念のためにお知らせしますが、この作品は恋愛色や性事情が強く、原作カップリングを崩しています。原作カップリングがお好きな方にはお勧めできない内容が出ているのでそういう方はブラウザバックでお願いします。
原作では入学編のブランシュ事件が解決すると九校戦編まで時が進んでいたが、現実はそうもいかない。
いわゆる空白期間が存在するわけで、当然この間の知識は持ち合わせていない。だから目立つことはせず、なるべく大人しく行動していこうと思う。九校戦が始まれば忙しくなるし、勉強にクラブ、恋愛など平和な青春生活を送っていこう。
この期間の目標としては柴田美月と進展することだ。十人の相手と性行為しなければならないが、まだ三人の女性としか性行為できていない。九校戦編で数人とフラグを立てるとして、このまま進んでいくと柴田美月の攻略難易度が格段に上がってしまう恐れがあるし今がチャンスだ。
五月某日。放課後、いつものように美月ちゃんを迎えに行く。
「美月ちゃん迎えに来たよ」
「あっ、宮守君……いつもありがとうございます」
ブランシュ事件を境に美月ちゃんが俺に対する好感度が上がった気がする。そう思うのは、教室に入ると手を振って応えるようになった、というのが一つと、もう一つ理由がある。
「今日は美術部に顔を出すんですか?」
「そうだね。最近他の所ばっかに顔を出してたし、たまには美術部員らしく絵を描こうと思ってるよ」
相変わらず調理部や手芸部にも顔を出している。本来は他のクラブへ頻繁に顔を出すことは咎められるのだが、みんなが優しくしてくれるからつい甘えてしまう。これもイケメンだから歓迎されているのだろう。イケメン死すべし。
「今日は人物画に挑戦しようと思っているのですが……その、は、はるか君をモデルにしてもいいでしょうか?」
そう。美月ちゃんの好感度が上がったと思うもう一つの理由がこれだ。
「いいよ。じゃあ今度美月ちゃんもモデルになってくれる?」
「私でいいんでしょうか?」
「美月ちゃんが良いんだよ」
「は、はいっ、わかりましたっ。頑張ります!」
二人きりの時だけ名前で呼んでくれるようになった。
しかも俺から頼んだわけではなく、美月ちゃんの方から名前呼びを提案してきた。美月ちゃんが言うには、男の人が苦手で少しでも男の人に慣れるために練習したいとの事。俺は大歓迎で名前呼びを了承した。
最初は「さん」付けだったが、「さん」付けだと女の子っぽくて嫌だと言ったら最終的に「はるか君」呼びになった。まだ慣れないようで俺の名前を呼ぶときは毎回どもるがそこも可愛らしいところだ。
一週間ぶりの美術部の活動。思っていたより面白いことが起きそうな予感である。
モデルといえばヌードモデル。ジャケットを脱いでワイシャツも脱ごうとボタンに手をかけると美月ちゃんが慌てて止めに来るという出来事がありながらも写生会が始まった。
「……」
見え過ぎる眼が俺に向けられている。
美月ちゃんは霊子放射光過敏症という、霊子の活動によって生じる非物理的な光に対し過剰な反応を示してしまう体質だ。その光を見過ぎてしまうと情動に影響を及ぼし、精神の均衡を崩しやすいという傾向にあるため、常に眼鏡をかけている。
眼鏡越しだが、美月ちゃんの眼で見られると俺の深層を覗かれているようで落ち着かない。
まぁ、落ち着かないのは美月ちゃんに見られているからだけではない。人物画のモデルとして快く了承したものの、既に一時間近く静止しっぱなしのせいで身体が動きを求めているのだ。
「美月ちゃん、そろそろ休憩しない?」
「へっ? え、あっ、もうこんなに時間が!? ごめんなさい、休憩してください!」
「随分集中してたね」
「……いつもは三十分くらいで疲れてしまって気が散るのですが、今日はまだ十分くらいしか経ってないような感覚がします」
