「私たちスワロウテイルのアツい催眠活動! サイカツ! 始まります! フフッヒ」
実験レポート
淫紋を刻まない配信の実験の効果は一時的で、記憶などを操るのは一時的なものだとわかった。しばらくは淫紋による勢力の拡大を目指すべきだろう。
今回はこの実験結果を踏まえて映画でも撮って遊んでみたいと思う。
いちごとおとめは映画撮影のためスタジオに来ていた。
「今日も頑張ろうね、おとめちゃん!」
「はい、なのですう!」
題名は『おしゃれ怪盗スワロウテイルリターンズ2』
照明に照らされ、横から巨大扇風機で送られてくる風がいちごの髪をたなびかせる。
「スリルな香りに導かれ華麗に舞飛ぶアゲハ蝶! おしゃれ怪盗スワロウテイルお宝目指して飛んでいく。どこまでも、パタパタと」
ビルとビルの間を駆け巡り、今日もお宝をギャングの手から本来あるべきアイドルの元へと返した。だが、その日常に亀裂が走る。
スワロウテイルの片割れである星宮いちごは怪盗をする中で垣間見てきたステージにあこがれを抱いてしまっていた。だから、彼女はアジトでこう切り出したのだ。
「私たち、解散しない? 私、アイドルになる」
「……本当に?」
おとめには理由がわかっていた。毎日アジトに帰って来て語ることは今日の盗みが上手くいったことではなく、アイドルの輝く姿。どんな正義を貫いていたとしてもスワロウテイルは怪盗。いちご自身がアイドルになりたいと思ったならば、この仕事から足を洗うしかない。
「だって、こんなことしてても何にもならないじゃない。お互いに第2の人生を始めよう? ね?」
おとめは彼女の言葉に同意してしまう自分を許せなかった。しかし、そうなってしまっては、先代のスワロウテイルが残したこの因縁に誰が決着をつけるのか? おとめは力任せに叫んだ。
「もういいのです! 好きにすればいいのです!」
あとは1人でやる。そう決意してアジトを飛び出した。
いちごはそんな彼女を見ることしかできない。しかし、その表情は笑っていた。
「もしもし、これでよろしいでしょうか」
とある場所に電話をかけた彼女の瞳は虚ろだった。
もうじきおとめは捕まるだろう。
「う、ここは……」
白い天井、白い壁。両手首足首に黒く丸い鉄製の拘束がなされている。
(うーん、これもお芝居の一環なのですかね)
監督が演者にリアリティを求めて台本から変更を加えることはしばしばある。不可解には感じるが、今回もその類だろうと思ったので、あくまで『おしゃれ怪盗スワロウテイルの有栖川おとめ』としてこの場を演じる。
とはいえ、すぐに退屈になって天井のしみを探し始めた頃だった。
扉から人が入ってきた。それは相棒である星宮いちご。
「助けに来てくれたのですね!」
いちごは駆け寄ると拘束されているおとめを見下ろす。しかし、彼女から発せられた言葉は助けようという意思を持っていなかった。
「フフッ。助けに来たと思う?」
いちごはおとめの服を乱暴に破き、裸一貫にする。
「きゃあ!」
悲鳴がこだまする。
「何するのですか!」
おとめの抗議を無視して、いちごはおもむろに服を脱ぐ。
「こうしようとおもってね」
お互いに裸で体を重ねあう。
突然の行動におとめは相棒の正気を疑い、相棒の顔を見る。いちごは笑っているが目は虚ろで行動が感情にともなっていないように見えた。何かがおかしいと思いつつもおとめは拘束具で動けない。
「さあ、私の目を見なさい」
「え……あ……」
いちごの目におとめの心は吸い込まれる。
おとめの目から光が消えた。
「フフッ、お楽しみの時間だね。おとめちゃん」
いちごがふんわりとおとめに口づけする。
「……! ふあああ」
いちごのふんわりとした唇がおとめに快感をもたらす。
(気持ちいい! 今までに感じたことのないらぶゆーなのです)
ふんわりとした金色の髪がおとめにさらさらとかかる。
鼻孔から入ってくるシャンプーのにおいが気持ちよく、快感を与え、さらに思考を奪っていく。
いちごがキスをやめると、そこには虚ろな目で顔を赤く染め、快感を求める1人の雌がいた。
「や、そこ! そこ!」
手足を拘束されたまま局部を刺激され、一度刺激された部分はうずいて仕方ない。
ただ、自分ではその情動を満たすことはできないため、口で訴えかける。口がいちごの唇によって塞がれると、とにかく手足の指を動かし続けた。
「あ、く、あ! あ! あ!」
「そこなのです! そこ! ふあああああ!」
いちごが下半身をおとめの下半身にこすりつける。その度にお互いに快感の声がこだまする。
おとめの下半身にうっすらと淫紋が浮かび上がってきたのをいちごは確認した。
「もっと気持ちよくなれるよ。やる?」
もう甘い誘惑に抗えるような思考はおとめに残されていなかった。
「お願いするのです! もっと気持ちよくなりたいのです!」
懇願。口を開け、虚ろな目で今にもアイスクリームみたいにとろけてしまいそうな顔でいちごを見つめる有栖川おとめだったもの。
「わかった。5つ数えるから1つ数えるごとにどんどん快感が来るよ! いち!」
「ふあああ!」
先ほどまで感じたことのない快感。あと4つ残っている。
「に」
「くっ、うううう。らぶゆぅうう」
まだいける。そう感じた。
「さん、う、くううううう」
「う、あ、あ! 気持ちいい!」
2人の喘ぎ声が大きくなった。いちごはおとめの様子を見ながら的確に気持ちよさそうな場所をまさぐっていく。
「よ……よん!」
いちごは絞り出すように数を数える。
「あああああ! もうそろそろげ、げん……かぁああい」
「い、ふう、ああ、まだぁああああ、あるんですぅぅぅぅ」
もっと欲しい。もっとすごい快感が来る。おとめの背筋に武者震いに似た感覚が走る。
「ごぉぉぉぉ! あ、あ、いった! あ、あ、あ! いった、いったああああああ」
「ふぁあああああ!」
2人は限界を超えた。もうおとめは戻れない。いちごが震える手で拘束具を外すとおとめは相棒を抱きしめた。
「ありがとう。らぶゆーなのです」
「私も」
互いにベットで抱きしめあう。虚ろな目で抱き合う2人に心はなく、操り人形のスワロウテイルが完成した。
カットの合図が出される。ここにいる人間は全て虚ろな目で淫紋をつけた人間以外は今日のことは忘れているだろう。
監督はカメラのデータをいちごへ渡す。
「ありがとうございます!」
すっきりとした表情で帰ろうとおとめの手を取る。
「まだ帰らないですよ」
「え?」
いちごは振り返る。おとめは出口とは逆方向へ手を引っ張り、研究室セットのベッドへ押し倒した。
「おとめちゃん? 今日の撮影は終わったよ」
とまどういちごにおとめは笑う。
「私、一方的にやられるのは好みじゃないのです。今度はいちごたんの番なのです。らぶゆー!」
「ちょ、やめて、もう、あ、あ―――――」
セットを片付け始めようとしたスタッフが2人に注目する。
幸いにもこのスタジオは今日貸し切りだ。監督はやれやれといった様子でカメラマンへカメラを回すように指示した。
次回更新は少し予定を早めまして12月24日木曜日22時クリスマスです。
少し遅くなってすみません。
次回はもみの木を切り倒していこうと思います。三ノ輪ヒカリちゃんはドラマの撮影とかしてないので伏線通りにクリスマスで出します。
お楽しみに。
追記
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