※この作品はR-18です。

空に瞬く二つ星 グラビティーノエル   作:風剣

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ようやくの2話後編、ちょっと展開がシナリオメインになってたけれど次回以降はエロいっぱいの話やりたい。
この作品における時系列の鐘楼姉妹、ノエルちゃんたちの陣営の最高戦力が脱落してるのでよっぽど雑魚い相手との戦闘以外は基本敗けしかないです。物書きサイドがエロがみたいから戦績も悪化する。


2話 淫欲の坩堝・後編

 

 

 病院での検査を終え帰路につく鐘楼姉妹。街の治安維持を担う組織『AXOS』に所属する異能者である2人には、それぞれがヒロインとしての二つ名がある。

 

 ノエルは重力、そして自前で準備するオーバーテクノロジーじみた兵装を用いて戦う変身ヒロイン「グラビティーノエル」。非公認ではあるもののある程度裏社会に触れた人間なら誰(・)で(・)も(・)突き得る弱点のこともあり彼女の関わった戦いにおける勝率は決して高くないが、その容貌と重力を用いたアクロバティックかつ繊細な立ち回り、そして主に用いる浪漫思考の兵装群の数々に魅入られた支持者も多い。

 

 そんなノエルの用立てた武装を装備し、星々の力を宿すことで複数の属性の魔法を用いて戦う琴音は「星の巫女」。炎、水、雷と様々な力を操り華やかに戦う彼女は姉と共に熱狂的な男性人気を獲得している。

 

 異能者として治安維持に与する彼女たちの身分は、ヒロインとして名乗る名称と本人によって監修されたプロフィール以外公開されることはないものの。ある程度長くヒロインとして活動していれば、そうした個人情報の秘匿にも少しずつボロがでてくる。

 たとえば――クラスメイトに変身ヒロインとして活動していることが露見したり、とか。

 

「あれ、ノエルちゃんに……琴音ちゃんじゃん。学校の外で会うなんて珍しいね?」

 

「買い物か……それともパトロールでもしてたんかな? ……今更かもだけれど2人とも先週は思いっきりズッコンバッコンされてたのによくヒロインとしての活動なんか続けられるよな、嫌味ぬきにすげえわ」

 

「……」

 

 学生服の少年たち、ノエルのクラスメイトの言。雑踏のなかを通りすがった少年たちが2人の方を見ながらこぼした言を聞き取った金髪の少女は、隣で物凄く沈痛な雰囲気を醸し出す妹をどう慰めたものか自らも気落ちする中で考えこみ、適切な文句も思い浮かばぬまま沈黙する。

 

「絶対、動画観られてた……あのビリビリの奴にヤられてたとき拡散されたんだ、最悪……。また学校中に広まってたらどうしよう……」

 

「一応、AXOSの事務所の方で捕まっていた間の映像の消去は進めて貰ってるけれど……やっぱり、そう簡単にぜんぶ消えたりはしないからね……」

 

 悪党たちと戦い、敗けるのは悔しい。

 敗れた末に尊厳を踏み躙られ、自らが無力で淫らな雌として倒さなければいけない相手の前で腰を振ることになるのは苦しく、恥ずかしく、惨めだ。

 それでも、死ぬのと比べれば安い――。

 

 そう、頭では理解できていることだ。

 それでも、敵の欲望に屈する形で敗れた報いとでもいわんばかりに、自らのみならず家族のも含めた痴態を衆目の前に晒された結果を突きつけられるというのは。どうしても、応えるものがあった。

 

「……面と向かって馬鹿にされるくらいの方が、まだ言い返しようもあるのに。先週のビリビリ相手だって、チェイムお兄ちゃんや罫理くんが居れば……」

 

「琴音ちゃん……」

 

「……むぅ~~~~!」

 

 それ以上は琴音も引きずるつもりはなかったのか。心底悔し気に唸ってはパンパンと頬を叩いた褐色の少女は、空気を切り替えるように頭を振り歩きだす。

 

「行こう、お姉ちゃんっ。なんだか今日は疲れちゃったしとっとと夜ご飯食べてお風呂入って――っ!?」

 

 悲鳴、そして破壊音が街路に響いた。目の色を変え警戒態勢に入る2人――琴音はうんざりしたように息を吐くと、碧い瞳を憂いに曇らせ、それでも自分たちの後方で起きた混乱から逃げようとはしない家族に視線を向ける。

