※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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緑の島の戦い その4

 ハクラ島からマフォロ島へは海流に乗れたみたいでその日の夜にはマフォロ島の入り江に到着する。

 遠浅の入り江なので、私たちの船はゴーレムたちに持ち上げてもらって、砂浜に上げる事に。

 逃げる事が難しくなるが、同時に襲われても持ち出す事が出来ない事を意味する。

 カレー船2隻は入り江奥に停泊しており、逃げるなら構わないという事を伝えている。

 まぁ、裏切った後の報復が怖いのと、私たち肉便器の奉仕に逃げられなくなりつつあるという所なのだろうが。

 ここでエルフたちをそのまま解放すると色々差しさわりが出かねないので、数人を使者という形で開放する事に。

 エルフ男子68人とエルフ女子82人というのはそれだけの数である。

 

「少し情報を集めたいので、知り合いのグラスランナーに接触してもいいだろうか?」

「いいですよ。できれば薬草の購入もお願いします。

 代金は出しますので」

 

 上陸後、案内役のサニードがそう言ってきたので、護衛にナイトウインド・ナイトシェードの姉妹とダバール、マーティー、カインズをつけて送り出す。

 入り江近くにはグラスランナーたちが生活しており、彼らと薬草商人は取引をしていたのである。

 そこで、この島の現状を私たちは知る事になる。

 

「……ケンタウロスたちの間で戦が始まるかもしれないって?」

 

 知っているのだが、知らないふりというのも大事である。

 私の怪訝な表情に騙されてくれたサニードは、困った顔をしつつ情報を提示してゆく。

 

「この島のケンタウロスたちは、『斑尾』、『緑の風』、『黒いたてがみ』、『岩を割る蹄』、『夢見の瞳』の五部族に分かれているのですが、どうも諍いがあったらしくて、10日後に戦が始まると。

 その前に危ない所から離れるようにとグラスランナーたちに『斑尾』族が警告したみたいで」

 

 見事な厄介事であるが、実はこれに絡む必要はあまりなかったりする。

 このシナリオで大事なのは、ケンタウロスたちが守っていた疾風の剣の方であり、

ケンタウロスたちの去就はあまり大事ではない。

 とはいえ、海賊退治に彼らの力は大きい訳で。

 10日後という時間的制約もあるので、知らないふりをしつつ介入を決意する事にした。

 

 まず、『斑尾』族の紹介で『緑の風』族を教えてもらい、『緑の風』族の紹介で『黒いたてがみ』族を教えてもらう。

 入り江はラヴェルナとローンダミス、ナイトウインド・ナイトシェードの姉妹とダバール、マーティー、カインズに任せて、私とルーファス、シャミナとクリシィとジェニで『黒いたてがみ』族の元へ。

 『黒いたてがみ』族は強い勇者を好む族で、こういう時のルーファスの見事な事と言ったら。

 族一番の勇者相手に一騎打ちで見事に勝ち、友人としてもてなされたのだった。

 

「ご友人。起きていらっしゃいますか?」

 

 する事もせずに、寝たふりをして待つ事しばし。

 そんな声と共に私たちの居るテントに入ってきたのは、族長の娘の二ムである。

 

「実は、冒険者の皆様にお願いしたい事がありまして……」

 

 そうやって、私たちはこの島でケンタウロスたちが争っている理由と疾風の剣について知る事ができたのである。

 

「ねぇ。その疾風の剣ってどんな剣なの?」

 

「はい。その昔、古代魔術王国のサイロスという魔術師が作り出した剣で……」

 

 ありがとう。おかげで『ロケーション』の魔法が使えるよ。

 言わなかったのは、この疾風の剣が底なしのほら穴にあるのだが、その近くは敵対している『岩を割る蹄』族の縄張りだからで、下手に言ったら奴らが奪ったと勘違いして開戦必死だからである。

 ここまで、既に4日。

 最短攻略じゃなければ、これ絶対間に合わないよなぁと思ったのは内緒である。

 

 

 

 テレポートで入り江に戻ると、ちょっとした騒動が持ち上がっていた。

 一隻小舟が増えており、後から着た薬草商人で、聞くとザラスタで疫病が発生してその治癒の為にこの島の薬草を求めに来たはいいものの、彼も発病しており、船団内に病気が広がりつつあったのである。

 レストアヘルスを覚えているシャミナとキュアーディジーズを覚えているジェニが居なかったらどうなっていた事か。

 もちろん、この入り江には数百人の人間が居るので二人で処理するにはきつ過ぎる。

 隔離をしつつ、私とラヴェルナはテレポートでオランに飛び、パダの『魂の泉』に病人をつからせて回復させてテレポートで戻るという荒業を。

 つかる・戻る。つかる・戻るで服が着れずに裸でテレポートしまくる私たち二人だが、ちっともエロくないが、なんとかこの島での疫病拡大は食い止められたが、一日ほど時間を浪費してしまった。

 

「ちなみに、その疫病に効く薬草ってのは何なのよ?」

 

 魂の泉のおかげでHPもMPも満タンなのだが、顔に疲労感が残る私に、薬草商人から聞き出した案内役のサニードはその薬草の名前を告げたのである。

 

「この病気、熱病なので体力を消耗するのです。

 薬師たちが効く薬草を探しているのですが、まず患者の体力が無くては薬が効く前に死んでしまいます。

 この島にはジャイアントアントが生息しているのですが、こいつらが出す蜜は滋養強壮に優れて……」

 

 つまり、これから向かうダンジョンでボスである奴らを殺さずに疾風の剣を入手しろという事ですね。わかります。

 

 

 

 

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