※この作品はR-18です。

【呪術×結界】成長した利守が呪術高専に入学する話   作:駒由李

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京都姉妹校交流会編最後らへん 利守が襲撃してきた呪霊・呪詛師らについて考察した話
▼あの生徒たちが集まってた建物、なんて言うんですかね とりあえず多目的小屋ってことにしました
▼利守はどっちかっていうと頭脳派だとは思うんですが末っ子ゆえ抜けてるといいなって思います たとえば良守みたいなタイプが傍にいると割としっかりするけど他にしっかりしているのがいると抜けるみたいな
pixivより転載


【呪術×結界】僕、なんかやっちゃいました?

 ただの交流会だと思ったら交流戦だった。

 交流戦だと思ったら虎杖の命が狙われた。

 虎杖の命が狙われたと思ったら帳が下りて、呪霊や呪詛師に襲われた。

「散々すぎるでしょ……」

「墨村もお疲れ」

「有難う虎杖……」

 ぐったりと床に座り込む。ソファや椅子は先輩たちや女子が使っているが、立っているのもまだ辛い。なので自身は壁に凭れて床に座り込んでいた。階段に座っている人たちもいるから特に咎められない。「あ~」と唸っていると、京都校の長髪の女子が声をかけてくる。

「あの……大丈夫ですか」

「あ~~大丈夫っちゃ大丈夫です。ちょっと結界を張りすぎて疲れただけで……」

「君は私たちを守ってくれたからな。しかし結界術というのはあのような術式だったかな?」

 声をかけてきたのは、確か加茂とかいう人だ。狗巻と一緒にいた僕が呪霊に襲われて逃げた先で、偶々合流したのが恵と交戦中だったこの人だ。その後4人で逃げながら戦い、僕は結界を張りまくった。恐らく加茂が言いたいのは僕があの呪霊に最初にぶつけた一撃のことだろう。壁に凭れたまま答える。

「あれは僕が改造した術式です。本来は箱状にして使う術式ですが、思いつきで刃物レベルの板状に研ぎ澄ませたら面白いんじゃないかなって。まぁあの呪霊には普通に叶いませんでしたけどね! 黒鍵も刺さりにくかったし。あれ絶対特級でしょ」

「格が違ったんでしょ」

「ぐぬぬ、事実だから否定できない……真希先輩の妹さんきつい……」

「おいおい、ウチの後輩いじめんなよ真依」

「うっさい黙れ」

「と言うか、本当何だったんでしょうね。今日のあの襲撃は」

 僕が切欠でにわかに喧嘩に発展しそうになった空気を、恵が無理矢理収めにかかった。有難い。そう思いながら僕はふと思索する。

「確実に何かが目的だったと思うな、僕は」

「まぁ、あんなのが無目的に、わざわざ交流会の日に合わせて襲撃してきたっていうのは考えにくいわね」

 釘崎が肯くのが視界の隅に見えた。それを尻目に、僕は半ばひとりごちる。

「そう、『わざわざ』、交流会の日に来た。何のために? 今日襲撃に来るメリットは、高専の意識が生徒たちに向くことだと思う」

 顎に手を添えた。

「それも姉妹校の生徒まで来ている大所帯で、さらに敷地内と言えど広範囲でバラバラに生徒たちが動いてて保護がしにくい。たぶん交流会をするにあたって僕たちを見るための術式……恐らく動物かなにか……僕たちが呪霊と誤って潰さないようなものだな。そういうのの視野を共有したなにかで見てたと思うけどそれでも森の中だから限界がある。それでも高専は生徒の保護を優先する。子どもは守るもんだからね。で、先生たちが駆けつけた先であの帳。なんだっけ、『五条先生だけが入れない帳』だったんだっけ? 作為的にも程がある。何が作為的って、今回襲ってきた呪霊や呪詛師は、ぶっちゃけ1級呪術師以下だと苦戦して、特級呪術師だとあっさり片がつく。そんな絶妙なバランスの強さだった。そこで考えると、僕は今回の襲撃は『五条先生の行動を制限する』のが目的だったんじゃないかと思うな」

 頭を掻く。

「五条先生が動けないとどうなるか。特級呪霊が倒せない。人を守れない。そういう事態だね。で、今回は先生は帳の前から動けなかった。何せ帳が解けた瞬間にもう空の上にいたからねあの人。ずっと上にいたんだろうね。と考えると、どこが無防備になる? ――高専の校舎だ。校舎には何がある? やばい呪物や呪具がいっぱいあるね。天元様は『隠す』ことに特化しているらしいけど、何でも万能なんてものはない。何かしら隙はあるでしょ。校舎に何かしらを盗みに入り込んだのが、五条先生には敵わなくても1級呪術師以下なら楽に倒せる呪霊や呪詛師だったとしたら? ――校舎にいた別働隊の話は伝わってこないよね。どうしたんだろうね」

 一旦息を吐いた。

「もしそういうことがあったとして、こっち――生徒側に騒ぎが伝わって来ないのは、そういう騒ぎがなかったか。あるいは意図的に箝口令を敷いているか。仮に後者で、そして校舎への侵入が為されていた場合、目的はやばい呪物の窃盗ぐらいしか思いつかないね。で、1級や2級程度の呪物なら、盗まれたって騒いでもまぁ問題はないと思う。やばいのは特級呪物の盗難。これは騒ぎが漏れたらやばいことになる。そして恐らく『今』1番やばいのは両面宿儺の指とか……うん、まずいね。とにかく、僕たちへの襲撃は五条先生の動きを縫い止めるための餌に過ぎなかったっていうのが結論かな。そして恐らく、仮に何かしら問題があったとしても、僕たちに知らされなかった場合は本当に何もなかったか相当やばい事態が起きている場合……あれ?」

 ふと顔を上げる。やけに静かだったからだ。呪術師になるのは元々口数の多い人たちではないだろうが。

 気が付くと、家屋の中にいる皆がこちらを見ていた。

 僕が目を瞬いていると、ゴリrもとい東堂が言った。

「墨村と言ったな、確か」

「はぁ」

「お前、女の好みもそうだが、面白い奴だな」

「はぁ……?」

「利守」

 パンダに呼ばれる。そちらを向くと、顔色はわからないがなんとなく青ざめているような雰囲気のパンダが言った。

「お前、今みたいな考え、余所で早々口にするんじゃないぞ」

「異議なし」

「えっなんで? えっ、僕なんか変なこと言いました?」

「自覚がないのかよ……」

「利守……お前末っ子って聴いたが、守られて育ってきたんだな……」

 真希や釘崎、恵。その他京都校の人々にまで肯かれ、僕は訳も分からず「えぇ~?」と、直後夜蛾たちが来るまで唸っていた。

 その後五条の口から別働隊の術師が数名殺されたことがきちんと伝えられたので意外には思ったが、「なぜ殺されたか」については濁されたので「校舎に特級呪物狙いの窃盗が入ったんじゃないの」疑惑は晴れないままに終わったので僕のもやもやは晴れないまま甲子園を迎えることになる。

 

 

 

 

 

了

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