A sign of defeat エロティカルファンタジー世界にて、俺は生きる 作:くっろいの
えーと、次は……。
「魔法。まあ私の専門分野ですねぇ、これでもメイジの端くれですしぃ」
「魔法使い、なんですか」
アサシンっぽい感じもあったけどなぁ、全身マントって。いやまあ、机に乗ってたぷんたぷんしてる胸が邪魔かな……?
第四章、魔法。特定の才能を持つ者、あるいは高度な学院でのみ習得可能な特殊技術。それが魔法である。
魔法を扱えるものはメイジと呼ばれ、その多種多様な魔法は社会を支えている。様々な魔法の品、魔道具が作成され一般市民にも手が届く価格で流通している
とはいえ、大半のメイジは少し便利な生活用の魔法を長い時間をかけて操るのみに過ぎない。
戦闘の中で瞬時に魔法で敵を倒し、操り、発情させる……発情させる!? そ、そんな真の魔法を使えるのは、冒険者に代表される刻印を持つメイジだけだ……。
つ、つまり魔法もエロってことか……!
刻印というものの性質上、メイジ達の魔法は性的分野において研ぎ澄まされもはや全能と言える境地に達している。
全能!? え、万能とかじゃなくて全能とまで言うか!?
「……………………」
待ってセクスゥムさんそのニヤニヤ顔本当に怖い、この人本当に怖い!
あ、どういうことが出来るか書いてある……。えーと、快楽増大、粘膜保護、肉体浄化、性欲強化、精力強化、嗜好矯正、疲労回復、避妊処理、性別変更、胎児成長促進、出産補助などなど枚挙に暇がない、か。
嗜好矯正、性別変更……!? え、男に戻れるのかな、魔法なら!
「男だろうが女だろうが犯されるときは犯されますしぃ、魔法による性別変更は基本的に一時的なものですよぉ。高位のものなら永続もありますけどねぇ」
く、くそぅ……ん?
一部の強大な魔法使いは肉体や精神、記憶のコントロールすら可能だろう……。
なるほど、本当に魔法使いは凄い立ち位置にいるんだな。性的にだが!
冒険者に限らず、魔法の才能は何故か女性に開花することが多い。このため魔法学院は大抵女性社会となっており、冒険者の女性率上昇に大きく関係している。
刻印持ちが強力な立場を得やすいため、メイジは刻印の有無に関わらず扇情的な衣装を着け、淫らな習慣を義務付けられているとも言われる。
そして事実、そんな生活の中で新たな刻印を背負う者も少なくない……。
根本からエロい世界の刻印というエロい現象に起因した世界規模のエロ特化魔法かよぉ……。
も、もし俺にも魔法の才能があったら、エロ衣装を着ないといけないのか!? 恥ずかしいんだが、普通に恥ずかしいんだが……!?
「実際は義務付けられてはいませんよぉ、推奨はされますけどねぇ。学院では規則の場合もありますがぁ」
「そ、そうですか、よかったぁ……」
「まあ見たところぉ、ハルカさんには魔法の才能は少なめですねぇ。メイジと名乗るにはちょぉっと微妙な感じですよぉ」
……ちょっと残念なような、安心したような、微妙な気分……。
さて、次は……魔物についてか。
第五章。魔物。
この世界には隅々にまで魔物が存在する。都市から一歩出れば、否、都市の中ですら魔物と遭遇する可能性はあるだろう。
魔物の起源は本当に様々で千差万別だ。野生動物の一種であったり、奇怪な異世界の住人であったり、人間と異なる文化を持つ他種族であったり。
起源も種族も多種多様な魔物だが、共通点はある、ほぼ全てが人間を苗床や性対象としていることだ。襲撃においては刻印持ちを最優先で襲い、いなければ若い男女を攫う。
そして彼らはじっくりと時間をかけて犠牲者に多数の刻印を与えてゆき、都合の良い性奴隷へと作り変えたうえで繁殖を行うのだ。
更に質の悪いことに、彼らは自身の領域を対外的に隠す能力を持っている。このためただ強いだけでは魔物の盗伐は出来ない。彼らはただの己の領域に逃げ込み、脅威が去るのを待てばいいのだから。
よって、魔物討伐は刻印を背負った、絶好の囮にして討伐の力を兼ね備えた冒険者にしかできない……。
うわぁ……うわぁ……な、なんてエロに都合の良い世界、魔物までエロく、刻印持ちを狙い刻印を更につけようとしてくるのか……。
お? 余談だが、魔物への囮という立場は冒険者の装備の実用性を淫らなものにしている?
