ある日舎弟がTSしたけど忠犬巨乳がどぷんたぷん 作:芥目たぬき
布団というのは、自分の熱で温めていくものだ。
だから最初入った瞬間だけは冷たくて、そこから自身の熱を篭らせて徐々にぬくぬくとした環境を作っていくものである。
だから、あの最初の冷たさが苦手ってやつは結構いるのだろう。
ちなみに、これは現実逃避である。
「アニキ、せっかくなんで布団、あたためておきやしたぜ」
まるで新妻のような事を言い出されて、オレは一体どうすればいいのか?
無理やりダズを引き剥がし、なんとか言いくるめて1人で風呂に入り、これから起こりうる行為を想像して先にシコっておいたのが先程の話。
もうタマの中空っぽになってひっくり返るんじゃないかと思うくらいには出した事だし、流石に恥を晒すことはないと思ったが……
これは、大変まずいかもしれない。
「アニキと久々に一緒に寝れるの、嬉しいです……ささ、こちらに」
「ちょ、引っ張るなって……ッ!」
少しだけめくられた布団から、立ち込めるねっとりとした生ぬるい熱気と甘ったるいメスの匂い。
今からオレは、この中で一晩過ごさなくてはならないというのか?
ぐ、とオレの腕をとるダズは有無を言わせないと言わんばかりにニコニコとしている。かわいいが、しかし無自覚に無慈悲な笑みだ。
風呂に入ったというのに、まだあのエロコスをしているのがなんとも忌々しい。
「あの、やっぱ今からでも遅くねぇしせめて少しだけベッド離さないか?」
「どうしてですかい?」
「その、やっぱり男と女が一緒に寝るのなんて間違ってるだろうし……」
「アニキィ、オレは男ですぜ?」
「ベッドも狭いだろ?」
「ベッドをふたつ横にくっつけたんで大丈夫でさぁ」
「人と一緒の部屋で寝ると、なかなか寝付けなくてだな……」
「数年前入ったホテルで予約間違えてた時とか、ダブルベッドで一緒に寝たじゃないですか? なんならアニキ、いつもより熟睡したとかって……」
そんなこともあったな。
過去のオレをぶん殴りたい。
数年前に科学都市のとある街に、裏で魔法稼業を営むという女に会いにいった時の話だ。まだ旅に慣れておらず、ホテルの予約も慣れていなかったということで、大男二人でダブルベッドで寝る羽目になった。
そしてあの時オレは疲れていたのと……幼い頃に一緒にダズと寝ていたのを思い出して、いつもより深く熟睡してしまったのである。
……確かに、オレは人と寝るといつもより熟睡するタチではあるのだ。だからと言って、これは違う。違うのだ。
「オレァ寝相も悪くねぇですし、安心してくだせぇ!」
「ぐぐぐぐっ……」
なんと言おうがダズは意見を変えないつもりらしい。普段ならオレのいう事に言われるがままなのだから、闇魔法の根強さを痛感する。
いつもは控えめなダズが数時間でこんな状態になるというのだから、かなり強烈な魔法なのだろう。
万が一、オレがあの魔法にかかっていたらと思うとゾッとする。……とんでもなく危ない代物じゃないか? かかる人によっては、最悪死人が何人も出てもおかしくないだろう。
「さ、アニキ……お布団あったまってますので、よかったらこちらに」
その中に入ったら、確かに心地いいのだろう。
布団の中でムチムチの柔肉ボディがオレのことを待ち構えているのだ。気持ちいいに決まっている。
広げられた布団の中では、すごくスケベなメスボディがムチンムチンと鎮座していた。
特に、下半身なんてちっこいパンツ一枚しか身につけてないのだ。あちこち肉がハミ出ている、意味をなさないマイクロなパンティ。隠す概念を知らない柔らか太ももと、ちょっぴり油断気味のさらすべふかふかのムッチリ腹部。
オレは今からあのムチムチ生肉と、布団の中で密着しなくてはならないらしい。
———もうダメだ。
さっきアレだけ出したのにちょっと下半身に込み上げてくるものが……
「アニキ?」
「……寝る前だしちょっとトイレ行ってくる」
「さっきもトイレ行ってませんでしたかい?」
5分前にいったばかりである。
「そ、そのっ……歯を磨き忘れた気がする」
「大丈夫ですぜ、さっき磨いてやしたぜ」
いつもよりめちゃくちゃ時間をかけて歯を磨いたばかりだ。
「目が冴えてるし、なんだか眠れない気がするから本の整理の続きしてくる……!」
「ダメですぜアニキ! 今日はちゃんと寝ましょう!」
「うおぉっ!?」
ダズに腕を引かれて、その怪力を前に無力なオレは、体勢を崩してそちらに倒れ込む。
