——獣人
読んで字の通り獣と人の間。極めて人間に姿や知能が近い動物である。
犬や猫などの人間社会に近しい動物と同じく、コンパニオンアニマルとして人々のパートナーに、また社会的に人間を助ける補助動物としてもあらゆる分野で活躍しており、今の人間社会にはもはや欠かせぬ存在と言ってよい。
だが、他の動物より人間に近い為に他の動物よりも社会的な問題もまた大きい。無責任な人間により捨てたれた野良の獣人は街に多く。違法な風俗などで客を取らされる、各犯罪に使い捨てられるなどの反社会的な利用。人間に近い為、憂さ晴らしの暴力を振るう為に飼われたりの虐待問題。
この辺りは法的には獣人は動物とあまり変わらない扱いの為だ。様々な団体からは法の改正が叫ばれているが遅遅として進まない。この辺りは法的に守られていない獣人がいた方が好都合と政治側は思ってるとか、獣人を利用している裏社会との繋がりの為など色々な噂がある。
とどのつまり獣人に人権は無かった。仮に他の家の獣人を殺しても器物破損。拷問にかけようが動物虐待でしかないのだ。
故に獣人問題で最大のものは、快楽目的で殺される獣人が一定数居るという事だ。
当然それを行う一定数の危険人物が居ると言う事である。獣人をハンティングして遊ぶ反社会的人物。俗にフール(愚か者)と呼ばれる人々。
その男は茶色に染めたざんばら髪、据わった眼つきをしておりどこか近寄りがたい。細身の比較的長身で服装は若者らしい珍しくもないファッションであまり目を引くようなものではない。彼はフールとしては特に名は売れていない地味な人物だった。とはいえフールとバレてる人物は危険人物としてネットで晒されている。男もネットで晒されて周囲からは鼻摘まみ者扱いの立派なアウトサイダーだ。
しかし、名が売れ過ぎないというのはフールとしては優れた者も多い。フールもまた反社会的人物と知られ、一般に人々に愛されている獣人を殺害する愚行から、義憤に駆られた一般の人々から私刑に合ったり、生活も立ち行かなくなるケースもある。派手にやり過ぎて名前が悪い意味で売れたフールはもちろんそう言ったリスクが高くなる。故にそうならないように立ち回る技量が必要なのだ。
獣人にとって安全なのは人通りの多い場所だ、小汚い格好をした野良の獣人も人のいる場所に居つく事が多い。人前でいきなり殺し始める程イカれたフールは流石にそう居ない、そんな人物は危険人物過ぎて前述した通り名や顔が売れてしまう。逆に人気の無い場所を住処にする野良もいる。人より五感の優れた獣人故、警戒心が強い野良ならそうそうフールに捕まらない。あえてそれを狙う狡猾なフールもいる、如何に逃げる、隠れるに優れた獣人を仕留めるかを楽しみような人物だ。
だがベーシックに狙い易いのを狙うなら人通りの多い所だ。待ち合わせなど、何気ない風を装って人通りを見ているとたまに身なりの綺麗な獣人がいる。それが狙いだ。きっと飼い主に大事にされてきたコンパニオンアニマルとしての獣人。お使いか、あるいは何かしらあっての脱走か。最近はフール被害を警戒して獣人を一匹で外出させる飼い主は少ないが。それでも被害に遭うのは全体から見れば稀な為に慢心している飼い主もいる。護身グッズを持たせておけばいざという時も安全だろうと思って外に出してるような馬鹿な飼い主。
そもそもが護身具などなくても獣人は種類にもよるが人間以上の身体能力を持つ者が大半。それを殺す事に情熱を燃やすフールを舐めすぎている。
さて、男が目につけたのは道を歩く一匹の獣人。猫型、種類はわからない、どうやら純血種では無さそうだ。肩に届くくらいで切られた薄い色の蒼髪。体躯はまだ小さく、成熟しきっていない。顔立ちはコンパニオンアニマルとして利用されるだけあって普通の人間と比べると出来過ぎなくらいに整っていて、綺麗と可愛いの中間くらいだ。頭とお尻から見える猫の耳と尻尾は茶だった。白いフリルをあしらったワンピースに身を包み、その身なりの良さと清潔感からどこかの家庭で大事にされているペットなのだろう。
あれだな。男はこれまでの経験からくる勘で獲物を見定めた。やりやすきをやる。これが鉄則だ。一般人は弱い者しか狙わないと罵倒するが、馬鹿なのか?と男は思う。そもそもリスキーな行為をする上で弱きを狙うのは当たり前の事だろう。そんな当たり前の考えも分からないのか?
