※この作品はR-18です。

性器の逆転劇   作:ヲリア


オリジナル:現代/日常
タグ:R-18 転生 あべこべ 逆転 現代風
もしもこの世界が、誰かの願いを神様が叶えてくれた結果だとしたら。
その神様はとんだ捻くれ者だと思う。

1 / 1
正

目を開けると、薄ぼんやりした照明が天井を照らしていた。

 

「あれ、寝てたんだ。疲れてたなら今日はやめにする?」

「いや、大丈夫。ちょっとベッドで横になっていただけだから」

 

シャワーを浴びている彼女を待ちぼうけていたら、少しばかり寝ていたようだ。

目をこすり、軽く深呼吸をしてからベッドの脇に座る彼女を見た。

 

「なによ、人の顔ジロジロ見ちゃって」

「今日も可愛いなって思っただけだよ」

「からかわないでよね」

 

彼女はほんのりと顔を赤らめ、そっぽを向いてしまう。

その隙を見て上体を起こし、彼女の隣に腰かけた。

 

 

「ホントのことを言っただけさ。だから、ね?」

「もう、しょうがないんだから、んっ・・・」

 

なにも初夜というわけでもない。慣れた動作で、赤さの残る彼女の頰にキスをした。

そうすると彼女は、薄くリップクリームをつけた唇で、僕の唇にキスを返した。

 

唇を重ねながら互いの服に指をかけ、この時間を惜しむようにゆっくりと上着を脱がせ合う。

お風呂上がりの彼女の躰と服がこすれあうことで、1日経っても微かに残る洗剤の香りと新鮮なボディーソープの香り、そして静かに高鳴る彼女の心臓によって上がった体温を冷ますべく、じわりと分泌される汗の香りが混じり合い、僕の体を興奮させる。

 

2分もかけて1枚の服を脱がしあうと、彼女の方から唇を離した。

 

「私、好きなのよ。この時間」

 

何度か身体を重ねあった仲で産まれたこの儀式めいた前戯は、彼女の意思によって続けられている。

普段は受け身な心持ちを夜の間はアゲるためのファーストギア。そういうものだと僕は認識している。

 

彼女は立ち上がると、1枚ずつ見せびらかすように、目の前で丁寧に服を脱いでいく。

なかなかどうして、男を悦ばせるテクニックを持っているのかと感心し、それでも顔に出せば負けた気分になるからこそ、努めて顔の筋肉に力を込める。

その様を見て彼女は満足そうに微笑み、二人は下着姿になった。

 

再び彼女は同じくベッドに隣り合うように座り、キスをねだるが、そこで待っている唇ではなく、首筋から下にかけてキスを降ろしていくことにした。

 

「あっ、もう・・・流れが読めてないんだから」

「それでも少しだけ君を振り回したい気分なんだ」

 

首から鎖骨、肩と二の腕、ヘソの上まで、ブラジャーに隠された部分を避けてキスを続ける。

それをじれったく思った彼女はホックに手をかけて乳房を大気に晒してくれた。

これ幸いと硬くなった乳首に食いつくと、「ひゃん」と可愛い声を上げてくれる。

ここが攻め時とさらに身体を寄せると、待っていたと言わんばかりに、彼女は上から僕のTシャツの下の部分を両手で掴んだ。

 

「私が脱いだんだから、君も脱ぐ、の!」

 

運動部がTシャツを裏返すように、彼女が僕の服をまくり上げ始めたので、そこには逆らうことなく甘んじて受け入れることにした。

彼女の妙手によって仕切り直されたため、今度は最初よりも深く、舌を入り交えたキスを再開した。

 

彼女が僕の歯をなぞるように舐め始めたら、お返しと唇と歯で彼女の舌を捕らえて吸い付く。

彼女が僕の背中でピアノを弾くようになぞれば、彼女の背中に腕を伸ばして抱き寄せ、胸板で乳房を潰し、鼓動の速さ比べをする。

競い合うように、僕たちは絡み合い、この場の雌雄を決する戦いに興じていた。

 

「ぷはっ」

「はあっ・・・ふふっ、勝った」

 

僅差で先に口を離したのは僕の方。彼女はこれを勝利と思い、僕はこれを敗北と定義した。

元よりどちらかが、こうと決めた勝負というわけでもなく、その場その場でルールが変動するごっこ遊びのようなものだ。明確なペナルティがあるわけではないが・・・

 

 

細められた目に、上がる口角。

確固たる意思を持って精を絞り出させようとするその顔が見たいが為に、わざと負けたフリをしたのではないかと自ら錯覚してしまう。

 

 

彼女はこのラウンドに勝ったアドバンテージを使い、先に行動することにしたようだ。

彼女は立ち上がると最後の一枚を脱ぎ捨て、ベッド脇に座って息を整える僕の股の間に体を入れて言い放つ。

 