それすらも見込んでいたかのように、ダズは倒れていくオレの身体を支えようと腕を伸ばして。
———そして。
オレは、そのまま布団の中に引っ張りこまれた。
「……アニキは、頑張りすぎでさぁ。たまには、肩の力抜いて欲しいんです」
「ッ……! お、まっ……!」
ダズはオレの頭を抱え込むように抱きしめていた。
つまり、オレの顔面はダズの胸に押しつけられているのだ。ふにっふにやわやわたぷとろおっぱいがふたつ、オレに押し付けられている。
無駄に露出している下乳の———まるでパイズリするためだけに作られたかのような穴には深く大きな谷間ができていて、オレはそこに鼻を埋めているような形である。
少しでも呼吸をすると……おっぱいの谷間の、メスフェロモンが強烈なそこを吸い込むことになる。少しだけ汗っぽくて湿っていてムンムンにあったかくて、不思議と甘くて思考が止まってしまうようなにおいがするのだ。
———あ、これ……もう、ダメだ。
「なので、アニキ……その、オレのワガママではありますが、たまにはぐっすり眠って、休んで欲しいんでさぁ」
「……フーッ……フーッ……」
———さすがに、これはもう……
オレはおっぱいの柔らかさと匂いに、完全に敗北していた。さっきまでは理性をなんとか保とうと努力していたが、こんなに呆気なく負けてしまう自分がなんとも情けなくて気持ちがいい。
最初は我慢しようと小さくしていた呼吸も、徐々にメスの匂いを嗅ぐために、荒く激しくなっていっている。
ダメだ、やめろ。これ以上はダメだろう。
そう思えば思うほど、目の前の甘く熟れた柔らかい果実がオレを魅了していくのだ。
「その……この身体は柔らけぇので、せっかくなら抱き枕にしていただいて……ゆっくり、おやすみいただければと思うんです」
この柔らかい身体を?
自ら差し出して?
抱き枕?
「アニキの健康ためになると思うんで……1人で寝るのはさぶいですし、たまには添い寝で満喫していただければ……と」
ダズの柔らかい身体にオレの指が沈む。ハリがあって若々しくて、それでいてしっとりと柔らかい肉。
———いや、無理だろこんなの。
「ゆっくりおやすみなせぇ、アニキィ」
さっきからなんとか他ごとを考えようとしているのに、どんどん目の前の欲に流されまくっていってるのがわかる。頭の中では、ただヤりたいという単語だけがぐるぐると回っていた。むしろ、ここでまだ手を出していないオレを褒めてほしいくらいだ。
ここまで耐えたんだからいいんじゃないか? 襲ったって、同意の上だと言い張れるのではないだろうか?
……そういう問題じゃない。
今後のダズとの関係を考えろ、ここまで数十年一緒に仲良くやってきたというのに、こんなところで信頼をなくすつもりか? オレはダズに嫌われたくなんてない。
でもこんなにわかりやすいセックスアピールされてるんだから、気持ちよくなっちゃっていいんじゃないのか。何を耐える必要がある?
だが相手はダズだ。このアホはそういう性的なものと無縁の男だと、オレは知っている。いくら肉体がセックスモンスターだったとしても、コイツにそんな意図があるわけない。
冷静にならなくては。冷静に、冷静になれ……
「フーッ……フーッ……フーッ……」
まぁ、無駄な足掻きなわけだが。
ダメだとわかっていても、オレは必死に理性にすがりつつも———ダズの柔らかな腹に腕を回してしまう。
「フーッ……フーッ……」
肉がついててたっぷりと柔らかいのに、抱いたウエストは思いの外細かった。
このくびれた腰を掴んで、ガツガツと突き上げたらどれだけ気持ちいいだろうか。この柔らかい肉を食い荒らすのはどれだけ気持ちいいだろうか。
———もう、ヤったっていいだろう?
「ダズぅ……」
「アニキィ……?」
ダズを抱えて姿勢を変える。
横向きに寝転がっていたダズを仰向けに転がし、オレはその上にまたがるように乗っかったのだ。
こんなの、ブチ犯すしかない。
布団の中、呆然とオレを見上げるダズをオレは睨みつけて、そのぴちぴちとしたトップスに手をかけた。そのクソデカい乳を好き放題させてもらう。本能の赴くままに、オレはそれを引っ張り上げ———
その瞬間、オレは
「だぁから、アニキ、起きないでくだせぇ! 寝てくだせぇ!」
「!?!?!?!?」
目の前が枕で視界を奪われる。いや、オレが枕に顔を埋めているのだ。
……何が起きたんだ?
