「・・・・あれ?」
目を覚ますと不思議な空間にいた。夕焼けの空に雲しかない、足場がないのに立ってられる変な場所。
何だか宙に浮かんでるような、不思議な気分。
「気がついたかの」
「ここは・・・」
「お主は死んだのじゃ」
いきなり急だな・・・オレはさっきまで、
・・・あれ?さっきまで何してたんだ?
「覚えてないかの。通り魔に襲われて死んだのじゃが」
まじか、全然思い出せない。
そっか、オレ死んだのか・・・。
「・・・さて、ここは人の善行と悪行を秤り裁定を下す裁きの間。早速じゃが、お主に裁定を言い渡す」
「お主は両親より早く亡くなり彼らを悲しませた。よって千年の間、河原で石積みの刑に処す」
はぁ?何じゃそりゃいくら何でも無茶苦茶じゃね?
「何じゃが・・・これはちょっとヒドいのぉ。というわけで裁定はワシ判断で変えることにする」
おお、話しのわかる神様?でよかった。
「お主は今から新しい場所で新しい人生を歩む。そこで善行を積んだ場合、これを手打ちとする」
それって・・ひょっとして転生ってやつ?
「ほぅ知っておったか。まぁ、最近流行っとるからのぉ」
知ってたっていうか本屋でそんなの見た。
「ふむ・・というわけで最近の流行に準じて元の世界ではなく異世界、アニメの世界での転生とする。特典も三つ、授けてやろう」
おお、ホントに転生だ、ちょっと感動だ。・・・ていうか、
「アンタ誰?ひょっとして心が読めるの?」
「ワシ?ワシぁ神様じゃよ。見ればわかるじゃろ?心も読めるぞい」
確かに、長い白ひげに白髪の厳格そうな老人で、神様ぁって見た目してる。
「ふむ・・話しを戻すぞい。転生するのはとあるシリーズの世界じゃ」
何それ聞いたことない。
「聞いたことないかの?とある魔術のインデックスとか、とある科学のレールガンとか」
あー聞いたことある。クラスの友達たちが話してたヤツだ。
知ってるのは名前と、主人公が能力を無効化する能力で、あと何でも反射する人とか。
治安がものすごく悪いとかもあったな。
絶対ヤなんですけど・・・もっと平和な世界がいい。
「むぅ・・といってももう決まっておることだしのぉ。それに、選ぶ特典によっては安全にすごせるかも知れんぞ」
おお、そっかチート能力?とか使っていいのか。それなら何とかなりそうだ。
「ほっほっほ。じゃがあんまりにも強すぎるものはダメじゃぞ。ゲートオブバビロンとかはダメじゃ」
そっか、なら仕方ないか。ゲートナントカが何なのかは知らないけど。
特典か・・・何でも願い事三つ。平和に暮らせたらいいな。
そうだ。
「そもそも争いが起きない平和な世界にしてください」
「それは・・・ちょっと無理じゃのう」
そうだよな、さすがに無理か・・・。
でもこの願いは諦めたくない。
「自分と自分の大切な人には不幸が訪れない。これならどうですか?」
「ふむ・・・」
ダメかな?
「それなら何とかなりそうじゃ。自分と自分の大切な者は幸せに暮らせる。第一の特典はそれでいこうかの」
おお、やった。これで平和に暮らせそうだ。過信しないほうがいいだろうけど。
あと願い事二つ、どうしようかな。
あ、
「どうせならお金持ちの家に生まれたいな」
「ほっほ、分かりやすいのぉ。いいじゃろう」
よしよし。
「・・・のう、折角の特典なんじゃ。何か使いたい能力とかないのかね?もっとこう・・アニメや漫画の能力とか、あるじゃろ?」
うーん・・・別に能力とかは欲しくない。
そもそもアニメとかそんな見たことないし、能力とかいわれてもピンとこない。ポケモンは好きだったけど。
・・・でも漫画なら、ちょっと気になるものがある。
鬼滅の刃。母が買ってきて、何度も読み直した愛読書。これに出てくる炭治朗とか縁壱さんが使ってたアレ。
「ヒノカミ神楽とか使ってみたいな・・・」
「ほっほ!いいのおそういうのを待ってたんじゃ第三の特典はそれで決定じゃ!」
何かちょっと恥ずかしいな。
「じゃがこの場合、神楽が能力として使えるようになるわけではない。神楽を習得する機会を人生で与えられるだけに過ぎん。最終的にはお主の努力が必要となる」
そうなんだ、がんばらなきゃ。
「ついでに痣が出たときの寿命問題とかも解決しとくぞい」
おー、忘れてた。神様って親切なんだな。
「そろそろ時間じゃの。・・・これからお主には沢山の困難が立ち塞がるじゃろう。じゃが大切なのは諦めずに立ち向かうことじゃ。諦めずに立ち向かうことこそが道を切り開く」
なんか長くなりそうな話しをしだした。阻止しなきゃ。
「ありがとう神様。オレがんばるよ」
「・・・うむ。善行を積むのも忘れずにな」
「はい!」