たっぷりと時間を掛けて櫻井の身体をまさぐり、ようやく落ち着いた俺は彼女から花城と何があったのかを聞いた。
彼女は快く頷くと、耳元で囁くようにして何があったのか説明してくれた。
美しい声色にうっとりしながら、俺はスカートの上から彼女の尻を揉みしだく。乳肉に負けず劣らずの魅力的な感触。俺は蕩けるような顔をしていた。
さて、聞く体勢はバッチリだ。
放課後の事である。櫻井は学校が終わるとすぐに花城の下を訪れて、俺と櫻井が付き合う事を認めて欲しいとお願いしたらしい。
昨日俺に何があったのかを踏まえて、あまり悠長にしていてはまた花城が何かアクションをすると考えたようだ。だったらそれが始まる前に直接話そうと、そう櫻井は考えた。
しかし、説得は失敗。花城は櫻井の様子を見て更に俺への怒りを増す一方。
必死の説得も聞き入れてくれない。段々とめんどくさくなった櫻井は──なんとスタンガンで彼女を気絶させた。
……聞き間違いじゃない。スタンガンだ。
空いた口が塞がらないとはこの事で、俺はその言葉を聞いた瞬間ぽかんとしてしまった。多分誰だってする。
そんなのどこで仕入れたんだと聞けば、この花城の家に護身用として備わっていた物らしい。かなり前に花城自身からここの家に隠してあると教えて貰い、今回はそれを用いたらしい。
スタンガンは、セレブの必需品なのだろうか?
俺は何処から突っ込んで良いのか分からなくなって、項垂れた。
「……うーん」
全てを聞き、何があったのかを理解した。いや、なんで脱がしてあるんだろうとか、どうしてガムテで両手両足を縛る必要があるんですかとか思ったけど、とりあえずそれは置いておいて。
しかし……結局のところ現状は何も進展していないのだ。
花城は依然として俺を櫻井の彼氏と認めていない。目を覚ませばまた別れろと詰め寄ってくるだろう。
俺は櫻井を手放す気はない。かと言って、花城を催眠するかどうかというと、迷っていた。
櫻井と俺を恋人として認める。ただそう催眠すれば良いだけ。簡単だ。
それでも俺は、この期に及んで何故か及び腰だった。
理由はわからない。何か大切な事を見落としているような、そんな気分になるのだ。
ハイ説得失敗即催眠で解決、としてはいけない気がする。
何故だろう。
……いや、単純に俺がビビってるだけかもしれない。櫻井以外に催眠する事を。
まなかさんに催眠しないのだって、結局そういう事だ。あまりに催眠という能力が強力すぎて、責任を負いたくない。それだけ。
後は、あの人なんか怖い。だって話が通じないんだもの。
「はぁ……ダメだな。櫻井に相談するか」
結局俺は自分で答えを出せなくて、チートに頼った。
学年一位の頭脳を使う事にした。いやまぁ学校のテストで一位になったところで対人関係も何もかも最強って訳じゃないだろうが、櫻井に関しては何もかも出来すぎるのでこれくらい朝飯前だろう。
花城が気絶している寝室に入り、櫻井の隣の椅子に腰掛ける。
「どうすればいいんだ、俺?」
「どうすればって……欲しくないの、これ?」
櫻井はそう言ってベッドの上の花城に触れた。
仰向けになっていてもはっきりと分かる巨乳。その乳房を下品に握りつぶすと、櫻井は揺さぶってみせた。花城の大きな乳房がゆさゆさと動く。
俺は目を逸らすと、「別に欲しくない訳じゃない」と小さく言ってみた。
「ふーん……」
櫻井は不思議そうに俺の顔を見つめていた。
俺の表情から一体何を読み取ろうとしているのか。それが分からなくて、少し不気味だった。
一年の時から、櫻井は度々こういう顔をする時があった。
他人からデータを読み取るような、そんな顔でじっとこちらを見つめてくる時が。
思わず身体に力が入る。ちょっぴり緊張する。
……なんで緊張してんだ、俺。
暫く櫻井は俺の顔を見つめていたが、やがて何かを諦めたように「わかったよ」と頷いた。
「真田君が嫌なことはしない。でもね、私、出来ることなら加奈子にも幸せになってもらいたいの……」
「……?」
前後の文章に全く関係性を見出せなくて、俺は首をかしげた。
櫻井は気にせず続ける。
「だから、やっぱり加奈子に催眠して。真田君の女にしなくてもいい……ただ、彼女の中からお父さんのことを忘れさせてあげるだけでいいの」
「花城も言ってたけど……お父さんと何があったんだ?」
「加奈子は……父親にレイプされたの」
「ぉ……」
俺は絶句した。
冗談みたいな言葉だった。
エロ同人みたいな、空想の出来事のような……とにかく信じられない言葉だった。
櫻井は決して嘘を言っているような顔ではない。
「彼女の初体験はそれ。だから加奈子は当然父親の事を憎んでいるし、忌々しい初体験の記憶も忘れたいと思ってる。男なんてみんな死ねばいいと思ってる」
「……」
俺は到底言葉を挟む気にはなれなかった。
それくらい重い話だった。
……そんなひどい親、いるのかよ。
「だから、真田君が加奈子の事を催眠しないとしても。記憶だけは消してあげて欲しいの。そうすれば加奈子は、今よりももっと幸せに生きられるはずなの……」
最後の方は、説明するというよりも懇願するような口調だった。
櫻井は半分泣きそうな顔で、俺の手を握っていた。
櫻井の手に、自分の手を重ねる。
「……花城」
俺は、一度だけ花城の顔を見た。
風の噂で聞いたが、彼女はハーフらしい。日本人らしさも残っているが顔立ちはどちらかというと欧米寄りで、女王様みたいな威圧感がある。
けれど女子高生らしい若さはそのままで。目鼻立ちはまさしく美人の第二進化と言った感じで。魔性の女になるまで秒読み寸前のルックスだ。
加えてこの大きな乳房。スリムな腰回り。なのにお尻はむっちりしていて、女として肉がつくべきところにはしっかり肉がついている。流石は欧米人の血が混じっているだけあった。
まさに美女の原石だ。
……確かに、犯したくなる気持ちは分かるが。父親だろうが。
馬鹿野郎が。
俺は自然と拳を握りしめていた。
「真田君……」
見上げる櫻井に、頷き返す。
「分かった、櫻井。花城を救おう。催眠なんてするつもりなかったけど、父親を忘れろっていう俺の一言でコイツが救われるなら。俺はやる」
「本当!?」
櫻井は勢いよく立ち上がると、俺の顔面に抱きついてきた。
おっぱいがむにむにと押し付けられて、よしよしと後頭部を撫でられる。
「ああ、花城に恋人として認めてもらうとか、そういうのは一旦後回しだ。まずは父親の事を忘れさせる」
櫻井が喜んでくれるなら、これくらい何回でもやってやる。
「ふふふ、真田君──あ、り、が、と、う」