さっきまでは目の前にダズの顔があって、オレはダズに跨って服を奪い取ろうとしていた。そして次の瞬間には顔面が枕に沈んでいた。どういうことだろうか。
「もっ、もごっ……!」
「起き上がる用事があるならオレに言いつけてくだせぇ、アニキィ。もう今日は寝るんです、寝る!」
「〜〜〜〜ッ!」
有無を言わせないと、ダズはオレの頭を枕に押し込んでくるのだ。
呼吸ができない。
「ふぅ……ガキの頃から思っていましたが、アニキは働きすぎでさぁ。……ま、そんな所に惚れて付いてきてますが、やっぱりたまには身体を労って欲しくてですね」
「っ〜〜〜! も"っ、ゔぐっ……〜〜〜ッ!」
「暴れてもダメでさぁ」
オレが必死に手足をバタつかせて、ダズの手をどかそうともがくものの、ダズはどこ吹く風といった様子で平気にしていやがる。こちとら全力で暴れてるのに、それを片手で押さえ込んでくるのだ。なんつう怪力してるんだコイツは。
あ、もう無理かも。
「ッ! ……ッ! ………………」
「ふぅ、やっと寝る気になってくださ……ん? もう寝てる? へへ、やっぱりアニキは添い寝するとすぐ眠れるんすねぇ」
そんなダズの声が遠くに聞こえながら、オレの意識はゆっくりと下に落ちていった。
* * * *
夜に比べて、朝はかなり冷え込んでいる。
いつも通りの時間に目が覚めたダズは、ベッドから起き上がる。
———あぁ、そういえば昨日はアニキと
ダズがベッドから起き上がったことで、寒そうに身体を縮こまらせる男。その腕の中でダズは眠っていたのだ。
普段ならさっさと目覚めるところだが———アニキに寒い思いをさせるのもどうかと思い、ダズは再びベッドの中へと潜り込む。
この身体はそこそこの高体温だから、離れるとすぐに寒くなってしまうだろう。
「……ぐぅ……」
———アニキが目覚めるまでは、このままでいいか。
昨日のアニキの言い分では、今日1日外出はしないらしい。ならば、多少朝食が遅くても問題はないだろう。
ダズは再び男の腕の中に収まって、その身体を温めるために腕を回す。自身も男の胸板に顔を埋めて、おもいっきり呼吸を吸い込んだ。
暖かくて落ち着く、優しい匂いだ。こうしていると、幼い頃自身に安心感を与えてくれたことを思い出す。
「んぅ……」
男は、寒そうに布団をずり上げた。部屋の室温はかなり寒いから仕方がない。
ダズは暖かくなるようにと自身の身体を大胆に男に絡めて———そこでふと、思い出す。
———そういえば、寒い時は裸の方が暖まるのではないだろうか?
「ん、っしょっと……」
ということで、さっそく
布面積が少ない割に脱ぎにくいそれらを丁寧に枕元にたたみ、あらためて布団の中に潜り込んだ。
柔らかい身体を男に密着させることで、たっぷりと暖かくなってもらうのだ。
だが、ふと思う。
———アニキも服脱いだ方が、もっと暖かいよな?
自分の身体と男の身体の間にある薄布がなかったら、もっと暖かくなるのではないだろうか。ダズは悪魔的発想に辿り着いてしまう。当の本人がその考えを聞いていたらなんとしてでも止めていただろうが、今のダズを止めるものはこの場にいなかった。というか寝ている。
普段のダズなら「アニキの服に手をかけるなんて畏れ多い」と思うところだが、そんな自制心は魔法の力でどこかに吹き飛んでいた。
というわけで、早速ダズは男のパジャマに手をかける。
上の服のボタンを外して前開きにすると、かつての自分ほどではないが、鍛えられている無駄のない筋肉が出てくる。均衡のとれた身体は、スッキリとしていて贔屓目に見ずともカッコいいのではないだろうか、とダズは惚れ惚れとそれを眺める。
———こんなの、世の中の女を全て席巻してしまうのではないだろうか?