さて、だが人通りの多いこの場所からあの獣人をバラして楽しむ為の場所へ誘導するか?まず一つには実はこの道自体が丁度良い場所に近いのだ。表があれば裏がある。この道から路地裏に一本入ると廃ビルの立ち並ぶ寂れて人気のない場所に入るのだ。そこに追い込んでしまえばやりようはいくらでもある。
だが、見ず知らずの獣人を路地裏に連れて行くなど難しいのではないか?いいや、簡単だ、男は思った。こんなものは度胸とタイミングとちょっとの運なのだ。堂々と行けばいい。
男は無造作に後ろから歩み寄り獣人の少女の肩に手を置いた。突然の事に少女は目を丸くして振り向く。
「やぁ」
男はニコリと笑いかけて朗らかに挨拶した。
「えっ、はい?」
獣人の少女はまだ混乱しているようだ、この瞬間が丁度良い、畳み掛けにいった。
「来てくれるかな」
そう言って有無も言わさずに少女の手を握ると男は少女を引いて歩き出した。
「えっと、あの、だれですか?」
男に引かれて歩くままとなりつつ少女は混乱しつつも疑問を呈した。
「来ればわかるよ」
男はそれを軽くあしらった。スタスタと堂々と歩いていく。
「あの、どこへ……?」
「来ればわかるよ」
全く先と同じ台詞を繰り返して、男は路地裏へと入っていく。少女は突然の事に完全にイニシアチブを取られて、拒否する事も逃げ出す事も出来なかった。もちろん周囲の人も目撃していたろうが、誰も二人の事を気にかけるものもなく通り過ぎていった。さも当たり前という風にやれば案外こんなものだ。
路地裏に入って人目が切れたところで、流石に危うさに気がついたのか、獣人の少女は慌てて男の手を振りほどいて飛び退いた。
「な、なんのようですか!?」
「ああ、ごめん急に。ちょっと殺そうと思ってね」
震える声で尋ねる少女に、男は悠然と言い放ち、上着の裾で隠していたベルトに装着したカイデックスシースからシースナイフを一息に抜いた。艶消しのブラックコーティングされた刃長16センチ程のファイティングナイフの切っ先を少女に向けた。
「あっ、え?」
突然気軽に殺意と凶器を向けられて、少女は硬直する。突然の事に恐らくパニックになっただろう少女の頭にフール被害の事が過ったかはわからない。だが、少女は背を向けて縺れそうになる足で走って逃げ出した。男が表路地への道側に立ち塞がっていた為廃ビルの並ぶ路地裏の奥の方へと。ここで少女は混乱故に選択ミスをした。表通りはすぐそこだったのだから叫んで助けを求めるべきだったのだ。
「一名様ご案内なーい」
もっともこれは男の思惑通りの流れだ。別に奥まで引っ張り込む必要はない。誘い込んであげればいいのだ。高い身体能力があるにも関わらず、混乱の為か転びそうになりつつ逃げていく少女は男は悠然と歩いて追った。
そうしてかなり奥まった場所まで来て少女は立ち止まった。顔には焦り。行き止まりだった。男に上手く袋小路へと誘導されたのだ。コツ、コツ、と足音が聞こえて少女は振り向く。男は余裕たっぷりに歩いてきた、右手にナイフを引っ提げたまま。殺される!どうしよう、どうしよう!そう混乱したまま少女は周囲を見る。前に進んでも行き止まり、左右も壁。上の方にも飛んで逃げられそうな足場はない。後ろは凶器を引っ提げたフールの男。逃げ場がない。
「こちらは天国。終点になります。引き続きの乗車にはなれません」
そんなふざけた台詞を吐きつつ、嫌らしいニヤケ面で男は無造作に歩いて距離を詰めてくる。ナイフという凶器の間合いに入ったら詰みだ。
荒い息を吐く獣人の少女。極限状態において血圧と心拍数が上がっていく。だが、身体は恐怖でまだ凍ってはいなかった。もとより心拍の上昇は身体能力のスペックを引き出す為、少女にとって幸いだったのは彼女にはここ一番の胆力があった事だ。
