※この作品はR-18です。

魔法科高校の性春生活   作:八住 楓

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愛梨視点です


第69話 お漏らし再び

 

 栞を迎えに行って、その帰り道にまさか宮守遥と会うなんて……。

 

 

 彼と最初に会ったのは私が中学三年生になる前。

 『宮守家』と『一色家』は資金提供のパートナー契約を結んでいる都合上、次期当主候補の私が宮守家との会食に参加しないわけにはいかなかった。それがお見合いだと知ったのは会場に向かう途中だ。コミューターの中で父から伝えられた。

 

 我が一色家は十師族に選ばれる資格を持つ二十八家の一つで、お偉い様方と食事する機会は多い。社交界では年の離れた殿方と踊ったこともある。それが意に添わぬ相手だったとしてもだ。実際にしたことは無いけれど、夜伽に誘われたことだってある。ココはそういう世界なのだと割り切ったが、汚い大人たちの闇を見たような気がする。

 

 宮守家とのお見合いは、自分と同年代の男の子が相手という事で、経験の差を見せつけてやろうと私は取り乱すことなく父の言葉を受け入れ、お見合いに参加する意思を固めた。

 

 年間何億という大金を提供してくれる大手のスポンサー様が相手だ。どれだけ醜い容姿や性格をしていようが、粗相の無いようにと気を引き締め……そして彼と出会った。

 

 宮守遥の第一印象は『中性的で綺麗な人』だ。父から彼の名前を聞いていたため一瞬女の子なのでは、とも思ったが、彼と目を合わせた瞬間、凛々しくもあり鋭い眼差しに吸い込まれそうになった。

 十代半ばで父のような貫禄のある雰囲気に、無意識のうちに私の本能が彼の『男』の部分を感じ取っていた。

 

 お見合いを通じて知り合って以降、彼はリーブル・エペーの試合を見に来たり、一緒に食事したりと精力的に私との時間を作ってくれた。

 

 父は宮守家との関係を大事にしたいと、彼との将来にも好意的。私は一人娘だけどゆくゆくは彼の元に嫁ぎ、彼との間にできた子どもを一色家の跡取りにするのだと思っていた。

 

 しかし私にも不満が無いわけではない。

 

 見た目が良くてお金持ち。魔法師としての資質もあって話していて面白い。何よりも私を一色家の令嬢として扱わない点に好感が持てた。

 別に雑に扱ってほしいとか蔑ろにするのが良いと言ってるわけではない。私にそんな自虐趣味はない。

 彼は私を一色家の令嬢という色眼鏡で見るのではなく、尊重しながらも一人の女性として扱ってくれる。そんな彼の優しさと人間性に惹かれていた部分は確かにあった。

 

 でもそんな彼の行動で一つだけ理解できないことがある。その一つがとてつもなく大きく、どうしても許容することを拒む自分がいる。

 

 今思えば、複数の女性に対して言い寄る彼を許せなかったんだと思う。それは嫉妬や自分だけを見てほしい独占欲があったのかもしれない。

 けれど、複数の女性に好意的な態度を取り、甘い言葉を投げかける彼と、汚い闇の世界の住人たちを無意識のうちに重ねてしまっていたんだろう。

 

 結局は彼も女の人を性欲処理や子供を産む道具としか思っていないんだ。そう思うと一瞬にして彼への気持ちが冷めていくのがわかった。

 

 それからというもの、彼との連絡を絶った。ちょうど魔法科高校への受験勉強が本格化してきた時期だったため、彼の方も連絡を控えてくれたし会うことも無くなった。

 

 そして一年後。記憶の中から彼の事が消えそうになっていた頃、九校戦の懇親会という舞台で彼と再会した。

 

 少し大人っぽくなった彼を見て安心した自分と、愛惜の情のようなものが残っている自分に驚いた。

 

 見た目だけならば一条くんも引けを取らない。いえ、十師族の一条くんと比べるのはおかしいのだけれど、とにかく何故か彼の事を目で追ってしまう自分がいた。

 過ごした時間は微々たるものなのに、この気持ちが何なのかわからない。

 

 

 彼の女好きは前に会っていた時よりも過熱していた。

 

 恋人がいるにもかかわらず、複数の女性と肉体関係を結び、甘い言葉で誑し込める。

 あの七草真由美とも関係にあるなんて……彼は隠すつもりがないのか、大胆にも九校戦の施設内で行為に及んでいた。

 

 そういえば一高の男子生徒たちが彼の醜聞を話していたような気がする。

 それを鵜呑みにするわけではないけれど、事実として私は彼の言動を知っている。そしてその噂が事実であることを知っているが、どうしてだろう、彼を咎める気持ちにはなれなかった。

 

 彼は女性を性欲のはけ口にしているのにどうして……?

