※この作品はR-18です。

亡国機業は壊滅しました。   作:張三李四

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今回はポメラ→連結QRコード→PCで連結修正という少々面倒な手順を踏んでいます。



織斑一夏と箒《3》【ティナ・ハミルトン】

 

 

 

「うむ。大浴場と名乗るだけはあるな」

 

 箒は眼前に広がる浴場の姿を目にし、湯への期待を膨らませた。

 IS学園寮の大浴場は24時間入浴可能だと聞いていたが、その規模は郊外のスーパー銭湯に匹敵する規模だった。

 

「かけ湯、サウナ、ミストサウナ、シャワーブース、洗い場に水風呂、ジェットバス、日替わりの利き湯、つぼ湯、炭酸泉まである」

「……それは、種類が多いのですか? 私はドイツにいた頃の露天浴場しか知りません…………」

「うむ。銭湯の施設をそっくりそのまま移植した、と言うべきかな。来る途中、隣にレストルームに岩盤浴まであった。いたれりつくせりだ!」箒は鼻息荒く解説した。

 

 洗い場は三つのカランで一つの仕切りだ。クロエを奥の席に座らせ、湯おけに湯をたっぷりと入れた。ひとまず膝上に乗せてカモフラージュする。

 箒は真ん中に座った。

 

「特に用意するわけでもなく来てしまったが、備え付けの石けん類は…………」

 

 箒はひとつひとつを手に取ってクロエに触らせる。違いは並び順だけで六種類あった。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ。敏感肌用と普通肌用だった。

 

「ひとまず敏感肌用だな。万が一ってこともある」「仰せのままに…………」

 

 ボディソープを手に取り泡立てていると、声をかけられた。

 

「隣、いいですか」

「…………は、はい」

 

 年の頃は二十代後半。日本人の女性だ。箒は胸をバクバク言わせながら応じた。睨みつけられている気がして、少し剣呑な雰囲気を発してしまった。

 女性は湯をかぶりながらボディソープの容器を睨みつけている。顔の手前まで言ってようやく文字が読めたようだ。

 クロエが小声で耳打ちしてきた。

 

「箒様、普段は眼鏡なのだと思いますよ…………」

「……そ、そうか」

 

 女性は手早く洗い終え、湯をかぶった後、冷水を浴びて立ち去っていった。

 

「…………ん、お上手です。箒様…………」

 

 箒はクロエの身体に泡をのせていく。丁寧に、磨くように、クロエの肌を洗っていった。

 

「…………私が湯女のような気がする」「ありがとうございます」

 

 箒がクロエの身体を洗うようになって、三月ほど経っていた。背中から肩、肘、指先……手折れてしまいそうな骨格のうえに、ほどよく乗った柔肌。

 

(だが、私は知っている。クロエの膂力がとんでもない、ということを……)

 

 クロエは失明する前は総合格闘技を修めていたと聞いている。剣術と柔術をたしなんでいた箒は、【本気モード】のクロエに大敗北を喫している。

 

「さて、次は下だが……」

「こちらにも泡を…………あら」

 

 箒が手順を思案していたとき、隣席に腰掛ける者がいた。

 洗い場は他にもあって、いくらでも空きがあるにも拘わらず、その少女は隣を選んだ。

 

(この女、何が目的だ……)

 

 箒は心中で訝しみながら、新たに腰掛けた少女を観察する。イタリア系白人のような気がする。金髪碧眼だが、身体はそこかしこにだらしない脂肪がついていて、なおかつ尻と胸が大きく、グラマラスだ。

 

「よろー。わたし、ティナ。ティナ・ハミルトン。アメリカから来たよ☆ わたし、二組、よろー」

 

 握手を求められ、箒は一瞬躊躇してから握った。ブンブン、と上下に振られ、勝手に胸元に持って行かれる。

 

「……篠ノ之箒だ。一組、隣は」

「クロエ・クロニクル、と申します。4組です……」

「クロちゃんね☆ ティナだよ☆ よろー」

 

 箒はテンションの高さに引き気味だった。ティナは手ぬぐいにボディソープを垂らし、高速でこねまわしている。箒はどうにか言葉を紡いだ。

 

「ハミルトンさんは」

「ティナ☆だよ、サンずけもノー。よろしゅー??」

「……ティナは日本語上手ですね」

 

 箒は会話しつつ、後ろ手に合図する。『済まないが、下は自分で……』

 

