三人称です。
夕日が彼を柔らかく包んでいた。
怪しげな占い師の姿は何処にもなく、眉目秀麗な青年がキャビネットから出てくる。
端末を操作しもうすぐ家に着くことを恋人に伝えると歩き出した。彼とすれ違う女性は皆一様に頬を赤らめながら振り返るほどに今の彼の表情には色気を含んでいた。
司波深夜との交渉の末に大金を手にし、喜々としながら帰路についている。左手には彼女たちのお土産を持ち、軽い足取りで家まで辿り着く。
高級住宅街というだけあって周りの住人も優美な者が多いが、その中でも遥は異彩を放っていた。
小さな顔に長い脚。清潔感のある白髪が靡き、モデルのような整った顔立ちのせいで朝のゴミ出しに出るとマダムから声をかけられる日々。
「息子が遥くんみたいな子だったらいいのに」と自分の子どもが聞けばショックを受けかねない会話をしながら「僕も○○さんみたいな綺麗なお姉さんと一緒に暮らせたら幸せなんでしょうね」とマダムキラー全開で対応している。
今も近所の奥さんと目が合い、愛嬌のある笑みを浮かべると「おかえりなさい」と声をかけられた。近所では仲良し兄妹として有名になりつつあり、仲睦まじい様子を温かい目で見守られている。内情は性に乱れた男と女の関係なのだから、人は見かけではわからないものだ。
家の鍵を開けると玄関には靴が三足並んでいた。一足は雫、もう一足はほのかの物だ。そして残りの靴も遥には見覚えがあった。
「エリカちゃん来てるのかな?」
ホールケーキにしてよかったと一息つきながらリビングの扉を開けると、クラッカーの爆ぜる音が鼓膜に突き刺さった。
「えっ!?」
ビクッと身体を硬直させると雫とエリカが笑顔で出迎える。
壁には『Happy birthday』の文字が。そこでようやく遥は今日が自分の誕生日だということを思い出した。
「ハルカ誕生日おめでとう」
「おめでとう遥!」
とんだサプライズである。驚きで目を丸くする遥を見たエリカは悪い笑みを浮かべながら遥の腕を取る。
「さ、早く早く。主役はここね」
ソファーに座らされる。
一人足りないことに気づくが口を開く前に誕生日会が進行していく。
「これは?」
「……あ、お土産にケーキを買ってきたんだけど、要らなかったね」
「まぁこれは後で食べるとして、はいこれ」
「ん?」
「誕生日プレゼントよ」
エリカからリボンが装飾された箱を渡される。
「開けてもいい?」
「どうぞ」
中からは銀のアンクレットが入っていた。
ブレスレットにしなかったのは腕にCADを付ける人が多いためエリカなりの配慮があったのだろう。遥はさっそく左の足首に付けた。
「似合ってる?」
「……まぁまぁかな」
「ふっ、これに似合うような男になるから。ずっと傍にいてね」
「……っ」
「ありがとう。今度俺もエリカちゃんに送るよ」
ペアでアンクレットを付けると来世もペアになれるというジンクスがあったりする。永遠の愛の証としてペアでアンクレットを付けるカップルがいるのだが、エリカがそれを知ってたかどうかは定かではない。
満面の笑みを浮かべて喜ぶ遥の姿を見たエリカは気恥ずかしそうに頬をかく。まさかここまで喜んでもらえるとは思っておらず赤面していた。
「私からはこれ」
「開けるね?」
「うん」
雫のプレゼントは某高級ブランドの下着と靴下だった。思わず遥も言葉に詰まったが、一緒に入っていたメモ書きのようなモノを見て頬が緩んだ。
『パンツは離れたくない、密着したいって意味。靴下は私を好きにしてって意味』
「ふふっ」
「どうかした?」
「これ雫ちゃんが調べたの?」
「あっ……」
エリカもそれを読んでニヤリと口角が上がっていたが、雫は顔を真っ赤にしながらメモ書きを遥の手から奪い取った。
「ありがと雫ちゃん。俺も離れたくないよ」
そう言いながら雫を胸に抱きしめた。すると雫は小さな声で『ばか』と呟いた後『好き』と囁いた。
「エリカちゃんも来なよ」
「あたしはいいわよ」
「だーめ。主役の言うことを聞きなさい」
「……わかったわよ」
エリカも遥の胸に抱かれる。嫌よ嫌よも好きのうち。エリカの両手が遥の背中に回り、腕の中で大きく息を吸っている。