魔法技術で肉体保護機能を充実させた、過激で煽情的な衣装を多くの冒険者が好んで、好んでぇ!? き、着て、いるのだ……。
こ、好んで着ている……? あ、あのエロ衣装を、皆好んで着ているのか……?
「私はそこまで気にしてませんがぁ、これを着ないといけない事情はありますねぇ」
「……セクスゥムさんは胸が大きくなかったらエロくないのでは?」
「くすくすくす♪」
な、中が気になる、中は何だ、全裸とか過激な下着とかか……!?
というか肉体保護機能がきちんとあるんだな、露出過多でも。なるほど、ビキニアーマーでも防御力はきちんとあるわけだ、お色気による手加減を期待するとかじゃなくて。
冒険者御用達の店とか行ったらちょっと、赤くなって何もできずに帰ってしまいそう……そ、想像するだけで顔が熱くなってきたぁ……!
「良い店を紹介してあげましょうかぁ? 値段もまあ、私からの紹介と言えば少し安くなると思いますしぃ?」
さ、さて、続きを読もうかな。残りは……魔人について書いてあるな。
刻印の力に溺れ、理性や倫理を完全に失って魔人と化す冒険者も少なからずいる。
また、完全な魔物と化しておらずとも半魔物と呼ぶべき邪悪な刻印持ちも多数存在している。
彼らは通常の魔物よりも遥かに狡猾で凶悪であり、冒険者にとって恐るべき強敵となるだろう……。
なるほど、引退を勧められるランクってこういうことか。刻印が増えすぎて制御できなくなって、魔人となってしまう人がいると……。
「危険なので制圧依頼が早急に出されるのが魔人ですねぇ。私も何回か受けましたよぉ、元ミスリルとかプラチナとかねぇ」
「魔人になったら、強くなったりとかするんですか?」
「いいえぇ? 基本的に性能は変わりませんよぉ、ただ刻印で得た力はそのままなので厄介ですねぇ」
まあ、魔物退治の専門家が魔物側になるって厄介だよな、普通に考えて。刻印が増えすぎると、いや、刻印に飲まれたら魔人になってしまう。覚えておこう……。
えーと、最後は……神々と宗教? 神って刻印を与える神だよな……?
第六章。神々と宗教。
この世界には多数の神々が存在している。彼らはそれぞれが己の権能をもって世界の一部を司っている。善き神も悪しき神も、人間には無関心な神もいる。
そして悪しき神、悪意を持って地上に干渉する神は魔王とも呼ばれることがあり、アダマンタイトランクの冒険者がそれを討伐した神話は数多く存在している。
神は不滅である。しかし力を失わないわけではない。討伐された神は多くの力を失い封印されることもあるが、消滅することは無いので世界に壊滅的な影響が起きるわけではない。
彼らはそれなりによく地上に降りてくる。その姿も多くは人間とさほど変わらない。
神々はとても人間的で、その強大な力と不滅性以外は人間と変わらぬように見える。人間との交流を好む神も多く、特に刻印持ちとは肉体関係を結ぶことも少なくない。
気に入りさえすれば、人間の前にも頻繁に現れて交流しようとするだろう……。
神が実際に降りてきて、関わってくるのか……しかも刻印持ちとはにくたい関係も少なくない……。
「何柱かの神は知り合いですよぉ、ぶっとばした仲もいますねぇ」
「ぶっとばしたぁ!? 神を!?」
「くすくす、あんまりにしつこいのでこう、どーんとねぇ?」
か、神を吹っ飛ばす……力さえあれば、そういうこともあり得るし出来る世界なのか……。
「流石に神殿に目を付けられましたがぁ、吹っ飛ばされた神が仲介してくれましたねぇ、面倒になるところでしたぁ」
「神殿? あ、次の項目だ」
えーと、神々は神殿で崇められている。
しかし、神話も宗教も、各都市国家によって異なる。単一の神を崇める神殿は殆どなく、多くは特定の神を中心に友好的な神、配下の神を複数纏めて崇めている。
なお天使や戦乙女、使徒と呼ばれる存在もこれらに含まれる。
刻印が大きな法則となったこの世界では神々の権能もかなり偏った権能が多数ある。
戦闘、知恵、意志、魔法、舞踏、奉仕、衣装、希望の神
職業や刻印によって得られるとされる力、冒険者に関わるものとしてこれらは至極まともな権能。また各種族や動物の権能も、十分にまともな範疇である。
これらの中で、戦闘、知恵、意志の三神は刻印によって得られる大体の力を司っており、この世界におけるもっとも有名で信仰される神、三大神と呼ばれている。
多産、快楽、淫欲、浴場、拘束、接吻、被虐、嗜虐の神。
どうかと思われるものもあるが、有り得なくはない。
まだ有り得る範囲であり、一般人からも信仰されている神も多い。しかし……?
