「アッ、ハッ、ハッ、あぁ、あぁ、あぁ! イク──ッ!! っあぁあぁあ──ッ!! アッアッアッはあ゛ぁあぁイイィィ……ック、イクッ──!! ハァッハァッ、イイッイイッああっ、ああっ、ああっ、あっ、またイク、またイクッイクッ……──!! あっあっあっあっあっ、んんんんん──ッ!!」
「あ~~出るッ出るッ、出すぞ!」
「あっあっ、きて! きて! うあっイクッ──!!」
もう窓の外は明るい。
夜明け前、楽郎に背後から愛撫と素股をされて、夢うつつで繋がったあと寝落ちして、今度は俺が早朝に目覚めて朝勃ち同士をスリスリしていたら、楽郎が起きてまた繋がって、
イキ過ぎて、最中のことはあまり記憶に残っていない。
「あああ~……気持ちよすぎてやべぇな……てか慧何回イッた?」
「……わかんない……数えてない……」
「また寝落ちしかけてんじゃん」
「……んん……」
「可愛いな……」
楽郎に頭をなでなでされながら、甘いキスを落とされる……その心地好さだけで寝落ち不可避……。
「腹減った……。おーい、あるもん適当に食ってていいか?」
「……おけー……」
「先にシャワー借りるぞ」
黙って頷く。楽郎が寝室を出ていく気配がした──。
……
…………
………………
「はよ~……」
「もう起きたのか? 腹減ってるだろ」
「ん~……」
「うわ、お前それ……」
「……?」
「いえ……先にシャワーの方へどうぞ」
「……てきま~す……」
キッチンで洗い物をしていた楽郎と言葉を交わし、ふらふらと歩いてトイレで用を足してから、洗面所で歯を磨いて、バスルームへと向かった。まだ後ろが疼いている……。
シャワーでようやく目が覚め、何気なくバスルームの姿見で自分の裸体を見た俺は……思わず鏡を二度見した。
くっきりと、体中にキスマークが浮かび上がっている──。
「おい! どうすんだよこれ!」
「そこに気づくとは……やはり天才か」
「誰でも気づくわ!!」
慌ただしく全身を洗ってバスルームを飛び出し、ボトムスだけ穿いた俺は、キッチンで楽郎に詰め寄っていた。
楽郎はきりりと締まった表情で、俺の両肩を掴む。
「慧、よく聞け。……それは〝楽郎の刻傷〟といって、刻傷を持つ人物以上の性的レベルの猛者は積極的に性交を選択し、刻傷を持つ人物以下の性的レベルの雑魚は積極的に逃走を選択するというものだ……!」
「控えめに言ってクソ」
真面目な顔して何言ってんだこいつ。
「そして楽郎の刻傷を持つ人物はあらゆる〝誘い〟を無効化し、人々との会話で補正がかかる!」
「その補正値、絶対マイナスだよね?」
「さらに楽郎の刻傷を持つ人物は
君、刻傷なくても剥ぎ取るじゃん。
「ていうかリアルでそんなユニーク求めてないんだよ!!」
「OK、OK、落ち着け。まずは何か着よう。例えばそう……首まで隠れる装備とか」
「ハァ……やっぱ薄手のタートルネックで凌ぐしかないか……」
「…………ごめんなさい。反省してます」
「本当かなあ? まあ俺も夢中になってて気が付かなかったし、人前で脱ぐわけじゃないからいいけどさぁ……」
「く、やはり菩薩……」
ふざけながらも露骨にしょんぼりしている楽郎をからかいたくなった俺は、扇情的な眼差しで楽郎の体に指を這わせ、首の後ろに腕をまわしてマーキングだらけの上半身を密着させた。
「えっちでテンション上がっちゃったんだよね? ……そんなに俺の中、気持ちよかった?」
「……頭おかしくなるくらい気持ちよかったです……」
「……俺も、ワケ分かんなくなるくらい良かった……」
キスを交わし、楽郎の口腔を味わう。
