「えへへ。どうです?ゼラ姐さんとおそろいです♪」
そんなことを言いながらお腹を見せるマティアラとリーマとシャミナ。
下腹部に私と同じ大地母神の紋章を彫り、それを見せたいがために、この三人ビキニアーマーにマントという装備に変更している。
まぁ、私も同じ装備にしたのだが。
防御?
高品質のラージシールドを持つことになりますが。何か?
まぁ、冒険時はクロースアーマーやレザーアーマーをつける事になるが。
このあたりは馬車で着替えができるというのも大きい。
面子が面子なだけに、ほぼ旅と言うか移動娼館というのは言ってはいけない。
「似合っているわよ。
けど、旅の準備はできているの?」
私の指摘に視線を一様に反らす三人。
完全に私任せらしい。
「だって、最近生活が楽しくて」
「そうなんです。こんなに四人で居るのが楽しいって知らなかったんです」
そんなことを笑って言うマティアラとリーマの二人。
これまで信頼できるのは姉妹二人のみだった彼女たちの世界は私を通して広がったのだろう。
そして、私に買われたシャミナも二人の影響で良い方向に変わったらしい。
三人でわいわい騒ぐのをよく見る。
「まぁ、その気持ちわからないではないけどね。
一応ターシャスの森に行くのでしょう?」
私の確認に、二人は首を縦に振った。
「はい。
今はまだ人間社会から逃げ出したいとは考えていないのだけど、エルフの森は見ておきたいなと」
「私もです。
もし、私たちがエルフの森で生まれたならば、それはついつい考えてしまっていたから、けじめとして行きたいなと思っているのは今も変わっていません」
「じゃあ、何で準備をしないのよ?」
私の少しオコ気味の質問に答えたのはシャミナだった。
私の顔をまじまじと見て、その答えを告げた。
「そもそも、体を売って旅をしていた二人がする準備って何ですか?」
しまった。
それは盲点だった。
ロマールからターシャスの森までのルートは一応二つある。
基本はロマールから北上してファンドリアを抜けてオーファンに入るのだが、オーファンとファンドリアは建国経緯に国家方針が絡んで仲がとても良くないというかぶっちゃけ悪い。
騎士団同士の小競り合いも起こっていると聞くので、危ないなとは思っている。
もう一つはレイドを通って西部諸国を迂回するルートで、ガルガライス、ザーン、ドレックノール、リファール、ラバン、タイデルからオーファンに入るルートで、このルートを使うと片道で軽く一月はかかってしまうし、ドレックノールを通るのが私的にあまり好きではない。
「今回ルーファスが来れないのは痛いなぁ……」
自然とぼやきが口からこぼれる。
あの遺跡の調査から外れたが、現地経験者としてラダとジーンとルーファスは何かあった時の為に残ってほしいという事を盗賊ギルドから言われているのだ。
というか、私も声をかけられたのだが、丁重にお断りしている。
多分、ここで残ってマティアラとリーマだけを行かせたら、原作よろしくトラウマな事件が起こるのだろうなと分かっていたし。
「仕方ない。
冒険者を雇うか」
ありがたい事に銭はあるし作れる。
という事で、冒険者を雇う事にした。
『依頼 ターシャスの森までの護衛
報酬 往復込みで一人頭1000ガメル
臨時パーティでも問題なし』
こんな感じで募集をかけたのだが、その面接は冒険者の宿で行う事になった。
なお、先のマントにビキニアーマーなので、男を漁りに来た娼婦に見えなくもというか、まんまなのだが。ごほん。
「集まってくれてありがとう。
私が雇い主のゼラニウムよ。
ゼラって呼んで頂戴」
「もしかして『便女冒険者』のゼラか?」
明らかに一番できそうな男がわざと挑発する。
その通りなのでわざとマントをはだけて肢体を晒しつつ一言。
「その通りよ。もしかして、私を使った?」
「知ってたら使っていたさ。
ディラン。見ての通り傭兵団の頭をやっている。
俺を雇えば、他の連中なんて雇わなくていいぞ」
油断ならない笑みを浮かべるので、こっちは微笑でお返し。
あれ、確か盗賊団のリーダーだったな。
これは、後で仲間に私たちを襲わせる気だろうか?
