亡国機業は壊滅しました。 作:張三李四
「いいお湯だったねー、サウナもあるしー」
ティナがバスタオルを身体に巻いた姿のまま、自販機で牛乳を買った。脱衣ロッカーの前まで来ると、一緒に買ったコーヒー牛乳を箒とクロエに渡す。
箒はクロエの分のキャップを取ったあと、自分の分も取った。飲み終えた空き瓶をティナが回収した。
「今日は特に疲れた。普段使わない筋肉を使うと、私とてこたえる」
「あーー、まぁーねぇー」
ティナが戻ってきて、素知らぬ顔で相づちを打つ。箒とともにクロエが身体を拭くのを手伝い、髪をドライヤーで乾かす。
「それで、それで、寝間着はどうするの?」
ティナの問いかけに対し、箒はしたり顔で胸を張る。少しだけティナに張り合うつもりだったが、その実、バストはティナのほうが大きかった。
「長襦袢にした。私の予備だ」「
ごねるティナ。箒は彼女の手をとり、クロエの股間に触れさせた。
「…………おっきい…………」
「そういうことだ。ワンピースタイプの肌着に重ねるから凹凸が目立たないんだ。やり方を教えるから、やってみてくれ」
「うん、わかった☆」
ティナに着せ方を教えながら、着替え終える。床に就くまでは髪を下ろしたままにした。
「篠ノ之さん」
後ろから声をかけられ、振り向く。
「神楽か」
四十院神楽が立っていた。
「少し話がしたいんだけど、時間ある?」
「この場ではダメなのか?」
神楽が目を伏せ、首を振る。
「わかった。場所は?」「わたしの部屋はー? どうせ、一人で寂しかったし使ってよー」
「…………どうする?」
「そうします。……ええっと」
「ティナ・ハミルトン。ティナって呼んでよ☆」
↓
↓
↓
「神楽。話というのは?」
ティナの部屋で空いたベッドに腰掛けると、ティナがコップに水を入れて持ってきた。少し唇を濡らしてサイドテーブルに置く。
「篠ノ之さん。今日、剣道場を使ってたでしょ」
「ああ、一夏の稽古をつけていたんだ。先輩方やクロエも一緒だった」「わたしもいたー」
「匂いっていうのかな。戸を開けたとき、ちょっとね…………」
神楽が困ったように表情になった。
言いづらそうにしているのを見て、箒は内心で冷や汗をかいた。
(ちゃんと掃除をしたはず…………それに、男子の体臭は女子と違うから…………)
神楽はコップを唇に近づけ、水を含んでゆっくりと嚥下していく。
「換気もしていてほしかったなーって」
「換気?」
箒は振り返り、後ろで寝転がってスマートフォンで遊ぶティナを見つめた。
「誰も窓開けてなかったよ?」ティナはイヤホンを耳にはめた。
消臭スプレーを噴霧したので大丈夫だと安心していた。飛び散った液体を始末したが、残り香までは気に留めていなかった。
(残り香? 待てよ…………)
箒は重大な見落としをしているような気がした。
「すぐ窓を開けてごまかしたけど…………ねえ、織斑くんと」
神楽が再びコップを傾けて水を含む。
箒が顔を戻したとき、神楽が唇を重ねていた。
起こっている出来事を整理しようとするが、何度も目を瞬かせるばかりで頭が働かない。
唇の隙間をこじあけられて、含んでいた水を流し込まれた。飲み干すしかなかった。口の端から少し零したが、何とか飲み干す。ようやく神楽が顔を離した。
「神楽?」
神楽が熱っぽい瞳を向けている。その表情は箒が初めて目にするもので、なんとなく嫌な予感がした。
四十院神楽とは小学生からの古い知り合いだった。住んでいた場所や学校も異なっていたが、同じく剣道に取り組んでいて、選抜大会で何度も対戦したことがある。箒が負けたのは小学校の頃で、指を折って数えるほどでしかなかった。
「…………織斑くんと同じ部屋なんでしょ」
(あるいは、一夏を狙っているとか? 神楽はこんな直接的な手を下すような性格ではないはず…………)
箒は手の甲で唇を拭った。
「…………織斑くんと本当に、ただの幼なじみ? それとも、だった?」
箒はどう答えていいものか、思案する。だが、その沈黙を神楽は答えとして受け取っていた。
「神前でそういこうとは………………」
体重を預けられてベッドに沈んでいた。
ギシリ、と音がして、ティナがイヤホンを耳から外して左右を見渡した。覆いかぶさられて唇を奪われる箒を見て、「え、え、え?」と困惑する。
「やめろ。こういうことは好きな人としろ」
箒は神楽を引き剥がそうと力をこめる。だが、神楽の力のほうが勝った。浴衣がはだけて箒のよく鍛えられたしなやかな脚や、ブラジャーで覆っていた乳房が露わになる。
「篠ノ之さんを見ているとドキドキするの」
