亡国機業は壊滅しました。 作:張三李四
「え……? な、なに……?」
マキは状況がつかめず、声を出しながら周囲をうかがった。
身体を支えていた機械がぼぅっと白い光を浮かびあがらせ、無人のまま膝を立てたのだ。
機体から細長い半透明の紐が伸び、まるで触手のようにうねりながらマキの心臓を貫く。一瞬のことで抵抗する暇などなく、視界が暗転した。
(生きてる……?)
落ち着いて、目を開ける。何も変わっていないように思え、半透明の紐だけが消えていた。
ソリッドⅢから離れようとしたが、身体が硬直して思うように動かせない。だが、下半身に違和感があって、どうにかして視線を真下へ向けた。
デニムの股間のあたりが窮屈に感じ、痛みを覚えて前屈みになる。
「だ、大丈夫、篠ノ之さん」
痛みをこらえながら、腰を抜かしていた箒へと手を差し伸べる。
箒は目を見開いてソリッドⅢを凝視していたが、無事を示すように微かに笑みを浮かべる。だが、マキが箒の手をとった瞬間、箒の表情に明らかな戸惑いが浮かんだ。
「き、貴様ぁ……、私に何をしたぁ……」
(手をとっただけなんだけど?)
対する箒の頬は上気していて、明らかに火照っている。熱病にかかったかのような症状すら見てとれた。
助けを求めてマドカを探したが、彼女も尻餅をついて動けずにいる。
(マドカちゃん…………?)
いや、動けないというのは正しくなかった。
マドカは身体をもぞもぞと小刻みに揺らしていたのだ。ミニスカートからのぞく白いショーツの上から、指先を股間に這わせ、小刻みかつ激しく擦っていた。
「ンンン……!」
まだランドセルを背負っているであろう少女が、勝ち気な表情を歪ませ、身体の奥底から熱を呼び起こそうとしている。
見てはいけないものを見てしまった。マキは罪悪感に襲われ見なかったことにして、箒へと視線を戻した。
箒は頬を紅潮させたまま両膝をピタリと閉じ、その間に差し込まれた指を動かすまいと必死にあらがっている。
マキとて、自慰の経験がないわけではなかった。中学生になって一人部屋をもらい、耳年増な従姉からもらった雑誌でこっそり指遊びに耽ったことは一度や二度ではなかった。
けれども、人に見せびらかしたことはないし、誰かに見られながら羞恥に胸を焦がすといった性癖はないはずだった。他人がどう致すのか、という興味はあったが、積極的に見たいとは思いもしなかった。
「っ、何故だぁ……。私はどうしてしまったんだぁ……ンンンッ……!」
「篠ノ之さん?」
止めさせようと思って、彼女の手を引っぱった。膝立ちになったが、マキ自身が不安定な姿勢だったことも手伝って、脚を滑らせ、互いに倒れ込んでしまった。
「ッ痛イタタタタ……」
畳に頭を打ち、目を開ける。マキは仰向けに倒れ、箒が覆いかぶさっていた。
(立ち上がらなきゃ……)
痛む後頭部に顔をしかめつつ、箒の肩をつかんだ。
「んんんぅううぅぅぅ…………!!」
予想外の嬌声に手を離してしまった。箒は腰をくねらせ、「違う……違うんだ……」と言い訳しながら、マキの太股に股間を擦りつけて、硬く尖らせた陰核を刺激していたのだった。
美少女の痴態に驚いたが、マキには同性へ欲情する気はない。ただ、異変が生じて自分以外の二人が発情している、という事実を認識しているだけだ。
だから、箒をどかし、三人でこの部屋から離れなければならない、という義務感が働いた。
「篠ノ之さ……ングググ」
唇に柔らかい何かが押しつけられた。箒が顔を近づけて唇を重ねていたのである。
(わたしのファーストキスが……!!)