「兄ちゃんが沖縄に住んでて、オタクって言うの? ジャパニーズマンガとアニメにどっぷりつかってるんだよねー。仕事に行く前にディスクを貸してくれたからそれで覚えたんだー」

「そ、そうなんだ。お兄さんはどんなお仕事」

「軍じーん。沖縄は天国だー!! っていつも言ってるし、わたしも行ったことある。やっぱ波乗りっしょ! 箒はボディボードやったことある?」

「い、いや、浜遊びはあんまり」

「もったいなーい! 箒はいい身体! なのに、海行って遊ばなきゃ!! っでさ、石垣島とかにいい波乗り場があるんだよー。夏休みは沖縄の兄ちゃんのところに寄ってから帰省するつもり」ピースサインをしてみせる。

「テ、ティナはアメリカのどこ出身なんだ?」

「カリフォルニア! もうひとり兄ちゃんがいて、カリフォルニア工科大に行ってる! 妹が言うのもアレだけど、兄ちゃん、すんごいイケメンだから……紹介したげよっか? 兄ちゃんも喜ぶし!」

「そ、そのうち……」

「わたし、寮に来たの、一週間前でさ。早く来過ぎちゃって、なかなかみんな集まらなくって! あとで沖縄土産のチンスコーが残ってるからあげる! もらって☆」

「あ、ああ……」

 

 ティナの雑談は止まらなかった。

 

「箒の部屋、どこ?」「1025号室」

「……箒様」

 

 クロエは慎重に泡を下半身にのせていたが、箒の嘘にめざとく反応した。

 

「……に、転がりこんでいる」「箒様にはご自分の部屋があるのです……」

「初日からやらかしちゃったやつ!? だったら、うちに来なよ! ひとりで寂しかったんだよー。……と言っても二週間限定だけど!」

「ベッドの空きが……?」

「ルームメイトの到着が遅れてて、二週間後になるってさ☆」

「……ということは、シャワー室の空きが……」

「わたしが使ってないときは自由に使っていいよー」

「助かるっ」

 

 箒は拳を握りしめた。

 

「クロニクルさんはどこ出身? アメリカじゃなさそうだし、日本語上手すぎー」

「……ドイツ共和国です」ゆっくりと首を向けて言った。

「ドイツね! 旅行で行ったよー。ベルリンとか、ミュンヘンとかねー」

「……そう、ですか……」

 

 あ、と箒が口にした。

 クロエの膝上に乗っていた湯おけが転がり落ちた。

 

「一緒に行った兄ちゃんがさ、浴びるようにビール飲んでて、うまい、うまいって言ってたんだけど、わたしにはまだ早いって飲ませてくれなかったんだよー。そんなに美味しいなら飲みたかったなーって……………………!」

 

 ティナは湯おけを拾い上げる箒と、その隣に屹立しているモノを目撃して何度も瞬きした。

 

「お、お、ちん……んぐっ」箒がティナの唇に口づけして黙らせる。

(ご、ごまかせたか……?)

 

 箒はティナの視線の動きを確かめる。

 

(ご、ごまかせてない!)

 

 クロエは箒に構わず泡を洗い流した。てぬぐいを膝上に掛けたが、自己主張が激しくて隠れていない。

 

「……見つかってしまいましたね……」

(隠す気なかっただろ!!)

 

 箒は無駄な努力と知りつつ、ごまかし続ける。ティナの口に舌をねじ込み、乱暴に舌先を追いかける。

 

「ティナさん…………取引しましょう」

 

 言って、クロエはカランへ手を伸ばした。

 

 

 

↓

↓

↓

 

 

 

「ここなら大丈夫だろう」

 

 箒はクロエとティナの三人連れでつぼ湯に浸かった。家族向けサイズのつぼで、若干狭い気もしたが、クロエの身体を見られるよりは……という判断だった。

 ティナを頂点に三角を作る。クロエは浴場に背を向けるように配置し、彼女の容姿が他者に気づかれないようにする配慮もした。

 

「さて……」箒はちらっとふたりを見た。

 

 クロエは余裕綽々だ。こうなった原因にも拘わらずむしろ堂々としている。

 対するティナは先ほどから頭を揺らしていて、混乱しているかのように見える。

 箒が肩を寄せ、触れると、おびえたような視線を向けてきた。

 

「LGBTには理解してるつもりだけども…………情報量が」

 

 箒が肩を離して咳払いする。

 