ならば少女はまだ死んでいない。そもそも本来的には獣人は身体能力で人間以上なのだ。当然、必死の抵抗でフール被害から逃れた獣人も数多くいる。チャンスはある。
男が無造作な歩みで近寄って後一歩で間合いに入るという時、少女は一気に踵を返して全力疾走した。袋小路に向かって、行き止まりへと疾走するとは何を考えているのか。
だが、あくまで二次元的に捉えた場合に袋小路は行き止まりとなる。少女は猫なのだ。猫の機動は三次元立体的である。
短い距離で即最高速に達した少女は行き止まりのコンクリート壁に跳躍し高い位置で壁を蹴りリターン、更に右の壁へ飛びつきまた壁を蹴り中空で軌道を変える。ほんの一瞬、凄まじい瞬発力で男の左手側の隙を突破し、そのまま走って表通りに逃げれば助かる。左手側なら右手に下げたナイフで斬りつけるのは間に合わないし、人間にこんなスピードと変則的な動きはついてこれない!
はず、だった。
中空で男の脇をすれ違わんとした少女に男は悠然と反応して左足から踏み込み肩口からの体当たりを叩き込んだ。中国武術で言うところの靠撃。勁の操作でベクトルを下に向け、少女を真下の地面に叩き落とした。
「あっ、く」
「舐めるなよ」
「あぁぁぁぁっ!」
地面に背中から叩きつけられて悶絶する少女に、フールの男は言い放ちつつ、少女の細い足首を震脚で叩き潰した。ゴリっと音が鳴り関節が潰された少女の悲鳴が上がる。足を潰されてはもう少女は自力で逃げる目は無かった。
「てめぇらみたいな化け物じみた身体能力の奴らを何十人狩ってきたと思ってる?こっちも殺しは素人じゃあねぇんだよ」
口元に愉悦の笑みを浮かべながら言う男。明らかに何らかの武術の心得があるのだろう。さらに、必死になった獣人を相手にして来た場数か。大人しく殺される者ばかりでは無かったのだろう。
事実フールが大怪我やたまに致命傷を負って死亡するケースはままあるのだ。彼らが何故怪我を負ったのかは本人達は口を紡ぐが、考えるまでもない。野生動物相手のハンティングにも事故が付き物なのと同様、フール達もハンティングをリスクを背負ってやっているのだ。
「た、すけて……やめてください……」
獣人の少女は倒れ伏せたまま片足を潰されて、グスグスと泣きながら許しを請う事しか出来なかった。男はゾクゾクと自虐の悦びが背筋に走る。ズボンの中でペニスがムクリと膨張し始めてみるみる硬くなる。
「じゃあ、取引だ。俺は君を見逃すとして、トレードオフとして君はそれに見合ったどんなメリットを俺に提示してくれるんだ?」
ニヤニヤしながら男はそう持ち掛ける。さて何を言ってくれるのだろうと楽しみにしながら。
「な、何でもします……えっちなことでも、何でもするから、ころさないで……」
「くひっひ」
少女の命乞いに男は引き攣ったような奇妙な笑い声を立てた。
「この状況では同意など無くとも俺は君に好き勝手何でも出来るわけだが、君の出す条件が一体俺に何のメリットがあるんだ?」
整然と言い返す男。元よりこの状況で少女に男に納得させるだけの交換条件などあるわけはなく、男が少女を言論で弄んでいるだけなのは明白だ。
「誰にもいいませんから……たすけて……」
「はぁ、本当に獣人というのは頭が悪い」
「ひぁあぁぁぁぁあっ!」
そう呆れながら男は既に砕けて紫色に変色した少女の足首をつま先で踏み躙って捏ねた。電撃的に走る激痛に少女が絶叫する。
「何処の世界にここで解放されて誰にも訴えない奴がいるんだ?仮にお前が何も言わないとして飼い主にこの足はどう説明するんだ、ちょっと転びましたとでも言う気か?」
