※この作品はR-18です。

【呪術×結界】成長した利守が呪術高専に入学する話   作:駒由李

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渋谷事変if。飽くまでifです。もし高専利守がいる世界観で、渋谷事変にある人物が巻き込まれてたら
▼こいつがいると話が終わっちゃうので本編書くことがあったらこいつは抜きです 利守の活躍場面がねぇ
▼ここで出て来るオリキャラ先輩は利守に黒鍵の扱い方を教えてくれた先輩です 渋谷事変では一緒に行動してます
pixivからの転載


【呪術×結界】もう全部あいつひとりでいいんじゃないかな

 恐ろしく大きな声で、上空から恐ろしい事実が告げられた。

「五条先生があっ封印されたんだけどー!!」

 その瞬間、一緒に行動していた先輩と感じた恐怖は計り知れない。

 そこからはもうわやくちゃだ。呪霊は蔓延っているし、一般人を襲うし、一般人は帳のせいで逃げられない。だから片端から呪霊を潰して走るしかない。先輩はずっとメインウェポンの刀を振るっているし、自分はつい3ヶ月ほど前に会得した黒鍵を突き刺しまくっている。あとは平らに研ぎ澄ました結界術で呪霊を切り刻んだり。しかし、それでも絶望的に多い敵――そして、ふと埒もないことを考えてしまう。思わずそれが口を突いて出た。

「こんなとき、良兄だったら……!」

 良守は現在東京の大学に通っている。建築学科に入って、未来の建築士を目指している。そう、彼は一般人として道を歩んでいた。そんな人を巻き込むわけにはいかないとわかっていつつも、つい愚痴ってしまう。「墨村?! 大丈夫?!」と先輩が声をかけてくれるが正直な話それどころではない。あぁ、本当にここに良兄がいたら――

「呼んだか?」

「は?」

 頭上から声が降ってくる。それと同時に、何かが猫のようにしなやかに地上に――正確にはポストの上に降り立った。

 途端、大きな結界が張り巡らされる。とても、とても大きな結界だ。人も呪霊も構わずに覆い尽くしている。

 それを、「彼」は苦もなく言った。

「滅」

『ギャアッ!!』

 潰れたのは、呪霊のみだった。人間は完全な無傷だ。「なに? 今なんかあった?」ときょろきょろしている人たちはいるが、今の異常事態にそれもすぐに忘れられたようだ。先輩が刀を抜いたままぽかんとしている。そして口を開いた。

「あの、どなたです……? 呪術師の方ですか」

「いや、結界師。元、ってところだけど。あんたも利守も無事か?」

「――良兄?!」

 白い丸首Tシャツに紺のスマートパーカーを羽織ったブルージーンズの青年――墨村良守その人が立っていた。なぜか片手に紙袋を携えて。紙袋にはどこかのブランドのロゴが入っていた。自身は、そんな良守を見て、つい言葉が口を突いて出た。

「良兄!? なんでよりにもよって、今日こんな日に限って渋谷にいるの!? 渋谷のハロウィンでコスプレって言うガラでもないでしょ!?」

「俺もそう思ってるんだけどさ、時音に今年の渋谷ハロウィンでバーゲンセールで買ってきて欲しいものがあるって言われてさ、買って送ろうと思ったんだけど……なんかそれどころじゃねぇよな?」

 そう言って、良守は辺りを見渡す。蔓延る呪霊、逃げ惑う人々。黒い帳。それらを眺めて、良守は言う。

「なんかあの暗幕みたいな結界、全然壊せないしさ。時音ならすり抜けできるんだろうけど俺いまだにそういうの得意じゃないからさぁ」

 言いながら、呪霊を1体滅する。そして良守は言った。

「とりあえず、片端から妖や幽霊じゃなくて呪霊……だっけ? それ潰していけばいつかは敵の本丸に辿り着くよな?」

 そう言って、紙袋を片手にポストから降り立った。

 その背中は、先輩よりも大柄だが自身が背丈を追い越して久しい。しかし、それでも自身にも大きく見えた。

 彼は笑んだ。

「行くぞ。0時までには家に帰りたいんだ」

 そう言って、良守は自分たちを先導し、呪霊たちの群れへと駆けていった。慌てて「お兄さん部外者でしょ!? 止めないと!」と先輩が言うが、自身は既にそう遠くない未来に想いを馳せた。

 敵陣、終わったな、と。

 

 ――その晩、見事に人をすべて避けて呪霊のみを潰すひとりの「最強」の結界師が現れた。

 

 

 

 

 

了

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