A sign of defeat エロティカルファンタジー世界にて、俺は生きる 作:くっろいの
あの少年達から逃れて数分後……。素人なりに油断せず森を歩き続けていると人が歩いてできたと思わしき道を発見することが出来た。
「よ、良かった、あの少年達以外に遭遇することなく行けた……えーと……どっちに向かおうか?」
道の真横にぶつかったので、左右に続いていてどっちに行けばいいか分からない。倒れている植物の方向を見たら分かるかな……?
……ふむ、一応倒れている方向は一定だ。これに逆らって行けばこの道を作った人が入ってきた方に行けるだろう、多分。これを作った人はこの奥に何の目的があったんだろうな?
道に入り、倒れる草に逆流して進んでいく。幸い丁寧な仕事なのか、歩くのに支障がないどころかかなり歩きやすい。感謝感謝だな。
「さて……このまま進んで、人里とかに辿り着ければいいんだけど……」
草を払うために抜いていた剣は一旦戻し、一応いつでも抜けるようにしつつ進んでいく。
ここで少し、歩きながらでもいいから情報の整理をしよう。敵対的……と言えるかは分からないが知的生命体がいることも判明したし冷静になって考えてみる。
あの時は慌てていて深く考えていなかったが、俺と少年達の意思疎通には全くの問題が無かった。あの少年達の頭があまり良くないということもあるだろうから少し聞きとりにくいところもあったが、それだけだ。
日本語を喋っているつもりだったけど、あの少年達の口の動きからして日本語ではない。というか、冷静になって口の動きを確かめると俺も日本語を喋っていない、マジか。
自動翻訳という奴か、チートは無いくせに妙に親切だなあのトラック……。
そしてあの少年達の容姿をきちんと思い返すと、肌が緑色で耳が少し尖っている以外は人間の少年に近いものだ。目は茶色っぽかったかな?
亜人、というのが一番合っている感じだろうか。あの幼い容姿でありながら性欲魔人っぷりは凄かったし、もともと妖精のことと聞くからあの少年達のことはゴブリンと呼ぶことにしよう。
ゴブリン達は、完全に人と似たような形をしている。そして、俺という存在を見て何ら驚くことなく欲情した。つまり、俺と同じ、または酷似した種族がこの世界には多数いるのではないか?
これは希望が出てきたぞ。人類滅亡後の世界とかそういう可能性は否定できなかったんだが、あのゴブリン達のお陰で普通の世界である可能性が大きくなってきた。
「……よしっ、これでなんとかなる……!」
「何が何とかなるのだ?」
「……え?」
思わずガッツポーズして、むんっと鼻息を吹いてしまった直後、誰もいなかった筈の真横から声が聞こえる。
「お前も帰りか? 何か問題が起きているのなら、手を貸してやっても良いぞ?」
ギギギギ、と音が鳴りそうな首を無理矢理動かして声の方向を見る。そこには見慣れない一人の少女が立って……いや、随分と大きいな? 見上げないと顔が見えない。
「……どうした?まるで魔物にでもあったような表情だが。……ハッ!?どこかにいるのか!?」
全身に傷跡が散りばめられているのが丸見えなボロ布を纏った露出度の異様に高い褐色肌の少女。きりりとした顔で後ろに振返り片手斧を虚空に向かって構えるが、少しするとまたこちらに振返った
「何もいないではないか。どうしたのだ?」
「あ、いやその……」
本当に露出度が高い、いやほんとに。乳輪が隠れるぎりぎり……どころかたまにその、乳首が見えるし股間はきちんと布を巻いてるが他の部位は丸見えだ……。
胸は小さくはないが大きくもない、くらいか。赤いぼさぼさの髪が肩につく程度で揺れ、訝しげな表情と鋭く茶色い瞳の目が俺を見下ろし射抜いてくる。
「……本当にどうした。お前少し怪しいな……?」
「え!?い、いや、えーと……!?」
ま、不味い、なんというかこんな野生児っぽい子と出会うとは思わなかった! 一応あのゴブリンよりはずっと意思疎通が出来そうだし、言葉も聞き取りやすいがそれでも話を聞いてくれるか分からない!