痛みに悶絶して地面に転がる少女を見下して、くひゃひゃ、と笑いながら男は言った。
「どうしようもない事ってあるぜ?諦めな」
「しにたくない……たすけて、たすけてぇ……」
「あー、いいねぇ!その反応、チンコにくるよ!」
そう言ってズボンのジッパーを下ろして彼はガチガチになった肉棒を露出させた。さっきからズボンの中で突っ張り痛みを感じるくらいだった。
「どーせ生きてりゃ必ず死ぬんだ。ここで俺に殺されても、あるいは他の理由で死んでも大差は無いわな。どーせ生きて死ぬなら俺に喜ばれる死に方の方が生まれてきた甲斐もあるってもんだろぉ!」
そう言って男は少女にのしかかった。少女は悲鳴をあげ抵抗する。左手で男をつき飛ばそうとして右拳を振ってきた。如何に身体能力に優れた獣人といえどもそんな不十分な姿勢から大した打撃も出せず、簡単に男の左手の受けに巻き取られる。そのまま男は巻き取った右腕上腕内側に右に握ったナイフのハンドルエンド、刀で言う柄頭で当身を入れる。
「うぁ!」
一瞬腕に走った激痛とともに完全に腕の感覚が消えて少女の右腕は地面に落ちた。肉が薄く神経が表面付近にある点穴をピンポイントで打ち抜かれたのだ。男はそのままナイフの切っ先を肩口、腕の付け根に軽く刺した、シュッシュッ、と手際よく左右。ここは腕の動きの起点となる点穴。ここを切られたら以上もう少女は両腕を使えない。男は人体のーー厳密には人ではないがーー壊し方を熟知しているようだった。
「やだやだやだぁ!」
それでも上体だけで身体を捻って逃れようとする少女の服をナイフで切り裂き、肌着も下着も切り取って裸にさせる。幼く小さな体躯に見合った薄い乳房とも言えない胸に僅かに肌色が濃くなった程度の小振りな乳首。身体のラインも乗っている脂肪も薄く、股間も無毛の一本筋だ。
「ああ、悪くない、そそるな」
そう感想を漏らしながら男は少女の内腿を浅めに切った。直ぐに溢れてくる出血を手ですくい、血を自身の肉棒に塗りたくった。潤滑油がわりだろう。この体格差で濡れてもいない膣に何も無しに押し込むのは流石に難しい。
足で抵抗しようとする少女の腰を掴み、肉棒の切っ先を割れ目に埋め、膣口を探し当てると男は躊躇なく挿入した。
「あぁぁぁ!」
「へぇ?頭は悪いがマンコは悪くないじゃないか」
そう男は品のない感想を漏らした。体格差から少女の性器はキツいばかりかもと思いきや、柔軟性があってこなれている。どうやら結構経験はあるようだ。見かけによらないが珍しい事でもない、獣人は獣に近いのだ。発情期の問題もあるし、大抵、飼い主や充てがわれた獣人同士の交尾などで発散させているものだ。また飼い主自身が性欲処理やコミュニケーションとしてペットとセックスするのは割と当たり前に行われている。
男は少女の事なんて全く考慮せず、ただ自分が快楽を貪る為だけに腰を振った。少女は涙を流しつつ口をつむんで耐えている。ナイフを握ったままのご満悦の様子の男相手にここで抵抗すると今にも殺されそうで恐ろしかったのだ。膣口の壁がいい具合に肉棒をしごき立て、また犯されてる身体の防衛反応か愛液が分泌されてきてぬるぬるとした粘度が快楽を促進する。だが……
「いいんだけどよ、刺激は今ひとつだよな」
そう、こんなレイプ程度男には、刺激にならない。気持ちいいが、ただ快楽が強いというだけならオナホールを使うのとさして変わらない。
わざわざ手間暇かけてこうしてるのだからーー
「もっと楽しませてくれやぁ!」
そう叫んで男は振り上げたナイフを一気に少女の胸上部、胸骨のすぐ隣に振り下ろす。肋を突き破って深々とブレードが胸腔内へと埋まった。
「あえっ!」