 

「……罫理くんは多分非番、まだ活動してるAXOSのメンバーからも多分サポートは受けられないと思うけど、お姉ちゃんはいけそう? アタシは平気だけど。なんなら帰って先にご飯用意しててくれてもいいんだよ~?」

 

「今日の当番は琴音ちゃんでしょ! ……私も、大丈夫。それに――目の前で傷つく誰かを、見逃したくはないから」

 

 自分に言い聞かせるように、決意の言葉をつぶやいて。どよめく群衆の間をすりぬけるようにして土煙のあがる現場へと向かったノエルたちは、そこで赤黒い液体を路上にぶちまけ痙攣する塊を見つける。

 抉り取られるように掘削されたアスファルト。そこに転がっているのは、黒い羽毛と首元に括りつけられた呪符を血に染めたカラスで。目を見開いて血塗れの鳥を観察した琴音は、呪符を確認し息を呑む。

 

「……これ。罫理くんの式神……?」

 

「巡回していたのかな……じゃあこれって」

 

『――来たか。式神も潰されてあの男にとっとと逃げられたときはどうしたものかと思ったが……まあ今なら間に合わないでもないだろう、向こうも大荷物を背負っている以上そう早くは遠くまで辿り着けないだろうしな』

 

 声が響いた。

 既に息絶えたカラスからではない。その首に括られた呪符を通し、数キロの距離から届いた少女たちと同年代の学生による通信呪術。AXOSと協力態勢を築く呪術師の少年からの通信に琴音は唇を尖らせる。

 

「ねえ、今日は非番っていってなかったっけ罫理くん。休みの日にまで街を巡回させるくらい勤勉なのは立派だけれど……もしかして今日ずっとアタシたちのこと監視してたんじゃない?」

 

『早速本題に入るか。たった今学生たちが2人、成人男性が4人攫われた。相手はコートを着た大柄な男ひとり、呪いは飛ばしたがレジストされた。速度自体はそう大したものじゃないが……素の強度、そして腕力が想定以上に高い。戦闘に入るなら気をつけろ』

『目標はすぐにそこの路地に入って逃走していった。……無理はするなよ』

 

「……うん、わかった!」

 

 事態は一刻を争う。偲ぶように目を瞑り首を折り曲げたカラスの頭を一撫でしたノエルは、褐色の少女と頷き合うとすぐさま走り出し白昼堂々の誘拐を行った下手人を追い路地へ飛び込んでいく。

 

「……あの変態呪術師、結局監視については否定しなかったじゃない。まったく、本当しょうがないんだから……」

 

「でも、そのおかげで早く情報も掴むことができたし……、私たちのこと尾行してたのだって、琴音ちゃんのことを心配してのことなんじゃない? それこそ不調の状態でまた襲われでもしたら対処しきれないって思ったのかもしれないし――」

 

「……にしたって黙って監視とかはないでしょ。ほんと偏屈なんだから――っと、見つけた」

 

 速度はそう大したものではないという罫理の言は間違いではなかった。入り組んだ路地の壁を駆けあがり建物の屋上へと登ってショートカットして最短経路で誘拐犯を追跡していた少女たちは、男性たちの連れ去られた現場から100mも離れていない路地を走る人影を発見する。

 男3人を長く伸びた腕で絡めとり担ぎながら走るのは、身に纏う灰色のコートを翻す大柄な男――話に聞いた風貌と一致する男性を認めたノエルの隣で、和装へと変じた少女が跳躍した。

 

 その刀身は、蒼く染まっている――。

 

「惑星(ほし)よ、廻れ――ネプチュー・オクタ!」

 

 男の走る路地めがけ青白い光が駆け抜け、そして直後に冷気が爆ぜた。

 路地を埋め尽くすようにして形成された氷山。舌打ちひとつ、真正面から激突しそうになってブレーキをかけたコートの男は、どさどさと抱え上げる被害者たちを足元に転がすと氷塊に道を塞がれた彼の退路を断つようにして路地に着地した少女たちを一瞥した。

 

「チッ……。思ったより早かったじゃねえか、えぇ? ったく、ある程度目立つやり方を選んだとはいえ、まさか誘拐するタイミングで巡回に遭遇するたあな。面倒なこった」

 