 

 

 新人戦が始まり、彼の事ばかり考えているわけにもいかなくなった。今は競技だけに集中しよう。そう何度も自分に言い聞かせていたのに、また、彼の事を忘れようとしていたタイミングで私の前に現れた。

 

「あー覗きが趣味の愛梨ちゃんだ~」

 

 試技を終えた栞と別れた後、トイレから出ると運の悪いことに彼と遭遇してしまった。私は負い目や羞恥心もあって一刻も早くその場から逃げ出したかった。

 しかし彼はわざと私を煽るように口を開き、まんまと彼の策略にのってしまったのだ。

 

「アナタ、誰にも言ってないでしょうね!?」

 

 私は彼の胸ぐらを掴んで突っかかる。

 

 彼は私がお漏らししたことを知っていた。

 この事がもし誰かに知れ渡れば、私は羞恥心で死んでしまう。それだけは絶対に阻止しなければならない。

 彼が知っているだけでも悶え狂いそうになっているというのに……彼はある条件を持ちかけてきた。

 

 それは、私がお漏らししたことを誰にも言わない代わりに、彼の秘密も内緒にするというもの。秘密というのは彼が複数の女性と肉体関係にあるというものだ。

 

 しかし彼が素直に黙っていてくれるとは思えない。

 

「本当に誰にも言わないのかしら?」

「誰にも言わないよ。墓場まで持っていく」

「信じられないわ」

 

 彼は笑っている。私はこんなにも切羽詰まっているというのに、ムカつく男。

 

「うーん、それじゃあ……物理的に俺の口を封じてくれる?」

 

 物理的に? 殴って良いのかしら。

 

「誰にも口を開かないって意味を込めてキスしよっか」

「……ハァあッッッ!!?」

 

 言葉の意味を理解するのに数秒時間を要した。

 いま、彼はキスしようと言ってきたの? 意味が分からない……。

 

「な、何を言ってるの!?」

「愛梨ちゃんの唇で俺の唇を封じてくれたら、お漏らししたことはこの口から絶対に洩れることはないよ」

「そんな意味の分からないことを言って私を混乱させようとしても無駄よッッ!」

 

 彼はバカなのかしら、アホなのかしら。恋人でも、夫でもない相手とキスするなんて考えられない。

 

「じゃあ愛梨ちゃんがお漏らししたことをポロっと口にしちゃうかもしれないなぁ」

「くッッ……」

 

 最低な男。やはり女をそういう事の対象でしか見てないんだ。このまま良いようにされるくらいなら私の体裁くらい……。

 

「愛梨、好きだよ」

「なッッ!?」

 

 急に何を言い出したのこの男は……!? この状況で、え……?

 

 さわさわと総身に熱の小波が広がった。

 

「アナタ……何を……?」

「本当は愛梨の事が好きだからキスしたいんだ」

「ふざけないで……っ」

「ふざけてなんかいないよ。本気で愛梨の事を愛してるんだ」

 

 彼の胸ぐらを掴む手の力が弱まり、逆に彼に手を握られてしまった。手の感触がこれまで触れてきた他の男たちとは違う。指を絡められ、壁に押し付けられる。

 

 距離が近い。彼に心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかって程、胸の鼓動が激しく波打っている。

 

「私はアナタの事が嫌いよ」

「そっか。残念だなぁ、俺はこんなにも君の事を愛しているというのに」

 

 口車に乗せられるつもりはない。早くここから抜け出さないと。

 

「そんなに愛しているのならどうして他の女性と一緒にいるのかしら?」

「綺麗で可愛い女の子がいたら口説かないのは失礼にあたるからね」

「なら私じゃなくても他に可愛らしい女の子はいっぱいいるわ」

「愛梨よりも素敵な女性は両手で数えるほどしかいないさ」

 

 いるんじゃないの。そこは私が一番だ、っていう所でしょ。気にくわないわ。

 

「俺は正直者だからね」

 

 香水のような甘い匂いに頭がクラクラとしてくる。

 握られた手が熱く、彼から目が離せなくなっていた。

 

「それに俺は好きでもない女の子と一緒に食事に行ったり、わざわざ時間を作って試合を見に行ったりはしないよ」

「それは……」

 

 それは確かに。私だって気にならない男の人と出かけるほど暇ではない。

 

「愛梨と会えない時間は凄く寂しかった」

 

