【呪術×結界】成長した利守が呪術高専に入学する話 作:駒由李
pixivより転載
枕に顔を埋める。
「……っん」
「利守……」
枕を抱き締めながら、襲い来る快感を吐息で逃す。僕に覆い被さっている恵は、僕のナカに彼自身を挿入していた。後背位である。ぎしぎしとベッドが軋んだ。
さて、表向きは友人付き合いをしている恵だが、体の付き合いは3か月ほど前から続いている。恋人としての関係は1か月ほど前からだ。男子高校生ゆえに性欲が先走った。体の相性が良かったから付き合いはじめたと言っても過言ではない。僕個人の意見として、セックスはコミュニケーションだ。だから具合が良かったから恋愛関係に発展したと言うのも個人的にはありだと思っている。さて、恵がどういう意見かは今のところわからないが、彼から「ちゃんと付き合いたい」と言われたから少なくともセックスが関わっている。
そんな恵は、僕の腰を掴んで打ち付けている。彼より図体の大きい僕がネコをやっているのは、偏に最初に覆い被さって来たのが恵だったからだ。そのままの流れで今なお僕はネコのままだ。恵が相手ならば構わないと思っている。最初はやや失敗に終わったが、回数を重ねるごとに恵の技術も向上した。やればできる男だ。今夜は後背位に挑戦したいと言われたので、こうして僕は枕をハグすることになっていた。
……この体位自体に文句はないのだけど。
「――あっ、恵、出る」
そんなことを考えながらも体は性欲に正直だ。押し寄せて来た悦楽の波に、僕自身は限界だった。びくびくと体を震えさせる僕の腰に、恵は軽く叩く。
「いいよ、イけ。……俺もそろそろ限界だ」
「あっ、あっ!」
「――っ」
恵に最奥を突かれ、僕は腰を撓める。そしてベッドに精を吐き出し、僕のナカに恵も白濁を放った。
……息切れののち、僕はふと思い出したことを言う。
「恵……ゴムつけてって言ったじゃん」
「あ、悪い、忘れた」
「もう……お風呂で掻き出すの大変なんだからね。はぁ……甘いものあったかな」
なおここは僕の部屋である。恵の部屋は時に虎杖が突撃してくることもあるので、遊びに行くときは僕から恵の部屋を訪ねるが、「こういうとき」は僕の部屋だった。ゴムも僕の部屋にある。サイドボードの抽斗だ。僕はそれの入っている抽斗より下のそれを引っ張り出した。
お菓子である。僕は無造作に袋を引っ張り出した。それは飴だった。個包装のひとつを取り出して破き、口に放る。ベッドに俯せに転がったままそうしていた僕を、恵がひっくり返した。
「なに?」
「それ、何味だ」
「えーとね」
答える前に、覆い被さられる。口の中に舌が這入りこんできた。
大人しく受け入れていた僕から唇を離した恵は、
「サイダー味か」
というのみだった。
「他にも言うことあるでしょ……」
「なんで飴があったんだ」
「もうすぐハロウィンだからね。五条先生好きそうじゃん、そう言うイベント。そして嬉々として悪戯してきそうじゃん」
「なるほど。俺も買っておくか」
恵は体を起こすと、まだ飴を舐めていた僕に手を差し出す。
「ん?」
「腰立たないんだろ。いつもならさっさと風呂に行くのに。手を貸すから」
「……有難う」
僕は僕の腰を傷めさせた犯人の手を取った。その手は事後のためか、熱いほどに温かかった。
それが10月最後の土曜日だった。
……ふと、目を覚ます。
夜だった。どこかの廃工場で、焚火を炊いていた。向こうでは虎杖が眠っており、焚火の前には真希がいた。
「お、利守起きたか。交代だな」
「……はい」
僕はそこに恵がいないことに気付き、そして眠気の靄が晴れる。
恵はいないのだ。宿儺に乗っ取られて。
僕はその事実に内心で打ちのめされながら、「真希先輩は寝てくださいね」と口では平静を装った。僕の顔をじっと見ていた真希は、「ありがとな」とだけ答えて寝転がった。
あとには、僕ひとり。床から、じわりじわりと冷えが伝わって来た。
了