A sign of defeat エロティカルファンタジー世界にて、俺は生きる 作:くっろいの
「……あ、うあ……?」
「くすくすくす、おはようございまぁす♪」
ベッドの上で俺がようやく目覚めた頃には、窓の外が暗くなっており天井に吊り下げられた魔法のランタンが灯されていた。
体を起こそうにも腰が砕けて、動けない……。
「う、うぅぅぅ……!」
どんなことをされたのか、どんな感じだったかは身体にも記憶にもばっちりと残ってる……! 子宮、子宮を掴まれて、どんな快感を与えられたか分かってしまう……!
ベッドの上はまっさらで、イく度に噴いていた潮とか全身から噴き出ていた汗の痕跡はない。これが魔道具の性能なんだろうか。
「良い反応でしたよぉ♪ またして欲しかったらいつでもどうぞぉ♡」
「い、いいいいえ遠慮しておきます!!」
無理、あんなのまたされたら本当に駄目になる!!
「くすくすくす、まだまだ魔法の快楽は深いんですけどねぇ?」
「ひ、ひえぇ……」
いやいやいや、体に手を突っ込んで子宮掴んで揺さぶるのが深くないって怖すぎるぞ!? いや、全能とすら言われてるらしいし……中盤くらいなのか……?
「………………」
「お、俺の思考を読んで二ヤつくの止めてくださいセクスゥムさん!」
「おぉっとぉ、これは失礼しましたぁ」
ベッドの上で、ジタバタも出来ず寝転がっている俺。顔を横に向ければ椅子に座っているセクスゥムさんが見える。
ニヤニヤした表情は変わらず、たまに深くなるかならないかの違いしかない。マントは開いていて、あの、凄いエッチなボディスーツに包まれた身体が常に見えちゃってる……。
テ、テーブルの上には本が開かれててそれを読んで待っていたらしい。ベッドで横になってるから内容はさっぱり見えないな。
「さぁてぇ、今の時間はぁ……19時ぃ、まあ夜ですねぇ、性の時間の始まりですねぇ」
セクスゥムさんが指を一本立てたらヒュオンとなんか、ホログラムみたいなものが出てきた!? 直ぐに消えたけど、あれ時計だったのかな……?
「お勉強は大体終わりましたねぇ。サリアは今頃お気に入りの子を部屋に連れ込んでお楽しみかぁ、仕事の真っ最中ですかぁ」
「お、お楽しみ……」
あの俺が痛がってるのを見て興奮してたあの人のお楽しみ……正直、出くわしたくないなぁ……。
「まあ今から行ってもあまり話も出来ないでしょうしぃ、今日はお開きですかねぇ」
「そうですか……良かった……」
「……私とお楽しみしてもいいんですよぉ?」
「いいえ遠慮しておきます!!」
ついさっき凄すぎるエッチで気絶したばかりなのに何を言ってるんだこの人は!?
いや、この世界の冒険者なら結構あり得ない事じゃない、のか……?
「そうですよぉ、というか今の時間帯……いえ、ハルカさんが動けるようになるころに出来ることなんてエッチか寝るくらいですねぇ」
「うえ!?」
「今のハルカさんは摘まんでひょいと食べられるようなちょろぉい無知なお子様ということは理解してますかぁ?」
「……してます」
確かに、ちょっと教えてもらって本を読んだくらいだ。実態とかは一切知らないし危ないだろう……。
「部屋から出てロビーに向かったら一瞬で他の冒険者に捕まってエッチ開始ぃ、早かったら廊下を歩いている最中に捕まるかもしれませんねぇ? ギルド内はフリーセックスが認められているのは書いてあった通りですしぃ」
「ひ、ひえぇ……」
「外に出てもぉ、まあ冒険者狙いの色んな人やら何かやらがいますからねぇ。ハルカさんが出て無事に帰れる保証なんてぇ……おぉ怖い怖い」
い、いや流石に外に出るつもりはなかった、うん。しかし……そう言われると、本当にやることが無いんだな……ぐぬぅ……。
「エッチしますかぁ?」
う、すっごいニヤニヤしてる、ニヤニヤしながらこっち見てるぅ……。
「え、えーと……セクスゥムさん、俺のこれからの流れを教えてください!」
「……逃げましたねぇ? まあいいですけどぉ」
正直寝っ転がったまま動けないくせに何を言っているんだと思ったけど、このまま寝るのは勿体ないというか、起きたばかりで眠れる気がしない。
でもエッチなことは怖い、だったら先輩に色々聞くしかないじゃないか!