 さっきから彼に名前を呼ばれるたびに、甘い匂いが濃くなっているような気がする。

 

「そんなこと……私は……」

 

 私はアナタの女好きが嫌いで、アナタの事を忘れようとしていた。忘れようとして……毎日アナタの事を想い……切なくなって、またアナタの事を嫌いになろうと……。

 

「アナタの事は嫌い、よ」

「俺は好きだよ」

 

 身体が火照る。彼の顔が近づいてきた。

 

「もう、嫌いでもいいさ。我慢できない」

 

 そう言うと、彼は私との距離を縮め、そして……彼と初めてのキスをした。

 

 悦楽の疼きが身体中に走り、一瞬、頭の中が真っ白になった。

 

 甘い――。キスがこんなに甘いものだと……繋がれた指先だけじゃなく、唇も、すべてが甘く感じた。

 

「んぅっ……」

 

 脚の力が抜け、彼に支えられないと立っていられなくなる。

 

「好きだよ」

「……最低な男」

 

 唇が離れると開口一番彼は甘い言葉を吐いてきた。その言葉が私の鼓膜を通って脳内で何度も再生され、身体全体へと伝達される。

 

「クッッ!」

「ふふっ、ここまで攻撃的な人は初めてだ」

 

 自由になった左手で彼の頬をぶん殴ってあげようとしたのに、彼に手首を掴まれ阻止されてしまった。

 

「初めてがこんな気持ち悪いキスだとは思わなかったわ」

「……ショックだなぁ、優しくしたつもりだったのに、気持ちよくなかった?」

「ええ、まったく」

 

 これで少しは彼の勝ち誇った表情が崩せると思ったのに、何故か彼は嬉しそうに頬を緩ませながら再び顔を近づけてきた。

 

「まって、ちょ、ンンッッっぁっ……く……ちゅっぅ……ちゅぷぅっ……ぁ」

 

 さっきの触れるだけの優しいキスとは違い、唇をこじ開けられ口腔を舌でかき乱される。たちまち髪の生え際までざわざわと快感が広がり、鼻からくぐもった声が漏れた。

 

「んふっんっぁっ……ぁぁっんっ……くちゅっぷっ……ちゅぅうっっ……」

 

 何が起きているのかわからない。けれども私が弄ばれているのだけはわかる。

 

 甘い唾液が口の中いっぱいに溜まり、それが喉を潤すたびに身体に悦楽が襲ってくる。このままではいけないと、反撃しようにも彼の舌に舌を絡ませるだけでいっぱいいっぱいだった。

 

 それが良くなかったのかもしれない。

 私が積極的になったと勘違いした彼は、さらに舌の動きを激しくさせ、夢中になって口の中の唾液を貪り始めた。

 

 さっきまでの彼とは別人のように、激しく舌を動かし、舌先で口蓋をくすぐり、歯茎を滑ってくる。

 

「んぐっ……んふぅぅぅうッッ」

 

 上手く息ができない。

 

 身体の力が抜け落ち、何もできなくなった。

 舌を動かすのを忘れ、彼に身を任せてしまった。

 

 対等だった立場は崩れ、受け身になり、鼻から熱い息を洩らしながら、唾液を奪われていく。

 

 あぁ、気持ち、悪い……。

 

「あんっぁ……んぅぅくっっ……ぁぁっ……きもちいぃ……すきぃ」

 

 唇をぐるりとなぞった彼の舌は、私の首筋に移った。

 

 唇が解放された瞬間、私は何を口にしただろう。もう何も覚えてなどいない。

 

 首筋を舐められるだけならまだ耐えられた。けれども首に歯を立てられ、甘噛みされると声が我慢できない。

 

「くっ……あうっ……ぁんっ、だめっ……」

 

 口の動きは激しいのに、私の身体を支える彼の手の動きは繊細で、私の頭を背中を撫でる指先のタッチが、恐ろしいほどの快楽を与えてくる。

 

 我慢しなきゃいけないと思えば思うほどに口から、信じられないほど甘い声が出てしまう。

 

「みや、もっ、り……は、るかぁ……」

 

 彼は首より下に触れてこなかった。まるで、これ以上は私が望まないと触らないぞ、という意思がひしひしと伝わってくる。

 

 私は望まない。耐えてみせる。耐えて、あの七草真由美ですら耐えきれなかった彼の誘惑に勝ってみせる。

 

 それなのに、彼は私の心を読んだように首の下へと頭を動かした。

 

「ねぇっっ……ぁあっっ、だめっよ……くっっぅぅっっんんぁああっっ!!」

 

 唇や首筋をなぞられていた時とは違う悦楽の波が押し寄せてきた。

 