「二人ともありがとう。幸せだよ」
「私も幸せ」
「……あ、あたしもよ」
それぞれの温もりを感じながら頬を染め合う。
雫の唇が遥の唇に重なろうとしたタイミングで遥の口が開いた。
「隣の部屋にいるほのかちゃんは何かあったの?」
気配察知により隣の部屋に反応がある。
「あーほのかはちょっと、ね」
「ほのかはプレゼントの準備してる」
「プレゼント? そうなんだ」
準備が必要な物が用意されているのか、それとも手作り? と期待に胸膨らませながら隣の部屋の扉に視線を向ける。すると冷たい手に顔が包みこまれ、身体を引き寄せられると遥の唇と雫の唇が重なった。
ちゅ――。ちゅっ。
雫の唇の次はエリカの唇が。
行為の最中で無ければ基本的にエリカからキスをすることはないため、エリカの頬が更に紅潮している。
「今日だけだから」
「ふふっ、ならもっとして欲しいな」
「なっ……んぅ、ホントに今日だけだからね」
もう一度二人の唇が交わった。今度は舌も絡み合い、情熱の限りを尽くす。
「……雫ちゃん何してるの?」
「私も今日だけ、ハルカに尽くしたい」
エリカとの接吻に勤しんでいると雫によって下半身が露出されていた。あまりの早業に戸惑いを隠せない遥だが、薄ピンク色の純な逸物が、臍の方まで反り返っていた。
【18.2/4.6】
「雫ちゃん?」
「……ぁむっ」
「んぁっ!?」
唐突に雫の口が開かれ、ちゅぷりと紅い唇が長棒を呑んでいく。舌先で先端を擽り、右手では根元部分をきついほど扱きたてる。
よくほのかが遥の逸物を舐めるときにする仕草だ。ほのかよりはぎこちないものの、快楽の扉を叩くには充分すぎるほどの刺激を与えていた。
遥は雫の頭を撫でながら、目の前で頬を赤らめているエリカの唇を貪りつく。
「んはぁっ、きもち、いいよ。雫ちゃん、大丈夫?」
「う、うんッ、むんっ」
雫は美しいを眉をきつく引き歪めつつ、呑み込んだ猛々しい逸物の舌に来る味や鼻をつき上げる独特の臭いに、雫の脳は犯されている。
涙目になりながら上目遣いで遥を見つめると、遥は気持ちよさそうに喘ぎながら雫の頬を撫でた。
「嬉しいよ。んっ、無理しないでね」
「ンッ、ちゅぷぅっ……ぢゅぢゅッ」
雫なりに熱心にいきり勃った逸物を舐めしゃぶっている。ニオイに敏感で臭いモノが苦手なあの雫がだ。
背徳感と罪悪感に襲われながらも、遥の下半身から脳にかけて強烈な快感が稲妻のように走る。
「あぁ~イキそっ、雫ちゃんの口に出していい?」
彼女はコクリと小さく頷いた。
そして大きく段差ができた雁首を中心に手で扱きながら、雫の舌が遥の亀頭の割れ目を舐めまわす。
「あぁイクッッ、ぁぁあっ!!」
「んんぅっ……んぐっっ、ンンンッゥぅっ!!」
遥の下半身が震え、巨根の雁首まで迫りあがった灼熱の白濁液を雫の顔面目掛けて一気に解き放った。
ビュービュッ、ビュッッ、と何度も先端が膨らみ、逸物が脈打つ。
雫の小さな口では収まりきらないほどの大量の精液が顔や髪の毛にまで飛び散り、猛烈な精のニオイが部屋中に充満する。
精液のニオイが苦手の雫がザーメンまみれになる。これほど遥を興奮させるものはない。自然と笑みがこぼれ、雫の下唇を指先でめくると隙間から白い液体が零れ落ちてきた。
「エリカちゃん」
「はぁ、まったく。少しは手加減しなさいよね」
「雫ちゃんの口の中が気持ち良すぎるのが悪いんだよ」
遥の精液は量だけでなくニオイも強烈。おまけに粘り気が強く、飲み込もうと思っても喉の奥に絡みついてくるため二重の苦しみを負う。ほのかはそれが快感となり精液の虜になっているのだが、雫にはそれが理解できないでいた。
今も飲み込むことができずに口の中に大量の精液が残ったまま苦しんでいる。吐き出すこともできず、飲むこともできない雫にエリカが助け舟を出す。
「雫、あたしの口に移していいから」
「ンッ、ちゅ……クチュっヂュルッ」
百合の花が咲く。口移しで雫の口からエリカの口へと遥の精液が移動する。唾液によって量が増えたが、その分精液は薄まりエリカは顔を歪めながらすべての精液を飲み込んだ。
「相変わらず、濃いのね」