「錯覚だ。身体の火照りを、恋だと勘違いしているだけだ」
身をよじって神楽の手から逃れようとした。
神楽が腰を折って唇を重ねる。はだけた場所から神楽の手が入り、ショーツの中へと乱暴に指を滑りこませてきた。
(あっ…………)
箒は身を固くした。犯されたときの記憶が甦り、抵抗しても構わず蹂躙される、と感じた瞬間、思うように身体が動かせなくなっていた。
「こんなこと、しちゃいけないって、わかっている。でも、しなきゃいけないって、興奮しているの。篠ノ之さんの残り香のせい」
「神楽、よせ…………よしてくれ」
「…………大きく開いて見せて…………」
ショーツを奪い取られ、箒は抵抗することなく、両脚を大股開きにしていた。
(嫌なのに…………)
「えっと、えっと、えっと、四十院さんっ、箒が嫌がってる!」
ティナが神楽の肩を揺すった。揺すられてなお、神楽は止めない。陰唇を指で弄って濡れ始めたのを確かめ、躊躇なく膣へと指を滑りこませた。
「すんなり入っちゃったよ。処女じゃなかったんだ…………」
「箒もされるがままじゃ、ダメだって」
箒はようやく頭が回り始めて思いあたった。神楽の異常行動は 《あけましておめでとう!!!》の強制発情によるものだ。おそらく敏感な体質なのだろう。剣道場内に滞留していた気体を吸入したことで、発情し、継続しているに違いない。
ティナが後ろから神楽を離そうとしている。少し隙間が生じ、すかさず箒は転がって逃げる。
「邪魔しないで! いいところだったのに! だったら、あなたで…………」
「ほ、箒! 助けてっ」
ティナが神楽に抱きつかれた。スウェットパンツをずり下ろされたが、そのまま這って逃げようとする。神楽が豊満な尻をつかみ、尻肉の間に顔を埋め、なりふり構わず膣口目がけて下を伸ばしてきた。
ティナが脚をばたつかせるが、無理矢理尻を引き寄せられる。乱暴に舌で舐められ、嫌がりながら助けを求め続けた。
(確か…………!!)
箒はベッド下からティナに預けてあった紙袋を引き出す。医療用ローションをベッドに叩きつけるように置いてから、神楽のズボンを一気に引っぱった。
(《あけましておめでとう!!!》の効果は、敏感な者なら少量で何時間も続く。へたすれば翌朝まで発情し続けるだろう。一度発情してしまったら満足するまで止まらない)
箒はありったけのローションを手にとり、神楽の秘所に塗りたくった。
「ぁん…………冷たっ…………」
《
「神楽、すまないっ!! 責任は取るから!!」
ローションを目印に腰を近づけ、無理矢理起動キーを埋めていった。
「し、篠ノ之さぁん…………うううううぅううううう…………ふううう、ふううう………………」
入口のあたりはヌルッとした感じだ。もっと奥に進めるとメリメリメリ、という感触があった。
「うそっ、え? 篠ノ之さんっ? え、なんでっ、え!? なんで、なんで、なんで」
膣の痛みで我に返ったようだ。
「ごめんっごめんっ、神楽っ」
箒が腰を引く。起動キーの周囲に少量の赤い血がまとわりついていた。
(痛みを、痛みを和らげなければ…………)
起動キーに慣性を与えて回転させる。
「ひいぃいいっ」
「すぐに痛みがないようにするから、本当に申し訳ないことをしてしまった…………うううう」
慚愧の念を感じながらも腰を動かしてしまっていた。さらに肉襞のなかで回転する起動キーは微弱な電流を発しており、微細な振動が膣肉の緊張をほぐしていった。
「神楽、神楽、すまない、すまないっ…………」
だが、謝りながらも、箒の脳神経には起動キーから得られた感触が直接伝わってきていた。
(気持ちいい…………)
鍛えられた筋肉は柔軟で良く締まっていた。一夏の尻肉のなかは肉襞がなかったが、女である神楽の締め付けと襞の刺激がある。背徳感を否定しつつもずっと享受したくもあった。
箒はティナを呼んだ。
「ど、どうしよう…………」
ティナが不安げな目で見てきた。
「神楽が暴れないように押さえてくれ」「何する気?」
「あぅうう…………うううう、苦しいっ…………」
箒は起動キーを媒介し、膣内で電気を発生させた。
その瞬間、全身の筋肉が収縮して凄まじい締め付けが生じる。そして、弛緩した隙に腰を引いて抜きとった。
神楽は気絶しており、介抱してベッドに寝かしつける。
掃除をしながら箒とティナはお互いに思っていることを口にした。
「最初から電気で気絶させれば良かったんじゃ?」
「…………あぁ、確かに」
箒は頭を抱えながら、目覚めた神楽をどう説得しようか、罪悪感と戦いながら考えをまとめていった。
次話、『織斑一夏の箒《8》』投稿まで少々お待ちください。