 耐えきれない快感の渦。

 

「あうっ……くぁっっ!!!」

 

 声が洩れる。

 

 彼の頭が私の胸へと辿り着く。衣服の上からだというのに、乳首の部分を甘噛みされ、舌先で突かれ、こね回されたりし始めると、感じすぎてジッとしていられなくなる。

 二つの膨らみを手のひらいっぱいに包み込み、谷間を寄せ、頭を微かに左右へ動かしながら、右の頂を刷毛のように優しく唇で触れた。

 

「くっ……ぁっ……あぁ……イっ、く……」

 

 服の上でこれなら直接触られたらどうなってしまうのか……考えるだけで下腹部が疼いてきた。

 

「あぁ、やばぃっ……」

 

 絶妙に私の感じるところばかりに触れてくる。

 

「そこっ……」

「ここがいいの?」

「違ぁっ……そんな、こと……ンンッぅっぅうッッ!!」

 

 コリコリと、舌先で乳首を舐めてくる。

 そして彼はとうとう禁断の行動に出た。

 

「えっ!?」

 

 衣服の中に手を潜り込ませ、直接私の胸を揉みしだいてきた。

 

「なにぃを、考えているの……ッッ!?」

 

 気持ちいい……。

 みるみるうちに汗ばんだ。こんなところでなんて破廉恥なことをしているのだと、羞恥心と共に、イケないことをしているというのに感情が昂り、興奮している自分がいた。

 

 声が廊下に反響するのが恥ずかしく、必死に我慢する。我慢しながら、いっそ大きな声を上げてしまおうかと迷う。だから、彼の頭を掴んで彼にキスをした。

 ここなら遠慮なく声を洩らすことができる。声を洩らして素直に悦びに浸ることができるから。

 

「んふっ……チュッぅっ……ンンはぁぁッッッ!!」

 

 キスだけでも気持ちいいのに、さらに両手で胸を揉まれ、私の身体が快楽に悲鳴を上げる。

 

 その悲鳴が私の口からだけ出るのであればよかった。それなのに、快楽の悲鳴が下の唇から出るなんて……。

 

「あうぅっっ、だめぁ、ぁぁっ……ぁッッ……」

 

 どうして彼と関わると漏らしてしまうのだろう……。

 

 水音が響き渡り、私は羞恥心で涙を流してしまった。

 

「だめぇっ……ぐすっ……見ないでぇ……」

 

 内腿から脚を伝って大量のおしっこが床を濡らしていく。彼はキスを止め、ゆっくりと床へと視線を向けた。

 

 嫌われた……。

 嫌いな男に嫌われたところで何も問題ないはずなのに、どうしてこんなにも私は動揺しているのだろう。

 

「大丈夫。こんなことで嫌いになんてならないから」

「えっ?」

「愛梨ちゃんは恥ずかしいかもしれないけど、俺は嬉しいよ」

「どういう、こと?」

 

 彼が発した言葉は私が想像していたものとは違っていた。

 

 彼は微笑むとその場にしゃがみ込み、私の漏らした液体の上に膝を付けた。

 

「凄いにおい」

「あぅぅっ……やめてっ、やめっ、なさい……」

「おしっこ漏らした愛梨ちゃんのおマンコ、拭いてあげないとね」

「えっっ!?」

 

 彼は予想外の行動に出る。

 

「ちょっと、待ちなさいっっ!」

 

 彼はスカートの中に潜り込むと、湿った内腿や私の恥ずかしいところに顔を近づけてきた。

 慌てて追い出そうとするけど、彼は私の内腿を掴むと、脚を左右に開かせてその真ん中へと口を付けた。

 

「ンンンンぁあッッッ!!!!」

 

 痺れるような快感。官能的な悦楽が走った。

 

 スカートの中に潜る彼の頭に抱きつき、身体をくの字に倒す。

 

「しょっぱい味がする」

「うる、さぃ、いわ、なくていいわよ……」

 

 こもった声が聞こえてきた。

 

 中からぺちゃぺちゃと音が聞こえてきて、そのたびに振動魔法を浴びたような痺れが身体を襲う。

 

「きもちぃ……わるぃ」

 

 今私は何を言おうとしたのだろう。気持ちいい? そんなはずはない。

 

「ンンぁッッッ、ンンンンッッ……」

 

 反射的に声を洩らす。

 快感だけでなく、くすぐったさも伴っている。だから耐えられない。下腹部が疼き、蜜が溢れ出てくるのがわかる。

 

 舌が私の中に入ってきた。

 