「そんなに俺の絵を描くのが楽しかったんだ」
「っ……」
黙らないでほしい。冗談のつもりで言ったのだからツッコんでくれなきゃこっちまで恥ずかしくなる。
「喉乾いたから飲み物買ってくるね」
「あ、はい」
重い空気に耐え切れず教室を出た。
美術部は主に写生班と写真班に分かれて活動する。ずっと絵を描き続けてもいいし、絵を描き、写真を撮るを交互に行ってもいいしそこは自由だ。
だが今日は天気が良いせいでほとんどの部員が写真班に入ってしまい、写生班にいるのが俺と美月ちゃんを含めて三人しかいない。うちの一人は写真班に合流すると言って俺と一緒に教室を出てしまった。
飲み物を買って教室に戻ると美月ちゃんがさっきまで描いていたキャンバスを見つめていた。
「きゃっ!? みや……はるか君」
冷たい飲み物を頬に当てて驚かすっていうのをやってみたかった。でもやるときはちゃんと周りをよく見て、本人が怪我しないかを確かめてやらないと悲惨なことになる。
「オレンジジュースとレモンティーがあるけどどっちがいい?」
「えっ?」
「ジュース買おうとしたら当たっちゃってさ、よければどっちかどうぞ」
「えっと、じゃあオレンジジュースを頂けますか?」
「はい」
「ありがとうございます……あの、お金は……」
「当たったって言ったでしょ?」
「……ふふっそうですね。ありがとうございます」
この学校に当たり付きの自動販売機は無い。そのことに気づいたからこその微笑みである。
俺もキャンバスを見てみると、白い世界にイケメンが描かれていた。あとは影を描き足せば完成だろうか。
「へー滅茶苦茶カッコよく描いてくれてるね」
「いえ、モデルの人がカッコいいからですよ」
「俺のことカッコいいって思ってるんだ」
「ふぇっ、あ、ちがっ、あ、違くは無いんですけど……っ」
プシューと顔から湯気が出る音が聞こえた気がする。
「ごめんごめん。でもそう思ってくれてるなら嬉しいよ」
「……」
「美月ちゃん?」
「い、いえ何でもありません」
これまでも何度か俺の顔を凝視されることはあった。周りの目もあったし問い詰めることはしなかったけど、今日はこの場に二人だけ。俺は美月ちゃんの目を見つめ返す。
「……ッッ」
「どうして目を逸らすの?」
何度目を逸らそうとも美月ちゃんの視線の先に移動する。羞恥心に悶えた美月ちゃんが勢いよく立ち上がるが、それでも目を逸らそうとしない俺を見て再び椅子に座った。
「美月ちゃんって可愛いよね」
「……っ、か、揶揄わないでください」
「揶揄ってなんかないよ。本当に可愛いと思ってる」
言葉責めに慣れていないのか、この程度言葉責めにも入らないが、美月ちゃんの瞳が潤んでいる。
「は、遥くんは彼女がいるのにどうしてこんな態度を取るんですか?」
「彼女がいたら美月ちゃんと喋っちゃいけないの?」
「……そうじゃなくてですね、その、か、可愛い、とか、私と一緒にいて楽しい、とか……です」
「本当のことだからしょうがないよ」
「っ……そういうことばかり言うから勘違いしてしまうんです!」
「勘違いって?」
立ち上がって美月ちゃんとの距離を縮めると、後ろで髪を結っているシュシュに目が留まる。以前俺がプレゼントしたシュシュである。そのシュシュに手を伸ばすと何かされるのか勘違いしたのか、美月ちゃんの目がギュッと閉じられた。
近くで目を閉じられるとキスしたくなっちゃうのが俺の悪い癖だ。必死に理性と戦いながら、性欲値の上昇を感じる。
「シュシュ着けてくれてるんだ。嬉しいな」
「んっ」
髪の毛を撫でると甘い吐息が漏れる。髪の毛を触られることになれていないのか、身体が僅かに震えていた。
