※この作品はR-18です。

ある日舎弟がTSしたけど忠犬巨乳がどぷんたぷん   作:芥目たぬき

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フェ○チオしてたのバレバレw

 * * * *

 

 

 古風だが意匠の凝っている巨大な浴場にそれぞれ案内され、風呂から上がればやけにサラッサラとして肌心地のいい服が用意されていて、そして案内された先には美しい客室。

 メイドとして運用されているアンドロイドの愛想は悪いものの、オレたちのやってきたこの神殿自体はまるで歴史ある高級サロンのようである。

 設備も古めかしいものの、そういう趣向だと捉えればいっそ風情があった。

 

 そして———

 

「夕餉をお持ちしました」

「……えぇ?」

 

 アンティーク調の広々とした客室に、ノックをしてから入ってきたメイドがテーブルに配膳を始める。ソファに腰掛けて暇を持て余していたオレは、アンドロイドの飄々とした態度に苛立ちが募るものの。

 

「どうぞお召し上がりください。……それでは失礼します」

「待て待て、アフロディーテとやらとのオハナシは?」

「アフロディーテ様はご主人様をお労りなさっています。それが終わり次第、すぐにお呼びするよう仰せ使っております」

「そのお労りっての、今の時点で6時間はかかってるよな? いつ終わるんだよ」

「……正確な時間はわかりかねますが」

 

 その女の態度から、まだ時間がかかることがなんとなく読み取れる。いっそ食事を取った後に仮眠でもいいから寝てしまってもいいかもしれない、そのくらい時間がかかりそうだった。

 

 時刻は夜7時。そのお労りとやらがはたしてどういった行為なのか想像つかないが、廊下で遠くから聞こえたジジイの叫び声からまともなものではないことは容易に想像がつく。

 

「それでは、失礼します」

 

 一時でも同じ空間に居たくないとばかりに早々に部屋から出て行ったメイドを見送りつつも、テーブルに並ぶご馳走に目を向ける。

 ……自分が幻覚を見ていたわけでなかったら、ここは雲の上であるはず。なのに野菜や肉が当たり前のように調理されているのは一体どういうことなのだろうか? いや、そもそも雲の上に当たり前のように建物が立っていることがおかしいか……

 

「アニキ、食べてもよろしいですか?」

「まぁ、食えるときに食っといたほうがいいよな」

 

 ……あまり深く考えない方がいいのかもしれない。

 

 急にこんなところに連行されて、オレたちも疲れ切っているのだ。料理に毒とか入ってるかもしれないと一瞬だけ思考が過ったが、それならこれより前の時点で仕掛けているはずだと疑心を一蹴する。

 今は休むときだと、オレはナイフとフォークを手にしたのであった。

 

「……アニキィ、オレは……なんだか、いい気がしませんぜ。あのメイドもそうだが、ここの女主人もアニキの時間を奪っといてこんだけ待たせるだなんて……腹立たしいでさぁ」

「本当にな。……ったく」

 

 品のいいシルクだかなんだかのゆったりとしたドレスに身を包んだ……それしか用意されておらず渋々それを着ているダズは、プリプリと怒りながらも肉にフォークをぶっ刺した。

 

 服装と行動があまりに似合っていないものの、オレもダズもテーブルマナーとやらにはそんなに詳しくない。2人きりなのだから何も気にしなくていいかと、オレもダズと同じように肉にフォークをぶっ刺して口に運ぶ。

 

 うん、味はうまいな。赤みの残るレアステーキは、程よい柔らかさのソースの濃い味付けが口の中に広がっていく。

 添えてあった苦手なキノコはダズの皿にささっとうつして、オレはため息を吐き出した。

 

「何がしたいのかさっぱりわからねぇ……が、アフロディーテとやらはオレたちのことを完全に見下してやがるな。……まったく、なんのために連れてこられたんだか」

「アニキをコケにしやがってますから、出会い頭にとりあえず殴ろうとは思うんですがね」

「それはやめてくれ」

 

 ジジイは馬鹿みたいに強靭な肉体だからダズの物理攻撃にもケロッとしているものの、普通の人間は首がもげてもおかしくないのだ。そうでなくても、得体の知れない相手に真っ向から喧嘩なんて売りたくない。

 

