100) 変身魔法(0/200)
付与魔法(0/200)空間魔法(0/500)
絶倫(0/50) 催眠(0/200) 鑑定(0/200)
ついに、ついに訪れた。この時を待ちわびた。俺は部屋に戻り鼓動を高鳴らせながらベッドに座る。
SEXは気持ちいい、快感だ。俺の人生はSEXと言っても過言ではない。だが自分の能力が上がる瞬間、これもまた一つの快感だ。頑張った成果が数値やスキルとして現れる達成感。
そして俺は今、ようやくその時を迎える。既に取得するスキルは決めてある、後はそれを頭の中で宣言するのみ……
『付与魔法に200ポイントを振る』
名前 四谷忍(よつやしのぶ)
年齢 15
職業 童帝
レベル3(0/30)
体力 10 (0/1)
筋力 10 (0/1)
知力 10 (0/1)
素早さ 10 (0/1)
魔力 10 (0/1)
運 10 (0/10)
スキル 鑑定LV1 催眠LV1 付与魔法LV1
Sポイント(0)
『取得可能スキル』
火魔法(0/100) 水魔法(0/100)
風魔法(0/100) 土魔法(0/100)
雷魔法(0/100) 変身魔法(0/200)
付与魔法(0/300)空間魔法(0/500)
絶倫(0/50) 催眠(0/200) 鑑定(0/200)
ついに手に入れた、付与魔法。まずはスキルの確認だ。初めての200ポイントスキル、期待するのも無理はない。
俺は興奮しながら急いでスキルの確認を行う。
付与魔法LV1 自分のステータス・スキルを任意の相手に付与・解除できる
俺のステータスとスキルを、他の誰かに付与して解除することができるスキル。レベルという概念が存在せず、俺だけがステータスとスキルの変動を行える世界。俺は目を瞑りゆっくりと考える。付与魔法の使い道と、次なるターゲットについて───
『この辺りでいいか』
ついに念願の付与魔法を使用する時がきた。部屋を出た俺は、往来の多い街の中心部へと繰り出していた。鑑定や催眠の時もそうだったが、まずはスキルの確認だ。ここならばモルモットがたくさんいる。実験場には相応しいだろう。
まずは付与できるかどうかを試す。この世界の人間にレベルは存在しない。その上で本当にステータスの付与が行えるのかどうか……
さっそく俺は目の前にいる男を念のため鑑定し、名前を覚えてから付与魔法をかける。
『体力を1付与する』
名前 四谷忍(よつやしのぶ)
年齢 15
職業 童帝
レベル3(0/30)
体力 9 (0/1)
筋力 10 (0/1)
知力 10 (0/1)
素早さ 10 (0/1)
魔力 10 (0/1)
運 10 (0/10)
スキル 鑑定LV1 催眠LV1 付与魔法LV1
Sポイント(0)
「成功だな」
これでこの世界の人間にもステータスの付与が可能であると証明された。それはつまり、俺のさじ加減一つで最強の戦士を作ることが可能という事だ。
ふっ、例えば見た目麗しき美少女が実は筋力100のゴリラなんて事も可能。それか、見た目ゴリラの男を実は知力100のガリ勉野郎にすることもできる。さすが200ポイントも消費しただけあって、有能な魔法のようだ。
さて、次は解除。付与魔法の説明文はこうだ。
付与魔法LV1 自分のステータス・スキルを任意の相手に付与・解除できる
大事なのは消去ではなく解除ということ。おそらく、解除することで付与した能力は俺のもとへ解除、つまり戻ってくるはずだ……
『解除』
名前 四谷忍(よつやしのぶ)
年齢 15
職業 童帝
レベル3(0/30)
体力 10 (0/1)
筋力 10 (0/1)
知力 10 (0/1)
素早さ 10 (0/1)
魔力 10 (0/1)
運 10 (0/10)
スキル 鑑定LV1 催眠LV1 付与魔法LV1
Sポイント(0)
「よしッ!」
予想通りだ。これならば憂いなく付与が行える。後は……スキルだな。戻ってくるとわかった事で付与する事への抵抗はなくなったが、そもそも本当に付与できるのか? これが成功すれば魔法使いのバーゲンセール。俺から始まり俺で終わる、そんな夢の世界が実現する……
俺は大きく深呼吸をして頭の中でイメージする。
「鑑定LV1を付与する」
名前 四谷忍(よつやしのぶ)
年齢 15
職業 童帝
レベル3(0/30)
体力 10 (0/1)
筋力 10 (0/1)
知力 10 (0/1)
素早さ 10 (0/1)