「……困っている、のは本当か。ならいいか」
慌ててあちらこちらに目を逸らしていると、その少女から視線を外してくれた。助かったが……こ、これからどう対応しようか……? 完全に不審者ムーブをかましてしまった……。
「それで、何に困っているんだ? 怪しいが、オレはお前が本当に困っているように見えるぞ」
し、仕方ない、野生児っぽいけど親切なこの子には悪いが、嘘を吐かせてもらおう。正直ありきたりな言い訳で信用されるか分からないがこれ以外どうしようもない!
「そ、その……ここは、どこだろうか……?」
「……なに?」
「えーと、ここはどこ……ですか?」
「……ならオレについて来い」
ジト―っとした目で見られた……多分不信感いっぱいだ、物凄く怪しい奴って思われてる……! しかし、それでも今はそれを見ないふりをしてくれた。その上でどこかに連れて行ってくれるっぽい。
先導して歩いてくれる少女の後ろをついていく。まだ行先は不明なのでそこまで安心はできないが、さっきよりは希望が出てきたぞ……!
「あ、ありがとうございます……!」
「いや、いい。お前、冒険者だろ?」
「ぼ、ぼうけんしゃ……?」
冒険者、冒険者……。やっぱりそういうテンプレがあるんだな、少し助かったかも……。なんて考えていたら、勢いよく少女がこっちに向かって振り返った!
「詳しいことは知らないんだな?」
「……し、知らないです……」
鋭い目で睨まれ見下ろされ、思わずビビって素直に答えてしまった……。そのまましばらく睨まれていたかと思うと。
「……そうか。オレ以上に世間知らずとは大変だな。これから街に戻る、絶対に離れるなよ」
こくりと頷いたかと思うと、また歩き始めてしまう。良い人……なのかな? それと、自分が世間知らずって自覚してるんだな……。
無言で歩いていく彼女の後ろをついて行く。道にわずかに入ってくる草は片手斧を振るって払ってくれるとか、本当に優しいんじゃないかなこの人。
「……お前、名前は?」
「え、な、名前?」
「名前も分からないのか?」
な、名前、名前……そのまま名乗っても大丈夫、だよな? 日本風だけどまあ、平気だよな?
「あ、いや、大丈夫だ。御堂遙、御堂遙という」
「ミドウ・ハルカ……オリエンタルか?」
「おりえんたる……?」
「それも知らないのか……」
オリエンタル……東方風の文化があって、有名なんだな? しかしこの野生児っぽい子よりも世間知らずって仕方ないとは言え、なんだこの敗北感……。
「むぅ……お前を助けるには、オレだけでは無理そうだ。ギルドには連れて行く、それからは自分で何とかしろ」
「あ、ギルドもあるのか。えーと、ありがとう、あー……」
「アヤだ。サヴェッジのファイター、カッパークラス」
「な、なるほど……」
「分かっているのか?」
詳細は分からないが、雰囲気は分かる。
サヴェッジというのがこの子の人種だな? それで職業がファイター、戦士でカッパークラスは冒険者のランクだろう、多分。
「まあいい。じゃあ行くぞハルカ」
「あ、ああ……」
なんというか、凄い独特な子だなぁ……。
そのまま、今度こそ無言で道を進んでいく。時折引っかかりそうな所があれば教えてくれるくらいであとは必要最低限のことしか言わない。
なんか頼れるリーダー的な雰囲気があるなぁ……。この子、人の上に立つのに慣れてたんだろうか?
ともかくこのままこの子について街、そしてギルドに行こう。よくあるテンプレならギルドに加入して冒険者になれるかもしれない。ロマンだよね、冒険者。
TSしてるからエロトラブルに巻き込まれるかもしれないが……こんな露出度凄い野生児な子が入ってるんだ、多分俺でもなんとかなるだろう、多分……多分!!