少女は間抜けた声を出した、刺された!そう思った。実際目に見えて胸にナイフが刺さっている。しかし、鋭利なナイフで一瞬で刺されたため、痛みどころか刺された感触がしなかった。だから明らかに刺さってるのに刺さってないのでは、と思った。
しかし、男はノコギリ引きみたいにザクザクと切り開きながらナイフを下に降ろした、途中バキバキと肋を割り開き、肺は破られ、心膜も裂かれて心臓も傷付いた、血が溢れ出る。そして、流石に少女の全身に走った体内を切り割られる激痛。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっっッッ!」
「ギャハハハハハハヒャァァアッ!」
少女の爆発的な悲鳴が上がり、それを男の奇声混じりの爆笑が上塗りした。
「きんもちいー!」
これだ、この刺激的な経験はやっぱり人間の形した奴じゃなきゃ出来ない!これがたまらない!ググッと興奮で膣口で膨張した肉棒をがむしゃらに動かしながら、I字に切り裂いた傷をさらにナイフを数回滑らせて切り開く、大きく空いた切り口から収縮する肺がはみ出す。
「あ〝あ〝あ〝ぁぁぁ、ガッ!ごぼぉっ!」
生きたまま体を裂かれるという地獄におぞましい悲鳴をあげ、しかし途中で少女は気管から上がってきた粘液が喉に詰まり、詰まったような音を立てて血の塊を吐いた。刻まれた肺腑に溢れた血が逆流してきたらしい。
「ほらほらまだ死ぬなー、がんばれ」
ゴボゴボと口から血糊を吐き出し目を白黒させる少女を男は気楽に応援する。その間も少女の胸の中を弄り、筋肉の塊でありビクビクと脈打つ活きの良い臓器。心臓を掴み出した。
「じ、ぬ!ぢぬぅっ!」
完全に致命傷を負い、もう自分が助からない事を悟りながら少女はみっともなく叫んだ。嫌だ!死にたくない!助けて!
「まぁまぁ、落ち着け」
ケタケタ笑いつつ、言いながら男は肉片を口に運びクチャクチャと咀嚼して食べていた。それはスライスした少女の心臓だ。循環の中枢を破壊されてはもう少女が助かる目はない。しかし、それにも関わらず少女の身体は貪欲に最後まで生きようとして大きく呼吸をしようとしていた。切り口から膨らむ肺腑が大きくはみ出てくるのでそれが目に見えて分かった。人体というのは案外しぶといものだ。
「お前も食うか?美味いぞ」
そう言いつつ少女の口に少女の心臓の切れ端を突っ込んだ。少女はそれに反応せず半ば白眼を剥きながら、口からはみ出した心臓を咥えたまま海老反りになりながらヒューヒューと嫌な音を立てながら末期の呼吸をしている。肉棒を突っ込んだままの膣内も滅茶苦茶な動きで肉棒を揉み込んできた。
素晴らしい、死に逝く瞬間の身体。何もかも吸い込むような引っ張るような飲み込まれそうな凄まじさがある。これが堪らない。
「く、ふぇあぁぁ、ヴッ!」
ふるふると男は震えながら奇声を漏らしながら死に逝く少女の膣内に射精した。バクッバクッ!とペニスが精液を吐き出すサイクルと同期して心臓が破裂しそうに拍動する。
「おぉぉぉっ!」
獣のような雄叫びを上げながら最期の一滴まで全て出し切る。獣人などより男は獣じみていたかもしれない。
荒い呼吸を落ち着かせつつ、男は肉棒をにゅぽ、と引き抜く。少女の身体は呼吸はもう止まってしまって、身体が時折ひくっひくっと痙攣していた。もう事切れたと言っていいだろう。ぶりゅりゅ、と音を立て肛門から緩い糞が漏れ出した。
「けひゃ、くき、くひゃくきゃひゃ!」
引き攣った奇声じみた笑いを漏らしつつ男は顔を覆った。最高の気分だ。なんで他のみんなはこんな最高に面白い事をやらずにいられるのか?人生損してるというレベルではない。生きてる意味がないではないか。
