いちごの自由研究を手伝ってほしいとのことで蘭はいちごとあおいの部屋に呼び出されていた。
「それで今回の自由研究は催眠術か」
蘭は眉をひそめる。確かに普段やらないようなことを課題に据えるようにと言われていたが、いちごの突拍子もない行動に首を傾げざるをえなかった。
「できるのか?」
「やってみなくちゃわからないじゃない」
いちごは手をグーに掲げて蘭へ抗議する。
「まあ、何事もやってみないことには始まらないしな」
いちごは人差し指を蘭へ向けて言い放つ。
「なので、蘭へ催眠術をかけたいと思います」
「あおいじゃダメなのか」
あおいは首を横に振る。
「私じゃダメみたい」
「ということは既に試したのか」
「うん」
あおいはうなずく。
「うーん、仕方ないな。今回だけだぞ」
蘭はため息をつきつつも友達として頼られることに悪い気はしないので引き受けることにした。
いちごは「催眠術のかけ方」書かれた本と顔を付き合わせながら、蘭と机で向かい合って五円玉を振り子のように往復させている。
蘭は苦笑する。
「あまたはだんだん眠くなーる」
何事も素人がいきなりやろうとしてできることではない。適当なところで切り上げようと思いつつ、いちごの顔とにらめっこしていた。
すると、不思議なことにだんだんとまぶたが下がってきて自分の寝息が聞こえてくる気がした。
(意識ははっきりとしているし、かかってる気はしないのだが……そう思っているだけですでにかかっているのか?)
蘭は半信半疑になりつつ、向かい机に座っているいちごの顔に目を向ける。
すると、寝息の発生源は催眠術をかけるほうであるいちごだということがわかった。
「って、お前が寝てどうする……」
あきれた声でいちごへ突っ込む。
「んっ、あ……ごめん」
いちごは閉じていた瞼を開けた。その瞳は光を失っていて、寝ぼけているかのように見えるそれは蘭に違和感を与えた。
「おい、いちご……」
その違和感を確かめるため、蘭はいちごの肩をゆすろうと手を動かすが、後ろから何者かが蘭の両脇を掴んで羽交い絞めにする。
「おい、離せ!」
何かがおかしい、そう思った蘭は後ろの人物に鋭い眼光を飛ばした。
「……あおい?」
羽交い絞めにしているのは霧矢あおい。しかし、彼女の瞳は光がなく、先ほど見たいちごの瞳と一緒だった。
「お前は……誰だ?」
蘭はあおいの瞳に霧矢あおいではない何者かの意思を感じていた。
「そんなことはいいからさ、こっち見て、蘭」
弾んだ声でいちごが蘭の下あごを掴み、顔と顔を近づけさせた。
「あっ……え……」
いちごの瞳に吸い込まれる。
そして、再び蘭の目の前に五円玉が揺れる。
最初の時と違って、意識がなくなっていくのがはっきりと理解できた。
だからといって、今の状態の彼女にもう抵抗する力はない。
「この五円玉を見つめてね」
「あ、はい、わかりました」
目が五円玉を離さない。彼女の瞳の中の刃は輝きを失い、黒く染まっていった。
「もういいかな」
上機嫌にあおいが蘭を羽交い絞めにしていた力を緩め、引き抜いた。
すると、彼女の両腕はだらんと下がり、手の甲が折りたたみ椅子に鈍い音を立てて当たった。
「おー」
いちごは催眠術が達成できたことに感動の拍手を自分自身に送る。
「よくできました。これはちょっとしたご褒美」
あおいは制服越しにいちごの胸部をこねくり回す。
感じる部分を的確に、素早く、まだまだ成長途上とはいえ、盛り上がりつつある彼女の乳首とその周りをいじった。
「あ、だめ、気持ちいい……」
いちごの体に快楽のスイッチが入る。
「続きは蘭との後でね」
あおいは耳元でささやく。
「うん……ありがとう」
いちごは虚ろで意思のない瞳で蘭に火照った吐息と命令を耳へ吹きかけた。
「あ、そこは、やめろ!」
ベッドに横になり、命令によって裸になった蘭は同じように裸になったいちごと肌を重ねる。
いちごの下にいる蘭は普段見せないような甘えた表情で訴えかける。快感が嬌声となり、口を大きく開けて求める蘭の口をいちごは同じく快感の嬌声をあげながら唇を合わせる。すると、快感の逃げ道が無くなってさらに快感が高まる。
その様子をあおいは横で見守りつつ、嬌声をあげる様子をカメラに収め興奮していた。
「自分の推しと、美しき刃が私の普段寝てるベッドで愛を育んでいる…… おだやかじゃない!」
あおいの背筋はゾクゾクと快感で震えあがり、カメラの手振れ補正が働く。
「蘭、仕上げだよ。5つ数えるから1つ数えるごとに快感がめちゃくちゃくるよ! いーち!」
いちごが声をかける。
「来てくれ! 頼む! 早く! ああっ、来た!」
急かすように蘭はいちごにカウントを求め、虚ろな目で快感を貪る。
「にっ、ううっ」
いちごが蘭に全体重を預け、蘭はそれを抱きかかえた。
「さん! あっ、あっ、あっ!」
いちごは嬌声をあげる。
「好きだ、好きだ! 好きだ! もっと! もっと!」
蘭は同じ言葉を何度も繰り返す。
「よん! あ、あああ、い、いいいくからね、さ、さいご……」
いちごは息も絶え絶えに言葉を繋ぐが重ね合わせる体の動きを途切れさせることはない。
「来てくれ……来てくれ! 来てくれ!」
蘭は目を閉じて今か今かと体を震わせる。
「ご! あ、あ、あ、来たあああ」
「やだ、やだ、やだ、むむむむりいいいい」
いちごと蘭は互いに声を上げて最高の快感に身を任せた。
「お、おだやかじゃなさすぎる……」
横にいたあおいもスカートの中をいじりまくり、下着はぐしょぐしょに濡れていた。
30分程度経って、蘭は脱いだ制服を整えて自分の部屋へ戻る準備をしていた。
だが、その目は虚ろで脱いだ制服を着替えさせられていると言ったほうが正しい状態だった。そこにあおいは語り掛ける。
「さすが蘭、いちごはダウンしてるのに普通に動けるのね」
あおいは床に落ちてた上着を渡す。
「ああ、大丈夫だ」
蘭は立ち去ろうとドアノブに手をかけた。
「待って。まだもしかして物足りない? だったら……」
あおいは蘭の耳に『提案』を語り掛ける。
それを聞いた蘭の体は再び火照りだし、膝をこすり合わせた。
「あ、三ノ輪ヒカリのところへか…… 行ってくる……」
蘭は『提案』という命令を聞き入れて、あおいが見送る中三ノ輪ヒカリのところへ向かった。
「さてと」
あおいはくるりとドアに踵を返す。
いちごが惚けているベッドへと向かうとそこにダイブした。
「私たちも二回戦、始めよっか」
「あん、ちょっとタンマ…… あっ……」
再びいちごの嬌声が部屋に響き、いちごとあおいの二人はまた寝癖とシーツの汗で悩むこととなった。
時間が遅くなりました。申し訳ございません。
これからソレイユの三人は夜伽2回戦スタートです。
次回の更新は『紫吹蘭→三ノ輪ヒカリの実験例』
12月12日22時でお会いしましょう。
追記
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