「あっちがなに言い出すのかわからないけど、まぁ暴力に訴える事になったら頼む」

「へい、オレにゃあその方がわかりやすくっていいです。アニキの役に立てるのは腕くらいですからね」

 

 そう強気に出たダズは、なんだか男だった時のらしさが少しだけあらわれている。頼もしい限りだ。

 そういうことにならないのが一番だが、そうなった時はダズに頼る事になるだろう。

 

 ———それに。

 最悪の場合、オレには石化の眼がある。眼帯の中で閉じられているそれは、幾度と危機を脱出するのに役立ってきたのだ。これのせいで幼少期より苦しめられてきたが、ちゃんと制御できるなら心強い能力である。

 

「今のうちにしっかり休んどこう。どうせ、まだ呼び出されそうにないしな」

 

 予想通り、オレたちがアフロディーテに呼び出されたのはその15時間後のことであった。

 

 

 

 * * * *

 

 

 

「お"ッ……おっ……おひっぃ……」

「お待たせ致しましたわ———私は、アフロディーテと申します」

 

 朝の10時、朝食後にメイドに案内されて廊下をただただ歩き続けること5分くらい。かなり長い廊下や階段、時にエスカレーターなども使用してたどり着いたのはやけに重厚な扉であった。

 ごくりと喉を鳴らして身構えると、自動的に開いた扉の向こうには空の世界が広がっていた。

 

 数十年前に科学都市の中枢地下から発掘された、パルテノン神殿のような様式。それが今なおとても美しい形式で再現されている。……いや、それ以上の景色がそこに広がっていた。

 

 真っ白な柱は雲よりも白く、そして天井はとてつもなく高いところにある。空は雲ひとつない晴天———当たり前だ、何せ自分たちより下に雲があるのだから、空に浮かぶのはただ太陽のみであった。

 

 完璧に計算された柱の白と、見渡す限りの青い空。そのコントラストが、あまりにも美しい場所だった。

 

「ふふ、美しい光景でしょう? 貴方にそう思っていただけるのは、大変喜ばしい事です」

 

 そして、そこに堂々と佇んでいる女。

 足を地につけずに悠然と浮かんでいる、柔らかくドレープのたっぷりな服を着こなしている美しすぎる存在。

 黄金色の髪はまるで絹のように光り輝き、肌はどこまでも透き通るように白く、虹彩を放つ目はこの世のどの宝石よりも鮮やかだろう。

 

 ———完成された美とは、これをいうのか。

 あまりにも圧倒的な存在感に気圧されそうになりつつも……ふと、その女の口元に何かがついているのが見える。

 

「……お"……ぁ……あ……」

 

 呻き声が聞こえてその音の元を探ると、彼女の腕には抱き抱えられた全裸のパリスがいた。

 

 全裸の汚らしいジジイが、絶世の美女に抱きかかえられているのである。

 白目を剥いて、顔中の全てから汚い汁を垂れ流しながらも、それを大切な赤子を持つように抱くその女は、心底嬉しそうにその男の顔にキスを落とした。

 

 そうして、気がつく。

 彼女の口元に付いている似合わないもの———それは、陰毛だ。

 

 きっとジジイの陰毛だろうモノが、その女の口元についているのである。

 

「ふふ……わかりますとも、パリスちゃんはとても魅力的です。貴方が惹かれてしまうのも無理はない……ですが、彼に寵愛を与えるのは私で良いのです。どうか、貴方には貴方の愛し子に寵愛を」

「……あー、えーと、口、ついてるぞ?」

「あら?」

 

 驚くほど美しい動作で口元を指で確認し、そして陰毛を摘み上げた女。一目確認して———それをそっと懐に隠し入れた。

 

「失礼を」

「いや、いいんだ。……趣味は人それぞれだもんな、ウン」

 

 オレはドン引きしているものの、それを表に出そうとは思わなかった。いくら美女だからと言って、初対面の人間と会う時に口元に陰毛つけて話す女はあまりにも常識はずれすぎやしないだろうか。

 

 いや、そもそもこんなに美人なのになんでジジイなんだよ。そいつセクハラ犯罪者の小汚いジジイだぞ。おかしくないか? 

