いやらしいダンジョン~男に厳しく女にはさらに厳しく~ 作:有脳
ダンジョンを認知させるステップと犠牲者登場させたりが必要だったのでもう少しだけお待ちください。
「ダンジョンだと?」
エルオスの存在とダンジョンの発生の報告のために領主の元へ謁見を行った村長。
村から一番近いセギュールの街にて領内の管理を行う領主は耳を疑った。
聞いたこともないダンジョンマスターなる存在がダンジョン発生を自ら公表し、剰えその攻略を以って村興しを行えなどと言い出すなど理解に苦しむ。
領主は眉間に皺を寄せ報告を行った村長たちを見据え、思案する。
この報告が虚偽であればそれはまだいい、村の人間を処断すれば済むだけの事。
だがもしもそれが本当であればどうか。
事実であれば利はある。
世界各地に存在するダンジョンは質に違いはあるものの資源の宝庫だ。
鉱物一つとっても武器に使われる鉄だけでなく金や宝石などといった直接的に金銭となるものもある。
もしも未知の鉱石が出たら?
王都の騎士たちはミスリルなどに代表される魔法金属を剣や鎧にしていると聞くが、それを上回るものがあるかもしれない。
それを国王へと献上すれば自身の地位も上がるだろう、という打算が産まれる。
自身の地位に満足がないわけではないが、金や名誉はあって困るものではない。
ただ問題もあり、ダンジョンは魔物を生む。
魔物が増えてダンジョンから溢れ出ることになればそれは為政者たる自分の責任になる。
小さな村一つが生贄となる程度であれば問題はないと言わないが少ない。
一度だけの失政と言われるだけのことで、家がつぶされるまではいかない。
他の地方でもそういったことはたびたび起きている以上、叱責はされてもそれは取り返せる。
もしもこの街まで侵攻を許すことになったらのならばそれは私個人も責任では済まない。
それを鑑みて領主は決断を下す。
「わかった、ダンジョンの発生の事実確認を行うものとする。」
「おお、それでは!」
領主の決定に村長とアマレットは歓喜と安堵の混じった表情を浮かべる。
「冒険者ギルドに人を遣る、その者とギルドに行き同じ話をしてやれ。」
村長とアマレットはありがとうございます、と何度も頭を下げ領主の館を後にする。
それから村長とアマレットは領主の遣いとともに冒険者ギルドへ赴き、そこで応接室と思しき部屋に通され、ギルドマスターへの面会を行い、領主へしたものと同様の話す。
それに領主の遣いがダンジョンの調査を街からの緊急依頼としてするように付け加えた。
「それは構いませんが、今すぐ派遣できる冒険者は……」
依頼を張り出すことに同意するも冒険者について言いよどむギルドマスター。
その様子を見て領主の遣いは以前セギュール領には冒険者が少ないと言っていたことを思い出す。
生活するには事足りるが、冒険者の仕事は最小限しかない冒険者不足の領だ、と。
セギュール領はその土地の殆どを山や森といった自然に囲まれているため、人の生活領域が狭い。
領内でダンジョンが見つかる事例は先々代が治めていた時に一度か二度あったが、ダンジョンが消失すると大半が去っていった。
帰らなかった残りも死亡したもの、年齢やダンジョン内で負傷し引退を決めたものや領内で相手を見つけて根を張ることを望んだものくらいだった。
魔物にしても、ダンジョン内で発生する存在の為基本的に人間が遭遇することは少ない。
ダンジョンの発生が少ないセギュール領では殊更だ。
むしろ野盗や森林に生息している野獣や猛獣といった類と遭遇するほうが多い。
だが、野獣や猛獣などを相手にするのは冒険者ではなく、猟師の領分である。
猟師が獣害を減らすがそれを逃れて人里まで下りてくるものもいる。
そういった場合は他領においては冒険者が駆除をする事もあるが、セギュール領では猟師の手に負えないものは領主配下の騎士や兵士が駆除を行っていた。
野盗の場合は言わずもがなだ。
仕事があったとしても臨時雇いの肉体労働や他領に赴く際の護衛が殆どだ。
故に冒険者が定住しやすい環境とは言い難い。
冒険者ギルドが非常時に備えて国内のギルドに冒険者を一定期間常駐する依頼を出すという形で冒険者を置いてはいるが、ダンジョンの発生事例が多いところに人員を割くため、セギュール領に配置されている人員は少ないのだ。
