※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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黒き魔人の森 その1

 海賊たちはついにザラスタ沖の小島の基地から撤退していった。

 それを確認した上で彼らの秘密基地を占拠する為に攻め込む。

 

戦力は以下のとおり

 

 ガレアス船 1隻 (私たちの船)

 ガレー船  9隻 (オラン・アノス連合艦隊)

 

 ザラスタの船は参加しなかったというよりさせなかった。

 海賊が居なくなったをチャンスとばかりに大陸へ向けて船を出したからである。

 海賊に勝ってもザラスタの商人たちが破産したら本末転倒である。

 かくして、私たちは彼らの秘密基地を簡単に占拠できなかった。

 理由は海賊たちの置き土産。ゾンビである。

 

「こいつら、どれだけの人間を殺していたんだ!?」

 

 ルーファスがぼやくほど湧いて出るゾンビゾンビゾンビ。

 もちろん男だけでなく、女子供までいるから気分が悪い。

 私やジェニ、グリーナとミレニアだけでなくマーティーやアシュレイ・フィード、ブルーダ・グンツまで総出でターンアンデッドやホーリーウェポンをかけまくる。

 それだけならまだ良かったのだが……

 

「ゴブリンたちだ!」

 

「ゴブリンシャーマンやゴブリンロードもいるぞ!!」

 

 こういう時に使い捨てができるゴブリンたちを置いて行ったのだろう。

 残った四隻のガレオン船から湧いて出る彼らを掃討し終えるのに3日もかかる事になった。

 

「しっかり井戸に毒が入れられているみたいですね」

「精霊使いー!水の浄化を頼む!!」

「ゾンビとゴブリンはしっかり焼いてしまえ。

 海に落ちたやつもできる限り始末しろ!!」

「船が使えるかどうか確認しろ!

 財宝は山分けだからな!!」

 

 オラン・アノスの合同艦隊に乗っていた冒険者たちが後始末に奔走する中、私は状況確認の為にシャミナとナイトウインドとナイトシェードを連れて基地の奥の部屋へ。

 私以外の3人がシーフ持ちという事もあって、罠とかは3人に任せて目的の部屋らしき場所に着く。

 

「何で海賊の奴ら逃がしたんですか?

 ここで潰してしまえばよかったのに?」

 

「そうですよ。

 ゾンビとゴブリンはうざかったけど、こちらは疲れたのと時間がかかったのぐらいで結局こうやって落とせたし」

 

 ナイトウインドとナイトシェードの質問に私はあっさりと答える。

 その目的の部屋は死の導師シュバードの部屋で、見事なまでに空っぽだった。

 

「あれだけ暴れまわった海賊の本拠地はここじゃないからよ。

 それに、海賊を潰すよりもザラスタの交易が復活しないとザラスタの評議会が海賊側についたら私たち活動できなくなるんだから」

 

 海賊の本拠地であるワシリオ島直撃も考えなかったと言えばウソになる。

 だが、海賊たちが裏で暗躍したアザーン諸島諸国を放置したままだとどんな悪影響が出るか分からないのだ。

 たとえば、復活する為の邪な土を隠されて復活したバンパイヤが虹の谷のクリスタルドゥームを襲ったらその時点で今までの苦労は水の泡となる訳で。

 

「ゼラ姐さま。ここ。何か書いています!」

 

 シャミナが空の部屋の壁の隅っこに書かれた下位古代語を見つける。

 置き手紙だろうと私はその文字を読む。

 

『貴方の知識を頂きたい。

 黒き魔人の森にて待つ』

 

 どこかで聞いた事あるな……黒き魔人の森……

 

 

 

 この島は一日ごとにドラゴンのアダマスに偵察させていた。

 その為、アダマスが気づかない場所にその黒き魔人の森があるのだろう。

 そんな訳で、後始末はオラン・アノス連合艦隊の冒険者たちに任せて私たちはザラスタに帰還して豪商のダーヴィスに話を聞くとあっさりと場所を教えてくれた。

 

「ああ。黒き魔人の森ですか?

 虹の谷の更に南のアザニア王国にそのような場所があったはずです。

 蛮族やリザードマンの巣があるとかで、王国側も手を出せないとか」

 

 なるほど。

 私はワシリオ島へ逃れると思って南東方向を警戒していたのだが、ガレー船やガレアス船は風の影響を気にしなくていいから西回り航路で逃れたのか。

 同時に嫌な予感が頭をよぎる。

 

「多分、海賊の奴ら、妖魔繁殖の牧場であいつらを育成しているわ」

 

 自分の言った言葉だが、この黒き魔人の森に妖魔繁殖の牧場があるのだろう。

 しかし、何だろうな……この言葉どこかで聞いたような……

 

「あ!?」

 

「どうなさいました?

 ゼラ高導師?」

 

「お気になさらず。申し訳ございませんが急に用事を思い出しましたので失礼を……」

 

 そして私はテレポートでカゾフに飛んだのである。

 カゾフのラーダ神殿の神官長ラダとジーンの所へ。

 あっさりとその名前が出てきた。

 ラダとジーンは私の知りたいことをおよそ半日後に調べて教えてくれたのである。

 

「レーナン?

 たしか、ライトン師の弟子だったが堕落して色々なものを闇市場に流していたらしい。

 それがバレて破門されたそうだが、こっちに来たって事は多分海賊やダークエルフとも繋がっていたんだろうな」

 

 

「金が回らなくなったレーナンは、ライトン師が亡くなった時の遺産分けに潜り込んで、遺産の一部を持ち逃げしたとかで騒ぎになったそうよ。

 最後に奴を見たのはアザーン諸島行の船に乗った所」

 

 そうか。

 あの森アザーン諸島にあったのか……




『黒き魔人の森』 ソードワールドTRPG完全版シナリオ集1 より。
 これ場所特定できず東方語圏なので私の物語ではアザーンにという事で。
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