「取引と言うのは、だ」箒は眼力に念を込めた。

「は、はいっ」

 

 クロエが湯の中でティナの手首を握り、自分の股間に誘導して握らせる。

 

「……っ!!」

「…………こういう身体、ですから……日常生活に支障を、来しています……ですから、介助が、必要、なのです……」

「か、かた、かた、カタカタ」

 

 呂律が回っていないティナを見て、かわいそうだな、と思いつつ、取引を誘導する。

 

「ボランティアを……としたいところだが、介助を手伝ってくれるなら、バイト代を出したい」

「守秘義務契約していただければ、お給金は弾ませていただきます…………」

「す、すこし、考えをまとめ……!!」

 

 箒がティナの耳元にささやきかける。

 

「よーく考えてくれ。クロエはこの身体で……いじめを受けてきたんだ……祖国の学校にはほとんど行ってなくてな……できれば、穏やかな生活を過ごしてもらいたい、と思ってる……」

 

 でまかせを口にしつつ、言外に選択肢はない、と圧力をかける。

 クロエも箒の意思を察して身体を寄せてきた。

 

「ひっ……あ、当たって……☆」「…………当ててますから」

 

 上下共に当たっている。人形めいた肌が湯のぬくもりで朱色に色づき、色素の薄い髪が色づいている。

 

「…………どうか、お力添えを……」

「そうだぞ……」

「……と、とりあえず、け、契約はしょ、書面で」

「わかった……クロエ、身体を離してやれ。困ってる」

 

 だが、クロエは動かなかった。

 

「クロエ?」

「…………主様(マスター)、収拾が、つかなくなってしまいました…………」

 

 箒は知恵を巡らせる。頭のなかにはいくつかの選択肢が浮かんだ。

 

「ここで抜く、誰かに抜いてもらう、静まるまで待つ…………最後のだな」

 

 クロエが物欲しげな表情を浮かべたが、無視して湯に浸かった。

 のぼせそうになるまで我慢してようやく危機を脱したのだ。身体を拭き、髪を乾かし、寮の食堂へ向かう。

 

「わ、忘れ物しちゃった☆ じゃ、じゃ」

 

 逃げようとするティナの腕を左右からつかむ。

 

「…………案内、頼み、ます……」

「クロエを置いていくなんて、無体な…………」

「や、やだっ……ご遠慮しますっ」

「飯をおごってやる。特上でも極上でも何でも頼んでよいぞ」

「え! いいの!!」

 

 一年寮の夜定食は並、特上、極上の三種類あった。

 ティナは迷わず極上を選んだ。

 

「ぐっ……」「あんがとー」

 

 箒は並定食が載ったトレーを持ちながら、空席を探す。

 

(いないか。長湯したからな……)

 

 織斑一夏の姿はなく、箒はテーブル席を見付けてクロエたちを導いた。ティナを囲むように座り、クロエはチ、チ、チ、と舌打ちしてから食事を摂った。アルバイトの内容について話しつつ、クロエはあたかも視(み)えているかのように箸を進めている。

 

「クロちゃん。もしかして、見えてない?」

「…………見えてませんよ?」

「うっそだー」ティナは極上定食に舌鼓を打った。

 

 食事を終えた。ティナはトレーを返すクロエの所作を観察しているが、しきりに首をひねっている。

 ティナの案内で部屋に辿り着く。彼女が言ったとおり、一人分の荷物しかなく、一方のベッドには生活感がなかった。ティナが吊り戸からちんすこうの箱を取り出し、箒とクロエに小袋を一つずつ手渡す。

 クロエはティナのベッドであろう、少し乱れたシーツの上に腰掛ける。ワンピースの膝上をつかんで持ち上げる。

 

「え……!?」ティナが焦った顔つきになった。

「書面はこちらに…………」

 

 ガーターベルトに筒入れを備えており、中から一通の紙が出てきた。

「土日になんとか、とか口にしていたな……」箒が書面を受け取る。

「草案ですが、骨子は書いてありますので、よろしいかと」

 

 サイドテーブルに丸めた書面を広げ、ピラミッド状に積みあげたコーラから一缶失敬して重石代わりにする。

 ティナは文面を一瞥する。

 