「美月ちゃんは勘違いしちゃうって言ってるけどさ、美月ちゃんだって勘違いさせるようなことしてるじゃん」
「べ、別に私は……」
「それとも勘違いじゃないの?」
髪の毛を撫でていた手を下すと、反対の手を美月ちゃんの頬に添える。
目が開かれ、上目遣いで覗かれる。潤んだ瞳と紅潮した頬が色香を振りまいている。
「俺は美月ちゃんと同じクラブの仲間じゃない、別の関係になりたいと思ってるよ」
「え?」
「好きだよ。美月ちゃん」
「っぁ、だ、だめですっ、はるか君には恋人が……」
「じゃあ今だけ彼女とは別れた。今の俺は彼女がいないただの一人の男だよ」
愚図の極みである。もちろんこんな屁理屈のようなことが通じるはずもなく、俺はすぐに言葉をつづけた。
「なーんて冗談だよ。俺はほのかちゃんのことが好きだし、愛してるからね。嘘でも別れるつもりなんてないから」
「……」
「でも知ってる? 優秀な魔法師になれば重婚が認められるんだよ」
美月ちゃんの瞳が揺らぐ。最近できた法律でニュースでも取り上げられていたからさすがに知ってるか。
「結婚なんて……」
「考えたことなかった? だけど魔法師は早婚が推奨されてるし、高校生で婚約者がいる人なんて珍しくないよ」
この学校にも許嫁や婚約者がいる生徒もいる。まだ学生だからと表向きに公表されていなくても裏では決まっていたりする。
「確かに結婚なんて気が早いと思うけど……じゃあさ、お互いの結婚観について話してみない?」
「結婚観、ですか?」
「そう。美月ちゃんは子どもは欲しい?」
「……はい」
「何人くらい?」
思案顔になる。結婚について考えたことが無い人に対しては、それについて考えさせてあげればいい。子どもが欲しいか、何人、性別や名前は。結婚した後の呼び方は。会話のデッキは無限に存在する。
相手が口下手だとしてもしっかり聞いてあげれば答えてくれるものだ。
さらに言えば俺の持つ「鑑定」能力をポイントを消費してレベルアップさせた。それによって「鑑定」から派生し「読心術」を取得した。相手の心を読むことで価値観を一致させることができる。
「俺は男の子一人と女の子一人は欲しいかな」
「あっ」
「ん?」
「わ、私もです」
より心を打ちとけやすくする魔法だ。
「女の子は美月ちゃんみたいに心の優しい子に育ってほしいな」
「……」
会話の流れの中で自然と結婚相手を美月ちゃんに設定していると告げる。美月ちゃんは恥ずかしそうに俯くが会話は続ける。
「男の子だったら遥くんみたいにたくさんの女の子を誑かさないでほしいです」
「おいおいっ、俺がいつ女の子を誑かしたんだ!?」
「ふふふっ、冗談です」
「はぁ、こりゃ一本取られたなぁ」
「ふふっ」
警戒心が無くなり緊張もほぐれてきた頃か。
「ちょっ、と」
「どうしたの?」
「ち、ちかい、です」
顔を近づけると俺の胸に手を当てて押し返してくる。手の力を弱々しく全くと言っていいほど抵抗が感じられないが、それ以上近寄ることはしない。
「好き」
「っっ」
「好きだよ」
「だ、だめっ、です」
「好き」
「んぅ」
何度も繰り返し告白する。一種の催眠術のように美月ちゃんの頭には俺の声が反響しているだろう。
「美月ちゃんは俺のこと嫌い?」
「……き、きらいじゃ、ないです」
「じゃあ好き?」
「……すき、です」
堕ちた。
「じゃあ俺の彼女になってくれる?」
「それは……」
「ダメ?」
「……はる、か君にはほのかさんがいます」
「俺は美月ちゃんの気持ちが聞きたいんだ。俺に彼女がいることを言い訳にして、自分の気持ちを押し殺す必要はないんだよ」
あと一押しといったところか。最悪快楽に溺れさせればいいから、俺の恋愛話術がどこまで通用するか試してみたい。
「美月ちゃんは優しいよね。優しさは美徳だ。だけど自分の気持ちを偽ってまで優しい人でいてほしくないな。俺の前でだけは本当の自分をさらけ出してほしい」