 

「当初、私が想定していた期間よりも長く貴方はここへ来るのを躊躇なさっておりました。その間、暗く陰りを持つ地上にて懸命な説得をした最愛のパリスに褒美を与えるのは当然のこと。故に、多少のお目溢しはいただきたく存じますわ」

「だっ……だすげ、でっ……」

「褒美……?」

 

 ジジイの消耗具合からみて、明らかに褒美を超えたナニカを施されているようにしか見えないが。

 

 いや、そもそも『暗く陰りを持つ地上』といっても、このジジイは地上をバカンスだって言っていた気がする。この美女とジジイには決定的な認識の誤差があるようだ。

 

「……さて、貴方が交渉のテーブルについてくださったこと、誠に嬉しく思います。パリスちゃんから話は聞いていると思いますが……念のため、再度確認をさせていただきます」

「いや何ひとつ聞かされてないぞ」

「まず貴方に課された我らが神からの使命になりますが……」

「ジジイから何も聞いてない! 待て、なんでダズを女にしたんだ!?」

 

 白目を剥いているジジイをギロリと睨みつけるものの、返事はなくただ呻き声をあげるだけのなにかになっている。……もしかしたら本当に死にかけているかもしれない。ご愁傷様である。

 

「? ……貴方も我らが神の一柱から使命を与えられたものでしょう? 飲み込みが悪いと、貴方を選ばれた神の顔に泥を塗ることになりますよ」

「そのジジイはなぁ、ダズにセクハラするし話の要領得ないし、オレにはなんの情報もないんだ! アンタがアフロディーテっていう時代錯誤の神論者って事くらいしか、オレにはわからねぇよ」

 

 アフロディーテはパチパチと目を瞬かせた後、パリスを見下ろし、そして再びオレに目を向けた。

 

 そして。

 

「……数ヶ月もかけてパリスちゃんが説得にお伺いしたというのに、それでも理解できなかったのはご自身のせいでは? 自分の無能を棚に上げてパリスちゃんに罪を着せようとするその性根、見下げたものですわね。いえ、いいのです。そのせいでパリスちゃんは辛い思いをたくさんしたのですから、私にもその苦しみをわけていただけると思えば、この程度の試練、なんともありません」

「なっ……は、はぁ?」

 

 前提からして、違っている気がする。

 

 この数ヶ月、オレとダズはジジイにさんざっぱり嫌がらせは受け続けていたものの、話というのは全然してこなかったのだ。何も知らないのは何も聞かされていないからで、聞いてもはぐらかされたからだ。

 それなのに、この女の中での意識ではどうやらジジイが数ヶ月かけて細かい説明を全部していて、それなのにオレが未だに理解できずにいると思っているらしい。

 

 女の、オレの事を哀れなものを見る目が突き刺さる。あまりにも不愉快だ。

 

「貴方にはわからないでしょうが……パリスちゃんは叡智と勇気に溢れ出した賢い英雄なのです。私はその栄光を知っているからこそ彼を使者として送り出しました。それを無碍に扱い、必死の説得にも長い間応じなかった貴方の思慮浅き考えを、私は悲しく思います」

「……英雄? そのジジイが英雄?」

 

 ジジイの信頼度というか、そういうものがオレとこの女では正反対なようだ。どうしてあの性犯罪ゴミクズジジイをそんなにも持ち上げて信用しているのか……理解に苦しむ。

 

 腹立たしい言い分に青筋が立つものの、ここで喧嘩をふっかけるほど子供でもない。いつか絶対にギャフンと言わせると心に誓って、苛立ちを隠さずに女を睨みつけた。

 

「……しかし天命は貴方を選ばれたのです。神々のご意志というのであれば、私はそれを精一杯補助するおつもりですので、聞きたいことがあるのであればお答えいたしましょう」

「まぁ、いい。とにかく、質問には答えてくれるって事だな?」

 

 言っていることはジジイとさして変わらないものの———きっとこの女の方がまだ話すつもりがあるのだろう。

 オレは気を取り直すと、まず1番に考えなくてはならない事を聞き出した。知りたいことはいくらでもあるが、なによりも大事なことは……

 

「ダズを女にしたのはアンタか?」

「えぇ、はい、その通りですわ」

「何故だ」

 

 ダズをこんな目に合わせやがった、その張本人。

 少しも悪びれずに言い退けた女を睨んで……場合によっては『目』を使って石化させることも考えながらも、オレはその次の言葉を待つ。

 

「……? それは貴方にとって喜ばしい事だったでしょう?」

「ん?」

「貴方は幼い頃から愛を知らなかったでしょう。私も、そうでした。神から授かりし権能とは異端であり人から畏れられる。ですから、貴(・)方(・)の(・)こ(・)と(・)を(・)心(・)酔(・)す(・)る(・)友(・)を(・)伴(・)侶(・)に(・)出(・)来(・)る(・)喜(・)び(・)を貴方に施しました。我が神から預かり授かっている偉大なる力の一部を示すに十分だったでしょう。……私の説明でおわかりいただけますか?」

 

 ??? 