「時給二千円……見習い修了後、昇給あり、特別手当あり……いいの!?」

「もちろん、守秘義務契約にサインする前提だが」箒が釘を刺す。

「だいじょぶー。ベビーシッターのアルバイトしたことあるし、同じようなもんでしょ?」

「基本的には着替えや入浴の補助が主となる。希望するなら勉強も一緒にするといい。クロエは博識だ」

「ん、そこはいーや。勉強は自分でするかなー」

「その辺りは自由意志に任せる。ティナは部活、決まっているか?」

「んにゃ。特定のスポーツやってたわけでもないから、適当に見て回ってから決めるー…………まさか、部活NGなんてあったり?」

「部活は自由だ。私は剣道部だし、クロエもやることがある」

「ほー、そーなん。じゃ、自由にやらせてもらうねー。ほいほいっと」

 

 【シノノノ】アルバイト社員:ティナ・ハミルトン

 

 ティナは筆入れからボールペンを取り出し、書面にサインした。

 箒がボールペンを受け取り、雇用主側のサインをした。

 

「契約締結だな。では、明日七時までに食事を済ませて1025号室に出勤してくれ」

「い!?」

「一時間未満でも切り上げで時給が支払われるが?」

「ぐぬぬぬぬ……わかった☆」ティナは給金の力に負けた。

 

 サイン済み書面をクロエに手渡す。器用に丸めて筒に入れ、ガーターベルトに戻した。

 

「さて」箒はティナの隣に座る。

「な…………」髪の毛をいじられてティナは色めき立つ。

「アルバイトの教育だが、私が実施する。見習いの間、ティナには私の補助にあたってもらう。それから今週にかぎっては、有志がクロエの介助を行うのでよく見ておくといい」

「な、なななな」箒がティナの手に自分の手を重ねた。

「クロエは特殊な環境で育っており、身体も常人と異なるため、いくつかの制限事項がある。これも明日かいつまんで説明する」

「わっ……」

 

 トサっとベッドに仰向けに倒れ込む。押し倒す形で箒が見おろす。ティナが左右に首を振ってやんわりと拒否を示したが、箒が身体を近づけた。

 

「ティナは私が囲うからな」箒はクロエに聞かせるように言った。

(守るためだ。クロエが手を出したら壊してしまう…………)

「か、囲う……! 囲うって!?」ティナは耳を疑った。

「運が悪かったと思ってくれ……」「わたしの意思っ……!」

 

 クロエは学習机に座り、じっとベッドの二人を見すえていた。

 目蓋を開いて、鈍い金色の瞳をあらわにしている。じっと箒たちの様子を見守る、というよりは監視していると言ったところか。

 箒はティナの両目を手で覆い、唇を軽く触れ合わせた。

 

「あ……」ティナがうめく。

 

 体重をのせ、ティナの頭を抱えて転がるように口づけた。

 箒は片目を閉じて、クロエの表情を伺う。

 

(光っていないな……今は大丈夫だ)

 

 おそらく衣擦れの音に集中しているはずだ。

 

(それに、クロエの瞳を両目で見てはいけない。幻術を使って催眠を仕掛けてくる。現地調達と言っていたが、大方催眠状態にしてただ働きさせるつもりだったに違いない)

 

 しかもクロエは催眠に加え、催淫もやってのける。

 ダリル・ケイシーが逃げ出したのは何かの拍子に、偶然催眠催淫の双方が解けたためだ。

 

「ん……ぁ……はむぅ…………」

 

 熱く湿り気を帯びた吐息が鼻と口から漏れている。

 空気を求めて半開きの口をなめ回す。舌先を間に差し入れ、口内のつくりをマッピングするように丹念に舌先でつついた。

 少し唇を離すと、潤った唾液が糸になって伝い落ちていく。もう一度唇を合わせ、ティナが両目を閉じているのをいいことに、クロエの様子を伺う。

 

(聴覚に集中している……唇だけではだめそうだな……)

 

 クロエは彫像のように動かない。じっと気配を殺していた。

 箒は横向きに抱き合い、背中に手を這わせる。ティナがゾクゾクと背筋を震わせ、逃げようとする。

 

「んむぅ……」「はぁ…………ぁ……」

 

 頭と腰を抱き寄せ唇を押しつける。歯を這い伝って隙間が開いた瞬間、またしても舌を差し込んだ。

 

「ン……んん……」

 

 ティナが睫毛を瞬かせ、苦しげにうめいた。大きく息を吸ったので、すかさず唾液を吸う。

 腰に添えていた手を上着の裾へ移動させる。裾のなかに差し入れ、腹をまさぐる。

 