魔力 10 (0/1)
運 10 (0/10)
スキル 催眠LV1 付与魔法LV1
Sポイント(0)
「よしッ! でき……」
その瞬間、俺はあまりの動悸に言葉を失った。突然の出来事にその場で膝を抱え、頭を抑える。まるで全力疾走した直後に頭痛を伴ったような最悪のコンディション。
「なる、ほどな……」
運動するのには体力を使う。同じように、魔法を使うには魔力を使うということか……
そして俺の魔力は初期ステータス10のまま。付与魔法を自由に扱えるようになるためには、魔力も上げる必要があるということだ……
おそらく今まで鑑定や催眠を使っても支障がなかったのは、この二つが魔法ではないからだろう。語尾に魔法がつくかどうか、そこで見分けろという訳か……
俺は落ち着きを取り戻し、解除を行う。解除は問題なく成功し、動悸も頭痛も起こらなかった───
「まあ、結果としては満足だな」
部屋に戻り、今日の実験結果を振り返る。あの後も何度か実験を繰り返した俺は、付与魔法におけるいくつかの注意事項を確認できた。
まず、付与できるのは俺が対象を直接視認できる場合のみ。対象が視認できない場合や街中のスクリーンに映る人は、いくら頭の中でイメージしてもステータスの変動はなかった。次に、相手の名前を知っている必要があること。適当に『目の前のヤツに付与』というのは成功しなかった。俺がそいつの名前を知ってる、あるいは予め鑑定で名前を知っておかなければ成功しないようだ。そういう意味では先に鑑定を取ったのは正解だったな。運が良かった。
「では、ここからが本題だ」
改めて、ターゲットを誰にするか。入学後のこの時期であれば、後にAクラスリーダー坂柳有栖の側近となる神室真澄という女子が万引きをするイベントがある。神室を狙うのも悪くない……。だが、坂柳に見つかり目をつけられるのは厄介だ。
まだ俺は弱い。もっとSEXした後でなければ坂柳には対抗できん。神室を狙うにしても、まずは協力者が必要不可欠……
この日、俺は珍しく早めの眠りについた。明日は、早起きせねばならんからだ───
翌日の教室。俺は一人で席に座っていた。腕を組み、椅子に寄りかかりながら前だけを見つめる。そして、隣人の到着を今か今かと待ち続けた。
しばらくすると、少しずつ人が増えていく。誰もが驚いた表情をする。教室に入りにくいのか、まるで忍のように物音を立てずに入ってくる者もいた。
毎日の遅刻と無断早退。入学式でさえも欠席。そんな男が朝一で座っているのだ。パチンコ屋の開店に並ぶ意外ではありえないような光景。
そして教室の人数が半ば程まで埋まった頃、そいつは現れた。俺の初体験の相手にして、隣の席。天使の顔と、悪魔の顔を兼ね備えたハイブリット。櫛田桔梗、俺のターゲットだ。
俺の姿を見た櫛田が一瞬嫌そうな顔をする。そして瞬きするよりも早く笑顔に戻り、櫛田は静かに席へ座った。
「櫛田、少し話がある」
戻した笑顔が少し崩れる。今日は表情筋が忙しい日らしいな。今まで接触を避けていた俺からの声かけに、内心は嫌そうな顔をしながらも繕った表情で櫛田は応える。
「うん。四谷くん、だよね? 話って何かな?」
「少し相談があってな。放課後、二人きりで会いたい。場所は校舎裏。お互いの学校生活に関わる大切な話だ、必ず一人できてくれ」
「……わかった」
櫛田の返事を聞いた俺は席を立つ。そして、一番早く登校した男は、一番早く下校するのだ───
放課後の時間。俺は寮を出て、学校へと向かう。教室へ寄ることもせずそのまま校舎裏へ到着すると、既に櫛田は笑顔で立っていた。
「遅かったね。すぐ帰っちゃうし、心配してたんだよ?」
「それは悪かった、心配をかけたな。だが、今日はお前に会うために登校しただけだ。心配する必要はない」
「……そうなんだ。それで、相談ってなにかな?」
俺と櫛田の間に嫌な沈黙が流れる。櫛田は俺の事を邪魔な存在だと認識しているだろう。多少なり自分の責任があるとはいえ、入学初日からほぼ無理矢理SEXさせられた相手。
それも初めての相手で、そいつはまともに登校すらしない男だ。好意的に受け取れる方がおかしい。
「えっと、相談ないなら私かえ……」
「なあ、櫛田」
「な、なに?」
「……お前は、魔法使いを信じるか?」
あなたは、魔法使いを信じますか?
いつも感想ありがとうございます!みなさんの感想を取り入れて進んで行きます。たくさんのお声をお待ちしてますね!