「運が悪かったわね? 白昼堂々誘拐だなんて大胆な真似をするだけあって多少は逃走の算段もついてたんでしょうけれど……アタシたちが来たからにはそうはさせないわよ。誘拐の目的も捕まえたあとでじっくり聞いてあげる……、ちょっと痛い思いするけど、ね!」

 

「っ──」

 

 刀を構えた琴音が猛然と襲いかかるのに反応を見せるよりも早く。彼女の背後に立つ金髪の少女がハルバードを振り抜いた。 

 

『、。――』

 

 景色が、迎撃しようとした和装の少女が遠ざかる――。轟音、不可視の衝撃に撃ち抜かれた男の体が波濤を思わせる波動に後方へと吹き飛ばされる。

 近接を挑まんとした琴音を陽動にしての重力波。ミニスカドレスとマントの変身ヒロインとしての姿になって放った一撃で路地を塞いだ氷山へと男を叩きつけたノエルは、重力の操作も用いて軽くした被害者の男性たちを回収する。

 

「貴方たち、は……」

 

「し、死ぬかと思った……。あ、ノエルちゃん……?」

 

 攫われていた学生服の少年たちは、先ほど街路でノエルたちとすれ違った同じクラスの学生だった。目を覚ました少年に一瞬複雑な表情を浮かべた少女は、意識を切り替えるように首を振ると自分たちの向かっていた方面の路地を指し示す。

 

「倒れている人と一緒に、貴方たちは避難してください。私たちはこれからあの男を――琴音ちゃん!」

 

「っ、とぉ!」

 

 追撃をしかけていた褐色の少女が、身に纏う和装を翻して後方まで後退る。ぷらぷらと腕を揺らし裂かれた袖から褐色の柔肌を露出させる彼女は、目元を険しくさせて男を睨みつけながら警句を発する。

 

「お姉ちゃん、気を付けて。こいつ、確かに速さ自体は大したものじゃないけれど腕の動きが思った以上に読み辛い……!」

 

 転がる氷の欠片を、音を立てて黒いブーツが踏み躙った。

 

「……グラビティーノエル。星の巫女。なんだ、ファントムの奴までいなくなったっつう話は本当なのか。そりゃあどこも動きやすくなるよなあ、この街を守るAXOSの異能者が年端もいかねえメスガキ2人だけってなりゃあ当然よ」

 

 大きく罅割れた氷山を背に進み出る男は、2対1の状況を気にも留めないようだった。

 ぬるりと、コートの袖から露わになった太く、そして長い腕――明らかに骨や関節を無視した挙動でうねうねと形を変える片腕を伸ばした彼は、少女たちに向かって鞭のように長く伸びた腕を叩きつけた。

 

 琴音が咄嗟に身を屈めた瞬間に側頭部のあった位置を薙ぎ払った強襲。妹を狙う一撃を放った隙にと重力を手繰り男の周囲2mを指定、重力を倍加させたが――止まらない。

 勢いを一切弛めることなく振り抜かれた鞭をすんでのところで躱したノエルのマントが引き裂かれた。

 

「そらそら、こんなもんかぁ!?」

 

「っ、速い――」

 

 距離を取った琴音が雷を操ろうとすればノエルを無視し伸びた拳が弾丸のように彼女を襲う。展開する重力を強めたノエルが男の身動きを止めようとすれば溜めの間を食い潰すようにして手刀が迫る。

 一撃一撃が重く、速く、そして読み難い。変幻自在の動きで攻め立てる腕ひとつに防戦を強いられる少女たちは、大技を放つこともままならぬまま追い詰められていった。

 

「きゃあ!?」

 

「お姉ちゃ――あぅ!」

 

 髪飾りに仕込んだ格納庫から取り出した銃器を向けようとした金髪の少女の脚を、地を這う蛇のように伸びた腕が捕らえそのまま壁へと叩きつけた。気を取られた琴音の隙を逃さずに、笑みを浮かべた男が少女を掴んだままの腕を振るう。振り回された少女が勢いよく褐色の少女に向かって投げつけられ、咄嗟に受け止めた彼女は足首を狙った手刀を無理矢理に回避し姉とともに転がった。

 

「ははっ! そら、いい声を聞かせてくれよ」

 

「イ゛、づ……!?」

 

「琴音ちゃん!? ――このぉ!」

 

 追い打ちをかけるように伸ばされた腕。ノエルを庇った琴音の身体が刀をくぐりぬけ腹部にめりこんだ拳にくの字に曲がる。血相を変えた少女がハルバードを換装、手に取った蛇腹剣を振り抜いた。

