※この作品はR-18です。

亡国機業は壊滅しました。   作:張三李四

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ミューゼル一味《2》【オータム】

「シギュンのやつ、死にやがった」

 

 巻紙礼子(オータム)は仲間の死に対して淡泊な感想を漏らした。

 胸に、これは助からないな、と思うほどの大穴が空いている。即死を免れ十数分息があっただけ、幸運と言えるだろう。離れに突入した他の亡国機業構成員たちのほとんどが事切れている。いずれも対IS戦に特化した専門家たちであり、育成にかけた年月を思えば、壊滅的打撃を被ったに違いなかった。

 

「逃げるべき、だよな」

 

 しかし、全裸では逃げるのに支障を来す。衣服を探そうと周囲を見渡し、彼女はとんでもない光景を目撃してしまった。

 

「マジかよ……」

 

 《UNK(アンノウン)》がシギュンの死体を犯し始めたのだ。真性サディストを標榜する巻紙礼子(オータム)ですら、性癖の限度を超えた光景に吐き気を催した。

 蜘蛛(アラクネ)がしきりに「IS反応あり」、と警告を発している。服の回収に向かおうとしたとき、巻紙礼子(オータム)は「チ、チ、チ」という舌打ちに気づいて、その方角を振り向いた。

 

「お前えええっ!!!」

 

 クロエ・クロニクルである。両瞳を見開いて《越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)》を発動させており、巻紙礼子(オータム)が拳を構えたときには懐に入られていた。

 

「グガアァ!!」

 

 突き飛ばされ、地面に押し倒される。

 クロエは全盲とは思えない動きで肩を極め、「フッ!」と気勢を吐いた瞬間を肩を外す。

 

「…………グッ……ウウウウウウッッッ!!」

 

 巻紙礼子(オータム)が肩を押さえて転げ回った。

 クロエは追撃の手を緩めない。体重移動と同時に軽く持ち上げた膝を鋭く下へ降ろす。巻紙礼子(オータム)の腹部に踵がめり込み、彼女は片手で腹を押さえながらくの字になり、空気を求めて嘔吐(えず)いた。

 

「チ、チ、チ」クロエは舌打つ。

 

 二つの音を捉えた。なりふり構わず逃走する者、仲間を助けるべく反撃に移る者が発する鼓動だ。

 

「今たすけ…………!?」

 

 スコール・ミューゼルが金髪をたなびかせ、陶器の灰皿を投擲しようと持ち上げる。

 だが、クロエにとっては遅すぎる動きだ。

 《越界の瞳(ヴェーダン・オージェ)》施術以前、クロエはドイツ連邦軍(Bundeswehr)の戦力基盤軍(SKB)に籍を置いていた。特殊作戦と電子戦を戦技とし、あ(・)の(・)ラ(・)ウ(・)ラ(・)・(・)ボ(・)ー(・)デ(・)ヴ(・)ィ(・)ッ(・)ヒ(・)と同じく特殊訓練を受けている。

 特殊訓練により、どのように身体を、筋肉を動かすべきか精緻に理解した。鍛錬された動作に対して、どのように動いて、どのように壊すか。必要な知識は頭にたたき込んでいる。

 そして、篠ノ之束が手許に置き、可愛がっていたのは、クロエ・クロニクルに利用価値があったからだ。

 《越界の瞳(ヴェーダン・オージェ)》の副産物。聴覚と触覚において、鋭敏な感覚は超然とし、音波の反響を捉えた。ソナー(SONAR)と呼べるものであり、虚を突かれたスコールが反応するには、あまりにも動き出しが速すぎた。

 クロエは、スコール・ミューゼルへと低い姿勢のまま走り出す。

 畳に立ててあった水のペットボトルを掴むと、飛び跳ね、身体を回し、遠心力で威力を倍加させたまま、スコールの頭部を痛打した。

 

「ック…………」

 

 よろめいた金髪の女を、すかさず押し倒す。彼女の股を腕力で押し開き、持っていたペットボトルを膣口に押しこんだ。さらに脚を使って埋没させてしまった。

 

「アァアアアアア!!!」スコールが叫ぶ。

 

 つい先ほどまで篠ノ之束への陵辱し、愉しみのあまり興奮を覚えていた。濡れてはいたが、突然の異物挿入に、激痛に襲われて股間を押さえてうずくまった。

 顔を殴り、腹を蹴る。クロエは表情を変えることなくスコールへの暴力を止めない。首に手を掛け、親指を立てながら締め付ける。

 

「ダリル! 戻って!!」女医が室外へと逃げたであろう、スコールの姪を呼び戻す。が、足音は遠のくばかり。

 女医が、誰を最優先に救助すべきか、一瞬の逡巡をしたとき、トントントン、と軽く紙をたたいたような音がした。

 先ほど、亡国機業構成員の生命を奪ったもの。

 音に気づいたのはクロエも同じで、スコールの首を締め付けていた手を緩める。

 

(あれは、こちらを、わたしを攻撃してこない、……)

 

 束が見つけたソリッドⅣの特性、その一端。数多のISコアと同じく、非常に選り好みをするという点だ。選別対象が何であるか、束はクロエには教えこそしなかったが、不思議と理解でき(わか)る。

 

(わたしは、すべきこと(逆襲/復讐)、を、する、……)

 