「今すぐに動ける冒険者はどれほど?」
「それが……新米が数名しかいないのです。」
「その新米ではだめなのか?」
領主の遣いがすぐに動ける人員の数を問うが、新米のみという回答に当然の疑問をぶつける。
新米でも居ないよりはマシだろう、と。
「探索させること自体は問題ありませんが、本当になりたてなのでダンジョンの探索の経験もろくに有りません。三日……いえ、せめて二日待っていただければ経験あるものも戻るでしょうからそれを待っていただければ……」
「その、一つよいでしょうかな?」
「なんでしょう。」
ここで長老が二人に声をかける。
長老自身は冒険者については詳しくないが、村の住人達のために思うところがあるのだろう。
「経験あるものが戻るまで待つのは仕方がないでしょうが、せめてダンジョンの見張りをしてはいただけませんかな。」
村長は村のそばにダンジョンが発生したのはもうどうしようもない事と理解している。
エルオスというダンジョンマスターがやったことを思えば、言葉を交わした限りではダンジョンから魔物を放ち村を襲わせるといったことはしないのかもしれない。
だが、もしも魔物がエルオスの意向を無視してダンジョンを抜け出して村に来たら?
そう考えてしまったのだ。
村長である以上、自分は住人達に少しでも安全を確保しなければならない、という責任感からだ。
「ふむ……見張りですか。それくらいならば新米でも出来るのでは?」
「たしかに魔物がはぐれて出てくる可能性はないとは言えません。帰還までの間、ダンジョンの周辺を調査、監視くらいはさせても良いでしょう。」
「おお、ぜひともお願いいたします。」
「ありがとうございます。」
村長の言葉の意図を察してか領主の遣いが後押しする。
ギルドマスターも新米たちに経験を積ませたいからかそれを受け入れる。
それを見て村長とアマレットが喜びと安堵の表情を浮かべる。
「近隣のギルドにも鳩を飛ばして探索者を募ります。数日もすれば試験調査、さらにもう少しすれば本格的な攻略に入れるでしょう。」
「では、その方向で進めましょう。」
こうして新たに発生したダンジョンの調査が始まることとなった。
領主の遣いと村長らが冒険者ギルドを出ていくとギルドマスターは秘書に鳩を飛ばさせた。
緊急依頼はセギュール領にダンジョン発生、応援を求む、と。
秘書へ指示した後にギルドマスターはギルド内にいる新米冒険者たちがいるであろう集会場に向かう。
ここで少し時間を遡り、村長たちが応接室に通されたころのことである。
ギルドの集会場ではパーティー組んでいるであろう冒険者たちがいる。
剣士です、と言わんばかりの革鎧を身に着けた赤毛の少女、如何にも魔法使いといった格好の金髪少女、赤毛の少女よりも軽装の緑髪の少女だ。
「はあ、せっかく冒険者になったのにこんな何もないところに居てつまんない!」
「ソライア、仕方ないですよ。ダンジョンが全然出たことないという話ですし。」
赤毛の少女、ソライアが不機嫌な表情を浮かべて退屈そうにしているのを金髪の少女が宥める。
「仕方なくないよクリコ!あたしは冒険者らしくダンジョンで魔物をバッサバッサとやっつけたいの!」
「ソライア、危ないから腕を振り回さないでください。」
金髪の少女、クリコに駄々っ子のように腕を振り回しながら騒ぐソライア。
それを横目に見ながら緑髪の少女が先ほど見えた光景を思い出す。
「そういえば、さっきマスターが誰かと奥に行ってたけどなにかあったのかな?」
「チェレット!それきっと依頼だよ!やっと私たちの冒険者としての活躍が始まるんだ!」
緑髪の少女、チェレットの言葉を聞き、ソライアは目を輝かせる。
それを見てチェレットはため息をつきながら席を立つ。
「どこに行くの?」
「お花を摘みに行くの、言わせないでよ。」
そう言ってチェレットはギルドマスターたちが入っていった部屋の方へ向かう。
トイレは応接室のある廊下にあるようだ。
チェレットがトイレに入って少しするとギルドマスター達が部屋から出てくるのがソライア達には見えた。