「……もう帰るつもりだったのに、またヤりたくなってきた……」
「……………………」
無言で見つめ合い、またキスをして、舌を絡ませ合う。無意識に、布越しに硬くなったものを擦り付け合った。呼吸が荒くなり、互いの興奮が伝わってくる。
「……あと一回だけシていい?」
「いいよ……」
「ちょい待ってて」
「ん」
俺が冷蔵庫の前で水を飲んでいると、楽郎が寝室からローションとタオル、コンドームを持ってきた。
あ、ここでするんだ……。
ダイニングで愛撫とキスを繰り返しながらゴムを装着した楽郎は、俺の上半身をダイニングテーブルに押し付けて、尻の割れ目にローションを垂らす。
「んっ冷た……あ、あっ、あっ、あんっ」
「さっきヤッたばっかだからスムーズに指入るな。……もう挿れていいか?」
「んっ、んっ、いいよっ、きて……」
「……ほら、入るぞ……」
「あぁ~、きたっ、きたっ、ああ~、んん~、おっきぃ……」
相変わらず重苦しいほどの圧迫感だ。全て挿れると、楽郎は俺を振り向かせてキスをしながら、俺のモノや胸を愛撫する。毎回、挿入後はこうして後ろが馴染むまで待ってくれる。
馴染んでくると、急激に快感を伴う疼きが訪れる。
「あっ、きたっ、おねがいっ、楽郎っ! あっ、ああっ、ああっ、ああっやばいっ、ああっンンッ、んんっ」
「ハァ……ハァ……ハァッ……」
ピストンが始まってしばらくすると、楽郎が俺の腰をテーブルの上にぐっと押し付けた。楽郎の肉棒が腸壁にゴリゴリと擦れるのが分かる。
「あぁあぁあっ! うあっ、すごいっ、これっ、キモチッ……イイッ、イイッ、あぁあぁあっ、あぁあぁあん、あぁあぁやばいやばい待って、やぁあぁっ待って待って、んんんああっ、出ちゃう出ちゃう……ッ! ああッ──!! あああ────ッッ!!!!」
俺が射精する直前に楽郎のものが引き抜かれ、引き抜く瞬間の刺激でまたイク。射精の絶頂とアナルの絶頂が同時に訪れて、頭が真っ白になった──。
「………………ぁ、んあ、あぁ、あっあっあっあっあっ、んんんっ、あぁあっ」
いつの間にかまた楽郎に突かれている。少しの間、意識が飛んでいたようだ。ダイニングテーブルがガタガタと音を立てている。
「うあぁあぁあっ、うぅうぅうっ、んんんんんっ! んあぁあぁあっ! ああイクイクイクッ──!! ハッハッハッ、やっやっアァッ──!! ハッハッ、あぁあぁイクッ──!! あっあっあっあっあ──ッ!! ハッハッ、だめっだめっア゛ハッ──!! ッ──!! ア゛ッ──!!」
もはや喘ぎ声は
イキ死ぬ……──。
「………………ぅ、ぁ、ぁああっ、あぁあっ、イヤァッ、アァンッ、ああんっ、ああんっ、ハッハッハッハッハッ、あイクッイクッイクッ──!! あっあっあんあんあんっやばいやばいあぁあぁあっ」
自分の喘ぎ声に意識が引き戻され、飛んでいたことに気付く。楽郎も射精が近いらしく、声を出している。
「ハァッハァッああ~すげぇ……あぁ~気持ちいぃ……ハァッハァッ、あぁイキそう……慧、慧ッ! ぁああ出る出る出るッ──!」
「ああぁイクイクイクッ──!! あっあっあッイク……──ッ!! ッ──!!」
楽郎の痙攣と、射精するたびに奥まで打ち付けられる快感でまた頭が真っ白になった。酸欠で頭がクラクラする。
挿入したままの楽郎と、興奮の余韻が残る熱いキスを交わす。
「すげぇ……まだ締め付けてくるぜ……」
「あ、ハァッあ、ハァッ、俺、頭バカになる……あっ、あイッ──!!」
「うお、締まるっ……。動いてないのにイクとかエッロ……」