 複雑な軌道を描いた刃にすぐさま腕が引き戻され更なる猛追を阻まれた男が舌を打ったが――ぽたぽたとその腕から滴った血に、咳きこむ妹を庇いながらミニスカドレスを土埃に汚すノエルが目を見開いた。

 

「……琴音ちゃん、大丈夫?」

 

「ケホ、ケホ……平気。ねえお姉ちゃん、今のって」

 

「うん。……一度伸びた腕を引き戻すときは、振り回したり伸ばしたりするときと比べて遅い」

 

「火力を出す溜めの隙を狙われかねないとなると――躱して、近づいて、はっ倒す。シンプルだけどそれが一番か。じゃあぱぱっと倒しちゃいましょう!」

 

 威勢のいい啖呵と同時、男の繰り出した鞭撃を前に躊躇なく少女たちが飛び出していく。

 

 己の抱える弱点。自己改造によって膨張、伸縮を果たす左腕が縮むときに遅れがでることに気付いたのを隠しもしない姉妹に舌を打った男は、己の『仕事』の障害となるヒロインを速やかに撃破すべく腕を振るう。弾丸のように打ち出された拳は、前衛に出ては刀に雷を装(・)填(・)させようとする褐色の少女の初動を潰すべく打ち放たれたが――彼女は、凶弾の如き拳を前に『浮いて』刀の鞘を拳に合わせた。

 

「グラビティーノエル……重力操作か!?」

 

 ノエルによる重力操作を受けた琴音は身軽になった身体を襲う衝撃に合わせるようにして鞘をあてがい、跳躍。拳との接触点を基点に浮き上がり、回転して怪腕のうえを舞った彼女は、誘拐犯に向け伸ばした指先に光を灯した。

 

『星の巫女』鐘楼琴音が操る星の魔法、その初歩の初歩――星の光。

 

 ごくごく簡易な魔力操作によって成立する初級魔法は、その効果もまたわかりやすく単純なものだ。

 ただ光るだけ。けれど、一瞬一瞬が状況を左右するこの瞬間において、視界を塗り潰すことによって発生するアドバンテージはひどく大きいものとなる。

 

 星の光が、儚く。けれどこれ以上ないくらい鮮烈に、男の前で瞬いた。

 男によって鞭のように振るわれ少女たちを追い詰めていた腕。変幻自在の攻防を為し隙のひとつひとつを的確に打ち抜いていた怪腕から、多対一の状況を優勢に進めていた精密さが喪われる。

 

「ずっっ、ああああ!!?? くそ、くそ、メスガキがぁ――」

 

「太陽の光だなんてだいそれたものでもないけれど……パッと輝いて消える星の煌めきも、捨てたもんじゃないでしょう? あと……腕、随分と乱雑に振り回してるけれど一回引っ込めたら?」

 

「――やあああああ!!」

 

 気合い一閃、路地を蹂躙するように乱暴に振り回されていた腕を穿ったハルバードがそのままの勢いで長く伸びていた腕を建物の壁へと縫い留めた。担い手である少女の細腕に見合わぬ重量をもって腕を打ち抜き、壁へ叩きつけたハルバードを振るったノエルは腕ごと壁に突き刺さったハルバードが不気味に動いて外されようとするのを目にし髪飾りから蛇腹剣を呼びだすと琴音とともに強引に拘束を振り切ろうとする男に向けダッシュする。

 

「っ……!」

 

「逃げようったってそうはいきませんよ! ここで――」

 

「終わりよ、腕長男!」

 

「クソ、がぁ――」

 

 意識を刈り取るべく迫る二振りの刃。己に迫る刃から庇うようにして何の変哲もないありふれた片腕をあげた男は、左の怪腕を動かすのも間に合わず怨嗟の声をあげて。

 にんまりと、笑みを浮かべた。

 

「――なんてな」

 

 腕が爆ぜた。

 ぶよぶよとした赤黒い肉塊と、透明な粘ついた体液。今にも男に襲いかかろうとしていた少女たちを、成す術なく呑み込むようにして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……」

 

「こい、つ……!」

 