「それじゃあ・・・舐めて♡」

 

彼女の行動に僕は一瞬呆けたが、直ぐに僕が今いる世界を思い出し、目の前で一滴の愛液を垂らしている女性器におずおずと顔を近づける。

クリトリスにキスをして、大陰唇に舌を這わせ、上目遣いで彼女の様子を伺う。彼女は僕の仕草に満足しながらも、次のアクションをせがむように、僕の後頭部に両手を添えると、ゆっくりと押し付ける方向に力を加えてくる。それに逆らわず僕は舌を伸ばし、膣口にその先端を合わせる。

「元の世界のイラマチオは女性の喉にペニスが詰まって危険だし、僕だったら彼女にそんなことしないかなぁ」と思いつつ、僕はめいいっぱい口を開けて舌を伸ばし、彼女の短く刈りそろえられた陰毛に鼻先を突っ込みながら、彼女の手の動きに合わせて顔を前後させた。

 

「いいよっ・・・すごくイイ・・・♡」

 

息苦しさに鼻から呼吸を整えようとすれば香る淫臭にむせ返るような思いを感じる。

後頭部に添えられた力は微弱で、強姦じみた行為をする中でもこちらの体調を気遣う心意気が伝わってくる。男の首の筋力を持ってすれば容易に抜け出せる拘束なれど、命の危機が無いのにそんなことをしても白けるだけだろう。

彼女が添えた手を離すまで続けられたその行為は、彼女が満足するまで5呼吸ほどの時間を要し、そうすれば僕の息も絶え絶えになる。

 

一時的とはいえ、呼吸という生命活動に必要な行為を著しく制限された僕の体は、心臓がバクバクと鳴り、ベッドに上半身を投げ出し、無防備な下半身を彼女の前に差し出していた。

 

「パンツの上からでも、キミがすっごく勃起しているのがわかる。今ラクにしてあげるね・・・♡」

 

下着のゴムに手をかけ、するすると脱がされていく。僕は少しだけ足を上げて、脱がしやすいようにしてあげた。

ぱさりと音がして、完全に下着が脱ぎ落とされると、足首を掴まれて、腰が浮くような勢いで持ち上げられた。

 

「ほぉーら、ご開帳♡」

 

尻穴が相手に見えるぐらいまで足を持ち上げられ、俗に言うちんぐり返しの形になる。この状態で僕のペニスはピンと真上に向かって伸びて硬直していた。

 

「あっ、アナルの剃り残しはっけーん♡ もう、セックスの時はキレイに剃らないと気持ち悪がられるよ?」

「仕方ないだろ、見え辛いんだから・・・!」

「除毛プレイが希望?その時はぁ、こーやって恥ずかしい格好でやってあげる♡」

 

つぅーっとアナルの周りを爪先でなぞられると、どうしてもT字カミソリでじっくりと彼女に陰毛を剃られる想像をしてしまい、否応なくペニスが反応を示してしまう。

股をおっぴろげた状態で尻穴のしわを数えられるほど顔を近づけている彼女には、陰茎がピクリと跳ねる反応が目の前で起こることで、ガマン汁がキレイな顔に引っかからないか考えてしまうほどだ。

 

「もうココも限界みたいだし、そろそろシちゃおっか♡」

 

彼女は膝立ちになり、僕の足の間に腰を入れてくる。太腿を軽く彼女のお腹に絡ませれば、この世界における「正常位」の完成だ。

男性が仰向けに横たわり、膝を折り曲げて股を広げ、勃起したペニスが真上を向いたところに女性が上から覆い被さる。かつて自分がいたかもしれない世界と立場が真逆だ。

 

亀頭がヴァギナに触れ、軽く押し広げられる。位置調整は万全、あとは彼女が腰を前に動かすだけで僕の剛直は彼女の口に咀嚼されてしまうことだろう。

脇腹をつかまれ、彼女に見下ろされ、ただその時を待つ間は、いつ来るかわからない不安と早く来て欲しい焦燥がたまらない。

 

「早く・・・♡」

「焦らせないで・・・♡」

 

ナメクジが這うようにゆっくりと彼女の穴に侵略される。絡めた足を縮め、己の全てを一気に挿入したい欲求に囚われるが、それは自分に尽くしてくれる彼女への冒涜だ。それに彼女は口に出したことはないが、この世界でも多かれ少なかれ男性のサイズによっては女性に負担がかかることも考えれば、その衝動に身を委ねるのは良くないことだと自分を戒める。

 

無限に思える至福の一瞬。されど、全てが収まる最上の快楽は女によって与えられなければ得られないその現実は、ある種の拷問にもなり得るだろう。

それでも僕は待ち続ける。それが僕に奉仕してくれる彼女に報いる愛だと思うから。

 

