※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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この戦いが本当に得意だったのがパブリーズである。


アザーン諸島攻略戦 その10

 正面から戦えば負ける事はほぼないが、それ以外の盤面をひっくり返されてゆく。

 アザーン諸島の戦いはそういう状況である。

 

「あいつら逃がしてよかったの?」

 

 イジェルファが海賊が逃げた方を見ながらぼやくが、私は肩をすくめるしかない。

 ストーンゴーレムの背に乗りながら、私たちは先を急ぐ。

 

「降伏した連中を全員殺していたら日が暮れるわよ。

 で、奴らの言葉が嘘じゃなかったら、殺してもゾンビかスケルトンになってまた襲ってくる。

 だったら、逃がしてしまうしかないじゃない」

 

 そんな事をぼやきながらラグトスの村に到着。

 ここが今回の冒険の拠点となる村なのだが、海賊の奴らが私たちを狙ってくる以上、この村も無事とは考えられない訳で、村長に海賊に襲われた事を伝えると村長としても村防衛の依頼を出すのは仕方ないが、ついでとばかりに襲ってくるハーピィ討伐も依頼するのはどうかと思うが。

 なお、依頼料は6000ガメル。

 この村の経済規模だと出せるだけ出したんだろうなぁと察するが、依頼である以上受け取らない方が不義理になる。

 という訳で、依頼をぶん投げる事にした。

 

 

 

「たしかに聖騎士様の紹介だから受けましたけど、アザーン諸島って聞いていませんけど???」

 

 オランで依頼を受けた冒険者たちをテレポートで連れてきたのである。

 現状のアザーン諸島において、裏切らない冒険者はオランから連れてきた方が早いのだ。

 という訳でこのパーティーの知恵袋らしいセーリン・ボージュの愚痴を彼女の顔を見ない事で聞き流すが、こっちの苦労も察してほしい。

 彼らをアザーン諸島に飛ばす為に、何度か往復したのだ。

 砕けた魔晶石は3個。既にこの時点で大赤字である。

 

「という訳で、この村の防衛をお願いします。

 依頼料は6000ガメル」

 

 既に大赤字なので中抜きせずにそのまま渡す事に。

 こういう時には依頼主の村長の前で行うのがポイント。

 まぁ、村長の視線は村周辺に柵を作り出しているウッドゴーレム6体に呆然としているのだが。

 こいつらの操作をセーリン・ボージュに押し付けて拠点防衛を任せないと、帰ってみたら村が滅んでいましたなんてのがあるのがこのシナリオである。

 

「こっちも依頼である以上全力を尽くす。

 聖戦士様にも頼まれたが、何で彼が来ないのだ?」

 

 アシュレイ・フィードの何気ない一言に眉間にしわをよせて笑顔がひきつる私。

 彼連れて来ると政治が絡むんだよ。政治が。

 既にオランの色がついている私たちに、アノスの聖戦士が来たら大国のアザーン諸島侵攻なんて流言が流されて、海賊側に大義が行きかねないのだ。

 ファンドリアよろしく表に出ておらず、ザラスタ・アザニア・ベノールの三国を裏から操っている形になっているから立ち回りが本当に大事になる。

 それを聖戦士タイデグリーも分かっているからこそ、彼も留まる選択をしたのだろう。

 彼が動く場合、形はどうであれアノスが動くという事になるから私たち冒険者という便利な存在が使われる訳で。

 

「こちらも、ナイトウインドとダバールを残します。

 ハーピィの討伐の間、防衛して頂けたら、その後海賊退治を行いますので」

 

「しょうがねぇなぁ」

「私たちの実力じゃ無理よ。見たでしょう?」

 

 この二人は流れでついてきたのもあって、こちらからの別依頼という形で残ってもらったのである。

 本来ならば、この手の族の討伐はその上位組織である国家の仕事である。

 だが、おそらくザラスタの領土だと思うラグトスの村が助けを求めても応じるかというと怪しい所で、ザラスタの私兵は大商人の紐付きだから敵対する大商人側の私兵によって村が襲われるなんてケースも考えられるのだ。

 もちろん、その大商人が海賊と繋がっている可能性も忘れてはいけない。

 なお、姉のナイトシェードの方はついてくる気満々だったりする。

 

「とりあえずはわかった。

 で、お主らが帰ってこなかった場合はどうするんだ?」

 

 尋ねてきたブルーダ・グンツに宝石の入った革袋を投げる。

 袋を開けた彼と覗き込んだペペとホロウが絶句するがもはやはした金である。

 

「最悪、それを使って船で帰って頂戴。

 そして、聖戦士タイデグリーにこの島で起こっている事を伝えてくれるならば、それ以上は求めません」

 

 そんな訳でラグトスの村に泊まらずにそのまま出発。

 これは海賊と距離を離しておきたいのと、ラグトスの村が攻められたら引き返して挟み撃ちにする為である。

 

「師匠。

 海賊の奴らは攻めて来るのでしょうか?」

 

 カルダモンの質問に私は少し疑問形で返事をする。

 確証がない以上、最悪手を想定して打つしかない。

 

「攻めて来たらこっちとしては嬉しいんだけど、まず攻めてこないでしょうね。

 ああやって、こちらの戦力を分散させるのが目的なのよ。

 かといって、私たちが無視するならあの村を襲っていたでしょうね」

 

 数の怖さはここにある。

 私たちが居ない所に手が伸ばせるのだ。

 だからこそ、こっちも数で押し返す。これはそういうゲームになっていた。

 

「海賊である以上、船から遠くに行くのは嫌でしょう。

 あの人数はザラスタの港から近かったというのがあるわ。

 次は少人数とアンデッドで襲ってくるでしょうね」

 

 向こうはこちらを出し抜きたいと思いつつ、私たちが持つお宝を頂戴したい。

 両天秤をかけているのが彼らに付け込む隙である。

 

「これじゃない?

 『黒い獣』って」

 

 イジェルファの声でそっちに行ってみると、四つ足獣の形をした岩があった。

 とりあえず、ここでキャンプをして村の様子を探る事にしたのが、どうやら襲撃は発生しなかった。




アシュレイ・フィード
 ファイター2 プリースト2 (ファリス) セージ1
 
セーリン・ボージュ
 ソーサラー2 セージ3

ペペ
 シーフ3 セージ1

ホロウ
 シャーマン2 シーフ1 レンジャー1

ブルーダ・グンツ
 ファイター3 プリースト2 (マイリ―) レンジャー1
 クラフトマン5 (木工)


成長済
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