 ずるりと、赤黒い肉塊が蠢いた。

 倒れ伏す少女たちの身動きを封じるようにしてのしかかる触手が身体に絡みつくのに、刀を取り落とした琴音が和装の襟から胸元にもぐりこもうとするのを手で止めようとしたが――得体の知れない粘液を分泌させる毒々しい色合いの肉塊は、動きを止めようとした細腕に巻き付いては簡単に少女の抵抗を封じる。

 

 怪腕の猛攻を潜り抜けての接近戦へと持ち込み、男を打ち倒さんと迫ったノエルと琴音。決定打を叩き込まんとした瞬間身を庇うように男の翳した腕からあふれ出た触手に呑まれた2人は、全身に纏わりつく触手に身動きを封じられ苦悶の声をあげていた。

 

「こ、の――!? うっ……」

 

 武器は既に手元から零れ落ちてるものの、異能の行使に滞りはない。重力操作も用いて触手を引き剥がそうとしたノエルは、自らの頸に巻き付いてはべろんと頬に粘液をこすりつけてくる触手に動きを止める。

 このくらいはいつでもへし折れるのだといわんばかりに琴音の頸にも触手が巻き付いたのを見つけた彼女は、その瞳を揺らして重力の操作を放棄せざるを得なかった。

 

 断続的に響くのは、抵抗もできなくなった少女の纏う衣装が次々と引き裂かれる音。伸縮する怪腕をもとの形に戻しぷらぷらと揺らすのとは逆の腕から溢れる触手で膝を屈した変身ヒロインを弄ぶ男は、裂けた腕から朱く色づいた体液をまき散らしながら飛び出した肉塊を蠢かせにんまりと笑った。

 

「案外こういうのもわかんねえもんだよなあ。腕一本をくぐりぬけたからって油断しただろ? ああも威勢のいい啖呵吐いたくらいだし、多少は楽しませてもらえるかと思ったが……いうほどたいしたことねえなあ、あっという間にこのザマか」

 

「な……こんなことで、私たちをどうにかできたなんて思わないでください!」

 

「そうよこんなのすぐ抜け出しっ、やぁあ!?」

 

 全身を触手によって拘束された少女たちの体勢が強引に変えられ持ち上げられる――。気丈に男を睨みつけていた琴音は両の脚に絡みついた触手に脚をM字に割り開かれ悲鳴をあげた。その隣ではノエルもまた破り裂かれたミニスカドレスから露出した生足を這う触手に肌を粘液に汚し歯を噛みしめ全身を総毛だたせる生理的嫌悪感を耐え凌いでいた。

 生命与奪を握られたこの現状、AXOSも事実上の停止状態に近い今では救援にも期待できない。式神を用いて犯行を目撃していた呪術師の少年がいる以上来ないということはないだろうが、それまでに男の気が変わって2人が連れ去られてしまえば、あるいは殺されるようなことになってしまっては一貫の終わりだ。

 

 どうにかこの窮地を耐え、隙を見出そうと裂かれた衣装から覗く白い肌を露出させる金髪の少女は男を睨みつけて――直後に、強引に割り開かれた脚の根本、粘液に濡れたショーツをずらした触手にずぶりと雌穴を挿し貫かれた。

 

「いっっ、ツ――!? う゛、こんなっ、アっ――」

 

「お姉ちゃん! っ、この――やぁぁあ!?」

 

 全身を這い回る触手に柔肌を弄ばれるなかで股を開かされての抽挿。膣穴を穿つ触手による無遠慮な抽挿を繰り返され苦悶の声をあげたノエルに悲鳴をあげ男を睨みつけた琴音もまた陰唇を舐めあげ、厭らしく狙いを定めた触手を蜜壺へと突き入れられた。

 

「んっくう……ぅうぅ!あぅうっ……………っ!?」

 

 おぞましい響きをもって接合部で連続する水音。体内で異物の蠢く嫌悪と臓腑を押し上げられる圧迫に苦し気に呻いた琴音は次々に伸びる触手に露出した乳房や尻肉を弄ばれるのにも抵抗もままならぬまま耐え忍ぶのをよぎなくされていた。

 

(く……!? こんなの、早く、早く抜け出さなきゃなのに――っ!? やぁ、ああっ!)