ギルドマスターが秘書に二言三言指示を出し、集会場を通り過ぎて客たちを入り口まで見送る。
指示を受けた秘書はそのまま伝書鳩のいる鳩小屋へ向かう。
ギルドマスターは客を送り出した帰りに集会場に入ってきた。
そして二度三度集会場を見渡すと、ソライア達のいるテーブル席に向かってくる。
「なになに?マスター、あたしたちに仕事?」
「お前たち、ちょうどいい時に居るな。……ん?チェレットはどうした。」
「マスター、私ならここよ。」
ちょうどギルドマスターの真後ろから返事が聞こえる。
ギルドマスターが振り返るとそこにはチェレットが立っていた。
「よし、三人ともいるみたいだな、とりあえず座るぞ。」
言うが早いか座るが早いかというようなタイミングでギルドマスターはソライア達の向かい側の椅子にドカッと腰かける。
それを見てチェレットもソライア達の隣に座る。
依頼者が冒険者の対面して座るのは珍しい事ではない。
セギュール領ではあまり見られない光景だが。
チュレットが座ったことを見てギルドマスターが口を開く。
「お前たちに仕事が入った。」
「ホントっ!護衛?それとも魔物退治?」
「聞くだけ聞かせてちょうだい。」
仕事という言葉にソライアが嬉しそうな反応をする。
チェレットは続きを促す。
「先ほどの来客だが、領主様の遣いでな、ダンジョンが領内に出たらしい。」
「ダンジョンが、ですか?」
クリコが疑問を口にする。
ギルドマスターは肯定して説明を続ける。
「ああ。領主様の遣いと一緒に来ていたご老人の住む村にダンジョンマスターを名乗る人物が現れダンジョンを作ったと言っていた。」
「何よそれ、ダンジョンマスターなんて聞いたことないわよ。」
「ダンジョンマスター!?なにそれ凄そう!」
「それで、私たちは何をすればいいんですか?私たちみたいな新米に攻略をさせるとは思えませんが。」
冒険者の三人は三者三葉の反応をする。
チェレットは眉唾だ、と言わんばかりに疑い、ソライアは反対にダンジョンマスターという言葉に興味がわいたようだ。
クリコは聞くべきことを聞こうとする。
「お前たちにしてもらいたいのはダンジョンの周辺調査とダンジョンの監視だ。」
「監視?何よそれ、つまんないよ!攻略させてよ!」
「アンタね、新米だけでダンジョンに行かせるわけないでしょ。」
「他の人たちに持っていかれますよ。」
依頼内容に文句をつけるソライアとそれを窘めるチェレットとクリコ。
新米ゆえに早く「らしい」仕事をしたがるソライアの気持ちを理解しているのかギルドマスターは続ける。
「流石に新米だけで潜らせるわけにはいけないからな、明日か明後日にはポールたちも戻るだろうから、現地にあいつらが到着次第ポールたちと調査はしてもらう予定だ。」
「ダンジョンに入れるの!?やった!」
「その前に調査と監視よ。どうする、受ける?」
「私はかまいませんが……」
「ダンジョンに入れるなら受けるにきまってるじゃん!」
「あんたホントにそればっかりね。」
三人は依頼を受けることに決めた。
ソライアは初めての冒険者らしい仕事に張り切り、クリコはそれに不安を感じ、チェレットはソライアに溜息をつく。
「決まったようだな。ならこれが依頼書だ、受注のサインをしろ。」
ソライアが依頼書に受注のサインをする。
彼女たちは知らない、これが運命の分岐点だということを。
「よーし、私たちの冒険の始まりだぁ!」
この時、彼女たちの運命は決まった。
移動はバッサリカットします。次回からエロダンジョンが冒険者たちに牙をむく!
活動報告の方でエロシーンの順番を聞きたいのでよろしければ活動報告を見ていただければ助かります。
新米のうち、誰から餌食になって欲しい?(投票順に書きます)
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ソライア(赤髪剣士)
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クリコ(金髪魔法使い)
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チェレット(緑髪斥候)