「あはっ、ははっ…………肉をつままないでっ……」

 

 唇を離し、ティナの腹を露わにして肉の弾力を確かめる。こそばゆさに笑い声を上げるティナは、スポーツブラをたくし上げられて声を失った。とっさに両手で乳房を隠そうとするが、その左手を箒がつかんだ。

 

「さっき風呂で見た。今更隠すものでもなかろう」

「だって恥ずいし! お風呂とここじゃっ」

「ルームメイトは裸族かもしれんぞ……」

 

 箒は言って、はみ出している左の乳首を口に含んだ。初々しい薄桃色の乳首は、さきほどつまんだ肉とは感触が違った。

 

「んん……ぁう…………」

(結構大きいな……)

 

 大きな胸に顔を埋めたのは一度や二度ではない。母や伯母は胸がよく育った。姉もたわわに育っており、おそらく箒も同程度には膨らむだろう。しかし、ティナの膨らみは箒を超えている。

 

(アメリカ人はグラマラスというが……)

 

 箒は同じアメリカ人の知り合いを思い浮かべる。だらしない巨乳に触れるのは初めてだった。

 舌で転がし、唇に挟んで吸った。

 

「あうう……」ティナの息づかいが熱っぽい。

 

 硬くなった蕾を強く吸うと、上下していた色白の胸がピクンと跳ね上がった。右の乳首もさらけ出して吸ってみる。舌の動きに反応してピクピクと震えるのが、だんだん楽しくなってきた。

 十分ほど赤ん坊になったつもりで吸ってから、顔を上げると、ティナの表情が崩れきっていた。顔を近づけると、抵抗することなく唇を許していた。

 箒はジャージを下ろして、下着姿になる。下着も脱ぎ捨てて、秘所を指で弄ってみると、濡れていた。

 

(案外、濡れるもんだな……)

 

 手を離し、今度はティナの下着をスウェットごと脱がせる。

 

「ま、待ってっ、え、そこまで」

「……囲うってそういう意味だから……」

「だから時給二千円……!!」呟くティナに構わず、足に引っかかっていた下着を取り去った。

 

 ボディソープの匂いがした。鬱蒼とした茂みは髪と同じく金色だが、処理が不十分でだらしなさが垣間見える。

 

「ティナの……剃ってやろうか……」

「え、遠慮します……」

 

 ティナが顔を背けるが、背けた先に箒の陰毛があって固まった。箒の秘所は言うだけのことはあり、しっかりと手入れしてあった。

 

「だらしないな……」茂みを舌でかき分けると、抜けた陰毛が引っかかった。

「だらしないって言うなし……」

「ISスーツの股間がきわどいの、知ってるだろう……。はみ出る方がだらしないぞ……」

「ん……やだぁ……きたな、いっ……」

 

 箒はティナの膣周辺を舌でねぶりながら毛並みをたどった。ティナは毛深い体質らしく、肛門の周辺までびっしりと生えていた。

 箒は毛の感触を確かめ、鼻を茂みに押しつけた。中心部の少し硬くなった突起をつつく。

 

「はぅ……ンンンっ、……ふぁぁぁああぁああ」

 

 ティナの内股がきゅっと閉じようとする。構わず頭をずらし、顎で淫核(クリトリス)を押しつぶしながら舌で愛液をすくった。内部に差し入れる。よく濡れていて、舌を上下に動かせば襞の感触がよくわかった。

 

(舌の先っぽが締め付けられてるな……僅かだがイってるぞ……)

 

 今度は指を入れてみる。入り口はほぐれているが、中は狭く思えた。ねぶりながらゆっくり広げてみると、なんとなく処女のような気がしてくる。

 指を差し入れたまま、ティナの淫核(クリトリス)を擦る。

 

「ンンン…………やぁあ……あううう……」

(クロエは…………)

 

 一瞥すると、クロエがスカートをたくし上げて自慰に浸っていた。

 

(オカズにされている……)

 

 だが、ここでやめてしまうと、クロエが不完全燃焼になってしまう。しわ寄せは翌日ダリルが受け止めることになるだろう。

 

「ティナ……最後までするからな」今、ダリルの手を失うのはマズい。

「え、え、え!?」

 

 ティナの困惑をよそに、箒は覚悟を決めた。身体を起こして移動し、ティナの太ももを割って広げた。

 