「えぇとぉ、明日ハルカさんがサリアと話して勉強の成果を確認したら本格的にギルド所属の冒険者になるための手続きだと思いますよぉ」
「手続きってどんなことするんですか? 書類とか書くんですか?」
「いいえぇ、魔法具でかるーく精査してお終いですねぇ。それからギルドカードが発行、手続き完了ですよぉ」
……それだけ?
「はぁい、それだけですよぉ。後は冒険者が好きに行動してくださいって感じですねぇ」
「は、はぁ……」
「アイアンから始まりますしぃ、まずは外に出て簡単な採取だとかを受けることをお勧めしますよぉ。街中の依頼はあまりお勧めしませんねぇ、人間の悪意が満ちている街中は外とは違った危険が溢れてますからぁ」
う、確かに……刻印持ちを狙う人間が溢れてるから危険か……。
「ちょぉっと身体で払ってくれれば私が色々教えてあげても良いですよぉ? くすくすくす、こう見えて高ランクの冒険者ですからねぇ♪」
「そ、その色々が怖いんですけど……っ」
身体で払うことも怖いけど色々教えてあげるっていう時点で怖い、絶対余計な事を混ぜてくるつもりだ……!
「さぁてどうでしょうかねぇ? まあ対価を払ってくれれば普通に役立つことをろ教えてあげますよぉ。採取のコツとかぁ、戦闘訓練とかねぇ」
「戦闘訓練……? えーと、セクスゥムさんってメイジ、魔法使いですよね?」
「くすくすくす、まあそうですけどねぇ、実際に教えてあげる際に見せてあげますよぉ」
本当に謎だなぁこの人は……。
「この街、アルサードは平原にある街でぇ、周囲には森が二つ、山がありますねぇ。平原は川で区切られていて向こう側がシルガテスタ王都という巨大な都市がある平原という扱いですよぉ」
「王都……?」
「私の本宅がある都市ですねぇ。まあ行くことは暫くないと思いますし今は気にしなくても良いですよぉ」
本宅……? この人ギルドに部屋を貰ってるわけじゃないんだ。
王都かぁ……なんか、憧れるな。いやまあ、この世界だと凄いことになってそうだけど。
「毎日新しい冒険者が生まれ、そして消えていきますねぇ。おぉ怖い怖い」
「……もっと強くなってから行きます」
流石王都、欲望も悪意も煮詰まってるってことか……。
というか、俺はセクスゥムさんの親切にそのまま乗っかってるけど時間とか大丈夫なんだろうか?
「大丈夫ですよぉ、ハルカさんの相手は楽しいですしぃ」
「そりゃどうも……」
大丈夫なのは良かったが、なんか納得がいかない……。
「まあ、あんまり教えすぎてもすぐには覚えられないでしょうしぃ、明日また色々と教えてあげますかぁ。サリアのことですし明日も私に何か頼むはずですよぉ」
「へ? あ、あぁ、そうですか。えーと、今日はもう帰るんですか?」
「エッチする気が無いなら、帰りますよぉ?」
いや、そんな目を細められても、獲物を見る目で見られても拒否しか返さないぞ!
もうこの人に対しては思考で返事することに慣れつつあるけど置いといて、俺はこのまま横になってる!
「……そうですかぁ。ざぁんねん。それではおやすみなさいませぇハルカさぁん」
「おやすみなさい、セクスゥムさん……」
セクスゥムさんが立ち上がり、ひらひらと手を振る。そして流れるような動作で腕を振るい、マントを思い切りはためかせて全身が見えなくなった……かと思うと、マントごと消えていた……!?
「え、え!? 手品!? 手品みたいな消え方をした!?」
未だ動かない腰を動かそうとしてもがきつつ、何とか痕跡を探そうとした俺だったが……。
結局十数分後まで碌に動けず、動けるようになっても何も見つからなかった。魔法で消えたんだろうか……?