ここを舞台にしたリプレイとか人気だったら島エルフみたいなのが出たのかもなぁと妄想。
知名度というのは便利なものであると同時に厄介なものでもある。
影響を与えると同時にこちらの動きを全部見られるからだ。
私たちのアザーン諸島来訪が『海賊退治』と『虹の谷の遺跡発掘』という目的である事はザラスタの街にあっさりと広がり、それは海賊である『赤い血の兄弟団』にも伝わっているだろう。
「で、ここからどうするの?」
『海蛇の牙』亭の食堂でジェニが尋ねる。
彼女にとって私達との冒険は慣れていないから大部分の興味と若干の警戒が顔に映る。
なお、私を肉便器として使った男たちや、この酒場の客にもきっと海賊のスパイが居るのだろう。
「まぁ、向こうの出方を見つつ、こっちは淡々と手を打つわよ」
「ずいぶんと呑気ね」
とは同じ席のナイトウインドの言葉。続けてナイトシェードが口を開く。
「私達が言うのもなんだけど、あんたら自身がお宝の塊だからね。
確実に奪いに来るでしょうよ」
「ですよねー」
適当な相槌をうつのは、エルフのスイートゲイル。
レイアとイジェルファは耳を傾けつつも朝食をパクパク。
女だけの朝食というのは、ギスギスしつつも和気あいあいとするからなかなか面白い。
なお、男たちは男たちで盛り上がっていた。
「向こうからすれば、ここのお宝とあんたらのお宝両方とも掻っ攫いたい。
けど、海賊といえども両方を掻っ攫えると考えるほど馬鹿じゃない」
「で、どちらかを狙って戦力を集中させる」
ナイトシェードの声にナイトウインドの声が重なる。
それ、君たち姉妹のたくらみも入っているのではという私の邪推は口にすることはなかった。
「なら、どっちを狙う?」
スイートゲイルが尋ねると、姉妹は仲良く首をかしげる。
「正直わかんないのよね。
彼女がどれだけのお宝を持っているか見えないから、手をだしにくいし」
「これを放置して虹の谷に行ったとしても、高導師のあんたの事だからまず出し抜かれる。
結局、あんたの動きを見て向こうも判断するしかないんだろうね」
ついにこれ呼ばわりである。別に気にしていないが。
私は食事を食べ終わり、とてもいい笑顔で言い切った。
「じゃあ、ご期待にお答えしましょう」
と。
まずは海賊対策である。
という訳で、まずは人間を確保するところから始める。
「この島の奴隷を買いたいのだけど?」
ダーヴィスの船に訪問してのお願いにダーヴィスも鼻白む。
海賊退治でもなく、遺跡発掘でもなく、奴隷を買うときたのだから話が見えないのだろう。
「海賊対策の為に、自前の艦隊を確保したいんですよ」
船員は今も昔も過酷な職業で、それ故に成り手が居ない船員を奴隷で賄っていたという歴史があったりする。
彼らが使われたのはガレー船の漕ぎ手なのだが、その歴史は帆船になったこの世界でも残っている。
また、生まれた地を出るために自ら奴隷になって自分を買い直す為に働いている人間も居たりする。
また、港湾労働者は低賃金雇用の場であり、奴隷の働き手が必要というの背景もある。
当然、男がそれだけ集まれば女たちも集まる訳で、そういう奴隷市場はこの時期の港町のある意味必然の闇と言えよう。
「はぁ。おっしゃる事は理解しました。
それで、如何ほどご入用で?」
商人として尋ねたダーヴィスに私は金の延べ棒をテーブルに置いて一言。
「全員。
男女種族問わず全て買い取ります」
売買奴隷 2700人
人間男子 829人
人間女子 540人
ハーフエルフ男子 861人
ハーフエルフ女子 299人
エルフ男子 68人
エルフ女子 103人
想定していなかったと言えば嘘になるが、思った以上に多い。
まとめて一括お買い上げなので、一人1万ガメルで2700万ガメル。
アンバーローブ一着で賄えない値段だが、とりあえずの担保という事で一着置いてゆく。
少なくとも、これで海賊連中にはこれだけの財があるという見せつけにはなっただろう。
「とりあえずの担保はこれでいいとして、代金は船で支払いたいと思うのですがいかがです?」
「船?
代金を船で持ってくるというのですか?」
「いいえ。船そのものを代金にしたいと言っているのです。
オラン周辺の海賊退治で、船を数隻入手したのですが、船員まで手が回らず。
今回の奴隷購入は、その船員確保も目的の一つなんですよ」
まぁ、この連中のかなりの部分が『赤い血の兄弟団』と繋がっている可能性があるのは分かっているのだが、とりあえず暴れないのならばそれに越したことはない。
それを踏まえても、オランで浮いているだけの船数隻が使えるならばそれに越したことはないし、海賊じゃないのならばこの船を使ってアノスの聖騎士連中を連れてくる事も可能だ。
「それにしてもハーフエルフ多くない?」
私の感想にダーヴィスの視線が少しそれた。
出てきた感想はおぞましいものだった。
「船員の不足はゼラニウム殿もご存じかと思いますが、人より長寿でかつ長生きする船員を多数雇えるとしたら……」
「ああ。ハーフエルフ生産の牧場を営んでいる方がいらっしゃると?」
「私はやっていませんが、評議員の中に昨今の海賊の跳梁跋扈で船員不足が話題に……」
海賊の浸食は一朝一夕でできたものではなく、かなり時間をかけて行われたものであると嫌でも察した私は、なんとも言えない顔でこの話を打ち切る事にした。
エルフ男子と正気があったエルフ女子82人は、エルフの集落があるマフォロ島に送り返す事にしたが、壊れたエルフ女子21人残りは全部私が抱える事になり、女子たちの仕事に『牧場』が追加されることになる。
サンプルキャラクターを見てえらくハーフエルフが多く、その背景が悲恋に終わっているのでついつい。
ノリはねろましん先生の豊穣の隷属エルフ。
なお、このパソコンだと『北条』の隷属エルフになるから困る。
丹沢山系あたりに住んでいたんだろうな……