 

 少女を襲う焦燥は命を握られた状態で為す術なく触手に拘束され辱めを受ける現状、のみではない。凌辱に伴って生じる生理的嫌悪とは別に、琴音は自身の身体が急速に昂るのを感じ取っていた。

 不快なものでしかない、そうであるべき恥辱。けれどもそんな少女の意思など意に介することなく褐色の肢体を嬲る触手による凌辱は、肌に粘ついた体液を塗りたくるたびに体液を潤滑油に膣襞をこすりあげるたびに生理的嫌悪を無視した昂ぶりへと導いていく。

 

「ぃう、ああ、あっあっ――っっ、~~~~~~♡!!」

 

 半ば確信しつつあった予想を裏付けるように、隣でガクガクと身を震わせた金髪の少女が声にならない悲鳴をあげ絶頂へと導かれた。

 赤黒い肉塊を深々と突き立てられ接合部からぼたぼたと滴り落ちる雫。身に纏っていたドレスも乱雑に破き捨てられ、露わとなった白い肌が触手の分泌する体液に塗れた淫靡な姿を晒すノエルは息も絶え絶えに項垂れ、そんな彼女の消耗も気にせずに膣内を犯す動きを再開した触手にまたその身を跳ね上げた。

 

「こんなっ、また――やらっ、にゃのにぃ……感じちゃっっ、てぇ……!? ひっ♡ いっ、やぁ、クリ、そんなにぃじっちゃあ……!!」

 

「っ……、ふー……♡ つ、触手だすならエッチな、気分にさせるエキスを仕込むお約束でもあるの? 自分の腕をそんな風にまで作り変えて、随分な趣味をしてるじゃない――やっ、んむっ!?」

 

「これは俺の趣味とは違うんだがなあ……まあその話はいいか。ほれ、お前もイケ」

 

「んむ、ぉぐっ、んぷ──、はっ、この──ぅムウ゛……!?」

 

 粘液の影響もあってか腐肉じみた異様な臭気を漂わせる触手がべたりと琴音の唇に這わされ、そしてぐいと口内へと押し込まれる。危機感を露わにオッドアイの瞳を揺らした彼女が歯を突き立てるのも構わずに口内を蹂躙する触手は少女の口を封じながらどくどくと喉奥へ身体を発情させる媚毒を流し込んでいった。

 

(ま、ずぅ……どうし、ょ。このままじゃ、完全、にぃ……!)

 

 ぴゅ、ぴゅ、と華奢な体格でその存在感を際立たせる胸元の膨らみに巻き付いた触手に搾り上げられた乳房、勃起した乳首から半透明の液体が飛び出し、脚を伝って股から滴り落ちる愛液と共に路地の床を濡らす。

 何度されても慣れない、胸奥から母乳をこれでもかと吸い上げられる感覚――。喉奥を時折触手に塞がれまともに呼吸するのも困難ななかで顔をあげた琴音は、にやついた笑みこそ変えぬもののどこか雰囲気の変わった男に目を瞬いた。

 

 触手に囚われ媚毒を含んだ粘液に昂らされた状態で何もできずに痴態を晒す少女たち。彼女たちを眺めていた男は、そこで口元に浮かべた笑みを深めるとノエルと琴音を辱める触手ごと2人をもちあげ氷塊に塞がれた路地を反転し歩きだした。

 

「ィうっ、あっ! あ、あああッ♡ 動かっ、ないでぇ、奥がぐりってされッ、ぴゃあっ」

「っ、この、このぉ――。うぁっ、あ~~~っ」

 

「――うし、ギリ届くな」

 

 その言葉を聞いた瞬間。

『最悪、自分たちが犠牲になればまだ時間を稼げる』と、そう思って淫辱を耐え男に媚びていた少女たちの顔が一気に蒼白になった。

 

「イっ、や、まさ、か――」

 

「にっ、逃げ」

 

 警告も間に合わなかった。

 片腕の触手で少女たちを犯しながら振るわれた怪腕、複雑な軌道を描いた怪腕が路地の奥から学生服の少年2人を捕らえ引き戻す。

 

「1人は欲しいと思ってたが――っと! よしよし、2人釣れたか上々だ」

 

「ぁ――」

 

 頭から血を流す少年たちに意識はない。

 男の腕によって引き戻された彼らは2人とも、ノエルたちが誘拐犯から取り戻し現場から逃がした筈の少年たちだった。

 

「なん、で。まだ逃げれた、のに――」

 

「さてな。お前らが呆気なく敗けたから様子が気になったのか、それとも俺の雇い主の手引きでもあったのか――。まあいいさ、俺の仕事もこれで仕舞いだ」

 