 

「いや、わからん」

「……ええと、ごめんなさい。いくら私といえど美しさを損ねるので、知能レベルを同じほどに低下させるのは少し出来かねまして……いえ、そもそも誰よりも賢き英雄パリスちゃんですら出来なかったことを、私が出来るわけがないですね」

「いや、言葉をわかりやすくしろって意味じゃない」

 

 ちょくちょく挟まれる頭悪い煽りのようなモノに気が逸らされるものの、それ以上に先ほど言われた言葉が飲み込めずに理解が追いつけない。

 

「……オレに、施すって言ったな。オレのために、ダズは女になったのか?」

「えぇ。貴方が幸福を得るために、貴方を全て受け入れている男を、貴方に合わせた形に作り替えました。……貴方はどうやら生粋の異性愛者でしたから、私が神より授かっている権能を充分に発揮できたかと自負しています。感謝は我が神に是非どうぞ」

 

 今更、神がどうこうという事に突っかかる必要はない。だが、それ以上にこの女の異質さが言葉の節々から溢れ出している。

 

 幼い頃からオレの目のことを知っても尚近くに居続けたダズ。人々から忌み嫌われる中、ダズだけがオレのそばにいた。

 なるほど、こいつ以上にオレを受け入れるような人間というのはいないに決まっている。

 

 だから、そんな存在であるダズとオレが愛し合えるように、と……そういう意図でダズは女にされてしまったというわけか。

 

 アフロディーテの言い分は、ある程度理には叶っている。しかし、それはあまりにもダズの事を無視していた。

 

「胸糞悪いこと言うんじゃねぇよ……戻せ、すぐにだ」

「? そんな、私は愛と美の神から権能を授かっている身です。愛を引き裂くようなことは出来かねます。

 ……男女というわかりやすく愛し合える形にして差し上げたのに、どうして私が試練を与えなくてはならないのでしょうか? 理解に苦しみます。友情よりも愛の方がもっと結びつきは深く、濃く、そして切ないでしょう? そのような形にせっかくしてあげたのに、何故拒むのですか?」

 

 それに、と女は言葉を続けた。

 

「貴方の寵児の肉体は私が把握しておりますが……処女膜の喪失は認識しています。避妊しているのは、同胞として大変立派と思いますよ」

「ッ気ン持ち悪ィな……!」

 

 いくら同性になったとはいえ、プライベートもなにもあったものではないその言動に悍ましさを覚える。

 

 ダズの方を見ると———その顔は呆然として、アフロディーテの顔を刻みつけるように見上げていた。痛ましいものだ……と、アフロディーテからダズを隠すように、一歩前に出る。

 

「……ダズを戻せ、今すぐに」

 

 す、とアフロディーテの目が細くなる。

 

「何故? 自身をすべて受け入れる者の存在は、愛おしくはないのですか? 好きでしょう? 恋しいでしょう? 何故それから目を背けるのですか? わかりかねます」

「お前の考えなんざどうだっていい。戻せよ、すぐに。ダズとオレの関係は、オレが決める。友情でいいし、今まで通りの兄弟のような関係性でいいんだ。だから、戻せ」

「……可哀想に」

 

 そして、チラリとダズの方を見た。

 哀れみのこもった眼差しが、ダズに向けられる。

 

「いえ、いいのです。貴方がそれをお望みという事でしたら、出来なくはありません。……が、今一度貴方の寵児とご相談してからの方がよろしいのでは?」

「必要ない」

 

 2日前の夜に、ダズに洗脳を施したときに聞いている言葉。

 

『アニキのことは好き』

『でも付き合いたくはない』

 

 ———付き合いたく、ないのだ。

 

 ダズは、オレと兄弟の関係であり続けたいと願っているのだろう。

 それは洗脳を施しているが故に嘘ではない。ダズの事を1番理解しているのは、オレなのだから。

 

