※この作品はR-18です。

【呪術×結界】成長した利守が呪術高専に入学する話   作:駒由李

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呪術最終巻で伏にょ利 宿儺との決戦後、目を覚ました伏黒が見たのは
▼最後本当にどうしようかと思ったんだけど、二次創作なんだからこういう捏造もありだよな! ってことでこうなりました 来栖さんには強く生きて欲しいです
pixivより転載


【腐術×結界腐】愛おしさが有り余ったので

 夢を見た気がする。けれど、それは微睡の中で消えた。

 

 伏黒がベッドから体を起こすと、そこはどうやら寮の自室ではないようだった。内装が豪華だ。呪術高専の中であろうことは察しがついた。日が差し込む。恐らく朝ではなく昼は過ぎているだろうことも察しがついた。

 ──自分は、随分と眠っていたようだ。

 それは暗喩であり直喩だった。

 宿儺に身体を乗っ取られ、姉をこの手で殺し、沈められた魂。それでもなお沈み切らなかったのは、利守の生存を信じていたからだ。

 その利守は、なんと傍にいた。

 伏黒が視線をやった先。彼の横たわっていたベッドの枕元のすぐそば。そこに置かれた椅子に、制服姿の利守は座っていた。こっくりこっくり、舟を漕いでいる。その目元に隈が見え、伏黒は居た堪れなくなる。

 ──彼女は、いつからここにいるのだろう。

 すぅ、すぅ、と健やかな寝息が、しかし不安定な姿勢で繰り返される。ゆらゆらと身体が揺れる。伏黒は、しばし彼女を見つめた。

(生きていてくれて、よかった)

 新宿にて、彼女もまた戦闘に参加していたはずだ。そのときのことを具体的に憶えていないということは、宿儺に接敵したわけではないだろう。恐らく皆がわかっていた。墨村利守と言う少女を宿儺が──ひいては伏黒が殺せば、伏黒は2度と立ち直れない。しかし結界術という戦力は惜しい。ゆえに後方支援をしていたのだろうと伏黒は考える。実際のところそれは半ば真実で、半ば間違いだった。利守は確かに空間支配能力で全体像を把握する後方支援で、結界術で足場を作っていた。しかし、彼女は最終兵器だった。どうしようもなくなったときは──彼女の出力の関係上、宿儺に抱きつく形で真界を発動することになっていた。そのとき彼女の命はないだろうと、皆も、利守自身ですら承知の上だった。

 そのことは、少なくとも寝起きの伏黒は知らない。

 伏黒は、利守の顔に手を伸ばす。頬に触れると、温かかった。それに一層安堵する。する、と撫でる。まろい頬の線。

 伏黒は、利守の顔に唇を寄せ──

「……なんだ、起きてたのか」

「……今、何したの」

 真っ赤な顔をした利守から、唇を離した。刹那の口づけだった。

 伏黒は彼女の頬を撫でたまま笑う。

「なにも」

「嘘吐け! ばか!」

 利守は両手を振り上げる。伏黒は思わず防御の姿勢を取った。

 その彼に、利守は抱きつく。

 思ったより強い力に伏黒は呻き声を上げそうになるが、すすり泣く声が聞こえてきたのでその声を何とか引っ込める。

「……起きてくれてよかった。本当に、よかった」

 涙声のそれに、伏黒は一瞬どうしていいかわからなかった。

 ただ、不器用に彼女の背中を撫でる。漏れる嗚咽。静かな部屋でしばし響くそれ。

「悪かった」

 伏黒はぽつりと呟いた。

「お前を殺さずに済んで、本当によかった」

「──……」

 利守は、言葉もない。ただ、抱き締める力をより一層強くした。

 ──しばしの静寂ののち、伏黒は再び言った。

「前にお前、俺に言ってくれたよな。『お前は幸せになっていい』って」

 彼は、言った。

「『お前の幸せを望む人間がここにいる』って」

「……」

「なぁ、利守」

 伏黒は、彼女の耳元で囁いた。

「お前と2人なら、幸せになれると思うんだ」

 利守は、小さく「……僕も」と呟いた。

 

「式はいつにしますか?」

「あ、すまん。そっちは予約入ってる。でも右腕になるのは本当だから」

「思わせぶりなこと言いやがってェ!」

「(甘んじて殴られる)」

 

 

 

 

 

了

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