男は肉棒を少女が来ていた服の切れ端で拭う。尿意を覚えた男はジョボジョボと事切れた少女の死体に小便をした。心身共に非常にスッキリした男は服を整える。上着やズボンにポツポツとした返り血の跡がある程度でさして目立たないからこのまま帰れるだろう。男は同じく服の切れ端で血脂を拭ったナイフをベルトのシースに戻した。
そして満足したらもう用はないという風に無残極まりない死体に一瞥もくれずに路地裏から歩き去っていった。
「……相変わらず狂しておられますね」
路地裏の物陰に潜んでいた人影が小さくなっていくフールの男を見据えながら、小さくそんな感想を漏らした。
………
……
…
「依頼だ」
「また?」
「無所属の馬鹿が暴れてるらしい。今日また獣人のガキがバラされてたそうだ」
「殺せばいいの?」
「あぁ、いつも通り。やり方は任せる」
「わかった」
………
……
…
男が暗い道をのんびり歩いていた。買い物帰りらしく、片手に食料品の入ったビニール袋を下げて機嫌良さげに缶ビールなどを呷りながらのご帰宅だった。
そんな男の後ろから早足で近づいてくる中年の男がいた。手には金属バット。ある程度まで近づくと走り出して男に迫っていった、金属バットを片手で振りかぶる。男は振り向きもしなかった。
「おぉぉ!」
雄叫びを上げながら中年はバットを男の頭に向け思い切り振り下ろした。殺すつもりかと問いたくなる容赦ない打擲だったが、バットは高い音を立てて地面を叩いただけだった。反動で中年の手に痺れが走る。
男は軽く背後の中年に対して向き直るように体を開くだけで軸を外して避けた。そのまま片手に持っていた缶ビールの中身を中年の顔にぶっかけた。アルコールと炭酸が目に入って激痛を生み、思わず中年は顔を覆った。頭が下がったところに男は躊躇なく顔面に膝を叩き込んだ。
「げぁ!」
悲鳴を上げ中年は思わず腰をストンと落とした。鼻血を流して、前歯がポロポロ二、三本落ちた。しかし男の打撃もまた中年のバットに劣らず容赦なかった。間髪入れずのサッカーボールキックをさらに顔面に叩き込み、中年は地面に倒れ込み呻いた。
それを尻目に男は中年にかけた缶ビールを振る。開けたばかりなのにもう、一口分しか残ってなかった。ちっ、と舌打ちして缶を傾けて残ったビールを飲み缶を投げ捨てる。
腹立たしげに男は地面に転がっている中年の脇腹に思い切り蹴りを入れた。中年は悶えて地面を転げた、肋骨くらいは折れたかも知れない。本当は頭を震脚で踏み砕いて殺したかったが、こんなゴミでも人権はある。殺したら流石に捕まる。
男はもう中年に目もくれず買い物袋片手に踵を返して歩き出した。
こういう襲撃は男のような名の売れてないフールにもたまにあるから慣れてはいた。鬱陶しい事この上ないが、恨みを買っている自覚はある。
しかし、恨みばかりではあるまい。社会的弱者である獣人を弄び殺すフールへの義憤に駆られて動くものも多いのだ。義憤、男は思わず吹き出してしまう。義憤?義、だって?義において許せぬ悪党相手に自分の暴力性を存分に発揮しようと言うわけだ。ギャグのつもりだろうか?同じ穴の貉じゃないか。
男は自宅に帰り着いた。一戸建ての家は、外壁や塀に暴言を書きなぐった落書きだらけ、庭にはゴミなどが投げ込まれ、割れた窓ガラスをガムテープで貼り直している。たまにポストに猫の死体なんかが投函されている事もある。獣人虐待のフールへの嫌がらせにわざわざ動物の死体を用意するとはやはり愚衆のジョークは捻りが効いている。しかし、まぁ隣近所の家はいい迷惑だろう。
これが義ってやつだ。そう思い男は皮肉な笑みを浮かべ、自宅の玄関を潜った。