 篠ノ之束はある精神疾患を抱えていた。精神医学におけるソシオパス、反社会性パーソナリティ障害と呼ばれる疾患だ。ISを用い社会秩序の破壊をもたらし、自己利益のためには身内や友人をも騙す。自らのしでかしたことに良心の呵責はなく、責任感も何ら有していない。

 クロエ・クロニクルは篠ノ之束に感化され、その出自から、目的達成のため機械になりきることができた。

 彼女たちを殺害することは、クロエにとって、あまりにも簡単だ。

 

(もっと……、償いを、……させなければ……)

 

 もしも自分が篠ノ之束ならこうするだろう、ということ。目には目を、歯には歯を、陵(・)辱(・)に(・)は(・)陵(・)辱(・)を(・)。

 

 ゾクリ、とクロエの背筋が震えた。

 

 忌むべき股間の一物が屹立する。クロエ自身、頭に血が上っている感覚はあるが、何より覚えたばかりのセックスをしたくてたまらなかった。《A・HAPPY・NEW・YEAR!(あけましておめでとう!)》の効果が持続しており、身体の準備が整っていた。

 立ち上がって、先ほど痛めつけた巻紙礼子(オータム)を見下ろす。嘔吐した口を拭って、恋人(スコール)の元へと這っている。

 唯一銃撃可能な女医は、彼女のなかの順序にしたがって篠ノ之束を優先しているようだ。ダリル・ケイシーは、伸びた紐からして恐らく死亡したに違いない。

 

「…………手前ッ…………」

 

 巻紙礼子(オータム)が頬を腫らして毒づく。見上げた金色の瞳は無機質で機械的に映った。ただ、先ほどとの違いは「表情」だ。

 

「どうしても、我慢ができない……」

「はァ?」

 

 クロエが座って告げ、巻紙礼子(オータム)を腰を掴んだ。

 反撃したときとの雰囲気の変化、クロエの意図に気づいて抵抗の意思を示した。

 

「おいおいおいおい……、止せ、止せ!」

「…………っ…………ふっ…………、ううううふぅぅぅ……っ……」

 

 クロエは巻紙礼子(オータム)の淫核(クリトリス)に亀頭をこすりつけながら、一物をしごきだした。

 残弾は大量にある。発情しきった一物の震えを我慢する必要はなかった。

 

「止せ、止せ、ヨセェェエエエエエエ!!!」

「い、イク、イク…………ぁあぁぁぁぁ……」

 

 大量の精液が恥骨にまき散らされる。硬いままの亀頭で、剃毛のおかげで露わとなった淫核(クリトリス)に精液を絡めていく。膣から分泌液がトロトロ漏れ出し、滑りが良くなったのを確かめたクロエは、下付きの膣口めがけてゆっくり前に腰を進めた。

 

「ウァアアア…………」

 

 喘ぎとも言えぬ嘆きめいた声が響く。幹を奥へと突き進めると、締め付けこそ緩いが、ふわりと包み込まれる感覚があった。

 

「これ、いい……」

「抜け、抜けえぇエエエエ、早く終わらせて、抜けヨッ!!」

 

 クロエは規則正しく息を吐きながら、正常位のまま腰を前後に揺らした。

 巻紙礼子(オータム)は膣奥を突かれて、子宮口を揺らされた。股間を密着させ、恥骨同士を擦りつけるくらいの冷静さを取り戻していた。男はセックスのときに無防備になる。犯されているときこそ、生還する最大のチャンスだ。クロエは両方ついているが、今は肉棒の快楽で頭がいっぱいのはず。

 

「けっ、気持ちよくねえぞ」

 

 視界の端にスコールの姿を捉える。少しでも長く、クロエに犯され、貴重な時間を稼ぐ。恋人(スコール)が回復し、撤退する時間を生み出さねばならない。

 

「もっと、腰を使えよ。このヘタクソが!!」

「…………そう、だったら……」

 

 クロエが一物を引き抜き、巻紙礼子(オータム)を四つん這いにする。姿勢を変えるとき、外れた腕から激痛が走ったのか、彼女(オータム)が呻いた。

 

「…………お尻を高く、……」クロエが屈んで耳許で囁く。

 

 髪を掴まれては従わざるを得ない。巻紙礼子(オータム)は少し迷ってから、ゆっくりと尻を突き出す。

 

「クソッ…………くそぉ……」

 

 服従を示す犬の姿勢。彼女(オータム)は毒づきながが一縷の希望にしがみつき、クロエの囁きに従う。

 クロエは膝を突いて股間を進め、精液と愛液にまみれた一物を後ろから膣口にあてがった。

 

「ァ、やめ…………んんんぅううぅぅぅ……!!」

 

 巻紙礼子(オータム)の声音が変わり、喘ぎながら尻をくねらせた。

 亀頭がズブズブ……と埋没する。膣口の蕩けるような、激しい締め付けがたまらなく快感だった。正常位のときとはまったく別物となった肉襞の摩擦に、クロエは暗い感情を募らせる。

 

(蜘蛛を、彼(・)女(・)を(・)孕(・)ま(・)せ(・)た(・)ら(・)、束様は、褒めてくれる、……はず……)

 

 

 

 

 

 




次話、『ミューゼル一味《3》』投稿まで少々お待ちください。

《お知らせ》※12月7日追記※
肩から指までサポーターを付けた状態で執筆することになったため、1話あたりの文字数が減少します。
その分『ミューゼル一味』以降の話数が増加します。
ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
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