凌辱、自慰、精液、羞恥、触手、母乳、糞尿、拡張、媚薬、淫具、寝取、乳辱、浣腸、露出、便所、陰毛。
このような通常では信仰などあり得ないような各種刻印の化身たる権能の神々も横行している……。
ひ、ひっどい神々もいるんだな……。
「くすくすくす、破瓜の神なんてものもいますねぇ」
「は、破瓜ぁ!? なにそれ!?」
「破瓜という純潔が失われる瞬間、そしてその際の痛み、清らかなものを己で染め上げるという征服感。そういったものを司るそうですよぉ」
ろ、ろくでもなさすぎる……!
そんな神が降りてきたら不味くないか、俺狙われない!?
「………………」
ニヤリと笑ったよこの人、どういう意味だ、その笑みはどんな意味ですか!?
「さぁてぇ、この世界の大体の概要は掴めましたねぇ? 次はぁ……♪」
「え? え? ちょ、な、何をするんですか、ちょっと!?」
椅子に付いていた俺のお尻が浮いて、なんかふわふわしたままベッドに向かってるんだけど!? いや、こんな世界ってお勉強した直後だから何が起こるか想像できちゃうんだけど、待って、待って!
「あぁ、処女は頂きませんよぉ? ちょぉぉぉっとぉ、女の子の快感を知ってもらおうかと思いましてぇ?」
「え、お、女の子の快感ってなんですか、なんで俺が男だってことを知ってるんですか!?」
誰にも言ってない筈、いやまあこの世界で性転換はそこまで珍しくないみたいだけども!
「……鈍いんですねぇ? さっきからずっと、ハルカさんの考えていることに応えていたのにぃ?」
「……あ!?」
そ、そういえば、そうだった……? なんか、この人なら有り得なくもないってスルーしてしまってたけど心を読まれてた!?
いや、鈍いどころじゃないぞ俺。なんでスルーしてた、普通おかしいだろ、なんでスルーしてた!?
「まあ? 私がスルーするように少し魔法で思考を誘導してましたがぁ」
「あんたのせいか!! 全部!!」
「くすくすくす、良い反応ですねぇ、楽しいですねぇ?」
分かった、この人はドSだ、あのギルドマスターとは違うタイプのドSだ!!
人をからかって遊ぶのが大好きなタイプだ、しかも権力もパワーもあるっぽいから手に負えないやつだ!!
「ご名答ぉ♪」
「即答か……!」
駄目だ、この人物凄く苦手、絶対的に相性が悪いタイプだ……俺を弄り倒してくるタイプだ……!
「そうですよぉ、今からハルカさんをたぁっぷり弄って虐めてあげますからねぇ♪ 魔法の快感を存分に楽しんでくださいなぁ」
………………ベッドに寝かせられて、なんか四肢も拘束されてるしもう逃げられないっぽい、駄目ぽ……。
「だめぽぉ? くすくすくす、面白いですねぇハルカさんはぁ♪」
……まあ、異性の快感に興味はあったから期待がないと言えばうそになるけどな、うん。
ほんの少し、ほんの少し楽しみにしつつ、俺はベッドの脇に立つ爆乳マントの陰に怯えるしかなかったのだ……。
「酷い言い草ですね、間違っていませんが」
「ならいいじゃないか」