 私の口の中を犯したあの滑らかで太い舌が……。

 

「あれれ、舐めても舐めても中からどんどん汁が溢れてくるけど、どうしたのかな?」

「うる、さいっ、知らないわよ……んんっ」

 

 彼の頭を太腿で挟み込む。

 

 汗ばみ、胸を喘がせている私に比べて、彼は落ち着いていた。

 荒い息を吐きながら、彼の名前を呼ぶが、私の呼びかけを無視して身体を弄ぶ。

 

「ここ、コリコリしてきたね。舐めてあげると愛梨ちゃんの気持ちよさが舌に伝わってくる。どこを触ったら喜ぶかわかってきたよ」

 

 自分でもそんなところまで弄ったことはない。それなのに、彼は的確に私の弱いところを突いてきて、快感を走らせてきた。

 

「あぁあぁああああッッッッ!!」

 

 もっと触ってほしい、舐めてほしいと思えば思うほど彼はその場所を舐めてくれた。生ぬるい舌の優しい動きに、ほんのりとお酒の匂いで酔った時のような快感が広がっていく。

 

「んんっ、いいっ……好き……そこ……す、きっ」

 

 巧みな舌戯に心地よすぎて泣きたくなる。

 感情がおかしくなってきたのかもしれない。気持ちよすぎて泣きたくなってくるなんてどうかしてる。

 

 でも、お漏らししたのにここまでしてくれる人はいったいどれだけいるだろう。ここまで舌が気持ちいい人はどれだけいるのかしらね。

 

「んんんぁっ」

 

 穴とは違った小水を排泄するための目立たない器官を舐められ、そこから全身の神経へと快感が駆け抜けていく。そこを愛でられるだけで法悦が訪れてくる。それほど彼の舌戯が巧ということ。

 

 念入りに愛撫され、なぜか仔猫になって毛繕いでもされているような感覚になる。

 

 もうどうなってもいい……。

 

 何をされてもいい……。

 

 これだけ丁寧に恥ずかしい器官に舌戯を施されていると羞恥も薄れ、いつまでも甘美な中で漂っていたいとしか考えられなくなってくる。

 

 だから七草真由美もあんなに乱れていたのか。

 

 今になってようやく彼女があそこまで乱れていた理由が分かった気がする。これはイケナイ。悪魔の所業だ。

 

 ようやく彼の舌が離れた。

 

「ハァっ……ハァッ……」

 

 スカートの中から顔を出すと、彼の唇は光沢を帯びていて満悦の笑みを向けてきた。

 

「どう、したのかしら?」

 

 もしかしてここで彼に押し倒されるの? そう思うと更に下の口から蜜が溢れてくる感覚に襲われる。

 

 しかし彼は残酷な言葉を投げかけてきた。

 

「そろそろ雫ちゃんの試合が始まるし、俺は行くよ」

「えっ?」

「大丈夫だよ。絶対に愛梨ちゃんが漏らしたことは誰にも言わないし、俺とキスしたことも内緒にするから」

「いえ、そうじゃなくて……」

「あぁ、ほい……これで床も綺麗になった」

 

 彼は私の気持ちに気づいているはずなのに、最低な人。

 

「まって……ごめんなさい。謝るから」

「ん? どうしたの?」

「アナタの恋人を悪く言ったこと、謝るから……ねぇ?」

 

 最後までして。そう呟くと、彼は優しく微笑みかけてきた。

 

「ふふっ、俺のこと嫌いだったんじゃないの?」

「それは……」

 

 彼の女好きは嫌い。けれど、複数の女性と肉体関係を結ぶ理由は分かったような気がする。

 

「俺は両想いじゃないとエッチしないから。愛梨ちゃんが俺の事を好きだと言ってくれたらしてあげるよ」

「……っ」

「でも愛梨ちゃんは俺の事嫌いなんでしょ?」

「……意地悪な人」

 

 ははは、と爽やかに笑う。さっきまで私の恥ずかしいところを舐めていた人とは思えないほど清々しい笑みを浮かべている。

 

「それに俺はイジメるのが好きだから、好きな人が悶々としてる姿を見ると興奮するんだよね」

「ンッ」

 

 ギュっ、と身体を抱きしめられ、耳元で呟かれるだけで下腹部が疼く。

 

「バイバイ」

「あっ……」

 

 手を伸ばすが、彼の身体に届くことはなかった。

 

 一人、残った私はその場にへたり込み、身体の火照りを感じながらいつまでも彼の背中を見つめ続けた。

 




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6人目は愛梨なんでしょうか、それとも……。

【次回の投稿は3月14日19時予定です】
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