 伸縮自在の腕を振り上げる。

 うねうねとその太さを変え、細く長く鞭のような形状に変えた腕と手刀を形作った手。それが少年たちに向けられるのをみたノエルがはっと目を見開いた。

 

「ぁ――」

 

 鮮血が散る。

 少女たちの目の前で、倒れた少年たちの脇腹が弾けた。

 

 命の雫がこぼれ、そして路地に広がっていく。

 じわりと制服を血で濡らす少年たちに色をなくしたノエルたちの頸を抜け目なく触手で捕らえながら、男は倒れた学生へと歩み寄った。

 

「な、んで」

 

「なんでって、そりゃあ実験だよ。最初はこいつらに投与済ませたらそのまま適当な場所に放り出して人を襲わせる予定だったが――」

 

 怪腕の先に握られていたのは、血がこびりついて固まったような赤黒い色合いの肉塊だった。

 それを少年たちの口をあけ、強引に喉奥に突っ込んでは呑み込ませた男は。平然とした調子で少年たちから離れると、彼らのもとに触手で捕らえていたノエルと琴音をどさどさと落とした。

 

「痛、っ――」

 

「なに、を」

 

 裸体を気にすることのできる余裕はない。ぼたぼたと触手の催淫粘液を股から滴らせ、腰砕けになりかけ身体をがくがくと震えさせがらも少年たちを庇うようにして男へ向き直ったノエルは、そこで背後に庇う少年たちの異変に気付いた。

 ぴくりと、倒れていた彼らの指が震える。

 

 背後を振り向いた琴音が、心底安堵したように息を吐いた。

 

「――良かった、息がまだ――血が、止まって」

 

「最近裏で出回ってるオーパーツ。依頼主が、効(・)能(・)を気にしててなあ。服用すれば貧弱なデスクワーカーもあら不思議、強力な回復能力の発露、筋力上昇が見込めるんだと。ただ問題なのが――」

 

「っ! なんで、私たちを――」

 

「私の、重力で――あう!?」 

 

 起き上がった少年たち。焦点の合わない目でふらつきながら、男と挟まれる形になったヒロインを目にした彼らは――出血からは想像のできない機敏さで、少女たちを組み敷いた。

 

「――強力な強壮効果と、あとは軽く理性がトブこと。まあ便利なのは便利だが成分も流通の仕方もちょっと怪しくてなあ、俺の依頼主にあちこちで検証頼まれてるんだわ」

 

「ちょっと、それって――! やだ、離し……ヒッ」

 

「ヴヴヴ……コ、とね、ノエル――イチドヤリたいと、おもっテたんだ……!!」

 

「やぁ、こんな……!」

 

 ベルトを外す手間さえ惜しいと破かれた血塗れ制服が脱ぎ捨てられ、曝け出されたのは決して大柄ではない少年のものとしてはあまりにも太く、長く、猛々しく屹立した剛直――。かつて褐色の少女にトラウマを植え付けた獣人のそれを彷彿とさせるソレを突きつけられた琴音が悲鳴をあげる。

 完全に正気を失った血走った目で眼前の少女をみる彼らの膂力もまた、ノエルが咄嗟に展開することのできる程度の重力で抑えられる域を超えている――。自分に圧し掛かった学生が触手に犯されたばかりの濡れぼそった恥裂に亀頭を押し当てたのに金髪の少女が弱弱しく呻いた。

 

「ま、そういう訳だ。みんなの為に戦うヒロインなんだろ? 人助けだと思って発散してやれよ」

 

 催淫粘液を分泌する触手に全身を弄ばれた敗北ヒロインたちはすっかり雄を受け入れる準備が整っていた。彼女たちを組み敷いた少年たちは力強い動きでべたついた乳房を、健気に抵抗としようとする少女の細腕を掴むのもそこそこに裸の姉妹の脚を割り開き、滾る剛直を深々と突き入れた。

 

「~~~~っ、イぃっ、ツ、こんな、こんなの――やぁ!?」

 

「あっ、ああっ、やだぁ、キモチ、よくなんか……! しきゅ、ぐりってぇ……!?」

 

 再度路地に響く淫辱の水音。己の滾りをぶつけるだけの獣と化した少年たちに押し倒されたノエルたちは己を貫く剛直が膣襞を抉るたび子宮口を突き上げるたび淫らによがり狂う。相手への配慮の欠片もない強引で力任せなセックス――けれど、既に何度も触手によって絶頂へと押し上げられ剥き出しにされた欲望の矛先となる少女たちの悲鳴と苦悶に熱っぽい喘ぎ声が混ざりだすのはそう遠いことではなかった。