「っ・・・・♡ 全部、入ったよ♡」

「ああ・・・キミの全部、感じるよ・・・♡」

 

腰に添えられていた手を互いに絡ませれば、彼女の顔が上から迫ってくる。僕は少しだけ上体を起こし、彼女にキスの返答をした。

硬い胸板に柔らかい乳房が垂れ下がり、彼女の動きに合わせて乳首がカリカリとわずかな刺激を与えてくる。

こすれる乳首が与える刺激は彼女にフィードバックされ、それは彼女の膣内の収縮を通じて僕のペニスに伝えられる。

余すことなく僕たちは触れ合い、繋がり、溶けて一つになる。

 

ゆるゆると引き抜かれーーーこの見た目を剣に例えるなら動いているのは鞘のほうだがーーーカチリと納められる。

股の間に女の体が収まり、肉と肉がぶつかりあう衝撃が腹に伝わる感覚は、男にとっては異質なものだ。

それでもそれは決して不快なものではなく、むしろこれがかつて女が味わっていた快楽であったことを想像し、これまでせき止められていた空気の流れが解放される。

 

「・・・っはぁ、あっ・・・♡」

「よーやく、その声、出してくれたっ・・・・♡」

 

彼女の動きに身を任せて思わず出てしまった自身の喘ぎ声に反応され、羞恥に顔を赤らめる。

ヴァギナでペニスをしごかれる事よりも、腰が入った衝撃に反応したことに目ざとく気付いた彼女は、ピストン運動の回転率や精度よりも、しっかりと先端まで溜めて運動エネルギーを男の全身に伝えることで攻めたてることにした。

もっともそれは男の剛直を全て受け入れることを意味しているが・・・快楽神経に支配された彼女の脳は都合よくその苦しみを悦楽へと変換する。

 

全身を大きく揺らす激しい運動で互いの息遣いだけが交差する中、互いにヘソ下あたりで疼きを感じる。限界はすぐそこだと覚える。

男が女を犯すでもなく、女が男を犯すでもなく。ただお互いが自身と相手の情欲を満たさんが為に、犯し、犯され、与え、奪う。

それこそが一つの真実、連綿と続く一つの営みの中。

 

「「あっっっ♡♡♡」」

 

数えれば十秒にも満たない時の中、百の言葉でも伝えきれない一つの愛を感じた。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

「あぁ・・・すごく良かった。最高だった」

「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな」

 

終えてみればアレほど激しかった彼女は鳴りを潜め、密かに焚かれた香のように甘い雰囲気の中、ピロートークに移っていた。

 

「しかしまあ、今日はどういう風の吹き回し?正常位で激しく攻め立ててほしいって」

「たまにはそういう気分にもなるもんだよ。ちょっと女の子の気持ちにもなってみたいって」

「???」

 

しかし、所詮は偽りの愛を貪り合うだけのセックスフレンド。愛し合う所以より先に愛し合う過程の激しさを話題に出す。

今回のリクエストをした意図はナチュラルボーンな彼女には分からないみたいだ。

 

自身の境遇と同じ状況にある人はーーー世界人口という母数の前にはごくわずかな割合だがーーー5000人ほどいるらしい。

世界的なSNSでそれを信じるコミュニティに加入している人が2000人ほどいるから、同じ境遇にあってコミュニティに所属していない人のことを考えればそれぐらい、らしい。

 

かつて、本来は男性器は前に突き出し、女性器は股座の間にあった世界。

 

僕もいつの日か、それが逆転した世界になったことを自覚し、歴史を調べ、これがパラレルワールドと考えた。

あり得た未来。もしもの世界。だが合理的に考えて、この世界のほうが歪であることは当然の帰結だ。

 

男性器が股座の間にあれば、椅子に座る時に邪魔になる。無理に座れば機能不全にもなり得る。

女性器が前にあれば、産道が不自然に曲がることになり、正常に出産できる確率は少なからず減るだろう。

それでも世界がそうなったなら、理屈や理論を超えた誰かの感情、願いによって歪められた結果なのでは無いかと仮説を立て、ある事件の発生率を調べた。

 

男性による女性のレイプ被害発生件数。

 

かつて居た世界での件数を正確に知っているわけでは無いが、恐らく減ったのだろう。単純に体勢的に、男が女を犯すことが難しくなったのだから。

もしもこれが誰かの願いを聞き受けた神様が歪んだ形で望みを叶えたのなら、どれだけひねくれた神様、回りくどい世界なのだろう。

 

この、性器の逆転劇・・・もとい、「女性がレイプをされにくい世界」を願った結果は。




我ながら変な文章を書いている自覚はあります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。