「はるか、くん」
「では改めて。俺は美月ちゃんのことが好きです。俺の彼女になってくれますか?」
「……ぃ」
「なに?」
「はぃ」
美月ちゃんが俺のことを受け入れた瞬間、ずっと我慢していた理性が崩壊し美月ちゃんの身体を抱きしめていた。
「は、はるかくんっっ!?」
「嬉しい。もう離さないからね」
「……んぁっ」
俺の胸の中で美月ちゃんが小さく喘いでいる。
雫ちゃんやエリカちゃんとは違う柔らかさ。系統でいけばほのかちゃんに近いが、美月ちゃんはほのかちゃん以上にむっちりしていた。
美月ちゃんの胸が俺の胸に押しつぶされてとんでもないことになっている。大きさでいえばほのかちゃんといい勝負だ。
「ごめんね、強く抱きしめすぎた」
「い、いえ……」
「好きだよ」
「……っ、わ、私も好き、です」
美月ちゃんは意外と気が強かったりする。入学したばかりの頃、森崎が二科生を見下して起こした事件の時も美月ちゃんが森崎に意見していたし、今だってはぐらかすことなく好きだと言ってきた。
まぁエリカちゃんに振り回されながら付き合っているし変わってるのは知っていたけどね。
「ふっ」
「ど、どうしたんですか?」
「なんかしあわせだなぁ、って思ってさ」
「ッッ……」
こういう台詞を恥ずかしげもなく言えるからエリカちゃんから女誑しの才能があるとか言われるんだよな。
しかし口にしなければ伝わらないことがある。行動を起こさなければ何も始まらないし、とりあえず「好き」と告白すればそこから何かが起こる。
「はるか君は、ほのかさんに対してもそういうことを言ってるんですか?」
「そういうことって?」
「……甘い言葉と言いますか、幸せ、とか好き、とか」
「まぁ、一日一回は言ってるかな」
そのせいで免疫が付いたのか、俺が「好き」と言っても「ハイハイ」と流されることもある。行為の最中は初心な心を取り戻してくれるからいいんだけど。日常でもイチャイチャしたい時があるんだよ。そういう面でも定期的に新しい彼女を作ってイチャイチャできるのは最高だ。
言ってること最低だな俺。
「ほのかさんが羨ましいです」
「でもこれからはその羨ましいことを美月ちゃんにもしていくからね」
「……あの、みんなの前では、その……」
「大丈夫。二人きりの時しか言わないから安心して」
「……はい」
俺にも体裁があるし、美月ちゃんにもある。彼女持ちの男に対して色目を使えば、たとえ俺が悪くても美月ちゃんに被害が出るかもしれないしね。
それに美月ちゃんは俺に他の彼女がいなくても、人前でいちゃつく様な事は恥ずかしくてしたくないらしい。裏では派手に乱れるタイプだな。
性欲値が上昇してきたため今日はここで終わろう。最後まで進んでも良いけど、美月ちゃんのような奥手なタイプは順序だてていかないと攻略することはできないからね。
「気をつけてね」
「はい。はるか君もお気をつけて」
「うん。じゃあ帰ったら電話するね」
「……お待ちしてます」
美月ちゃんの乗ったキャビネットを見送ると俺も彼女たちが待つ家へと帰る。彼女たちには新しい彼女ができたことを説明しないとな。
彼女たちには最低十人は覚悟しておくよう言ってあるから大丈夫だろう。それを受け入れてくれた彼女たちもすごいけど、なんとなく今夜は眠れない気がするな。
俺と美月ちゃんが恋人になってから一週間が経った。まだ俺たちは高校生らしく穢れのない関係を築いている。
美月ちゃんと付き合ったことを彼女たちに伝えると、ほのかちゃんと雫ちゃんには歓迎され、エリカちゃんには呆れられたが、元々面識があったメンバーだから女性陣同士仲良くやっている。