「責任は取る。学園を卒業したら正社員確定だ」箒の表情は真剣だった。

「その言い方、いやらしっ」枕営業という言葉が思い浮かび、ティナが目を瞬かせる。

 

 箒は《天叢雲(あめのむらくも)》の起動キーを顕現させる。起動キーは透明の棒状になっており、親指ほどの長さだ。投影モニターを呼び出し、起動キーの触覚センサーを脳神経に接続する。

 《天叢雲(あめのむらくも)》を受け継いだ際、前任の搭乗者(パイロット)からISに搭載されたセンサーを直接、または遠隔で扱う方法を伝授されていた。

 起動キーは肉眼で捉えることができないため、投影モニターで位置を確かめながら根元をつかんだ。ヴヴッ、と感圧トラックパッドに触れたような反応が返ってくる。

 

「これも会社のためだ……」「言い方……ンンン!」

 

 起動キーをつかんだまま、先ほどまでねぶっていた秘所に押し当てる。潤いをまとわりつかせるよう前後に擦り、膣口の位置を確かめた。

「っ……あう……!!」

 

 ツルン、と直径1センチほどの起動キーが吸いこまれる。ティナは太ももを広げたまま、足指を折って力をこめていた。

 箒は腰を動かさないようにして、ティナの右足首を手に取った。靴下を取り去り、足指を顔まで持って行って口唇でくわえこんだ。

 

「んんん……はむぅ、はむぅ……」

「! ちょ、つま先、舐めんなあ……」ティナがうめく。

 

 指の股を割り、唾液を絡めていく。震える足首を手で固定しながら、顔を前後に揺すりながら足の親指に舌奉仕(フェラチオ)する。ドロドロと唾液が足首から太ももへとしたたり落ちていった。

 

「はむっ、こっちも……」「変態っ……箒の変態ぃ……」

 

 左の靴下を取り去り、両方の足首をぴたりと寄せる。左右の親指を同時にねぶった。

 

「ジュポッ、じゅぽっ、……はむむ……じゅぽっ、じゅぽっ……」

「うううう……」

 

 足指を愛撫され、ティナは涙目になりながら何度も身体を震わせる。箒は足指を丹念に舐め、唾液まみれにしながら舌奉仕を繰り返す。

 膣内の感覚は少しほぐれたようで、起動キーの形に吸い付いてくるのを実感した。

 箒は足裏を舐めながら腰を揺すり出す。ティナの体型からふわとろかと思いきや、ギュウギュウ締め付けてくる。起動キーを女体に入れたのは初めてだったが、脳神経でつながっている分、感触がダイレクトに伝わってきて刺激的だった。

 

「ティナ……大丈夫か、痛みとか」

「少し……」

「わかった。じっとしてる……」

 

 動かない間、存分にティナの足裏を舐める。舌を這わせるたびにビクビクと仰け反る姿が楽しい。息づかいや鼓動が膣壁の襞に伝わり、収縮を繰り返すのもまたよかった。

 奥へ、奥へと誘っているかのようで、箒は腰を動かしたくなる衝動を堪えつつ、足を舐めた。

 

「足ばっか舐めて……」

「飽きない……ずっと舐めていられるんだ……」

 

 自分の性癖を確かめるように口ずさむ。だんだん下半身がせつなくなってきて、箒はゆっくりと腰を動かし始めていた。

 内襞を摩擦(こ)すると、くちゅくちゅ、と淫らに響いた。

 箒とティナはしばし無言で下半身の感覚に集中する。指の出し入れに近く、痛みが少ないのかもしれない。箒は肉厚な身体の締め付けに酔いしれた。

 

「気持ちいい……」「あうううん……箒の、よくわかんないの、あんまし、痛くないかも……」

 

 ティナに体重を預け、だらしない胸に身体をあずけながら腰を振り続ける。ぐちゅぐちゅ、と淫猥(みだら)な音を奏でながら、箒の脳神経に直接快感が襲いかかった。

 

「すまん、限界だ……!」

「うんっ……ううう……!!」

 

 ぎゅーーっと互いに絶頂を味わいながら抱きしめ合った。

 余韻に浸りながら、互いの身体を離す。

 

「へへ……これからよろー」

「ああ、よろしく頼む」

 

 互いにはにかみあいながら、胸を上下させた。

 天井を見上げながら箒は心の中で顔を覆った。

 

(やってしまった…………!!)

 

 

 




次話、『織斑一夏と箒《4》』投稿まで少々お待ちください。
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