薄まったところでカルピスの原液並みの濃さは残っていたようだ。
「エリカちゃんありがと。それに雫ちゃんも、すごく嬉しい。気持ちよかったよ」
「んっ」
遥に褒められるのが何よりのご褒美。遥に尽くし、雫は苦しみが少し和らいだ気がした。ほのかが言っていたのはこの事かと、雫の中にも奉仕する喜びが生まれようとしている。
そして性の匂いに誘われ、本日のメインとも呼べる驚きのプレゼントが登場する。
「は、はるくん……っ」
「ほのかちゃん?」
隣の部屋の扉が開かれ、遥の目に飛び込んできたのは一糸も纏わぬほのかの姿だった。服の代わりにほのかの胸や恥部に生クリームが塗りたくられ、官能的なエロスが広がっている。
「誕生日、おめでとうございますっ」
「うん、ありがとう」
「そ、それで、私からのプレゼントなんですけど……」
妖しく誘うように赤く染まった頬が、情感のこもった視線が遥に向けられる。
「ぷぷ、プレゼントは、わ、わたしですっ」
恥じらいに満ちたほのかの姿がそこにはあった。
雫とエリカによって高められた性欲がほのかのサプライズによって崩壊しようとしている。
「すごく綺麗だ」
「ぁぅっ……」
昂る感情を抑えようと机の上にあった飲み物を仰ぐ。すると胸の奥が灼けるような感覚に襲われ、遥の意識が混濁する。
「なんだ、これ……ッ」
飲み物のニオイを嗅ぐと香ってくるのはこの世界では初めて嗅ぐニオイ。アルコールのニオイが鼻腔を衝き抜けてくる。
「なんで、酒が!?」
「それお酒なの!?」
「……ジュースのシャンパンだと思ってた」
「え、えっ!? はる君大丈夫ですか!?」
途端に頭を抑えながらふらつきエリカに支えられる。
このシャンパンは雫が用意したもので、雫が遥の誕生日用に父に頼んで取り寄せていたものだ。
未成年でも飲めるシャンパンジュースを頼んだつもりだったが、何の手違いかジュースではなく本物のシャンパンが届き誤って遥が飲んでしまった。
前世では酒を飲んだことがある遥もこの身体では初めての経験。酒の酔いが全身に行き渡り、すっかり酔った状態になってしまった。
慌てふためく中、遥だけは人が変わったようにほのかの唇を奪った。
「んんっぁっ……ちゅ、ちゅぅっ……んんっ、はる、くぅん……ちゅっ」
「ほのか、愛してる」
「ぁ、わ、わたしも……んぁっ、ぁんっ、そんな、つよく、すっちゃ、ぁ、ダメッぁんッッ!」
唇を離すと遥はほのかの胸に塗られた生クリームにかぶりつき、乱暴に先端の果実まで吸い上げる。
遥の口の中いっぱいに生クリームの甘みが広がり、白雪の中から桜色の果実が姿を現すと、舌先を小刻みに振るわせて刺激を送り込む。
このとき遥は酔った勢いでステータス画面を操作しポイントで『舌ローター』と『指電マ』を購入していた。
「な、にぃ、これぇっ……ぁああンッッ!! きもちッ……ぁっ、イクっ、イクッッッ!!」
舌がローターのように振動し、ほのかの性感帯を刺激する。
普段と変わらぬ愛撫。雫とエリカからは遥がほのかの胸を舐め吸っているだけにしか見えていない。
しかし、ほのかの身体には経験したことのない強烈な刺激が襲い、あっという間に絶頂に達した。
「んぁっ、はぁっ……ぁん、はぁんっ……はるくぅん」
「ほのか、すごくかわいい」
「はぁっ、イっちゃい、ました」
「キスしよっか」
「はい」
んーちゅぷっ、と二人が舌を絡め合いながら唇を貪りあう。
性と酒のニオイが蔓延し、二人だけの世界が作られる。
遥の顔が赤く染まり、妙な色気が放たれている。雫とエリカも遥の色気にあてられ頬が赤くなっていた。
「ほのか、俺が十八歳になったら結婚しよう」
「ふぇっ!?」
「もう離さないから」
「……はいっ!!」
ほのかの目に涙が溜まる。そして一滴涙が零れ落ちると、崩壊したように大量の涙が頬を伝ってくる。
「雫も結婚しよう」
「……うん」
「エリカ、結婚してくれるかい?」
「遥、酔っぱらってるでしょ?」
「ああ、エリカが魅力的すぎて酔ってるな」
「そうじゃなくぇんっ……チュパッ、チュッレロレロっと……んぁっ」