ピチャピチャ……、と嫌らしく音を立てながら唇をねぶってくる。
箒は目をトロンとさせ、熱烈に、淫らにマキの唇を
マキはなされるがまま、下腹部、子宮のあたりがジンワリと熱を帯びてきているのに戸惑ってしまう。
箒の舌先から逃れようと、舌先を硬くすぼませたが、箒はその周囲をまとわりつかせ、蛇のようにしごきだした。
ジュルッジュルッ……。口腔内を箒の舌先が進入し、蹂躙される。口いっぱいに含んだ唾液が流し込まれる。
「ッ……篠ノ之さんっ。正気に……」
「私は正気だぞ……。私が正気でないとしたら、貴様が私を狂わせているのだ……」
箒が腰を浮かせ、マキの下腹を怪しく擦る。ツツー、と指先を降ろしていき、股間で止まった。デニムのボタンを外すと、思いも寄らぬものが跳ね上がった。
箒の手が股間の棒をつかんでいる。存在しないはずの棒をたどたどしく擦り上げ、驚きに見開かれているマキをのぞき込む。
「こんなモノを隠して……、私が寝静まったあと、ナニをしようとしていたんだ……言ってみろ」
「……し、知らない。わたしは女で、さっきまでこんなモノ生えてなかったしっ……!」
箒の手の感触は新鮮で、子宮の奥がムズムズした。自慰に耽って気を遣るときにも似た、じんわりとした快楽だった。擦られていくうちに、硬くなっていき、子宮への刺激も増していく。
マキは涙を浮かべながら、箒の淫らな視線を振り払って天井へと目を移した。
半透明の紐が周囲を浮遊している。箒もマドカも紐に気づいた様子はない。紐はマキの視線を認識したのか、しばらくの間螺旋を描いて、視界から消えた。
マキは全身が拘束されたかのような圧迫感を覚え、徐々に違和感へと変じていった。
「おい」
(熱い……)
マキは箒を抱き竦め、自ら唇を押しつけていた。転がって、箒を組み敷くと、ロングスカートのホックを器用に外して取り去った。
花柄のレースをあしらった白いショーツ。秘唇を覆い隠す布きれは、箒の内側から湧き出る愛液によって濡れていた。指先で擦ると、
「アアッ……」
ピリピリとした電撃のような感覚をこらえきれず、箒の口から喘ぎ声が漏れる。
腰をくねらせ、身をよじる姿が楽しくて、マキはショーツをずらして彼女の秘所へと指を滑りこませた。
「ヤ、やああア……」
途端、箒の目が見開かれる。指先に絡みついた肉襞は淫らに蠢き、奥へ、奥へと、未踏の壺へと誘っているかのようだ。空いた手で豊かな膨らみを揉みしだく。顔を赤らめ、横を向いた箒の耳許に顔を近づけ、露わになった鎖骨へと接吻を繰り返した。
大広間の空調で冷やされた空気が物置に流れ込んでくる。じわりと汗ばんだ匂いが鼻腔を満たす。
思春期の甘ったるい体臭。
美少女の汗を舌先で掬い取ると、微かに塩気を帯びている。
恥ずかしがる仕草を見ているだけで、子宮の奥がうずいた。半透明の紐が身体に巻き付いていく。下半身のそれは
(ドクン、ドクンって、生きているみたい……)
脈動は到底治まりそうもない。絡みついた紐が身体を勝手に動かしているかのようだ。
指を抜いて、箒の太股を押し広げる。彼女は抵抗して、脚を閉じようとしてきたので、腰を入れて動きを制した。
「アアッ……やめ、やぁあああ、やめっ! やめろぉおお」
箒はこのとき、急激に正気へと還っていた。身体のなかに渦巻いていた熱がサッと引いて、冷静に状況を把握するだけの理性を取り戻していたのだ。
だから、股間に宛がわれ、硬さを保ったまま脈動するそれが、時を置かずして、その後の人生における最悪の汚点を残し、最大の後悔をもたらすであろうと、容易にかつ鮮明に想像できてしまっていた。
熱を失って青ざめる。篠ノ之流剣術道場で学んだ日々の事柄が、女の身には無力で役に立たないという絶望感が、箒の精神を
『大きくなったら、いちかのお嫁さんになる!』
『………………んまんっ、うそついたらっ、…………せんぼんのぉーます』
『……ゆびきった!!』
織斑一夏の幼い笑顔が脳裏を過った。
「……ぃゃぁ」
彼の人物を想い、再会を、幼い頃に結んだ約束の成就を心に刻んでいた。浄い身体は、成長し、たくましくなった少年に捧げるものと夢見ていたのである。
「やだっ、やぁあ、やぁだぁああ。初めては、いちかにっ、うわあああああアアアアッッッッ!!」
箒のショーツを横にずらし、一物をあてがったまま覆いかぶさった。
(あっ、ミチミチッ……って言ってる……)
「アアアアッ……ふ、ふ、アガアアアアァァァァ、グウウ……」
膣口の毛細血管を引きちぎっていく。征服感に心を震わせ、背筋を貫く凄まじい快楽と溢れんばかりの幸福感に腰が