そんな事を考えながら次の挨拶を受ける。
今度はオーファンから来たパーティらしい。
「ヨツと呼んでくれ。オーファン生まれの狩人だ。
こいつはミック。ソーサラーで、隣の奴はサロウ。
両方ともハーフエルフで、オーファンに帰る道中まで依頼を受けたいと思っている。
片道なので、依頼は半額でいい」
「魔術師ギルドからあなたの話は聞いています。
お手柔らかに」
「私たちもハーフエルフです。
依頼では、ハーフエルフ姉妹の里帰りを支援するとか。
色々話ができればと」
ヨツ・ミック・サロウは立ち上がってそれぞれ手を差し出す。
握手をしながら感触を探ると断られても仕方ないという諦めが何となく見える。
ディランがそれだけ別格なのだろうな。
とはいえ、この旅は迫害を受けたマティアラとリーマの里帰りが目的である。
ミックとサロウの話は二人にきっと良い経験となるだろう。
雇うならば彼らだ。
「わしの名前はバジャー。
見ての通りドワーフで、ブラキの神を信仰しておる。
故郷がグートンでな。
あのあたりは知っているので役に立つはずだ」
今度はドワーフが立ち上がる。
万一ディランたちが襲ってきたら、明らかに回復役が足りない。
彼みたいな神官は大歓迎である。
「私はスィートゲイル。
見ての通りエルフよ。
生まれがターシャスの森でね。
なんなら、集落まで送ってあげてもいいわ」
次はエルフだった。
都合の良い事に、ターシャスの森生まれときたもんだ。
彼女は雇おうと決める。
そして、最後の一人は杖を片手にこう言ったのである。
「はじめまして!
貴方が生きた古代遺跡を発見したゼラさんですね!!
カルダモンと言います!
話を聞かせてください!!」
結局、明らかに罠っぽいディラン以外は全部雇う事にした。
ディランの襲撃を予想して盾にでもなればと。
カルダモンは完全におまけで断る理由が無かったのが理由なんてのは彼の為に言わないでおこう。
出発当日。
パーティーが大きくなり過ぎたので、一台の馬車では足りず二台の馬車で行く事にする。
一つは幌付きで前の遺跡探索で使った奴であり、荷物だけでなく簡易寝台も用意しておいた。
やりたくなったらできるようにという配慮と、女所帯の着替え用にという奴だ。
あと一台は雇った6人用の馬車で、こっちはオーファンに入ったら売ってもいいかと考えている。
また、こっちの馬車にはロマールで仕入れた商品を用意している。
日用品や小物や薬品などで、大儲けできないが、大損もない品々を用意した。
「さてと、出発しますか」
私が声を出して出発しようとしたら、ある意味当然の声が耳に届いた。
「おーい!待ってくれ!!
置いてくなんてひどいじゃないか!」
前の冒険で得た銀の剣を背中に抱えてルーファスが駆けて来る。
一応、確認だけしておこう。
「ルーファス。
あなた。盗賊ギルドに『残れ』って言われなかった?」
「言われたが、ラダとジーンがうまく言いくるめるそうだ。
それに……」
「それに?」
「待っている間に、ゼラたちがどんな冒険をするかと考えると悔しくてな」
「それ、トラブル確定では?」
横で聞いていたシャミナが思わず口を出して私に睨まれる。
慌てて口を押えたシャミナを見て、私は降参した。
「どうせついてくるんでしょう?
さっさと乗った」
こうして、私たちの新しい冒険が始まる。
ここに出てきたキャラクターは『ユニコーンの探索』のサンプルキャラクター及び敵キャラクターである。
キャラの登場年より若い設定なのでレベルもそれに合わせて弱体化させている事もある。
ヨツ
レンジャー2 ファイター1 セージ1
ミック
ソーサラー1 ファイター1 レンジャー1 セージ1
サロウ
シャーマン2
バジャー
プリースト(ブラキ)2 クラフトマン5 (ウェポンスミス)
スィートゲイル
シャーマン1 シーフ1
カルダモン
セージ1 ソーサラー1