※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

120 / 140
帰ってきたドラゴン その2

 飛行船でおよそ三日ほどでタラントに着く。

 そこから、徒歩で五日かけて着いたのがマレルという町である。

 ここにある古代魔術王国の講堂で音楽祭が行われ、その際には各地から吟遊詩人がやってくるのだが、そんな町から半日ほどの所にシャーリラが住んでいた迷宮がある。

 何人か犠牲者が出て冒険者を雇おうかと思っていた所で、彼女の痕跡がぱったりと消えたのだから町の住人からすれば、気味が悪い事この上ない。

 その調査と封印をしに来たと町長に言ったらえらく感謝された。

 一泊して遺跡の前で更に一泊。

 テレポートで他のパーティーの様子を確認する為だ。

 

「おぅ。あんたか。

 依頼は無事に終わらせたぞ!」

 

 アシュレイ・フィードたちの水源調査は無事に終わった。

 水源のウンディーネが困っていたのが理由で、その困っていた理由である水源地近くに住み着いたゴブリンの討伐という実に冒険者らしい依頼だったが、移動に時間がかかり依頼が終わってここに戻ってきたのは2日前という。

 

「よかったわ。次にオランの魔術ギルドの依頼があるんだけど?」

 

「二日前に依頼を終わらせたのに?」

 

 私の誘いにセーリン・ボージュが悲鳴をあげる。

 冒険者とて毎日冒険をしている訳ではないが、二日しか休めないというのは冒険者らしくないともいえる。

 金が無くなるまで自堕落に暮らし、金が無くなったら依頼をというのが多くの冒険者というものである。

 じっと聞いていたブルーダ・グンツが低い声で確認をする。

 

「つまり、この先はそれぐらい厳しいと?」

 

「ええ。なんなら、その依頼を受けてそのままここに戻らなくてもいいわ」

 

 最後に待っているのヴァンパイアだよと言える訳もなく。

 ペペがあまり考えずに茶化す。

 

「じゃあ、いいんじゃない?

 船飽きちゃうし」

 

 かくして、彼らはオランの下水道にて巨体ネズミをはじめとした巨大生物退治をする事になる。

 

 

 

 で、彼らをテレポートで飛ばしたついでに、カルダモンたちの様子を見に。

 オランの賢者の学院に顔を出すと、丁度カルダモンが居たので話を聞くと、幽霊屋敷を根城にしていた盗賊たちを退治したとの事で、次はパダの方に行って力を試すという。

 

「じゃあ、しばらくは戻ってこれそうもないわね」

「ですね。次は20日後に来ていただければと」

 

 アシュレイたちより長く付き合いがあるカルダモンだからこそ、信用するとしよう。

 カルダモンが私に尋ねる。

 

「で、師匠の方はどんな感じですか?」

「遺跡の前に着いた所。移動がやっぱり大変よね」

「テレポートでアレクラスト大陸を飛び回っているお方の言葉とは思えませんが」

「……」

 

 

 

 戻って一休みして迷宮に。

 シャーリアは既に亡く、迷宮のみが生きているというのが色々感慨深いものを思わせる。

 

「開いたわ」

 

 クリシィの声で隊列を整える。

 改めてメンバーは以下の通り。

 

 

ゼラ

ルーファス

 

シャミナ

 シャーマン6 シーフ1 コーティザン5

 

クリシィ

 シーフ7 バード4 ダンサー5 フォーチュンテラー1 コーティサン4

 

ジェニ

 ファイター・プリースト(マイリ―)7

 

レイア

 ファイター6 レンジャー1 コーティザン1

 

イジェルファ

 ファイター5 レンジャー2 コーティザン1

 

マイシリカ

 ソーサラー6 セージ7

 

ラヴェルナ

 ソーサラー・セージ7

 

ローンダミス

 ファイター8 レンジャー5 セージ3

 

アクシリア

 シャーマン6 ホーア5

 

 

 

 クリシィに全幅の信頼を置いているが、これだけパーティーが大きくなると、シーフ不足が露呈する。

 別行動ができないのだ。

 目の前にタイルが広がっているので、ドアを開けたまま離れてウッドゴーレムを突っ込ませるとタイルが開いて下に落ちてゆくウッドゴーレムが。

 

「解除は無理っぽいけど、白いタイルを踏んでゆけば問題は無いわ」

 

 そんな感じでダンジョンを攻略してゆく。

 冷凍光線も『ホワイト・マーブル』と呼ばれる硬直ガスも無事に解除され、スケルトン・ウォリアーやライオンゾンビ、ゾンビ・スカルプチャーも敵ではなく、遺跡の調査は2日ほどかかった。

 めぼしい資料はオランの賢者の学院に送り、迷宮の封印処理を進める。

 

「で、これどうするの?」

 

 マイシリカが尋ねる先には裸のフレッシュゴーレムが一体。

 古代魔術王国が精緻を極めた美しい裸の女性型でコマンド・ゴーレムで動いたのでメイドとして使う事に。

 

「結局、ここまで精緻な体を作る事ができたのに、魂を映せなかったのよね……」

 

 私は感慨深く呟く。

 魂の移設は灰色の魔女カーラが行ったような方法もあるが、ついに魂そのものを直接移設する事はできなかったのである。

 

「開いた!」

 

 クリシィが宝箱を開けて、そこにあった手鏡を私に差し出す。

 興味津々でラヴェルナが尋ねてくる。

 

「ゼラ高導師。これは何なのですか?」

 

「思い出の鏡。見た事があるものを念じるとその映像が映るのだけど……こんな使い方があるのよ」

 

 そう言って私は太陽を念じると鏡から太陽光があふれて部屋を照らす。

 そろそろネタバラシをしてもいいだろう。

 

「こういう使い方ができる訳。

 洞窟や迷宮の奥で待ち構えているバンパイアにはよく効くでしょうね。これ」




アシュレイの依頼 ソードワールドSFC・PCシナリオ100『へドラ現る』

カルダモンの依頼 ソードワールドSFC・PCシナリオ100『幽霊屋敷の秘密』

ゼラたちの居る迷宮 世界の果ての壁『失われたデュエット』
 『思い出の鏡』は冒険者の持ち物だったのだが、この迷宮にある事に改変。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。