美月ちゃんは表情や態度に出やすいから、俺と付き合いだしたことが周りにバレるかな? とも思ったけど今のところは穏やかな日々が送れている。まぁ司波達也辺りには気づかれてそうだが、何も言ってこないしこのままでいこうと思う。
司波達也に渡して誕生日プレゼントは喜んでもらえたのかわざわざを礼を言いに来てくれた。何故ネクタイピンだったのかという問いには、なんとなくと言葉を濁しておいたが、本当に深い理由は無いんだよな。
今日も美術部に顔を出す。ここ一週間は毎日クラブに参加している。
美月ちゃんからは他の所に顔を出さなくていいのかと聞かれたが「少しでも美月ちゃんと一緒にいたいから」と言うと頬を紅潮させていた。こういう初々しい反応が俺を興奮させる。
部活が終わり、下校時間になれば美月ちゃんと一緒に帰る。他の部員からは俺たちが男女交際してるんじゃないかって噂が飛び交っているけど、俺には彼女がいることを知ってるからそれ以上追究してくることはない。実に空気を読んでくれる方々である。
学校から駅までの約十分間は、俺たちが恋人として接することができる数少ない機会の一つで、美月ちゃんと並んで歩きながら他愛ない会話が続いている。
「明日は学校休みだけど美月ちゃん休みの日は何してるの?」
「休みの日ですか? お買い物をするときもありますけど、休みの日は絵を描いてることが多いです」
「風景画とか?」
「そうですね。でも外で描くと色々あるので家で描くことが多いですね」
美月ちゃんは服の上からでも胸が主張しているから男たちが黙ってないだろう。
「美月ちゃん可愛いから一人で絵を描いてるとナンパされちゃうもんね」
「いえ、そんな……」
「じゃあさ、明日天気が良かったら絵を描きにいかない?」
「え?」
「デートしようよ」
「ふぇっ!?」
初めてのデートの誘い。よく考えてみれば付き合いだしてからデートらしいことをしたことが無かった。電話やチャットのやり取りは毎日しているが、学校でもクラスが違うし一緒にいる時間といえば部活の時くらいだ。
「ナンパされても俺が守るから庭園デートなんてどう?」
「えーっと……はい」
「よしっ! 美月ちゃんとデートできるなんて楽しみだなぁ。朝の静かな情景を描くのも良いし、温かくなった昼間の風景も映えそうだ」
「ふふっ」
「急に笑い出してどうしたの?」
「いえ、はるか君って意外と子供っぽいなぁっと思いまして」
あえて子供っぽいキャラを演じているんだけどね。
「そう? 俺って家とかだといつもこんな感じだけどな」
「そうなんですか?」
「うん」
「意外です。学校だと優等生、みたいな感じで近寄りがたい雰囲気があるので」
「……近寄りがたかったの?」
できるだけ親しみを感じさせるようフレンドリーに接することを心掛けていたけどそんな風に思われていたのか。
冷静に考えてみれば、クラブ以外ではほのかちゃんと雫ちゃんたちとしか絡まないし、クラスで男子の友達いないし、あれ、俺って絡みづらいとか思われてる?
「ああ、違います! 私は二科生なので、一科生の人全員が優等生に見えてしまって……。達也さんを通じて深雪さんとお知り合いにならなければ、はるか君ともこうして一緒に帰ってないと思います」
なるほど。同じ一科生でもクラスが違うだけで名前も知らない生徒がいるくらいだし、差別意識がある一科と二科では特に関わることも少ないだろう。
「じゃあ深雪ちゃんたちに感謝しなきゃだね。あの二人は俺たちの恋のキューピットかもしれないんだから」
「……はいっ」
俺たちは明日の予定を決めながら駅で別れた。
簡単に堕ちすぎじゃね?でもイケメンが毎日教室まで迎えに来てくれて、部活が終われば毎日一緒に帰って、毎日のように甘い言葉を囁かれれば気になりますよね。
ではまた明日19時にお会いしましょう。