しかし彼は女なんぞにうつつを抜かしている暇はないので、女に言い寄られないために服で隠すというのはとても効率的である。いやしかし彼の魅力は肉体だけでなくて、内面も世の中の人間全てをまとめても勝てっこないんだか……
「ん……」
「! っとぉ、すいやせんアニキィ……」
男の寝言を聞いて我に帰ったダズは、慌てて布団をかぶった自分ごと男に覆い被さった。せっかく暖めようとしてたのに、他ごとを考えて寒くしてしまったのはいけない。
すこし冷えてしまった裸の上半身に、自身の柔らかな身体を押し付ける。先程の布越しよりも暖かくて、そして……心地がいい。
こんなことなら、寝る前から裸で抱き合っていた方がよかったかもしれないと、ダズは
———よし、次は
「失礼しますぜ、っとぉ……?」
ゴム紐のズボンとパンツに手をかけて、起こさないように気をつけながら引き下ろす。きつく締め付けることがない柔らかなパジャマは、こういうときとても便利だ。
少しだけ下半身を持ち上げて、それをずり下ろさせる。なんだか
そして、それを下まで下ろした時———
ぶるんっ
べちっ
「……んぇ?」
顔に、
そのあまりにも猛々しく、硬くてガチガチの
———あぁ、なるほど。
ダズはかつて男だったわけで、つまりそういうこともよく理解している。
男なら朝起きて当たり前の事であって、自身もそれを何度も何度も体験していた。だから今更
だが……
「……ッ」
女の身体になって、変わったこともある。
「……すーっ……はぁぁ♡」
一晩中、暖かいところでたっぷりと温まっていた、人の体内でもかなり高温の部位。それが、オス臭くないはずがない。
———匂いが、すげぇ強い。
「すーっ……はぁっ……はぁっ……すーっ……」
もし自身の身体が男だったら、いくらなんでもこんなことするはずが無い。だが、この身体は女だから、この匂いに思わず引き寄せられてしまう。
心は男なのに、身体の本能の部分が
———こんなのっ……こんなの、
ダズは魔法のせいで、
男の身体なら、そもそもこんなことしないのに。
女の子の身体に引き摺られている。この女の身体が、男の身体を求めているのかもしれない。
だって、今まで一緒に生きてきて、この男の匂いに魅了されるようなことはなかったのに。この身体の性別に、自分の意思が全て書き換えられていく。
———女の子に、なる……
最後の理性が剥がされていくその瞬間、現実に引き戻す声が聞こえてきた。
「———だ、ず?」
上から声をかけられて、思わずそちらに意識が戻される。そこには、両目を見開いてこちらを見ッ……
* * * *
オレの目を見たダズは、そうして
「……っいやぁぁぁぁああッ!?!?」
いや、ビビるだろこんなの!? なにやってんだコイツ!?
オレのぼっ……ぼっ……とにかく朝のアレをガン見しているところで今は固まっている。しかもなんか全裸だし。そしてオレも服を脱がされている。
……え?
もしかして、昨日の夜にヤっちまったのか?
いやそんなはずはない。オレの記憶にはそんなの残っていないのだ。残っていないだけでヤっていたとかだったら流石に泣く。
ベッドを確認して……うん、下手に汚れている感じはしない。血とかもついてないな? よし。
オレは急いでベッドから離れると、脱がされかけていた服を着直した。驚きのあまりにチンコも萎えている。朝なのにパジャマを着直すというのはどういうことだろうか?
というか、なんで全裸なんだコイツ?
枕元には、ダズが昨日の夜着ていたエロコスが畳んで置いてあった。脱ぎ散らかしてないということは、多分オレが脱がしたものではないと……そう信じたい。
そっとそのコスプレに触れると、まだ少し生暖かった。ということは、おそらくオレが起きる直前にダズは自ら脱いで畳んで、そして布団の中に潜り込んできたのだと推測できる。
……オレのこと、襲う気だったのだろうか?
いやまさか、ダズに限ってそんなことあるわけ……いやじゃあなんで全裸で布団の中に……やっぱりコイツオレのこと好きなのかな……え、じゃあホモってことか? いやでも男だった時はそんな素振り見せてなかったよな?
———落ち着け。いまはそんなことを考えてる時じゃないだろう。
「石化は……いや、もういっそ解かない方がいいか」
現時刻は、ダズが本を読んだあのタイミングから12時間が経過している。これからもっと症状は深刻になっていくと考えると……恐ろしいな。
12時間経過の段階で、寝てるオレに全裸で襲いかかってるんだぞ。そんなの、24時間経過した頃には色々食べ尽くされていてもおかしくない。
もしこの後、この
「……さっさと解除しねぇとマズイよな」
解除、となると1人思い当たる男がいた。
昨日この本を寄越しやがったあの男である。
アイツを問い詰めて……なんとかダズにかかった魔法を解かせなくてはならないだろう。本に呪いを仕込んでおく技術だとか、常人では出来ないような高火力魔法なんかを使えるらしいあの男なら、なんとかしてくれるかもしれない。というかなんとかしてくれないと無理だ。
ダズに適当に服を着せて、さらに布団で簀巻きにする。これで多少暴れたとしても時間稼ぎは出来るだろう。
そして……少し心苦しいが、石化したままの状態で放置。
さっさと服を着替えて、必要なものだけを持って家を出る。
目指すは———ギルドだ。