 すっかりダズに惚れていたオレには、辛く苦い台詞だった。未だもまだその痛みが胸をじくじくと焼き付けている。

 

「……時間はあります。特に貴方の前で時間などというのは無価値にも等しいのでしょうね……私は、愛と美の権能を神より授かりしアフロディーテ。それを自らの手で引き裂くことは、信仰故に出来かねます。

 ……この話は、とりあえず保留に致しましょう。互いに向き合った上で、私がその必要があると理解したときに、また」

 

 しかし、オレとしてもダズにこれ以上負担を掛けたくはないのだ。……いや、惚れているのに叶わない相手をこれ以上見続けるのが辛い、といってもいい。

 

 だから、これは妥協案だ。

 心底嫌だが、それでもダズの負担が軽くなるならと———

 

「オレを、女にすることは出来るのか?」

「………………え?」

「オレを女にしたら、それでもいいだろう。……ダズを戻して、オレを女にする。それでもアンタのいう条件には当てはまらないか?」

 

 男女の枠組みに拘るというのなら、それも出来るはずだ。……オレに男を好きになる気は全くないが、女の体になればそれも変わるかもしれない。

 

 これ以上、ダズに負担を掛けたくはないのだ。

 これ以上、ダズの女の姿を見続けたくない。

 

「———いや、出来ませんよそんなこと」

「何故だ」

「はぁ? 何故って僕……いえ、こほん。私は貴方に権能を行使出来ませんし、もちろん貴(・)方(・)も(・)私(・)に(・)権(・)能(・)を(・)使(・)う(・)こ(・)と(・)は(・)で(・)き(・)ま(・)せ(・)ん(・)。常識ではありませんか」

 

 そうして、アフロディーテは自身の目を指さす。5色に光り輝く、この世の宝石をぎゅっと詰め込んだような美しい眼だ。

 ———右目。それは、オレの眼帯の付いている眼。

 

「……まさか、ここまで提示していてもまだ私が権能を与えられた者だと理解していらっしゃらない?」

「その、権能っていうの……なんなんだよっ……」

「貴方も授かっているでしょう?」

 

 時の神より権能を授かった———

 

「ク(・)ロ(・)ノ(・)ス(・)、私と同じように神に使命を与えられた男。

時(・)間(・)を(・)止(・)め(・)、(・)動(・)か(・)す(・)……ほら」

 

 アフロディーテが目を翳すと、耳元からブチリと嫌な音が聞こえた。そうして、ぼろりと眼帯が重力に従って落ちていく。

 革製のしっかりとした眼帯を使っていたはずなのに、落ちていったのはぼろぬののような何かであった。

 

 そして。

 

 両目で———オレの忌々しい赤い目が、アフロディーテと交差する。いつもならその瞬間に固まりつくはずのそれは、ジジイを胸元に隠してにっこりと微笑んだ。

 

 石化、しない。

 

「え……な、なんで……?」

「権能を身に宿す者は、他の神の影響を受けない。……神々の取り決めにて、そのように制定されています。互いが互いに邪魔し合わないよう、最低限のルールというものなのでしょう」

 

 良き制定です、と女は微笑んだ。

 

「貴方が権能に悩んでいたことは存じております。私もその道は辿りました。故に、貴方には私が先達としてお伝えできることはしたいと思っております。

 ですから、私をどうか信用ください。私が権能を持つことも、理解したでしょう?」

「……」

 

 もう一度、クロノス、と名を呼ばれた。

 背中を嫌な汗が伝っているのがわかる。長年追い求めてきた答えを、目の前の女が握っていると考えると……心臓の鳴る音がやかましい。

 

 初めて、石化しない人間と両目を合わせたのだ。

 ふたつの眼で見る彼女は、あまりにも完成されすぎた美を体現していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クロノスアニキはまだちゃんと童貞です。
手マンはしてるけど童貞です。

最近書いてたやつ
・旦那様がご所望なので乳輪チラ見せ柔らかマゾメスTSメイドちゃんが夜這いご奉仕でたっぷり愛されちゃう
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15376309
もともとはダズちゃんにメイド服着せて夜這い調教するの見たいなって思ったのですが、本編で適用出来ないなってなったので別人になりました。
ただ9割9分9厘ダズちゃんです。
ダズちゃんの柔らかマゾメスメイド夜這い絵(初期案の時の絵)
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