「あ、あ、あ……ハァ、ハァ、ハァ」
楽郎の体が離れると、俺の足腰は立たなくなって、床にへたり込んだ。
脳が蝕まれていく気がして恐怖を感じるほどに、楽郎との行為は何もかもを快感の渦へと呑み込んでしまう。
「あーマジで俺、セックス覚えたての猿だわ……」
「……同じく……」
「だが問題ない。俺の心は人間性を取り戻した」
「うん……それ賢者タイムだね」
その人間性一番信用しちゃいけないやつだから。
タオルで体を拭いて、よたよたとしながらボトムスを穿く。
びちゃびちゃになった床を掃除していると、楽郎が寝室のベッドパッドとシーツ、使用済みのタオルをまとめて持ってきてくれた。
「これ洗濯機入れていい?」
「うん、ありがとう。洗濯機の中身はかごに移しといてー」
「了」
そういえば昨日寝るときに、敷いてたバスタオル俺が床にポイしちゃったんだよね。初めての潮吹きから、防水仕様のベッドパッドに買い替えておいてよかった。
洗面所から楽郎の声がかかる。
「このままシャワー借りていいかー?」
「いいよー、俺も今行く!」
……
…………
………………
「まさか、あのまま風呂場でヤることになるとは……」
「予想外でもなんでもないけどね……」
「頑張って声抑えてる慧めちゃくちゃそそられたわ」
「だってバスルーム声響くし……てか俺、もっと声抑えた方がいい?」
「いや、なんか前にも言った気がするけど、俺喘ぎ声で興奮するから。普段はそのままで頼む」
「分かった……気をつけて帰ってね」
「おう。ちゃんと朝飯食えよ」
「うん、ありがと」
靴を履いた楽郎が俺を引き寄せ、キスをする。
「…………やっぱこれ、ムリ……」
「眼福、眼福」
ニヤニヤすんな。何故かこれだけは慣れないな……。
「じゃあな」
「うん、また」
玄関のドアが閉まると、俺は壁に背を預け、ずるずるとその場に座り込んだ。
「あー……」
肉体はすでに活動限界を迎えている。這うようにしてダイニングまで行くと、なんとかイスに座り、楽郎が用意してくれた朝食に箸をつけた。
俺が朝食に出そうと思って用意していたベーコンと卵を使って、ベーコンエッグを作ってくれている。そこに、昨夜の残り物の白飯、茄子の揚げ浸し、大根のそぼろ煮、味噌汁が並ぶ。
まさかこんな調子になるとは思っていなかったため、自分の食事を済ますだけでなく、俺の食事まで用意してくれた楽郎に感謝が込み上げる。
あいつ、結婚したら最高の旦那になるんじゃないか? 気が利くし、セックス上手いし。やっぱ頭の回転速いやつは何やらせてもそつなくこなすよな。遊びまくってるくせに学校の成績もよくて、気付けばいい大学行ってるようなタイプだ。間違いない。
俺は最初からプロゲーマー目指してたから、最低限の成績だけ収めてゲームばっかしてたな……。結果的に億プレイヤーになってるからいいけど、リアルでは俺の方がロマン砲ぶっ放してるっていう……。
「結婚ね……」
オイカッツォ:将来結婚する予定とかある?
男子高校生に結婚の予定もクソもないだろ、と自分でツッコミを入れながらも、なんとなくチャットを送ってみる。
「ごちそうさまでした」
食事を終えた俺はひとまず食器をそのままにして、よろよろとVRシステムまで辿り着くと、次の大会に向けての練習に励むため、VRの世界へと飛び込んだ。脳さえ活動していれば、肉体の不自由さはゲームプレイに何の支障もきたさない。
これでパフォーマンス落ちてたらヘコむけどな……。
いざ練習を開始した俺は、その心配が杞憂に終わったことを知り、安堵するのであった。