エリカの咥内を犯す。舌が振動しながらエリカの舌に絡みつき、身体全体を溶かしていくような快感がエリカに襲い掛かる。
「ちょっ……ダメだって、ンンぁあッッ、ちゅっ……」
服の上から胸を揉まれる。すると電動マッサージ機と化した指先によって快楽の突起を連打させられ瞬く間にエリカの身体が痙攣に導かれた。
床に崩れ落ちそうになるエリカの身体を支えると、再び口の中に舌ローターが入る。
「ンンンッゥンッッ!!!」
ほとばしりを受け、昇りつけた肉体が更なる歓喜にさざめく。ビクッ、びくんと、電子ショックを浴びたようにあちこちを痙攣させてから、エリカは力尽きて床に突っ伏した。
「結婚してくれる?」
「……はぁっ、はぁっん、酔って、ないときに、んぁっ、もう一回、言って、よね」
「ああわかった。何度でも言うよ」
エリカが処女を捧げた日。あの時と同じ雰囲気を醸し出す遥に悦びを抱いている自分に驚きながら、自分の肉体の歓喜を抑えるので必死だった。
汗が滲み息が絶え絶えになっている。キスと胸を揉まれただけでここまでなるのかと、遥と自分の相性の良さに恐怖を抱きながら彼女たちとの乱舞を見守った。
エリカが床に伏せると遥の次の標的はおのずと彼女へと向けられる。
「雫。キスしよう」
「……駄目。まだ口の中に精液残ってるから」
「そんなの関係ないよ」
「え?」
遥がフェラされた後はキスをしないのはこの場にいる人間なら周知の事実。
「雫が俺のために尽くしてくれたんだから、そんな雫を拒むはずないだろ? これは俺の感謝の気持ちなんだ」
「……ハルカ」
「それでもダメかな?」
「ズルい。そんなこと言われたらんんぅっ……ちゅぅぅっ、ちゅっ、しゅきぃ……」
雫の口の中には精液のニオイが残っていたが、生クリームの甘みだったりアルコールによって気にならなかった。
遥はエリカにした時のように舌ローターで雫の咥内を犯していく。最初は絡み合うだけだったが、次第に振動が激しくなり、雷に打たれたように雫の身体が震えてくる。
「んぁっ、なに、これぇっれろっ……ちゅぱぁっ、ンンぁあっ、らめっ、あっ、あっ……ンッッ!!」
雫の身体が弓なりにしなる。
「はぁっ、まっ……ちゅぷ、ちゅっ、ちゅっ……ま、って、あぁんっ……はげしぃ、はる、かぁ……ンンッ!」
野獣に成り果てた性欲魔人が雫の咥内から身体全体に快感を植え付けていく。激しい水音が響き渡り、気づけば二人は床に座り込みながら互いの唇を凌辱していた。
「んぁっ……はる、かぁ……」
「しずく、すきだよ。ちゅっ」
「……わ、たしも。しゅき……ンンッ、ぁ、あ、あっ、ぁん、はるかぁ……」
雫の喘ぎ声が吐息が甘いハートに包まれながら漏れる。息ができない苦しみと、それを乗り越えたときに感じる快楽が雫の脳に刻まれ、新たな性癖が誕生した。
「んぁぁああ……っぁ」
涎やら唾液が雫の唇から漏れ、だらしない表情のまま遥の胸に倒れこむ。
「気持ちよかったよ」
「ぅん……」
キスだけで満足する遥ではない。性欲魔人は次のターゲットを定めると、立ち上がると一気にシャンパンを仰った。
「ゴクッ、グッ……」
頬が膨れるほど口いっぱいにシャンパンを含み、身体に熱を帯びさせながらそのままほのかの唇を食した。
「ンンゥゥッッ!!!?」
遥の口から大量のシャンパンがほのかの体内に流れ込んでいく。
プロポーズの言葉に幸せを噛みしめていたほのかの身体を大量のアルコールが支配する。
一瞬にして頭の中が真っ白になり、火傷するほどの熱が胸の中に宿る。顔が熱い。ほのかの意識が徐々に遠くなっていき、視界には愛する人しか映っていなかった。
「えへへ、はるきゅんだぁ……ふふっ、しゅき、しゅきぃ~」
「俺も好きだよ」
「ほんとれすかぁ? んぅ、ちゅ~したいです」
「いいよ」
泥酔したほのかが唯一遥の舌ローターの刺激に耐えられた。
身体中の生クリームを食した後、遥とほのかは一つに繋がって……。
酒池肉林の夜は終わらない。
この作品は18歳からですが、お酒は20歳になってからです。
酒池肉林はこれにて終了。番外編で続きを書くかもしれませんが、次回からまた物語に戻ります。
ではまた明日19時にお会いしましょう!