 

『お願いっ、目を、さまして――んんっ、む、んんん!?』

『いやだ、ぬいて、ぬいて――。っ、ダメ、なのに、こんなあ……!』

 

『――、あっっ、やああ……どくどくって、こんな、出てぇ……ひぅッ?! やぁっ、そんな、まだこんなにぃ……♡』

『ア゛、ぁ……!? やぁ……やだぁ、噛まないで、引っかかないで、何でもするから、おっぱいも、おまんこも好きに使ってイイからあ……あの獣たちと同じことをするのは、やめ……あぅ……!?』

 

『んぅ♡ いやぁっ、いやぁっ! イっっちゃう、イっちゃ、ァ……! は、ぁ――あぁうっ! ま、またおっきく――にゃぁ!?』

『おっぱいそんな、吸っちゃあ……! ッ、いや、まって、イマまたそんな押し込まれたら、っっ、~~~~~!?!? ぁ、おまんこ、こわれちゃう――やぁ♡ ダメ、ゆるして――』

 

 狂乱し目の前の女体を貪る少年たちへかけられていた制止の声は、触手による昂ぶった身体が苛烈な責めに苛まれ屈服することで間を置くことなく情けない懇願と惨めな喘ぎ声へと変わっていった。

 

 四つん這いになったノエルが彼女の臀部を掴む少年によって背後から抽挿を繰り返され、ぱんぱんと柔尻に腰を打ちつけるのをとめ極限まで滾ったペニスの亀頭を子宮口へと押し付けると膣を圧し拡げるようにして膨張し蠢いた剛直からどくどくと精を注ぎ込まれる。

 鷲掴みにされた琴音の胸が形を変え、乳頭に貪り着いた口で勢いよく吸い上げられ魔力を含んだ母乳が貪られていく。乳を吸われるのと同時に強まる膣の締まりに応じるように剛直が叩きつけられ、少女が絶頂に達するのと同時勢いよく精を解き放っていく。

 

 飽きれば金髪の少女と褐色の少女を交換し、膣に、尻穴に、胸に、口に、手に、肌に、髪に――腹の奥から溢れる肉欲と狂気のままに少女たちを貪る少年たちは、姉妹を穢し尽くしてもなお収まらぬ欲望を徹底的にノエルたちへと叩きつけていた。

 

「ぁ……」

「あ、あ、あ……♡」

 

 一度だけ自分もと混ざって少女たちを代わる代わる犯したあと、誘拐犯の男は立ち去って行った。既に必要なデータはとれたと言い残して。

 果たして、どれだけの時間が過ぎたのか――暴力的に叩きつけられる欲望、そしてどうしようもなく身体を、精神を襲う快楽に、既に少女たちは折られかけていた。

 

 虚ろな目で黄昏色の空をみあげたノエルは、自らと同じく信じられない絶倫を発揮した少年に注がれた精液で肌を穢し、下腹部を膨らませた妹へと手を伸ばそうとして――。

 

 ズン、と。

 

 全身を甲冑に覆われた鎧武者が、少年たちに犯されるノエルたちの居る路地に着地した。

 

「……おそい、よぉ」

 

 遠のく意識、金髪の少女が耳にしたのは掠れ切った、けれど心底の安堵を籠めた妹の声――。

 

「かがりの、ばかあ」

 

 その声に、悪いなとだけ返して。鎧武者は少女たちから欲望のままに腰を打ちつける学生を引き剥がし、唸り声をあげ襲いかかった彼らの膂力をものともせずに無力化した。

 

 

 




・烙印罫理(らくいんかがり)
琴音ちゃんの彼氏……みたいなもの。小学生の頃のちょっとしたミスで琴音ちゃんが母乳を出す原因となった呪術師の家系を継ぐ異能者でもある。使い魔を派遣、巡回を行う後衛ポジであるが前線に出るAXOSのヒロインが何らかの原因で敗れた場合には探索のみならず救出を行うことも。
本来武力のありあまっていたAXOSにおいて基本的に表舞台に出ない彼が武力を派遣する事態は、つまり他に出せる戦力もないくらいに切迫した状況であることを意味する。

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